2022/06/14(火) - 15:33
オーストリアを舞台にしたMTBワールドカップ第4戦。マティアス・フルッキガー(スイス、トムス・マクソン)とロアナ・ルコント(フランス、キャニオン・CLLCTV)がそれぞれ男女レースを制している。
MTBレース最高峰の舞台である「メルセデスベンツUCI MTBワールドカップ」第4戦の舞台は、オーストリアはザルツブルグ州のスキーリゾート、レオガング。ダウンヒルの定番コースとして知られているが、クロスカントリー(XCO)コースは2020年の世界選手権のために設定され、W杯開催実績は昨年に続く2回目という新しいコースだ。
男子エリート:フルッキガーがシューターを下して勝利
男子エリートでここまでW杯2連勝しているトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)はツール・ド・スイスに参戦中。頭一つ抜けている感のあるピドコックの不在も重なり、レースは実力伯仲の強豪選手たちが鎬を削り合う激しい戦いとなった。
メキメキと成績を上げるヴラッド・ダスカル(ルーマニア、トレックファクトリーレーシングXC)やヘンリケ・アヴァンチーニ(ブラジル、キャノンデールファクトリーレーシング)らが好スタートを決めてスタートループを完了したものの、メイン周回に入ると1周目から世界王者ニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシングチーム)が加速した。
直登の登り区間で積極的にペースを上げ、下り区間では持ち前のテクニックで魅せるなど、余裕を感じさせながら走るシューター。そんな世界王者には、ペースの上がらない第2グループからアラン・ハースリー(南アフリカ、キャノンデールファクトリーレーシング)とマティアス・フルッキガー(スイス、トムス・マクソン)、そしてダスカルが飛び出し、そして合流する。全6周回中の3周目にはフルッキガーがアタックしたことでダスカルが振り落とされ、やがてハースリーも脱落。こうして勝負は昨年の世界選手権で一騎討ちを繰り広げた2人に絞られた。
ヒリついた緊張感を漂わせて走る2人の均衡が崩れたのは最終周回の直登区間だった。「お互いにペースを落としていたように見えたけど、実際はかなりフルガス状態。向かい風が強く勝負のタイミングを待ち仕掛けた」と言うフルッキガーが仕掛け、5秒ほどのリードを稼いで最後の登りをクリア。そのままリードを維持しきったフルッキガーが今季W杯初勝利を挙げた。
「ニノとの素晴らしい戦いだった。今回は僕の方が強くとてもハッピーだ。そして彼にもおめでとうと言いたい。登りが厳しく、更にリカバリーのチャンスがほとんど無いタフなコースだったし、暑さにも苦しめられたよ。そんな厳しいレースを制することができてうれしく思う」と、金曜日のXCC(クロスカントリーショートトラック)とのダブル優勝を飾ったフルッキガーは話している。
女子エリート:ルコントが復活勝利を挙げる
アルカンシエルを着るイヴィ・リチャーズ(イギリス、トレックファクトリーレーシングXC)が2月から腰痛に苦しめられていたことを公表・レースキャンセルを選んだ女子エリートレース。スタートダッシュ中に現U23世界女王であり開催国期待の星モナ・ミッターウォールナー(オーストリア、キャノンデールファクトリーレーシング)が落車するという波乱の展開でスタートした。
スタートループで抜け出し、先頭グループを構成したのは好調のジェニー・リスヴェッツ(チーム31アイビスサイクルズ)やロアナ・ルコント(フランス、キャニオン・CLLCTV)、更にヨランダ・ネフ(スイス、トレックファクトリーレーシングXC)といったメンバーだった。
すぐに先頭グループがルコントとリスヴェッツに絞られる一方、ここまで圧倒的な登坂力でW杯全戦優勝中のレベッカ・マコンネル(オーストラリア、プリマフロール・モンドレイカー・ジェヌイン)は遅れをとった。「それまでと比べてコンディションを落としていた」と言うマコンネルは先頭グループに入れず、最終的に7位でレースを終了。「自分のレッドゾーンで攻め続けることができなかったけれど、今の状態としてはとても満足」と話している。
やがて先頭グループでは、登坂力に勝るルコントが独走を開始した。金曜日のXCCを制して波に乗るフランス女王は、リスヴェッツや、その後方で3位グループを作るラウラ・スティッガー(オーストリア)とシーナ・フライ(スイス)のスペシャライズドファクトリーレーシングコンビを寄せ付けずフィニッシュへ。今季は昨年披露した圧倒的な力を見せれずにいたが、今回復調をアピールすることとなった。
MTBレース最高峰の舞台である「メルセデスベンツUCI MTBワールドカップ」第4戦の舞台は、オーストリアはザルツブルグ州のスキーリゾート、レオガング。ダウンヒルの定番コースとして知られているが、クロスカントリー(XCO)コースは2020年の世界選手権のために設定され、W杯開催実績は昨年に続く2回目という新しいコースだ。
男子エリート:フルッキガーがシューターを下して勝利
男子エリートでここまでW杯2連勝しているトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)はツール・ド・スイスに参戦中。頭一つ抜けている感のあるピドコックの不在も重なり、レースは実力伯仲の強豪選手たちが鎬を削り合う激しい戦いとなった。
メキメキと成績を上げるヴラッド・ダスカル(ルーマニア、トレックファクトリーレーシングXC)やヘンリケ・アヴァンチーニ(ブラジル、キャノンデールファクトリーレーシング)らが好スタートを決めてスタートループを完了したものの、メイン周回に入ると1周目から世界王者ニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシングチーム)が加速した。
直登の登り区間で積極的にペースを上げ、下り区間では持ち前のテクニックで魅せるなど、余裕を感じさせながら走るシューター。そんな世界王者には、ペースの上がらない第2グループからアラン・ハースリー(南アフリカ、キャノンデールファクトリーレーシング)とマティアス・フルッキガー(スイス、トムス・マクソン)、そしてダスカルが飛び出し、そして合流する。全6周回中の3周目にはフルッキガーがアタックしたことでダスカルが振り落とされ、やがてハースリーも脱落。こうして勝負は昨年の世界選手権で一騎討ちを繰り広げた2人に絞られた。
ヒリついた緊張感を漂わせて走る2人の均衡が崩れたのは最終周回の直登区間だった。「お互いにペースを落としていたように見えたけど、実際はかなりフルガス状態。向かい風が強く勝負のタイミングを待ち仕掛けた」と言うフルッキガーが仕掛け、5秒ほどのリードを稼いで最後の登りをクリア。そのままリードを維持しきったフルッキガーが今季W杯初勝利を挙げた。
「ニノとの素晴らしい戦いだった。今回は僕の方が強くとてもハッピーだ。そして彼にもおめでとうと言いたい。登りが厳しく、更にリカバリーのチャンスがほとんど無いタフなコースだったし、暑さにも苦しめられたよ。そんな厳しいレースを制することができてうれしく思う」と、金曜日のXCC(クロスカントリーショートトラック)とのダブル優勝を飾ったフルッキガーは話している。
女子エリート:ルコントが復活勝利を挙げる
アルカンシエルを着るイヴィ・リチャーズ(イギリス、トレックファクトリーレーシングXC)が2月から腰痛に苦しめられていたことを公表・レースキャンセルを選んだ女子エリートレース。スタートダッシュ中に現U23世界女王であり開催国期待の星モナ・ミッターウォールナー(オーストリア、キャノンデールファクトリーレーシング)が落車するという波乱の展開でスタートした。
スタートループで抜け出し、先頭グループを構成したのは好調のジェニー・リスヴェッツ(チーム31アイビスサイクルズ)やロアナ・ルコント(フランス、キャニオン・CLLCTV)、更にヨランダ・ネフ(スイス、トレックファクトリーレーシングXC)といったメンバーだった。
すぐに先頭グループがルコントとリスヴェッツに絞られる一方、ここまで圧倒的な登坂力でW杯全戦優勝中のレベッカ・マコンネル(オーストラリア、プリマフロール・モンドレイカー・ジェヌイン)は遅れをとった。「それまでと比べてコンディションを落としていた」と言うマコンネルは先頭グループに入れず、最終的に7位でレースを終了。「自分のレッドゾーンで攻め続けることができなかったけれど、今の状態としてはとても満足」と話している。
やがて先頭グループでは、登坂力に勝るルコントが独走を開始した。金曜日のXCCを制して波に乗るフランス女王は、リスヴェッツや、その後方で3位グループを作るラウラ・スティッガー(オーストリア)とシーナ・フライ(スイス)のスペシャライズドファクトリーレーシングコンビを寄せ付けずフィニッシュへ。今季は昨年披露した圧倒的な力を見せれずにいたが、今回復調をアピールすることとなった。
メルセデスベンツUCI MTBワールドカップ第4戦男子エリート結果
1位 | マティアス・フルッキガー(スイス、トムス・マクソン) | 1:15:31 |
2位 | ニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシングチーム) | +0:06 |
3位 | アラン・ハースリー(南アフリカ、キャノンデールファクトリーレーシング) | +0:39 |
4位 | ヴラッド・ダスカル(ルーマニア、トレックファクトリーレーシングXC) | +0:45 |
5位 | マキシム・マロット(フランス、サンタクルズ・FSA・MTBプロチーム) | +1:09 |
6位 | ダビ・バレロ(スペイン、BHテンプロカフェUCC) | +1:18 |
7位 | アントン・クーパー(ニュージーランド、トレックファクトリーレーシングXC) | |
8位 | ルカ・ブライドット(イタリア、サンタクルズ・FSA・MTBプロチーム) | +2:03 |
9位 | イェンス・シューマンス(ベルギー、スコット・クルーズ・オキシジェン・ゲレ) | +2:09 |
10位 | ジョシュア・ドゥバウ(フランス、ロックライダーレーシングチーム) | +2:15 |
メルセデスベンツUCI MTBワールドカップ第4戦女子エリート結果
1位 | ロアナ・ルコント(フランス、キャニオン・CLLCTV) | 1:15:42 |
2位 | ジェニー・リスヴェッツ(チーム31アイビスサイクルズ) | +1:13 |
3位 | ラウラ・スティッガー(オーストリア、スペシャライズドファクトリーレーシング) | +1:28 |
4位 | シーナ・フライ(スイス、スペシャライズドファクトリーレーシング) | +1:41 |
5位 | アン・テルプストラ(オランダ、ゴーストファクトリーレーシング) | +2:10 |
6位 | カロリーヌ・ボヘ(デンマーク、ゴーストファクトリーレーシング) | +2:29 |
7位 | レベッカ・マコンネル(オーストラリア、プリマフロール・モンドレイカー・ジェヌイン) | +3:12 |
8位 | ヨランダ・ネフ(スイス、トレックファクトリーレーシングXC) | +3:52 |
9位 | レナ・ゲラルト(フランス、KTMヴィットリア) | +3:58 |
10位 | アレッサンドラ・ケラー(スイス、トムス・マクソン) | +4:19 |
text:So Isobe
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