2022/03/23(水) - 10:00
前作のデビューから6年間、スペシャライズドのレーシングアルミロード「Allez Sprint」が第2世代へとモデルチェンジ。走行性能向上のために成形技術を進化させ、新世代のエアロデザインを取り入れた「アルミ製スーパーバイク」に生まれ変わった。
高性能アルミレーシングロード乱戦期と言える2010年代中盤にスペシャライズドが放ったのが初代Allez Sprint(アレースプリント)だ。
限定のS-WORKSモデルが登場するなど、軽量高性能を誇ったALLEZ(アレー)の現代版エアロアルミレーサーとして2016年にデビューし、リーズナブルかつ剛性感溢れる走り、そしてレッドフックに代表されるピストクリテリウムでの活躍(トラックモデル)、そして矢継ぎ早にデビューする華やかな限定カラーモデル、さらにはディスクブレーキモデルの登場によって、TarmacやVangeに並ぶスペシャライズドのピュアレーシングモデルとして地位を築いてきた。
初代モデルは同年代開発のVenge ViASをベースにしていたが、スペシャライズドが「世界初のアルミスーパーバイク」と謳う本作はTarmac SL7のアルミ版と言えるフレームデザインを採用。同社が誇るSmartweld(スマートウェルド)を駆使し、アルミバイクの常識を覆す複雑なヘッドチューブなど、上質な走りを叶えるべく工夫が凝らされた。
Tarmacを思わせるヘッドチューブはアルミ合金板を切り出し、機械成形を施すという特殊な工程によって形作られたもの。これにより肉厚の均一化を叶え、ケーブル類のフル内装化を図るために上下ベアリング径を共通化。トップチューブとダウンチューブとの接合箇所を先代モデルよりも後方に移動させ、ヘッドチューブへの応力集中を最小限に留めるだけでなく、製造公差をなくすことにも成功したという。
また、従来のAllez Sprintのボトムブラケットとダウンチューブはそれぞれ別体で作られていたが、本作ではボトムブラケットからダウンチューブまでを全て引き抜きの1本パイプから作り出すことに改良。溶接箇所を2ヶ所減らし(シートチューブと左右のチェーンステーの3ヶ所のみ)、よりダイレクトなパワー伝達性能をもって「スプリント」への適性を上げているのだ。
有機的なそれぞれのチューブをつなぐのは、もちろんスペシャライズドが特許取得した「ダルージオ・スマートウェルド」。これは単純なパイプを繋ぎ合わせていた従来の製作過程とは異なり、あらかじめハイドロフォーミングでチューブ端の接合部表面に谷間ができるよう整形し、その溝を埋めるように溶接をするというテクノロジー。これにより、溶接部が薄く軽く仕上がる上、接合部をもっとも応力のかかる部分から遠ざけ、チューブの形状と構造を劇的に変化させることに成功した。
快適性とハンドリングに影響するシートポスト(シマノDI2のジャンクションAを搭載可能)とフロントフォークはTarmac SL7と共通で、ジオメトリーはスタック&リーチこそ異なるものの、フィッティングに関する部分はTarmac SL7、そしてAethosと同じ。ヘッドセットカバーの高さを調整するれば、ステムの最低ポジションはTarmac SL7と共通だ。タイヤは26mmが基本だが、21mmリムに取り付けた32mmタイヤまで飲み込むクリアランスを確保している。
アメリカで盛んなクリテリウムシーンでのニーズに応えるべくフロントディレイラーハンガーは取り外し式(先代Allez Sprintは溶接)に変更され、フロントシングルスピード(1x)にも対応。スペシャライズドによればエアロデザインのフレームによって、Allez Sprint Disc比で40km走行時に41秒もの短縮を叶えているという。
日本展開モデルは完成車が2種類と、フレームセットの3バリエーション。上級グレード完成車の「ALLEZ SPRINT LTD(税込79.2万円)」はスラムのフロントシングコンポーネント「Force 1 eTap AXS」やロヴァールのRapide CLホイール、そしてケーブル類のフル内装を叶えるAerofly IIハンドルバーなどを組み込んだ意欲作。シマノ105で組まれた「ALLEZ SPRINT COMP」は税込35.2万円と、後々のグレードアップを見据えた価格設定だ。フレームセットは税込20.9万円という嬉しい価格設定であり、新しい塗装手法を取り入れたというカラーバリエーションも魅力的だ。
シクロワイアードでは追って新型Allez Sprintのインプレッションを掲載予定。本国開発スタッフへのインタビューと合わせて紹介します。
スペシャライズド Allez Sprintスペック
フレーム:Specialized E5 Premium Aluminum Disc frame with D'Aluisio Smartweld Sprint Technology, hydroformed aluminum tubing, tapered head tube, fully internally routed cables, threaded BB
フォーク:FACT Carbon, 12x100mm thru-axle, flat-mount disc
シートポスト:2021 S-Works Tarmac Carbon seat post, FACT Carbon, Di2 Compatible, 20mm offset
フレームサイズ:49、52、54、56、58、61
販売モデル
ALLEZ SPRINT LTD
コンポーネント:SRAM FORCE ETAP AXS 1X
ハンドル:S-Works Aerofly II
ステム:Specialized Pro SL
ホイール:Roval Rapide CL
タイヤ:S-Works Turbo
価格:792,000円 (税込)
製品詳細ページ: https://www.specialized.com/jp/ja/p/189819
ALLEZ SPRINT COMP
コンポーネント:シマノ 105
ホイール:DT Swiss R470
タイヤ:Turbo Pro
価格:352,000円 (税込)
製品詳細ページ: https://www.specialized.com/jp/ja/p/189818
ALLEZ SPRINT フレームセット
カラー:CHAMELEON OIL TINT/BLACK、WATER EFFECT/BLACK、RAW ALUMINUM - BLACK FADE/BLACK CHROME、Sand-White Mountains/Satin Red-Gold Pearl
価格:209,000円 (税込)
製品詳細ページ:https://www.specialized.com/jp/ja/p/189820
高性能アルミレーシングロード乱戦期と言える2010年代中盤にスペシャライズドが放ったのが初代Allez Sprint(アレースプリント)だ。
限定のS-WORKSモデルが登場するなど、軽量高性能を誇ったALLEZ(アレー)の現代版エアロアルミレーサーとして2016年にデビューし、リーズナブルかつ剛性感溢れる走り、そしてレッドフックに代表されるピストクリテリウムでの活躍(トラックモデル)、そして矢継ぎ早にデビューする華やかな限定カラーモデル、さらにはディスクブレーキモデルの登場によって、TarmacやVangeに並ぶスペシャライズドのピュアレーシングモデルとして地位を築いてきた。
初代モデルは同年代開発のVenge ViASをベースにしていたが、スペシャライズドが「世界初のアルミスーパーバイク」と謳う本作はTarmac SL7のアルミ版と言えるフレームデザインを採用。同社が誇るSmartweld(スマートウェルド)を駆使し、アルミバイクの常識を覆す複雑なヘッドチューブなど、上質な走りを叶えるべく工夫が凝らされた。
Tarmacを思わせるヘッドチューブはアルミ合金板を切り出し、機械成形を施すという特殊な工程によって形作られたもの。これにより肉厚の均一化を叶え、ケーブル類のフル内装化を図るために上下ベアリング径を共通化。トップチューブとダウンチューブとの接合箇所を先代モデルよりも後方に移動させ、ヘッドチューブへの応力集中を最小限に留めるだけでなく、製造公差をなくすことにも成功したという。
また、従来のAllez Sprintのボトムブラケットとダウンチューブはそれぞれ別体で作られていたが、本作ではボトムブラケットからダウンチューブまでを全て引き抜きの1本パイプから作り出すことに改良。溶接箇所を2ヶ所減らし(シートチューブと左右のチェーンステーの3ヶ所のみ)、よりダイレクトなパワー伝達性能をもって「スプリント」への適性を上げているのだ。
有機的なそれぞれのチューブをつなぐのは、もちろんスペシャライズドが特許取得した「ダルージオ・スマートウェルド」。これは単純なパイプを繋ぎ合わせていた従来の製作過程とは異なり、あらかじめハイドロフォーミングでチューブ端の接合部表面に谷間ができるよう整形し、その溝を埋めるように溶接をするというテクノロジー。これにより、溶接部が薄く軽く仕上がる上、接合部をもっとも応力のかかる部分から遠ざけ、チューブの形状と構造を劇的に変化させることに成功した。
快適性とハンドリングに影響するシートポスト(シマノDI2のジャンクションAを搭載可能)とフロントフォークはTarmac SL7と共通で、ジオメトリーはスタック&リーチこそ異なるものの、フィッティングに関する部分はTarmac SL7、そしてAethosと同じ。ヘッドセットカバーの高さを調整するれば、ステムの最低ポジションはTarmac SL7と共通だ。タイヤは26mmが基本だが、21mmリムに取り付けた32mmタイヤまで飲み込むクリアランスを確保している。
アメリカで盛んなクリテリウムシーンでのニーズに応えるべくフロントディレイラーハンガーは取り外し式(先代Allez Sprintは溶接)に変更され、フロントシングルスピード(1x)にも対応。スペシャライズドによればエアロデザインのフレームによって、Allez Sprint Disc比で40km走行時に41秒もの短縮を叶えているという。
日本展開モデルは完成車が2種類と、フレームセットの3バリエーション。上級グレード完成車の「ALLEZ SPRINT LTD(税込79.2万円)」はスラムのフロントシングコンポーネント「Force 1 eTap AXS」やロヴァールのRapide CLホイール、そしてケーブル類のフル内装を叶えるAerofly IIハンドルバーなどを組み込んだ意欲作。シマノ105で組まれた「ALLEZ SPRINT COMP」は税込35.2万円と、後々のグレードアップを見据えた価格設定だ。フレームセットは税込20.9万円という嬉しい価格設定であり、新しい塗装手法を取り入れたというカラーバリエーションも魅力的だ。
シクロワイアードでは追って新型Allez Sprintのインプレッションを掲載予定。本国開発スタッフへのインタビューと合わせて紹介します。
スペシャライズド Allez Sprintスペック
フレーム:Specialized E5 Premium Aluminum Disc frame with D'Aluisio Smartweld Sprint Technology, hydroformed aluminum tubing, tapered head tube, fully internally routed cables, threaded BB
フォーク:FACT Carbon, 12x100mm thru-axle, flat-mount disc
シートポスト:2021 S-Works Tarmac Carbon seat post, FACT Carbon, Di2 Compatible, 20mm offset
フレームサイズ:49、52、54、56、58、61
販売モデル
ALLEZ SPRINT LTD
コンポーネント:SRAM FORCE ETAP AXS 1X
ハンドル:S-Works Aerofly II
ステム:Specialized Pro SL
ホイール:Roval Rapide CL
タイヤ:S-Works Turbo
価格:792,000円 (税込)
製品詳細ページ: https://www.specialized.com/jp/ja/p/189819
ALLEZ SPRINT COMP
コンポーネント:シマノ 105
ホイール:DT Swiss R470
タイヤ:Turbo Pro
価格:352,000円 (税込)
製品詳細ページ: https://www.specialized.com/jp/ja/p/189818
ALLEZ SPRINT フレームセット
カラー:CHAMELEON OIL TINT/BLACK、WATER EFFECT/BLACK、RAW ALUMINUM - BLACK FADE/BLACK CHROME、Sand-White Mountains/Satin Red-Gold Pearl
価格:209,000円 (税込)
製品詳細ページ:https://www.specialized.com/jp/ja/p/189820
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