2022/07/01(金) - 19:48
白地に赤い水玉模様のマイヨアポワをかけたクライマーのバトル。そして25歳以下の選手を対象にしたヤングライダー賞の行方。今年廃止された超級山岳のポイント2倍システムや、ジャージ獲得が期待される注目選手などを紹介します。
プロトンの中でも一際目立つマイヨブラン・ア・ポワ・ルージュ(略してマイヨアポワ)は山岳最強クライマーの証。山岳賞が始まったのは1933年だが、特徴的な白地に赤の水玉模様が採用されたのは1975年のことで、ジャージスポンサーは昨年と同じく大手スーパーチェーンのカルフールが務める。
カテゴリー山岳に到達した順に加算されるポイントで争われる山岳賞だが、4級山岳をトップ通過してもわずか1ポイントしか得られないため、1級や超級山岳でいかにポイントを積み重ねるかが重要になってくる。昨年と違う点は超級山岳の2倍のポイントが付与される山岳が廃止されたこと。つまり昨年に比べ、山岳賞の争いが総合上位から分かれることになると思われる。
カテゴリー山岳のポイント配分
超級山岳
20pts, 15pts, 12pts, 10pts, 8pts, 6pts, 4pts, 2pts
1級山岳
10pts, 8pts, 6pts, 4pts, 2pts, 1pt
2級山岳
5pts, 3pts, 2pts, 1pt
3級山岳
2pts, 1pt
4級山岳
1pt
システム変更で混沌のマイヨアポワ争い
2020年、2021年と連続して総合優勝したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)がマイヨアポワを獲得したからか、今年は前述したポイント2倍システムが撤廃。そのため獲得が有力視されているのは2年振りにツールに戻ってきたロマン・バルデ(フランス、チームDSM)だ。フランス国民から37年ぶりとなる総合優勝の期待はかかるものの、本人があくまでも「毎ステージをクラシックのように全力で走る」とステージ狙いであることを語っている。そのため山岳ステージで勝利を狙えば、自ずと山岳ポイントがついてくるはずだ。
総合争いから脱落したオールラウンダーや、その山岳アシストたちが狙いを変えてくることが多いことから予想が難しいこの賞。開幕前から注目されているのは今大会最年少での出場となったクイン・シモンズ(アメリカ、トレック・セガフレード)。元々はワンデークラシック系の選手ながらティレーノ~アドリアティコで逃げから山岳賞に輝き、ツール前哨戦のツール・ド・スイスでも山岳賞を狙い通りに射止めた実力者だ。
プロトンの中でも一際目立つマイヨブラン・ア・ポワ・ルージュ(略してマイヨアポワ)は山岳最強クライマーの証。山岳賞が始まったのは1933年だが、特徴的な白地に赤の水玉模様が採用されたのは1975年のことで、ジャージスポンサーは昨年と同じく大手スーパーチェーンのカルフールが務める。
カテゴリー山岳に到達した順に加算されるポイントで争われる山岳賞だが、4級山岳をトップ通過してもわずか1ポイントしか得られないため、1級や超級山岳でいかにポイントを積み重ねるかが重要になってくる。昨年と違う点は超級山岳の2倍のポイントが付与される山岳が廃止されたこと。つまり昨年に比べ、山岳賞の争いが総合上位から分かれることになると思われる。
カテゴリー山岳のポイント配分
超級山岳
20pts, 15pts, 12pts, 10pts, 8pts, 6pts, 4pts, 2pts
1級山岳
10pts, 8pts, 6pts, 4pts, 2pts, 1pt
2級山岳
5pts, 3pts, 2pts, 1pt
3級山岳
2pts, 1pt
4級山岳
1pt
システム変更で混沌のマイヨアポワ争い
2020年、2021年と連続して総合優勝したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)がマイヨアポワを獲得したからか、今年は前述したポイント2倍システムが撤廃。そのため獲得が有力視されているのは2年振りにツールに戻ってきたロマン・バルデ(フランス、チームDSM)だ。フランス国民から37年ぶりとなる総合優勝の期待はかかるものの、本人があくまでも「毎ステージをクラシックのように全力で走る」とステージ狙いであることを語っている。そのため山岳ステージで勝利を狙えば、自ずと山岳ポイントがついてくるはずだ。
総合争いから脱落したオールラウンダーや、その山岳アシストたちが狙いを変えてくることが多いことから予想が難しいこの賞。開幕前から注目されているのは今大会最年少での出場となったクイン・シモンズ(アメリカ、トレック・セガフレード)。元々はワンデークラシック系の選手ながらティレーノ~アドリアティコで逃げから山岳賞に輝き、ツール前哨戦のツール・ド・スイスでも山岳賞を狙い通りに射止めた実力者だ。
歴代のマイヨアポワ受賞者
2021年 | タデイ・ポガチャル(スロベニア) |
2020年 | タデイ・ポガチャル(スロベニア) |
2019年 | ロマン・バルデ(フランス) |
2018年 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス) |
2017年 | ワレン・バルギル(フランス) |
2016年 | ラファウ・マイカ(ポーランド) |
2015年 | クリストファー・フルーム(イギリス) |
2014年 | ラファウ・マイカ(ポーランド) |
2013年 | ナイロ・キンタナ(コロンビア) |
2012年 | トマ・ヴォクレール(フランス) |
2011年 | サムエル・サンチェス(スペイン) |
1997年1月1日以降の選手が対象のヤングライダー賞
1975年のツール・ド・フランスより始まったマイヨブラン(ヤングライダー賞)は、総合順位が最も良い25歳以下(誕生日が1997年1月1日以降)の選手に送られる賞で、ジャージスポンサーは今年も眼鏡販売会社のクリス社がつく。
もともと将来のマイヨジョーヌ候補たちによる争いだったが、近年は若手のめざましい活躍によりヤングライダー賞対象選手が総合優勝することが増え、2019年はエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)が、2020年と21年はタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が総合優勝と合わせて受賞している。
なお、ヤングライダー賞1位の選手がマイヨジョーヌを着用する場合、ヤングライダー賞2位の選手が次点でマイヨブランを着用することになる。
2022年大会でヤングライダー賞の権利を有する選手は27名。
マイヨブラン候補の筆頭は大会3連覇を狙う23歳のタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)に間違いない。今年はジョージ・ベネット(ニュージーランド)やマルク・ソレル(スペイン)が加入するなど課題とされていた山岳アシストも揃い、昨年以上に総合優勝(則ちマイヨブラン)へ隙がない。ちなみにポガチャルと同い年で、今季3勝と元々得意のタイムトライアルに加え登坂力も向上しているブランドン・マクナルティ(アメリカ)も対象だ。
今年は総合とヤングライダーの両方で2位だったヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)やダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)などは対象外。ポガチャルが総合で大きく沈まない限りマイヨジョーヌと同じぐらい獲得が困難なこの賞には、ツール初出場で3月のボルタ・ア・カタルーニャで区間優勝を挙げたアンドレア・バジオーリ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル)やアンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・スーダル)などにも期待がかかる。
歴代のマイヨブラン獲得者(同年の総合成績)
2021年 | タデイ・ポガチャル(スロベニア) | 総合1位 |
2020年 | タデイ・ポガチャル(スロベニア) | 総合1位 |
2019年 | エガン・ベルナル(コロンビア) | 総合1位 |
2018年 | ピエール・ラトゥール(フランス) | 総合13位 |
2017年 | サイモン・イェーツ(イギリス) | 総合7位 |
2016年 | アダム・イェーツ(イギリス) | 総合4位 |
2015年 | ナイロ・キンタナ(コロンビア) | 総合2位 |
2014年 | ティボー・ピノ(フランス) | 総合3位 |
2013年 | ナイロ・キンタナ(コロンビア) | 総合2位 |
2012年 | ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ) | 総合5位 |
2011年 | ピエール・ロラン(フランス) | 総合10位 |
text:Sotaro.Arakawa