フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)がオマーン最終日のスプリントを制覇。前日クイーンステージを制したヤン・ヒルト(チェコ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)がキャリア最大の勝利となる総合優勝を掴んだ。
壮麗なモスクを横目に駆け抜ける photo:A.S.O.
親日国オマーンを舞台に6日間に渡って続いたツアー・オブ・オマーン(UCI2.Pro)もいよいよ最終日。オマーン湾にのぞむ同国首都マスカットを舞台にした132.5kmコースに、総合首位ヤン・ヒルト(チェコ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)を筆頭にしたプロトンが滑り出した。
後半にかけて首都を取り囲む山岳地帯を走り、山岳ポイントが与えられた短い登坂を2つ越え、最後は短いアップダウンを含む海沿いの周回コースを3周回。基本的にはスプリンターステージだが、展開次第ではアタッカーにも可能性がある。この日はリアルスタートが切られると共に、アレクサンドル・ヴィノクロフの双子の息子の一人、19歳のアレクサンドル・ヴィノクロフ(アスタナカザフスタン・デベロップメントチーム)を含む7名が逃げを打った。
アレクサンドル・ヴィノクロフ(アスタナカザフスタン・デベロップメントチーム)を含む逃げグループ photo:A.S.O.
集団コントロールを担うヨウセフ・ミルザ(UAE、UAEチームエミレーツ) photo:A.S.O.
メイン集団は逃げグループとの差を最大2分ほどでコントロール。後半の山岳区間に入ると「過去何度も同じコースでスプリント勝負に持ち込まれてきたけれど、何チームかは手前の登坂区間でペースアップを図るはず。なので状況をコントロールする必要がある」とマキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、コフィディス)が話した通り、イーブンペースで進む集団からチームDSMが積極的に攻撃を仕掛けた。
ケヴィン・ヴェルマーク(アメリカ)が、逃げ吸収後の最後の登坂区間(残り3km地点)ではセーアン・クラーウアナスン(デンマーク)が飛び出したものの、いずれも失敗。バイクエクスチェンジ・ジェイコがコントロールするメイン集団がスプリント勝負に向けて突き進んだ。
旧市街への門をくぐるプロトン photo:A.S.O.
最終スプリントを制したフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) photo:A.S.O.
絶好のリードアウトトレインを構築したバイクエクスチェンジだったものの、消耗によって少し早いタイミングでカーデン・グローブス(オーストラリア)を発進させてしまう。その背後でフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)を従えたマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン)がタイミングを待ち、残り100mからガビリアが加速した。
後方から強烈に加速するも、リケーゼに塞がれる(リケーゼは進路妨害判断で降格処分に)形で失速したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)を尻目にガビリア先着。開幕ステージに続く今大会2勝目をマークした。
「チームが上手く機能したし、ステージ優勝を狙った上での勝利なのでとても嬉しい。序盤からレースをコントロールし、僕にはステージを勝てるだけの脚があった」と語るガビリアはポイントランキングで逆転首位浮上。レース終了後は隣国UAE(アラブ首長国連邦)に渡り、タデイ・ポガチャル(スロベニア)らと共にチームのホームレースであるUAEツアーに参戦する。
マスナダやコスタを抑え、キャリア最大の勝利を挙げたヤン・ヒルト(チェコ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) photo:A.S.O.
ヒルト以下、特別ジャージを決めた選手たち photo:A.S.O.
また、前日にアフダル山を制したヤン・ヒルト(チェコ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が第11代ツアー・オブ・オマーン総合覇者に輝いた。これまでプロコンチネンタル時代のCCCやアスタナ、ワールドチーム昇格後のCCCを渡り歩き、CCC解散と共にアンテルマルシェに移籍した中堅選手がキャリア最大の勝利を手に入れることに。
「昨日(のフィニッシュで)腕を突き上げたときはこの6年間で最高の気分だった。総合優勝は素晴らしいボーナスで、1週間共に戦ったチームメイト無しでは不可能な結果だった。今日もレースをコントロールし、ライバルがサプライズアタックを仕掛けても一度もパニックになることはなかった。僕は今キャリアで最高のコンディションだ。アンテルマルシェのメンバーとして走り、自転車競技に対する情熱を再確認できた」と話す31歳のヒルト。
「昨年の終わりにコロナ陽性となったときは精神的にも肉体的にも参ってしまったけれど、この冬はコーチや栄養士チームと上手く連携し準備を重ねることができた。このコンディションを長く維持したいし、すぐこの後のUAEツアーも楽しみだ」と加えている。

親日国オマーンを舞台に6日間に渡って続いたツアー・オブ・オマーン(UCI2.Pro)もいよいよ最終日。オマーン湾にのぞむ同国首都マスカットを舞台にした132.5kmコースに、総合首位ヤン・ヒルト(チェコ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)を筆頭にしたプロトンが滑り出した。
後半にかけて首都を取り囲む山岳地帯を走り、山岳ポイントが与えられた短い登坂を2つ越え、最後は短いアップダウンを含む海沿いの周回コースを3周回。基本的にはスプリンターステージだが、展開次第ではアタッカーにも可能性がある。この日はリアルスタートが切られると共に、アレクサンドル・ヴィノクロフの双子の息子の一人、19歳のアレクサンドル・ヴィノクロフ(アスタナカザフスタン・デベロップメントチーム)を含む7名が逃げを打った。


メイン集団は逃げグループとの差を最大2分ほどでコントロール。後半の山岳区間に入ると「過去何度も同じコースでスプリント勝負に持ち込まれてきたけれど、何チームかは手前の登坂区間でペースアップを図るはず。なので状況をコントロールする必要がある」とマキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、コフィディス)が話した通り、イーブンペースで進む集団からチームDSMが積極的に攻撃を仕掛けた。
ケヴィン・ヴェルマーク(アメリカ)が、逃げ吸収後の最後の登坂区間(残り3km地点)ではセーアン・クラーウアナスン(デンマーク)が飛び出したものの、いずれも失敗。バイクエクスチェンジ・ジェイコがコントロールするメイン集団がスプリント勝負に向けて突き進んだ。


絶好のリードアウトトレインを構築したバイクエクスチェンジだったものの、消耗によって少し早いタイミングでカーデン・グローブス(オーストラリア)を発進させてしまう。その背後でフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)を従えたマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン)がタイミングを待ち、残り100mからガビリアが加速した。
後方から強烈に加速するも、リケーゼに塞がれる(リケーゼは進路妨害判断で降格処分に)形で失速したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)を尻目にガビリア先着。開幕ステージに続く今大会2勝目をマークした。
「チームが上手く機能したし、ステージ優勝を狙った上での勝利なのでとても嬉しい。序盤からレースをコントロールし、僕にはステージを勝てるだけの脚があった」と語るガビリアはポイントランキングで逆転首位浮上。レース終了後は隣国UAE(アラブ首長国連邦)に渡り、タデイ・ポガチャル(スロベニア)らと共にチームのホームレースであるUAEツアーに参戦する。


また、前日にアフダル山を制したヤン・ヒルト(チェコ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が第11代ツアー・オブ・オマーン総合覇者に輝いた。これまでプロコンチネンタル時代のCCCやアスタナ、ワールドチーム昇格後のCCCを渡り歩き、CCC解散と共にアンテルマルシェに移籍した中堅選手がキャリア最大の勝利を手に入れることに。
「昨日(のフィニッシュで)腕を突き上げたときはこの6年間で最高の気分だった。総合優勝は素晴らしいボーナスで、1週間共に戦ったチームメイト無しでは不可能な結果だった。今日もレースをコントロールし、ライバルがサプライズアタックを仕掛けても一度もパニックになることはなかった。僕は今キャリアで最高のコンディションだ。アンテルマルシェのメンバーとして走り、自転車競技に対する情熱を再確認できた」と話す31歳のヒルト。
「昨年の終わりにコロナ陽性となったときは精神的にも肉体的にも参ってしまったけれど、この冬はコーチや栄養士チームと上手く連携し準備を重ねることができた。このコンディションを長く維持したいし、すぐこの後のUAEツアーも楽しみだ」と加えている。
ツアー・オブ・オマーン2022第6ステージ結果
1位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | 4:10:16 |
2位 | カーデン・グローブス(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | |
3位 | アモリ・カピオ(ベルギー、アルケア・サムシック) | |
4位 | ポール・ペノエ(フランス、グルパマ・エフデジ) | |
5位 | ユーゴ・パージュ(フランス、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
6位 | マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル) | |
7位 | フェリックス・グロース(ドイツ、UAEチームエミレーツ) | |
8位 | ローレンス・レックス(ベルギー、ビンゴール・パウェルスソースWB) | |
9位 | シュモン・サイノク(ポーランド、コフィディス) | |
10位 | ケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・サムシック) |
個人総合成績
1位 | ヤン・ヒルト(チェコ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | 22:35:43 |
2位 | ファウスト・マスナダ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル) | 1:00 |
3位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | 1:16 |
4位 | エリー・ジェベール(フランス、アルケア・サムシック) | 1:18 |
5位 | アントン・チャーマ(デンマーク、ウノエックス・プロサイクリング チーム) | |
6位 | ケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・サムシック) | 1:38 |
7位 | ケヴィン・コッレオーニ(イタリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | 1:50 |
8位 | レイン・タラマエ(エストニア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベール) | 1:51 |
9位 | ヘンリ・ファンデンアベーレ(ベルギー、チームDSM) | 1:54 |
10位 | マウロ・シュミット(スイス、クイックステップ・アルファヴィニル) | 2:01 |
その他特別賞
ポイント賞 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) |
ヤングライダー賞 | アントン・チャーマ(デンマーク、ウノエックス・プロサイクリング チーム) |
チーム総合成績 | アルケア・サムシック |
text:So Isobe
photo:A.S.O.
photo:A.S.O.
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