2022/07/02(土) - 20:55
世界最高峰のスプリンターたちが競い合う緑色のマイヨヴェール(ポイント賞ジャージ)。ファンアールトやヤコブセン、サガンなど第109回ツール・ド・フランスに集結する注目のトップスプリンターたちを紹介しよう。
グリーンジャージを意味するマイヨヴェールはポイント賞ランキングトップの選手に与えられる特別賞ジャージ。ツール開催50周年を記念して1953年より導入されてからいままで守られてきた緑の伝統は(1968年は除く)、今年もチェコの自動車メーカーで大会のオフィシャルカーサプライヤーでもあるシュコダがスポンサーを務める。
「平坦」「中級山岳」「上級山岳」「個人TT」の4つに分類された全21ステージは、それぞれ異なるポイント配分が設定。2015年以降は平坦ステージにより高い配点がされたため、ポイントを狙うスプリンターたちによって争われる。
マイヨヴェール獲得に重要なのはステージ中盤に配置される中間スプリントポイント。たとえ平坦ステージで優勝ができなかったとしても、未勝利ながらグリーンジャージを獲得した2015年のペテル・サガン(スロバキア)のように、確実に上位でフィニッシュし、逃げに乗ったりメイン集団から飛び出しスプリントポイントを加算することが受賞に近づく。
ポイント配分(いずれも上位15名に付与)
平坦ステージ(第2, 3, 13, 15, 19, 21ステージ)
・優勝者50pts、以下30、20、18、16、14、12、10、8、7、6、5、4、3、2pts
中級山岳ステージ(第4, 5, 6, 8 10, 14, 16ステージ)
・優勝者30pts、以下25、22、19、17、15、13、11、9、7、6、5、4、3、2pts
上級山岳ステージ&個人TT(第1, 7, 9, 11,12, 17,18ステージ)
・優勝者20pts、以下17、15、13、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1pt
スプリントポイント
・先頭通過者20pts、以下17、15、13、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1pt
本命ファンアールトにヤコブセン、サガンらが競演
昨年大会で区間4勝と10年ぶりのマイヨヴェールに袖を通したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)は選考外のため不在。そのため2022年大会でグリーンジャージ最右翼と目されるのは「パリでグリーンジャージを着用するのが目標」と語るワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)だろう。
2021年の最終日シャンゼリゼ決戦を制したファンアールトは、その前日の個人タイムトライアルに加え、山岳ステージでも勝利するなど他に類を見ない脚質と強さ誇った。それゆえ多少の登坂であればクライマーをも振り落とすスピードで駆け上がるため、レイアウトを問わずステージ優勝と上位入賞が可能だ。今シーズンは僅差の2位が多いものの、ポイント加算の観点で言えば不利になることではない。
ピュアスプリンターの中で最も注目されるファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル)。区間最多記録がかかるカヴェンディッシュを退けてツール初出場を果たした25歳は、ジュリアン・アラフィリップ(フランス)も不在のためチーム全員がヤコブセンの勝利を目指す体制だ。
ヤコブセンがチームの期待を背負うならば、カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)はチームの未来を一身に背負う。現在ワールドチームから降格の危機に瀕しているロット・スーダルにとって、複数勝利はチームの未来を救う至上命題。ちなみに最終日パリでマイヨヴェールを獲得すれば120のUCIポイントが付与される。
24歳のヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)もそのトップスピードではヤコブセンやユアンに引けを取らない。昨年大会では2位が3回(うち1回はチームメイトであるメルリールとワンツー)、3位が3回と勝利まであと一歩届かなかった雪辱を誓い、マチュー・ファンデルプール(オランダ)のアシストを受けてツール初勝利を狙う。
常にファンに驚きを与えてくれるペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)も忘れてはならない存在だ。過去7回のマイヨヴェール獲得したレジェンドは開幕直前の自身3度目のコロナ感染を乗り越え、なんとか出場にこぎつけた。アンバウンドグラベルを含むアメリカで例年通りの調整を進めたサガンは、前哨戦であるツール・ド・スイスで10ヶ月ぶりの復活勝利を挙げサプライズの準備は整った。
その他にも2017年にマイヨヴェールを獲得したマイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)とともに勝利を狙うディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)や、ベテランのアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)も勝利に絡んでくるだろう。また母国デンマークでの勝利を狙う元世界王者マッズ・ピーダスン(トレック・セガフレード)や、ジロ・デ・イタリアで区間1勝を挙げて連戦で臨むアルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チームDSM)の走りにも注目したい。
グリーンジャージを意味するマイヨヴェールはポイント賞ランキングトップの選手に与えられる特別賞ジャージ。ツール開催50周年を記念して1953年より導入されてからいままで守られてきた緑の伝統は(1968年は除く)、今年もチェコの自動車メーカーで大会のオフィシャルカーサプライヤーでもあるシュコダがスポンサーを務める。
「平坦」「中級山岳」「上級山岳」「個人TT」の4つに分類された全21ステージは、それぞれ異なるポイント配分が設定。2015年以降は平坦ステージにより高い配点がされたため、ポイントを狙うスプリンターたちによって争われる。
マイヨヴェール獲得に重要なのはステージ中盤に配置される中間スプリントポイント。たとえ平坦ステージで優勝ができなかったとしても、未勝利ながらグリーンジャージを獲得した2015年のペテル・サガン(スロバキア)のように、確実に上位でフィニッシュし、逃げに乗ったりメイン集団から飛び出しスプリントポイントを加算することが受賞に近づく。
ポイント配分(いずれも上位15名に付与)
平坦ステージ(第2, 3, 13, 15, 19, 21ステージ)
・優勝者50pts、以下30、20、18、16、14、12、10、8、7、6、5、4、3、2pts
中級山岳ステージ(第4, 5, 6, 8 10, 14, 16ステージ)
・優勝者30pts、以下25、22、19、17、15、13、11、9、7、6、5、4、3、2pts
上級山岳ステージ&個人TT(第1, 7, 9, 11,12, 17,18ステージ)
・優勝者20pts、以下17、15、13、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1pt
スプリントポイント
・先頭通過者20pts、以下17、15、13、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1pt
本命ファンアールトにヤコブセン、サガンらが競演
昨年大会で区間4勝と10年ぶりのマイヨヴェールに袖を通したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)は選考外のため不在。そのため2022年大会でグリーンジャージ最右翼と目されるのは「パリでグリーンジャージを着用するのが目標」と語るワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)だろう。
2021年の最終日シャンゼリゼ決戦を制したファンアールトは、その前日の個人タイムトライアルに加え、山岳ステージでも勝利するなど他に類を見ない脚質と強さ誇った。それゆえ多少の登坂であればクライマーをも振り落とすスピードで駆け上がるため、レイアウトを問わずステージ優勝と上位入賞が可能だ。今シーズンは僅差の2位が多いものの、ポイント加算の観点で言えば不利になることではない。
ピュアスプリンターの中で最も注目されるファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル)。区間最多記録がかかるカヴェンディッシュを退けてツール初出場を果たした25歳は、ジュリアン・アラフィリップ(フランス)も不在のためチーム全員がヤコブセンの勝利を目指す体制だ。
ヤコブセンがチームの期待を背負うならば、カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)はチームの未来を一身に背負う。現在ワールドチームから降格の危機に瀕しているロット・スーダルにとって、複数勝利はチームの未来を救う至上命題。ちなみに最終日パリでマイヨヴェールを獲得すれば120のUCIポイントが付与される。
24歳のヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)もそのトップスピードではヤコブセンやユアンに引けを取らない。昨年大会では2位が3回(うち1回はチームメイトであるメルリールとワンツー)、3位が3回と勝利まであと一歩届かなかった雪辱を誓い、マチュー・ファンデルプール(オランダ)のアシストを受けてツール初勝利を狙う。
常にファンに驚きを与えてくれるペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)も忘れてはならない存在だ。過去7回のマイヨヴェール獲得したレジェンドは開幕直前の自身3度目のコロナ感染を乗り越え、なんとか出場にこぎつけた。アンバウンドグラベルを含むアメリカで例年通りの調整を進めたサガンは、前哨戦であるツール・ド・スイスで10ヶ月ぶりの復活勝利を挙げサプライズの準備は整った。
その他にも2017年にマイヨヴェールを獲得したマイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)とともに勝利を狙うディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)や、ベテランのアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)も勝利に絡んでくるだろう。また母国デンマークでの勝利を狙う元世界王者マッズ・ピーダスン(トレック・セガフレード)や、ジロ・デ・イタリアで区間1勝を挙げて連戦で臨むアルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チームDSM)の走りにも注目したい。
歴代マイヨヴェール受賞者
2021年 | マーク・カヴェンディッシュ(イギリス) |
2020年 | サム・ベネット(アイルランド) |
2019年 | ペテル・サガン(スロバキア) |
2018年 | ペテル・サガン(スロバキア) |
2017年 | マイケル・マシューズ(オーストラリア) |
2016年 | ペテル・サガン(スロバキア) |
2015年 | ペテル・サガン(スロバキア) |
2014年 | ペテル・サガン(スロバキア) |
2013年 | ペテル・サガン(スロバキア) |
2012年 | ペテル・サガン(スロバキア) |
2011年 | マーク・カヴェンディッシュ(イギリス) |
2010年 | アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア) |
2009年 | トル・フースホフト(ノルウェー) |
2008年 | オスカル・フレイレ(スペイン) |
2007年 | トム・ボーネン(ベルギー) |
2006年 | ロビー・マキュアン(オーストラリア) |
2005年 | トル・フースホフト(ノルウェー) |
2004年 | ロビー・マキュアン(オーストラリア) |
2003年 | バーデン・クック(オーストラリア) |
2002年 | ロビー・マキュアン(オーストラリア) |
2001年 | エリック・ツァベル(ドイツ) |
2000年 | エリック・ツァベル(ドイツ) |
1999年 | エリック・ツァベル(ドイツ) |
1998年 | エリック・ツァベル(ドイツ) |
1997年 | エリック・ツァベル(ドイツ) |
1996年 | エリック・ツァベル(ドイツ) |
1995年 | ローラン・ジャラベール(フランス) |
1994年 | ジャモリディネ・アブドヤパロフ(ウズベキスタン) |
1993年 | ジャモリディネ・アブドヤパロフ(ウズベキスタン) |
1992年 | ローラン・ジャラベール(フランス) |
1991年 | ジャモリディネ・アブドヤパロフ(ウズベキスタン) |
1990年 | オラフ・ルードヴィッヒ(ドイツ) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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