2022/08/02(火) - 12:22
MTB・W杯は北米ラウンドへ。雨泥の難コンディションでダビ・バレロ(スペイン、BHテンプロカフェUCC)とアレッサンドラ・ケラー(スイス、トムス・マクソン)が共にW杯初優勝。女子U23に出場した小林あかり(弱虫ペダルサイクリングチーム)は20位、川口うらら(日本体育大学)は22位だった。
男子エリート:五輪銅メダルのバレロが混戦を制す
南米ブラジルで開幕したMTBレースの最高峰シリーズ「メルセデスベンツUCI MTBワールドカップ(XCO)」は、ドイツ、チェコ、オーストリア、スイス、そしてアンドラとヨーロッパサーキットを転戦し、2週連続でアメリカとカナダを渡り歩く北米2連戦へ。ウェストバージニア州のスノーリゾートであるスノーシューで第7戦が開催された。
ヨーロッパ勢の多くが渡米し、日本からも女子U23カテゴリーに川口うらら(日本体育大学)と小林あかり(弱虫ペダルサイクリングチーム)が参戦。なお村上功太郎(松山大学)は翌週開催のカナダ、モンサンタン大会で合流する予定だという。
金曜日開催のXCC(ショートトラック)の木製ラダー下りで激しく前転し、地面に叩きつけられた世界王者ニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシングチーム)は骨折こそなかったものの、打撲によって本戦をキャンセル。雨霧にむせぶ開くコンディションの中、男子エリートレースでダッシュを決めたのは好調アラン・ハースリー(南アフリカ、キャノンデールファクトリーレーシング)だった。
第5戦でルーカ・ブライド(イタリア、サンタクルズ・FSA MTBプロチーム)との一騎打ちスプリントに敗れたリベンジに燃えるハースリーは、アルカンシエルを着てXCCを制し、圧倒的なテクニックと母国ファンの声援を味方につけるクリストファー・ブレヴィンス(アメリカ、スペシャライズドファクトリーレーシング)と先頭パックを形成。全8周回の3周目の激しい下り区間でハースリーが激しくクラッシュしてブレヴィンスが単独先頭となったものの、ピットから遠い場所でリアパンクに見舞われ失速してしまった。
ピットでホイール交換を行った(スペアバイクの持ち込みはルールで禁止)ブレヴィンスは再びペースをあげ、6周目にはブライドとティトアン・カロ(フランス、BMC・MTBレーシングチーム)の先頭グループに合流してみせる。最終的に勝負は6名に膨れ上がった先頭グループに委ねられた。
落車、アタック、吸収を激しく繰り返す中、登坂区間で頭一つ抜け出したのはダビ・バレロ(スペイン、BHテンプロカフェUCC)。追いすがるカロを5秒引き離し、東京五輪で3位銅メダルを獲得していた33歳がキャリア初のW杯勝利を遂げている。
女子エリート:元U23世界王者ケラーがW杯初勝利
序盤こそハーフウェットが保たれていたものの、時間が経つにつれ雨のマッドコンディションに変化したのが女子エリートレース。いつものようにジェニー・リスヴェッツ(チーム31アイビスサイクルズ)が好スタートを決め、ここにアレッサンドラ・ケラー(スイス、トムス・マクソン)やアン・テルプストラ(オランダ、ゴーストファクトリーレーシング)が合流して4名の先頭グループが組み上がる。
第5戦を7位で終え、第6戦を走らずアメリカに戻って調整していた元世界王者ケイト・コートニー(アメリカ、スコット・スラムMTBレーシングチーム)を筆頭にするアメリカ勢中心の追走グループがその後ろ。悪コンディションの後半戦に入ると先頭グループはリスヴェッツとケラーの2人に絞り込まれた。
ファステストラップを叩き出しながらリスヴェッツがリードを奪って最終ラップに入ったものの、濡れた芝生区間のコーナーで激しくスリップダウン。すぐさま再乗車したリオ五輪覇者だったが、その隙に先頭を奪い逃げ切り体勢に入ったケラーを捉えることはできなかった。
2018年の世界選手権女子U23でアルカンシエルを獲得して頭角を顕し、MTB大国スイスの強豪選手の一人に数えられてきたケラーがキャリア初のW杯優勝を達成。追走叶わなかったリスヴェッツが2位、テルプストラが3位。ランキングリーダーのレベッカ・マコンネル(オーストラリア、プリマフロール・モンドレイカー・ジェヌイン)は序盤の遅れを挽回できずに11位に終わった。
なお女子U23レースの小林は、先頭から8分52秒遅れの20位(エントリーは28人)で完走するも「自分が目指していた形通りではありませんでしたが、これもレースであり、最後まで前だけを追い続けられたことは良かったかなと思います。まだ始まったばかりなので、ここからは上に行くことだけを目指して頑張ります」と自己評価。川口は完走まであと一つ届かず-1ラップの22位でレースを終えている。
男子エリート:五輪銅メダルのバレロが混戦を制す
南米ブラジルで開幕したMTBレースの最高峰シリーズ「メルセデスベンツUCI MTBワールドカップ(XCO)」は、ドイツ、チェコ、オーストリア、スイス、そしてアンドラとヨーロッパサーキットを転戦し、2週連続でアメリカとカナダを渡り歩く北米2連戦へ。ウェストバージニア州のスノーリゾートであるスノーシューで第7戦が開催された。
ヨーロッパ勢の多くが渡米し、日本からも女子U23カテゴリーに川口うらら(日本体育大学)と小林あかり(弱虫ペダルサイクリングチーム)が参戦。なお村上功太郎(松山大学)は翌週開催のカナダ、モンサンタン大会で合流する予定だという。
金曜日開催のXCC(ショートトラック)の木製ラダー下りで激しく前転し、地面に叩きつけられた世界王者ニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシングチーム)は骨折こそなかったものの、打撲によって本戦をキャンセル。雨霧にむせぶ開くコンディションの中、男子エリートレースでダッシュを決めたのは好調アラン・ハースリー(南アフリカ、キャノンデールファクトリーレーシング)だった。
第5戦でルーカ・ブライド(イタリア、サンタクルズ・FSA MTBプロチーム)との一騎打ちスプリントに敗れたリベンジに燃えるハースリーは、アルカンシエルを着てXCCを制し、圧倒的なテクニックと母国ファンの声援を味方につけるクリストファー・ブレヴィンス(アメリカ、スペシャライズドファクトリーレーシング)と先頭パックを形成。全8周回の3周目の激しい下り区間でハースリーが激しくクラッシュしてブレヴィンスが単独先頭となったものの、ピットから遠い場所でリアパンクに見舞われ失速してしまった。
ピットでホイール交換を行った(スペアバイクの持ち込みはルールで禁止)ブレヴィンスは再びペースをあげ、6周目にはブライドとティトアン・カロ(フランス、BMC・MTBレーシングチーム)の先頭グループに合流してみせる。最終的に勝負は6名に膨れ上がった先頭グループに委ねられた。
落車、アタック、吸収を激しく繰り返す中、登坂区間で頭一つ抜け出したのはダビ・バレロ(スペイン、BHテンプロカフェUCC)。追いすがるカロを5秒引き離し、東京五輪で3位銅メダルを獲得していた33歳がキャリア初のW杯勝利を遂げている。
女子エリート:元U23世界王者ケラーがW杯初勝利
序盤こそハーフウェットが保たれていたものの、時間が経つにつれ雨のマッドコンディションに変化したのが女子エリートレース。いつものようにジェニー・リスヴェッツ(チーム31アイビスサイクルズ)が好スタートを決め、ここにアレッサンドラ・ケラー(スイス、トムス・マクソン)やアン・テルプストラ(オランダ、ゴーストファクトリーレーシング)が合流して4名の先頭グループが組み上がる。
第5戦を7位で終え、第6戦を走らずアメリカに戻って調整していた元世界王者ケイト・コートニー(アメリカ、スコット・スラムMTBレーシングチーム)を筆頭にするアメリカ勢中心の追走グループがその後ろ。悪コンディションの後半戦に入ると先頭グループはリスヴェッツとケラーの2人に絞り込まれた。
ファステストラップを叩き出しながらリスヴェッツがリードを奪って最終ラップに入ったものの、濡れた芝生区間のコーナーで激しくスリップダウン。すぐさま再乗車したリオ五輪覇者だったが、その隙に先頭を奪い逃げ切り体勢に入ったケラーを捉えることはできなかった。
2018年の世界選手権女子U23でアルカンシエルを獲得して頭角を顕し、MTB大国スイスの強豪選手の一人に数えられてきたケラーがキャリア初のW杯優勝を達成。追走叶わなかったリスヴェッツが2位、テルプストラが3位。ランキングリーダーのレベッカ・マコンネル(オーストラリア、プリマフロール・モンドレイカー・ジェヌイン)は序盤の遅れを挽回できずに11位に終わった。
なお女子U23レースの小林は、先頭から8分52秒遅れの20位(エントリーは28人)で完走するも「自分が目指していた形通りではありませんでしたが、これもレースであり、最後まで前だけを追い続けられたことは良かったかなと思います。まだ始まったばかりなので、ここからは上に行くことだけを目指して頑張ります」と自己評価。川口は完走まであと一つ届かず-1ラップの22位でレースを終えている。
メルセデスベンツUCI MTBワールドカップ第7戦男子エリート結果
1位 | ダビ・バレロ(スペイン、BHテンプロカフェUCC) | 1:25:11 |
2位 | ティトアン・カロ(フランス、BMC・MTBレーシングチーム) | +0:05 |
3位 | ルーカ・ブライド(イタリア、サンタクルズ・FSA MTBプロチーム) | +0:11 |
4位 | クリストファー・ブレヴィンス(アメリカ、スペシャライズドファクトリーレーシング) | |
5位 | フィリッポ・コロンボ(スイス、BMC MTBレーシング) | +0:20 |
6位 | ルカ・シュワルツバウアー(ドイツ、キャニオン・CLLCTV) | +0:31 |
7位 | ラース・フォースター(スイス、スコット・スラムMTBレーシングチーム) | +0:35 |
8位 | アラン・ハースリー(南アフリカ、キャノンデールファクトリーレーシング) | +0:46 |
9位 | アントワン・フィリップ(フランス、ジャイアント・ファクトリーオフロード) | +1:11 |
10位 | ピエール・デフロワドモン(ベルギー、KMCオルベア) | +1:17 |
メルセデスベンツUCI MTBワールドカップ第7戦女子エリート結果
1位 | アレッサンドラ・ケラー(スイス、トムス・マクソン) | 1:24:35 |
2位 | ジェニー・リスヴェッツ(チーム31アイビスサイクルズ) | +0:37 |
3位 | アン・テルプストラ(オランダ、ゴーストファクトリーレーシング) | +0:50 |
4位 | モナ・ミッターウォールナー(オーストリア、キャノンデールファクトリーレーシング) | +1:07 |
5位 | ヨランダ・ネフ(スイス、トレックファクトリーレーシングXC) | +2:24 |
6位 | サヴィリア・ブランク(アメリカ) | +2:57 |
7位 | ヘイリー・バッテン(アメリカ、スペシャライズドファクトリーレーシング) | +3:32 |
8位 | グウェンダリン・ギブソン(アメリカ、ノルコファクトリーチーム) | +4:41 |
9位 | カロリーヌ・ボヘ(デンマーク、ゴーストファクトリーレーシング) | +4:49 |
10位 | ケイト・コートニー(アメリカ、スコット・スラムMTBレーシングチーム) | +5:22 |
text:So Isobe
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