2010/07/09(金) - 12:00
大会3回目の本格的なスプリント勝負に持ち込まれたツール・ド・フランス第5ステージ。念願のステージ優勝を飾ったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア)を始め、上位入賞者たちのコメント。
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア)
念願のステージ1勝目を手にしたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア) photo:Cor Vos「正しいポジションに連れて行ってくれると信じて、マーク・レンショーに牽かれるままゴールに向かった。彼は自分の仕事を完璧にこなしてくれた。あとはゴールラインに向けてスプリントするだけだった。事前にGoogle Mapで確認した時点で、ゴール地点は平坦だと思っていた。でもレース中にエリック・ザベルから平坦でないことを聞かされたんだ。チームはハイスピードで集団を牽き続けた。今は信じられないような気持ちだ」。
「1年間背負い続けて来たプレッシャーから解放された気分。これまでの努力がようやく報われた。もちろんこれからのステージでも優勝を狙って行く。ツール・ド・フランスは世界最大のロードレース。ここで再びステージ優勝を飾るのが今年の大きな目標だった。僕の勝利を望まなかった人がいるかもしれない。多くの人が批判的で、それが自分の走りに悪影響を及ぼし、プレッシャーが増していた」。
「チームは最初の数日間は運に見放されていた。昨日チームは100%パーフェクトな働きでスプリントに持ち込んでくれたけど、僕が彼らを落胆させる結果になってしまった。諦めてもおかしくない状況で、今日、また彼らは100%の走りをしてくれたんだ。自分たちに課せられた仕事以上の走りを見せてくれた。僕を信頼して走ってくれる素晴らしいチームメイトたち。包帯を巻いた満身創痍のコスタ(カンスタンティン・シウトソウ)は、2日間で300kmは集団を牽き続けた。総合成績が懸かったトニ・マルティンやマイケル・ロジャースも勝利に貢献してくれたし、僕の仕事はレンショーに付いていくことだけだった。ライバルたちを押しのけながら進むレンショーに、完璧なラインで解き放たれたんだ。昨日のゴール後は自分の走りに疑問を感じていたけど、今日の勝利で吹っ切れたよ」。
ゲラルド・チオレック(ドイツ、チームミルラム)
ボアッソンやチオレックらを下したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア) photo:Makoto Ayano「勝利に手が届きそうだっただけに残念だ。最終コーナーを曲がった時点で非常に良いポジションにつけて、マーク・カヴェンディッシュのリアホイールに食らいついた。少しスプリント開始を遅らせてしまい、自分のポジションを100%活かすことが出来なかった。でも明日からのステージに向けて手応えを感じたよ」。
エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
「終盤にかけて良い感触を掴んでいて、ジェレイント・トーマスを始めとするチームメイトたちのおかげで、好位置でスプリントに持ち込めた。でもフィニッシュラインが少し近すぎた。まだまだスプリントに関して手直しが必要だ」。
トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム)
ステージ5位のトル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム)がマイヨヴェールをキープ photo:Makoto Ayano「ハイスピードでナーバスなゴールだった。誰もが集団先頭に上がろうと、細いコースを駆け抜けた。ラスト600mの最終コーナーを先頭から10番目までに抜けなければ勝機が無い。だからそこまでの位置取り合戦が激しかった。レンショーらとポジション争いを繰り広げたことで消耗してしまい、ラスト200mからの勝負でカヴェンディッシュに対抗出来なかった。マイヨヴェール争いにおけるライバルはエドヴァルド・ボアッソンかも知れない。彼は常に上位に絡んでいるし、日に日に調子を上げているように見える。(同じノルウェー出身の)2人がポイント賞やステージ優勝を争うのは少し不思議な感覚だ」。
アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ)
「全てがうまく行く日もあれば、今日のようにうまく行かない日もある。今日は勝利に見放された。疲労の影響か、昨日のような好感触を得られなくて、最終コーナーからの加速が伸びなかった。しかもラスト300mで行く手が塞がれ、スプリント開始が遅れてしまった。とにかく3勝目には手が届かなかった。もっとリスクを背負ってまで攻めるべきだったのかも知れない」。
ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)
アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)とファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク) photo:Cor Vos「チームは問題なく仕事をこなせている。エネルギーの消費を最小限に抑えながら、リーダーチームとしての責務を果たしている。来るべき(山岳での)闘いに向けてもう準備は出来ている。これが『マイヨジョーヌ着用20日目』だとジャーナリストの誰かに聞かされた。将来的に何日間まで記録を伸ばせるのかは分からないし、別にツール・ド・フランスで総合優勝したわけじゃない。でもイエロージャージを着て走るのは幸せなこと。ツールでの総合優勝を夢見ることもある。でもそれが可能なのかどうか自分でも分からない。今は他の大きな目標に取り組むとき。ツール制覇は夢のまた夢だ」。
選手コメントはレース公式サイト、ならびに各チーム公式サイトより。
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, Makoto Ayano
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア)
![念願のステージ1勝目を手にしたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2010/07/09/CORVOS_00015634-045.jpg)
「1年間背負い続けて来たプレッシャーから解放された気分。これまでの努力がようやく報われた。もちろんこれからのステージでも優勝を狙って行く。ツール・ド・フランスは世界最大のロードレース。ここで再びステージ優勝を飾るのが今年の大きな目標だった。僕の勝利を望まなかった人がいるかもしれない。多くの人が批判的で、それが自分の走りに悪影響を及ぼし、プレッシャーが増していた」。
「チームは最初の数日間は運に見放されていた。昨日チームは100%パーフェクトな働きでスプリントに持ち込んでくれたけど、僕が彼らを落胆させる結果になってしまった。諦めてもおかしくない状況で、今日、また彼らは100%の走りをしてくれたんだ。自分たちに課せられた仕事以上の走りを見せてくれた。僕を信頼して走ってくれる素晴らしいチームメイトたち。包帯を巻いた満身創痍のコスタ(カンスタンティン・シウトソウ)は、2日間で300kmは集団を牽き続けた。総合成績が懸かったトニ・マルティンやマイケル・ロジャースも勝利に貢献してくれたし、僕の仕事はレンショーに付いていくことだけだった。ライバルたちを押しのけながら進むレンショーに、完璧なラインで解き放たれたんだ。昨日のゴール後は自分の走りに疑問を感じていたけど、今日の勝利で吹っ切れたよ」。
ゲラルド・チオレック(ドイツ、チームミルラム)
![ボアッソンやチオレックらを下したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2010/07/09/ayano2010TDF5e-214_2.jpg)
エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
「終盤にかけて良い感触を掴んでいて、ジェレイント・トーマスを始めとするチームメイトたちのおかげで、好位置でスプリントに持ち込めた。でもフィニッシュラインが少し近すぎた。まだまだスプリントに関して手直しが必要だ」。
トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム)
![ステージ5位のトル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム)がマイヨヴェールをキープ](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2010/07/09/ayano2010TDF5e-266.jpg)
アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ)
「全てがうまく行く日もあれば、今日のようにうまく行かない日もある。今日は勝利に見放された。疲労の影響か、昨日のような好感触を得られなくて、最終コーナーからの加速が伸びなかった。しかもラスト300mで行く手が塞がれ、スプリント開始が遅れてしまった。とにかく3勝目には手が届かなかった。もっとリスクを背負ってまで攻めるべきだったのかも知れない」。
ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)
![アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)とファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2010/07/09/CORVOS_00015634-191.jpg)
選手コメントはレース公式サイト、ならびに各チーム公式サイトより。
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, Makoto Ayano
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