23名の先頭集団から勝者が生まれた第11回アムステルゴールドレース女子。ミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム)がカウベルグでファンダイクを引き離し、2.3kmの独走で初優勝を飾った。

連覇狙うマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

世界王者コペッキーと欧州王者ウィーベスを揃えるSDワークス・プロタイム photo:CorVos 4月20日に行われたアムステルゴールドレース・レディースエディションは、男子と同じくラ・フレーシュ・ワロンヌ・フェミニーヌ(4月23日)、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ・ファム(4月27日)と続く「アルデンヌ3連戦」の初戦。舞台は女子の名選手を多く輩出するオランダで、157.4kmのコースには22箇所のベルグ(丘)が登場。後半は今年復活したレースを象徴するカウベルグを5回越えるタフなレイアウトだ。
前回覇者でチームと終身契約を結んだマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)がゼッケン1をつけてスタートラインに並び、2023年覇者デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ)も出場。SDワークス・プロタイムは世界王者ロッテ・コペッキー(ベルギー)とロレーナ・ウィーベス(オランダ)を揃え、日本からは垣田真穂がイタリアのコンチネンタルチーム、ビーピンク・ボンジョアンニの一員として出場した。
20歳のソルビョークミンケ・アンダーソン(デンマーク、ウノエックス・モビリティ)ら9名が逃げを打ち、メイン集団はAGインシュランス・スーダルなどがコントロールした。すると残り93km地点でフォレリングが落車。しかし無事に優勝候補が復帰したプロトンは、残り73km地点で早くも逃げグループを引き戻した。

この日1度目のカウベルグを登るプロトン photo:CorVos
カウベルグを含む周回コースに入ると、集団先頭はアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム)がハイペースに持ち込み人数を絞っていく。そしてカウベルグで繰り返されたアタックにより、先頭に23名の精鋭集団が形成される。その中にウィーベスやジュリエット・ラブース(フランス、FDJスエズ)が入った一方で、フォスやコペッキー、フォレリングなどは静観した。
この日4度目のカウベルグに入った時点で、先頭とメイン集団との差は1分20秒まで拡大。フランス王者ラブースが加速し、MTB世界王者であるプック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)も積極的に集団先頭でペースを作る。そして最後から3つ目の「No.20 フルヘマーベルグ」でピーテルセがアタックした。

プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)のアタックにより形成された5名の先頭集団 photo:CorVos
その目的であったウィーベスを引き離すことに成功したものの、ラブースとシルヴィア・ペルシコ(イタリア、UAEチームADQ)が追従する。遅れてエレン・ファンダイク(オランダ、リドル・トレック)とミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム)が合流し、勝負はこの5名に絞られた。
残り5.7km地点で38歳のベテラン、ファンダイクがアタック。ここが勝負所だと察知した24歳のブレーデウォルツが追従し、共に180cmを越える大柄なオランダ人選手2名がレース先頭に立つ。そして最後にカウベルグに入ると、前ヨーロッパ王者であるブレーデウォルツがファンダイクを引き離した。

ファンダイクを引き離し、単独先頭に立ったミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム) photo:CorVos
残り2.3km地点での登りアタックを決めたブレーデウォルツは、ファンダイクを捉えた後続を振り切ることに成功。そしてブレーデウォルツが、母国オランダ最大のワンデーレースで勝利した。

キャリアハイとなる勝利を掴んだミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム) photo:CorVos
コペッキーをエースに、先頭集団にスプリンターであるウィーベスを送り、アシストであるブレーデウォルツが独走勝利と層の厚さを見せつけたSDワークス。「まさか勝てるなんて思ってもいなかった。もちろん驚いているが、いつかパズルのピースが組み合わさる(勝てる)時を待っていた。ファンダイクのアタックについていき、嫌いなカウベルグで仕掛けた。頂上を単独で越え、あとはひたすらフィニッシュに向かって踏み続けるだけだった。オランダ人としてアムステルゴールドレースを勝てたことはこの上ない喜びだ」と、ブレーデウォルツはキャリア最高の勝利を喜んだ。
2位を争うスプリントはファンダイクがベテランの意地を見せ、3位にはピーテルセが入る。そのためオランダ人選手がトップ3を独占。また垣田は途中リタイアとなった。

表彰台で大会スポンサーであるビールを飲むミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム)たち photo:CorVos


前回覇者でチームと終身契約を結んだマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)がゼッケン1をつけてスタートラインに並び、2023年覇者デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ)も出場。SDワークス・プロタイムは世界王者ロッテ・コペッキー(ベルギー)とロレーナ・ウィーベス(オランダ)を揃え、日本からは垣田真穂がイタリアのコンチネンタルチーム、ビーピンク・ボンジョアンニの一員として出場した。
20歳のソルビョークミンケ・アンダーソン(デンマーク、ウノエックス・モビリティ)ら9名が逃げを打ち、メイン集団はAGインシュランス・スーダルなどがコントロールした。すると残り93km地点でフォレリングが落車。しかし無事に優勝候補が復帰したプロトンは、残り73km地点で早くも逃げグループを引き戻した。

カウベルグを含む周回コースに入ると、集団先頭はアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム)がハイペースに持ち込み人数を絞っていく。そしてカウベルグで繰り返されたアタックにより、先頭に23名の精鋭集団が形成される。その中にウィーベスやジュリエット・ラブース(フランス、FDJスエズ)が入った一方で、フォスやコペッキー、フォレリングなどは静観した。
この日4度目のカウベルグに入った時点で、先頭とメイン集団との差は1分20秒まで拡大。フランス王者ラブースが加速し、MTB世界王者であるプック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)も積極的に集団先頭でペースを作る。そして最後から3つ目の「No.20 フルヘマーベルグ」でピーテルセがアタックした。

その目的であったウィーベスを引き離すことに成功したものの、ラブースとシルヴィア・ペルシコ(イタリア、UAEチームADQ)が追従する。遅れてエレン・ファンダイク(オランダ、リドル・トレック)とミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム)が合流し、勝負はこの5名に絞られた。
残り5.7km地点で38歳のベテラン、ファンダイクがアタック。ここが勝負所だと察知した24歳のブレーデウォルツが追従し、共に180cmを越える大柄なオランダ人選手2名がレース先頭に立つ。そして最後にカウベルグに入ると、前ヨーロッパ王者であるブレーデウォルツがファンダイクを引き離した。

残り2.3km地点での登りアタックを決めたブレーデウォルツは、ファンダイクを捉えた後続を振り切ることに成功。そしてブレーデウォルツが、母国オランダ最大のワンデーレースで勝利した。

コペッキーをエースに、先頭集団にスプリンターであるウィーベスを送り、アシストであるブレーデウォルツが独走勝利と層の厚さを見せつけたSDワークス。「まさか勝てるなんて思ってもいなかった。もちろん驚いているが、いつかパズルのピースが組み合わさる(勝てる)時を待っていた。ファンダイクのアタックについていき、嫌いなカウベルグで仕掛けた。頂上を単独で越え、あとはひたすらフィニッシュに向かって踏み続けるだけだった。オランダ人としてアムステルゴールドレースを勝てたことはこの上ない喜びだ」と、ブレーデウォルツはキャリア最高の勝利を喜んだ。
2位を争うスプリントはファンダイクがベテランの意地を見せ、3位にはピーテルセが入る。そのためオランダ人選手がトップ3を独占。また垣田は途中リタイアとなった。

アムステルゴールドレース・レディースエディション2025結果
1位 | ミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム) | 4:03:03 |
2位 | エレン・ファンダイク(オランダ、リドル・トレック) | +0:07 |
3位 | プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | |
4位 | ジュリエット・ラブース(フランス、FDJスエズ) | |
5位 | シルヴィア・ペルシコ(イタリア、UAEチームADQ) | +0:09 |
6位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) | +1:26 |
7位 | アリソン・ジャクソン(カナダ、EFオートリー・キャノンデール) | |
8位 | アンナ・ヘンダーソン(イギリス、リドル・トレック) | |
9位 | クインティ・トン(オランダ、リブ・アルウラー・ジェイコ) | |
10位 | マーラ・ロルダン(カナダ、ピクニック・ポストNL) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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