「これが現実だと分かるまで時間がかかりそう」と言うのは、今大会3人目のデンマーク人ステージ勝者となったマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)。灼熱の下で行われたツール13日目を終えた選手たちのコメントを紹介します。



区間優勝 マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)

ステージ優勝と共に敢闘賞にも輝いたマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)ステージ優勝と共に敢闘賞にも輝いたマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) photo:Makoto AYANO
素晴らしい結果を掴むことができて本当に嬉しい。調子は良かったものの第1週目はチャンスを逃し続けていた。残りの2週間で僕みたいな選手にチャンスは多くない。だからこそ今日の勝利を掴むことは重要だった。僕たちは総合ではなくステージ優勝を目指してツールにやってきた。これで1勝を挙げたので肩の荷が下りた気持ちだよ。

チームとしては4人以上の逃げなら乗るべきだと考えていた。しかしメイン集団との差が2分までしか拡がらなかったので、逃げたことを後悔していたんだ。でも最後には勝利に繋がった。今日は暑さもあり選手全員にとって厳しいステージとなった。みんな限界ギリギリだったのだろう。

残り10km地点で「フィニッシュに6名のまま行くのは嫌だ」と思い飛び出した。展開をコントロールするのが難しくなるからね。だから飛び出し、幸いにも集団を分裂させることができた。そこから残り5km地点までタイム差を拡げ、最後はペースを落としスプリントに備えた。それが上手くいって本当に良かったよ。これが現実と思うにはしばらく時間がかかりそうだ。

区間2位 フレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス)

スプリントで敗れたフレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス)スプリントで敗れたフレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:Makoto AYANO
2日連続でイギリス人が勝てれば良かったのだけど、そうはならなかった。ピーダスンに勝つには最後の丘で仕掛けるしかないと分かっていた。ただ、単純にそれができる脚がなかった。今日は暑かったからプロトンよりも逃げ集団の方が快適だった。なぜなら絶えず氷が貰えるし、水も浴び放題だったからね。

仕掛けるならばキュングかガンナだと思っていたので、ピーダスンのアタックには驚いた。僕も全力を尽くしたのだが、ピーダスンが強すぎただけ。勝利した彼を祝福したい。世界で最も大きなレースでの2位だ。そんなに悪い結果ではない。

区間3位 ユーゴ・ウル(カナダ、イスラエル・プレミアテック)

ピーダスンのアタックに追従したユーゴ・ウル(カナダ、イスラエル・プレミアテック)ピーダスンのアタックに追従したユーゴ・ウル(カナダ、イスラエル・プレミアテック) photo:CorVos
今日のレースは満足の一言。勝利に向けて一歩前進することができ、来るステージに向けてモチベーションが高まった。

区間5位 マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、モビスター)

僕はガンナの動きをマークしていたが、どうやら彼の動きはブラフだったみたいだね。マークする相手を間違えてしまった。悔しいよ。

区間7位&マイヨヴェール ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)

メイン集団のトップでフィニッシュしたワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)メイン集団のトップでフィニッシュしたワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:Makoto AYANO
予想通りのシナリオとなった。今日は逃げが勝利してもOKと思っていたステージ。暑さが厳しかったものの、何の問題もなくステージを終えることができた。また、パリでマイヨヴェールを獲得するためのポイントも加算することができたよ。

マイヨジョーヌ ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)

危なげなくマイヨジョーヌを保持したヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)危なげなくマイヨジョーヌを保持したヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) photo:Makoto AYANO
平和な1日になることを望んでいたのだが、気温が高かったこともあり厳しいステージとなった。でも僕たちにとっては問題のない結末だった。良い1日となったよ。(デンマーク今大会3度目の勝利については)とても嬉しいね。この4日でデンマーク人選手として3勝目。同じデンマーク人として誇りに思うよ。

ー山のないコペンハーゲンの北に住む君が、山岳で強い理由はなぜだい?

分からない。そういう身体に生まれたからかな。痩せているし。また練習は山岳だけではなく平坦も走るよ。山岳が強くなるためには、必ずしも山岳で練習しなければならないわけじゃない。それにここ最近は頻繁にチーム合宿を行っているため、家の周りではほとんど練習していないんだ。

残り70km地点で落車したカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)

グルペットで無事フィニッシュしたカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)グルペットで無事フィニッシュしたカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) photo:Makoto AYANO
コンディションはとても良く、だからこそチームに逃げとのタイム差をコントロールしてもらったんだ。しかしその後落車に見舞われ、何が起こったのか分からなかった。急にコーナーでブレーキがかかり、前にいた選手の後輪が触れて落車してしまった。膝と肩を痛めたもののとりあえずは大丈夫。ただ、これが後々どうなるかは今夜までわからない。

text:Sotaro.Arakawa

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