2022/05/11(水) - 11:36
「ほとんどチャンスが無いと思っていた」とレナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)は笑顔を見せ、「たくさんのことを犠牲にして、努力を重ねてきた」とフアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)は涙を流した。ジロのイタリアステージ初日を選手コメントで振り返る。
ステージ優勝&総合2位&マリアアッズーラ:レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
スーパーハードな一日だったよ。最後の登坂は特にキツかった。(前を逃げる)ロペスと35秒差だと聞いてほとんどチャンスは無いとさえ思っていたんだ。でもなんとか彼を捕まえることができた。そこからは少し脚を休ませ、最後のスプリントに向けて準備をした。結果的に良い作戦となった。
今僕たちのチームにとって勝利を収めたことは、プレッシャーを減らす上で大きな意味がある。全てがうまくいっているし、チームが向かうべき方向も間違ってない。キャリアの中で初めてのリーダージャージ(マリアアッズーラ)を獲得できたことにも誇りを感じている。
ステージ2位&マリアローザ:フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)
マリアローザを獲得できて本当に嬉しい。誰かがマリアローザだぞと伝えてきたけれど信じることができなかった。10分かけてその事実を理解することができたよ。何日守れるかわからないけれど、今日、そして明日とマリアローザで過ごす全ての瞬間を楽しんで過ごしたいと思う。
(作戦は)大きな逃げグループができたらそこに加わることだった。監督から一番勾配がキツくなるポイントで仕掛けろと伝えられていたので従ったんだ。アタックには最適なポイントだったし、踏んでいる時に調子の良さを感じていた。何が起こるか分からないからこそ自分で挑戦したんだ。
ケムナが残り2~3km地点で追いついてきてからはスプリントに向けて一緒に走った。でもクラッシュしかけて全てを失ってしまったんだ。勝ちたかったけれど、とても難しかった。でもそこからマリアローザだと気づいた。最高に嬉しいよ。なぜあんなに感情的になったのか自分でも驚いたけれど、このジロに向けてたくさんのことを犠牲にして、努力を重ねてきた。マリアローザはそれに報いるものになった。リーダージャージを着るのは子供の頃からずっと夢にしてきたことだったから。
ステージ3位&総合3位:レイン・タラマエ(エストニア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)
このジロに向けて準備を重ねてきたし、今日のステージは逃げにとって完璧なチャンスだった。ブエルタで逃げ切ったことの再現を狙っていたけれど、3位という惜しい結果に終わってしまった。身体が上手く動いてくれなかったけれど、経験でカバーしてなんとか掴んだ結果。フィーリングが悪く、ロペスとケムナがアタックした時は脚が重かったんだ。でも登りはまだまだ長いので「セカンドウインド」が来ることを信じてパニックにならず走り続けた。
他の選手たちが限界近くまで追い込んでいたけれど、僕は一定ペースを貫いて山頂まで登り続けた。今できるベストな走りができたけれど、逃げる2人が協調していたので追いつくことは無理だったんだ。
今僕は16回目のグランツールを堅実に走っている。初日はギルマイのために集団先頭でペースメイクをし、今日はチームとして一番最初にアタックを仕掛けた。ピーヴァやデネーフ監督の作戦も功を奏しているし、3週目までステージ優勝をチャンスを狙い続けていく。
ステージ5位:マウリ・ファンセヴェナント(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)
ベストを尽くしたけれど足りなかった。もう少しで美しい結果を掴むことができたのに。エトナにたどり着くまでは可能な限り脚を残そうと努め上手くいっていた。ただ何人か強力なクライマーがいて、勾配がキツくなる区間で厳しい戦いになることは分かっていたし、特にケムナとタラマエに警戒していた。僕にとって初めてのエトナはすごく難しかった。全力を出しきったので明日は回復に努めたい。
メイングループの2番手でフィニッシュしたロマン・バルデ(フランス、チームDSM)
僕たちにとって良いテストになった。チームとしてまとまってエトナの麓まで走り、良いレースにすることができた。最終的に総合バトルにはならなかったけれど、ライバル勢全員がそこにコミットしていた。ジロの良いスタートが切れたと思う。
メイン集団から7分近く遅れたトム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)
身体がいつものように動かなかった。可能な限りベストな状態でスタートラインに並ぶために努力を重ねてきたけれど、良い状態ではなかった。その理由を説明することはできない。
デュムランやオーメン、フォスなど総合勢が軒並み遅れたユンボ・ヴィスマのマルク・リーフ監督
(オーメンとフォスが)ライバル勢から2分も遅れたのは決して良い兆候なんかじゃない。このジロには総合成績を狙って乗り込んだし、フィニッシュまで8kmを残して我々のエースたちが遅れたことは残念だ。ここから状況を立て直さなければならないので、この先のステージを有効に使っていく。トビアスとサム、そしてトムの調子を見ながら進めていきたい。
脚の故障でリタイアしたミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ・カザフスタン)
こんなことで、たった4日でジロを去るなんてとても悲しい。ここ数日チームスタッフは出来る限りを尽くしてコンディション回復に努めてくれたけれど、今日はレース続行できる状態にはなかった。日に日に回復することを望み、実際その通りになっていたのに今日は痛みで普通にペダリングすることすらできなかった。総合を狙う僕のためにこのジロに参加したチームメイトに対して申し訳が立たないよ。彼らの幸運と、強いレースをしてくれることを心から願っている。
text:So Isobe
ステージ優勝&総合2位&マリアアッズーラ:レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
スーパーハードな一日だったよ。最後の登坂は特にキツかった。(前を逃げる)ロペスと35秒差だと聞いてほとんどチャンスは無いとさえ思っていたんだ。でもなんとか彼を捕まえることができた。そこからは少し脚を休ませ、最後のスプリントに向けて準備をした。結果的に良い作戦となった。
今僕たちのチームにとって勝利を収めたことは、プレッシャーを減らす上で大きな意味がある。全てがうまくいっているし、チームが向かうべき方向も間違ってない。キャリアの中で初めてのリーダージャージ(マリアアッズーラ)を獲得できたことにも誇りを感じている。
ステージ2位&マリアローザ:フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)
マリアローザを獲得できて本当に嬉しい。誰かがマリアローザだぞと伝えてきたけれど信じることができなかった。10分かけてその事実を理解することができたよ。何日守れるかわからないけれど、今日、そして明日とマリアローザで過ごす全ての瞬間を楽しんで過ごしたいと思う。
(作戦は)大きな逃げグループができたらそこに加わることだった。監督から一番勾配がキツくなるポイントで仕掛けろと伝えられていたので従ったんだ。アタックには最適なポイントだったし、踏んでいる時に調子の良さを感じていた。何が起こるか分からないからこそ自分で挑戦したんだ。
ケムナが残り2~3km地点で追いついてきてからはスプリントに向けて一緒に走った。でもクラッシュしかけて全てを失ってしまったんだ。勝ちたかったけれど、とても難しかった。でもそこからマリアローザだと気づいた。最高に嬉しいよ。なぜあんなに感情的になったのか自分でも驚いたけれど、このジロに向けてたくさんのことを犠牲にして、努力を重ねてきた。マリアローザはそれに報いるものになった。リーダージャージを着るのは子供の頃からずっと夢にしてきたことだったから。
ステージ3位&総合3位:レイン・タラマエ(エストニア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)
このジロに向けて準備を重ねてきたし、今日のステージは逃げにとって完璧なチャンスだった。ブエルタで逃げ切ったことの再現を狙っていたけれど、3位という惜しい結果に終わってしまった。身体が上手く動いてくれなかったけれど、経験でカバーしてなんとか掴んだ結果。フィーリングが悪く、ロペスとケムナがアタックした時は脚が重かったんだ。でも登りはまだまだ長いので「セカンドウインド」が来ることを信じてパニックにならず走り続けた。
他の選手たちが限界近くまで追い込んでいたけれど、僕は一定ペースを貫いて山頂まで登り続けた。今できるベストな走りができたけれど、逃げる2人が協調していたので追いつくことは無理だったんだ。
今僕は16回目のグランツールを堅実に走っている。初日はギルマイのために集団先頭でペースメイクをし、今日はチームとして一番最初にアタックを仕掛けた。ピーヴァやデネーフ監督の作戦も功を奏しているし、3週目までステージ優勝をチャンスを狙い続けていく。
ステージ5位:マウリ・ファンセヴェナント(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)
ベストを尽くしたけれど足りなかった。もう少しで美しい結果を掴むことができたのに。エトナにたどり着くまでは可能な限り脚を残そうと努め上手くいっていた。ただ何人か強力なクライマーがいて、勾配がキツくなる区間で厳しい戦いになることは分かっていたし、特にケムナとタラマエに警戒していた。僕にとって初めてのエトナはすごく難しかった。全力を出しきったので明日は回復に努めたい。
メイングループの2番手でフィニッシュしたロマン・バルデ(フランス、チームDSM)
僕たちにとって良いテストになった。チームとしてまとまってエトナの麓まで走り、良いレースにすることができた。最終的に総合バトルにはならなかったけれど、ライバル勢全員がそこにコミットしていた。ジロの良いスタートが切れたと思う。
メイン集団から7分近く遅れたトム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)
身体がいつものように動かなかった。可能な限りベストな状態でスタートラインに並ぶために努力を重ねてきたけれど、良い状態ではなかった。その理由を説明することはできない。
デュムランやオーメン、フォスなど総合勢が軒並み遅れたユンボ・ヴィスマのマルク・リーフ監督
(オーメンとフォスが)ライバル勢から2分も遅れたのは決して良い兆候なんかじゃない。このジロには総合成績を狙って乗り込んだし、フィニッシュまで8kmを残して我々のエースたちが遅れたことは残念だ。ここから状況を立て直さなければならないので、この先のステージを有効に使っていく。トビアスとサム、そしてトムの調子を見ながら進めていきたい。
脚の故障でリタイアしたミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ・カザフスタン)
こんなことで、たった4日でジロを去るなんてとても悲しい。ここ数日チームスタッフは出来る限りを尽くしてコンディション回復に努めてくれたけれど、今日はレース続行できる状態にはなかった。日に日に回復することを望み、実際その通りになっていたのに今日は痛みで普通にペダリングすることすらできなかった。総合を狙う僕のためにこのジロに参加したチームメイトに対して申し訳が立たないよ。彼らの幸運と、強いレースをしてくれることを心から願っている。
text:So Isobe
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