2022/07/07(木) - 18:35
近年注目のトップ女性サイクリストを紹介していく連載の第三弾は、現在プロトンで最速を誇る女子トップスプリンター、ロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)。集団スプリントが勝ちパターンというピュアスプリンターは、若干23歳。ツール・ファム初日にマイヨジョーヌを着る可能性は、かなり高い。
ロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)
タイプ:ピュアスプリンター
主な戦績:ロンド・ファン・ドレンテ(WWT)2021・22連覇中、スヘルデプライス2021・22連覇中、オランダ選手権2019、ライドロンドンクラシック2022総合優勝(ステージ全勝による)
Instagram : @lorenawiebes Twitter : @lorenawiebes
女子屈指のピュアスプリンター
強い、強すぎる。集団スプリントに持ち込めれば、圧倒的な強さを見せるのがロレーナ・ウィーベスだ。オールラウンダーを多数輩出する伝統国オランダにあって珍しいピュアスプリンタータイプ。
1999年生まれ。すでにジュニアカテゴリーでヨーロッパチャンピオンに輝いていたが、エリートレベルで頭角を表したのは20歳を迎えた2019年。この年のヨーロッパ大会ロードレースで集団スプリントを制してみせたが、2位は同国のマリアンヌ・フォスだった。手を上げ喜ぶフォスをバックグラウンドに、鮮烈な勝利を飾ってみせた若干20歳の若手はそこから常勝街道に乗る。
同年オランダ選手権を制すると、中国で開催されたウィメンズワールドツアー(WWT)レースのツアー・オブ・チョンミンアイランドで総合優勝。全3ステージをすべて制するという「3タテ」での完全優勝だった。なお、この時所属していたパークホテルはオランダの有望な若手女子選手を揃える育成チーム。2019年シーズンのチームが上げた17勝のうち、14勝がウィーベスによるものだった。圧巻である。
コロナ禍に見舞われた2020年シーズン途中からチームサンウェブに移籍。着実に勝ち星を積み上げ、ブリュッヘ・デパンネとセラティジット・チャレンジ・バイ・ラ・ブエルタでステージ優勝。ワールドツアーチームにおけるエーススプリンターの座を明確にしてみせた。
2021年シーズンはジロ・ドンネのステージ2勝を含む13勝。集団スプリントになると手のつけられない強さに他チームは悩まされ続けている。
ウィーベスの2022年シーズンここまで
今シーズンも絶好調だ。3月上旬にはGPオーティンヘン(1クラス)、ロンドファン・ドレンテ(WWT)、ノケレ・クールセ(Pro)の3レースを一週間のうちに連勝するという圧倒的な強さを見せた。ただこの離れ業も、世界チャンピオンのバルサモが続く3月後半に1週間で3つのワールドツアーレースを連勝してみせたことでやや霞んだ。同時に、バルサモの台頭がウィーベスにとって当面のスプリントライバルであることを示している。
5月後半のライドロンドンクラシック(WWT)では、全3ステージすべてを制す得意の「3タテ」で総合優勝。そのうち2ステージでバルサモは2位だった。さらに続くウィメンズツアー(WWT)でもステージ3勝。集団スプリントでは敵なしだ。
7月の開幕が待たれるツール・ド・フランス・ファム・アヴェック・ズイフトは男子レースがパリに凱旋するその日に、同じくシャンゼリぜからスタートする。集団スプリントとなることが予想されるこの大一番、初日優勝者にはマイヨ・ジョーヌの栄光が待っている。そして順当に集団スプリントになれば、手を上げるのはウィーベスだろう。唯一の懸念点は、まだフランスで勝利を上げたことがないこと。そんな些細なジンクス以外に、彼女を止めるものは何もない。
ロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)
タイプ:ピュアスプリンター
主な戦績:ロンド・ファン・ドレンテ(WWT)2021・22連覇中、スヘルデプライス2021・22連覇中、オランダ選手権2019、ライドロンドンクラシック2022総合優勝(ステージ全勝による)
Instagram : @lorenawiebes Twitter : @lorenawiebes
女子屈指のピュアスプリンター
強い、強すぎる。集団スプリントに持ち込めれば、圧倒的な強さを見せるのがロレーナ・ウィーベスだ。オールラウンダーを多数輩出する伝統国オランダにあって珍しいピュアスプリンタータイプ。
1999年生まれ。すでにジュニアカテゴリーでヨーロッパチャンピオンに輝いていたが、エリートレベルで頭角を表したのは20歳を迎えた2019年。この年のヨーロッパ大会ロードレースで集団スプリントを制してみせたが、2位は同国のマリアンヌ・フォスだった。手を上げ喜ぶフォスをバックグラウンドに、鮮烈な勝利を飾ってみせた若干20歳の若手はそこから常勝街道に乗る。
同年オランダ選手権を制すると、中国で開催されたウィメンズワールドツアー(WWT)レースのツアー・オブ・チョンミンアイランドで総合優勝。全3ステージをすべて制するという「3タテ」での完全優勝だった。なお、この時所属していたパークホテルはオランダの有望な若手女子選手を揃える育成チーム。2019年シーズンのチームが上げた17勝のうち、14勝がウィーベスによるものだった。圧巻である。
コロナ禍に見舞われた2020年シーズン途中からチームサンウェブに移籍。着実に勝ち星を積み上げ、ブリュッヘ・デパンネとセラティジット・チャレンジ・バイ・ラ・ブエルタでステージ優勝。ワールドツアーチームにおけるエーススプリンターの座を明確にしてみせた。
2021年シーズンはジロ・ドンネのステージ2勝を含む13勝。集団スプリントになると手のつけられない強さに他チームは悩まされ続けている。
ウィーベスの2022年シーズンここまで
今シーズンも絶好調だ。3月上旬にはGPオーティンヘン(1クラス)、ロンドファン・ドレンテ(WWT)、ノケレ・クールセ(Pro)の3レースを一週間のうちに連勝するという圧倒的な強さを見せた。ただこの離れ業も、世界チャンピオンのバルサモが続く3月後半に1週間で3つのワールドツアーレースを連勝してみせたことでやや霞んだ。同時に、バルサモの台頭がウィーベスにとって当面のスプリントライバルであることを示している。
5月後半のライドロンドンクラシック(WWT)では、全3ステージすべてを制す得意の「3タテ」で総合優勝。そのうち2ステージでバルサモは2位だった。さらに続くウィメンズツアー(WWT)でもステージ3勝。集団スプリントでは敵なしだ。
7月の開幕が待たれるツール・ド・フランス・ファム・アヴェック・ズイフトは男子レースがパリに凱旋するその日に、同じくシャンゼリぜからスタートする。集団スプリントとなることが予想されるこの大一番、初日優勝者にはマイヨ・ジョーヌの栄光が待っている。そして順当に集団スプリントになれば、手を上げるのはウィーベスだろう。唯一の懸念点は、まだフランスで勝利を上げたことがないこと。そんな些細なジンクス以外に、彼女を止めるものは何もない。
ロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)
タイプ | 主な戦績 |
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ピュアスプリンター | ロンド・ファン・ドレンテ(WWT)2021・22連覇中 |
スヘルデプライス2021・22連覇中 | |
オランダ選手権2019 | |
ライドロンドンクラシック2022総合優勝(ステージ全勝による) |
text:Yufta Omata
photo:CorVos
photo:CorVos
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