山形&宮城のご当地麺を食べつくすため、自転車で100kmを走る「グル麺ライド」が3年ぶりに帰ってきた。高畠、南陽、七ヶ宿、白石という4つの地域を代表する「グル麺」へ挑んだレポートをお届けしよう。



3年ぶりに翻ったグル麺ライドの幟3年ぶりに翻ったグル麺ライドの幟
朝、走行上の注意がアナウンスされる朝、走行上の注意がアナウンスされる
サイクリストにとって、麺とはなじみ深いもの。そんなに気取らず食べれるし、お腹にもたまるし、つるりとしていて食べやすい。それでいてローカルな雰囲気も味わえるとあって、身体にも心にも、そして大体は財布にもやさしい存在だ。

今回尋ねたグル麺ライドは、まさに大会名が示す通り、東北のご当地麺を食べつくすという、サイクリストであれば垂涎のイベントだ。ちなみに今年で5回目となる大会だが、コロナ禍により開催されるのは3年ぶり。それでも、メイン会場の高畠町文化センター「まほら」には、多くのサイクリストが集まった。

仙台から来た皆さん。グル麺も2度目、3度目だそうです仙台から来た皆さん。グル麺も2度目、3度目だそうです
AEDを背負って走るサポートライダーAEDを背負って走るサポートライダー この日最年少の参加者。なんと10歳なんだとかこの日最年少の参加者。なんと10歳なんだとか


スタート前に皆さんで一枚。グル麺、制覇するぞ!スタート前に皆さんで一枚。グル麺、制覇するぞ!
雨に覆われた連休だったが、グル麺ライドが開催された3連休の最終日は一転快晴に。気温もそれほど高くなく、まさに最高のサイクリング日和に。朝、メイン会場では少し肌寒いくらいだったけれど、そんなに大きな峠も無いコースなので半袖+ウインドブレーカーくらいあればバッチリ。

300名弱の参加者たちも、久しぶりのグル麺ライドに興奮を隠せないようで、スタートをいまかいまかと待ち構えている。早く麺を食べさせろー!と心の声が聞こえるようだ。かくいう私も久しぶりのグル麺を頭の中で想像しつつ、涎を流しながら取材しているのだけれど(笑)

それでは110kmの旅へスタートそれでは110kmの旅へスタート
秋桜が咲く脇を走っていく秋桜が咲く脇を走っていく
さて、20名ほどのグループごとでウェーブスタートしていく。目指すは高畠町と宮城の白石市を繋ぐ国道113号線。周辺には様々な日本古来の民話が息づくエリアでもあり、またの名を「みちのくおとぎ街道」と呼ばれる、不思議な魅力に溢れたロケーションだ。

県境となる二井宿峠まで緩やかに登っていくことに。いくつか長めのトンネルがあり、普通のロングライドイベントであれば「ライトを点灯して注意して走ってください」という注意喚起くらいで済まされそうなものなのだけれど、グル麺ライドは一味違う。

秋晴れの一日、最高のサイクリング日和です秋晴れの一日、最高のサイクリング日和です 朝はまだ靄がかかっているところも。実は早朝はもっとすごかったんです朝はまだ靄がかかっているところも。実は早朝はもっとすごかったんです


グル麺ライドのすごいところその1。トンネルは片側を自転車専用にしてくれていますグル麺ライドのすごいところその1。トンネルは片側を自転車専用にしてくれています
登りもへこたれず走っていきますよ登りもへこたれず走っていきますよ 峠に向けて仲間と登っていきます峠に向けて仲間と登っていきます


トンネル内の片側車線を自転車専用とし、一般車両は片側交互通行としているのだ。これも別に、過去に事故が起きた結果というわけでもなく、初回大会から一貫してこの対応をしている。はっきり言って、素晴らしい、の一言である。ここまで安心して走れるロングライドイベントは、全国見渡しても少ない。

そんな配慮に感謝しつつ、くるくるペダルを回していくと最初の休憩ポイントに到着。やった、ファースト麺だ!と思ったけれど、こちらは簡易エイド的な位置づけ。とりあえず登りで消費した水分を補給しておく。目当てのグル麺はもう少し先の楽しみだ。

ループ橋を渡り、高度を上げていくループ橋を渡り、高度を上げていく
片側車線規制してもらったトンネルを抜ければ、峠のピークはすぐそこだ片側車線規制してもらったトンネルを抜ければ、峠のピークはすぐそこだ お地蔵さんが見守っているお地蔵さんが見守っている


収穫をまつ田んぼ。秋の風物詩だ収穫をまつ田んぼ。秋の風物詩だ
白石川沿いの下り基調の道を快調に飛ばしていく。昔の街道沿いの宿場町が点々と続く道を行くと、お待ちかねの第1エイドがお出ましだ。

七ヶ宿町の交流拠点として整備された「なないろひろば」に設けられたエイドステーションでふるまわれた第1グル麺は「七ヶ宿蕎麦」!!ここまでの道のり、おいしそうな蕎麦屋がちらちらと視界に入っていたのだ、その実力を一つ見せていただこう……。

エイドではチェックシートを提出エイドではチェックシートを提出 打ち立ての麺が用意されていました打ち立ての麺が用意されていました


ファーストグル麺、七ヶ宿蕎麦ファーストグル麺、七ヶ宿蕎麦
打ち粉が振られた蕎麦がジャンジャン茹でられて、トレーに盛られていく。茹でたてのざる蕎麦は、しっかりとした切り口の太めの麺で、コシのある噛み応えは流石の一言。一帯には蕎麦の香りもふんわり広がるなかで、あっという間にツルリと完食。ごちそうさまでした!!

こうして最初のグル麺をクリア(?)。そのままの勢いで更に西の白石方面へと歩を進めていく。道の駅七ヶ宿を右折し、七ヶ宿湖の南側へ。湖沿いのセオリー通り、反時計周りのルーティングで湖面を眺めつつ次なるエイドへと向かっていく。

七ヶ宿ダムの南側を走っていく七ヶ宿ダムの南側を走っていく
ダムがまじかに見える区間もダムがまじかに見える区間も 七ヶ宿ダムを走っていく七ヶ宿ダムを走っていく


綺麗な湖にテンションも上がる。今日は惜しくも噴水は見れなかった綺麗な湖にテンションも上がる。今日は惜しくも噴水は見れなかった
七ヶ宿ダムには噴水が設置されており、タイミング次第ではダイナミックな景観が楽しめるのだけれど、今回は残念ながらタイミングが合わず。少し後ろ髪をひかれつつ、先へ急いでいく。

第2エイドの材木岩公園は、少し狭くテクニカルな下りの先。材木なのに岩?と疑問に思うかもしれないが、高さ100mにも及ぶ柱状節理によって形作られた断崖絶壁で、その岩肌が材木を並べたように見えることから名付けられたのだという。

確かに、言われてみればその通り。こんな絶景を眺めつつグル麺を頂けるだなんて、文句のつけようもないおもてなしである。そんな材木岩エイドでふるまわれたのは白石名物の「温麺」だ。

こちらが材木岩。たしかに材木に見えますねこちらが材木岩。たしかに材木に見えますね
セカンドグル麺、白石温麵セカンドグル麺、白石温麵
仲間と温麵に舌鼓!仲間と温麵に舌鼓!
温麺、ご存じですか?おんめん、ではなくてうーめん、と読むんですが、なかなか馴染のない存在かもしれない。ぱっと見では太めの素麺、という印象で、実際に頂いてもさっぱりとした味わいは素麺に似ている。だけれども、素麺と比べるとより食べ応えがある印象で、サイクリング中に食べるのであれば温麺のほうが嬉しいかも。

今回は天かすとチャーシューをトッピングされたボリューミーなあったかい麺での提供。ちなみに温麺と書くものの、決して温かい状態で食べないといけないわけではなく、素麺のように冷やして食べてももちろんOKだ。ちなみに、スーパーでも意外に白石温麺は見かけるので、ぜひ試してみてほしい。私はグル麺ライドで食べて以来、家でも結構食べるようになりました(笑)

全4種のうち、ここまでで2つの麺を制覇したグル麺ライド。残る2麺を求めて、後半戦へ出発だ。

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