2022/01/31(月) - 03:48
共に先頭グループを形成したライバルをスプリントで一蹴し、ヤン・クリステン(スイス)がシクロクロス男子ジュニア世界チャンピオンに。ロードレースでも活躍が期待されている17歳がアルカンシエルを手に入れた。
シクロクロス世界選手権2日目のオープニングレースは群雄割拠の男子ジュニア。15カ国から集結した2004年・2005年生まれ合計34人が前日と同じドライコンディションのスピードコースで火花を散らした。
コロナ禍による昨年大会中止を挟み、2年ぶりの開催となった男子ジュニアレースは序盤から出入りの激しいアタックの応酬に。ネイサン・スミス(イギリス)やベルギー勢がペースメイクする中、2周目に入ると同カテゴリーで圧倒的な戦績を誇るデーヴィッド・ハフェルディングス(オランダ)落車するという波乱が起きた。
今季出場した19レース中16勝という圧倒的な勝率をひっさげて臨み、今大会の優勝候補に据えられていたハフェルディングスだったが、2番手で進入した下りコーナーで轍を外し、後続選手を巻き込みながら転倒してしまう。激しく転倒したハフェルディングスはやがて再乗車し先頭復帰を試みたものの、高速コースで失った30秒以上の差はあまりにも大きかった(最終的に9位)。
優勝候補不在となった先頭グループはやがて10名以上まで膨れ上がった。ベルギー勢が主導権を握るべく先頭を固め、アーロン・ドックスをアタックさせたものの、序盤からペースメイクしていたスミスと、ハフェルディングスの落車による足止めから復帰したヤン・クリステン(スイス)が全6周回中の4周目に合流する。序盤戦と変わらないラップタイムを叩き出しながら走る先頭3人は後続を置き去りにし、表彰台に上がる3名が選び出された。
互いの様子を探り合う中、スイス代表ジャージを着るクリステンの余裕ぶりが目立った。「あの中で一番スプリントがあるのは自分だと分かっていた」と振り返るスミスは残り1周回まで登り返しでウィップを決め、最終周回に入ると小さな丘でジャブを打ち、少し離れた場所からライバルの様子を伺う。最終周回後半のアタックこそ成功しなかったものの、牽制を挟んで臨んだスプリント勝負では圧倒的な爆発力を披露した。
ロングスプリントを狙ったドックスをリードアウトに使い、瞬発的な加速でリードを奪ったクリステン。スイスやルクセンブルクの小さいレースでの勝利こそあれど、ワールドカップでは今季最高9位止まりだったダークホースが、アルカンシエルを決める大一番で輝いた。
クリステンは「スプリントなら一番強いと分かっていたので最終周回にフォーカスしていた。全力を尽くして、勝てた。とても嬉しいよ。この世界選手権をただ一つの目標に据えてきたので信じられない気分だ」とレース後インタビューでコメントする。
タデイ・ポガチャル(スロベニア)が創設した若手育成チームに今年から所属し、スイスのスターであるマルク・ヒルシを追うようにUAEチームエミレーツと先行契約していたスイス期待の若手が、キャリア最高のビッグタイトルを手中に収めた。
シクロクロス世界選手権2日目のオープニングレースは群雄割拠の男子ジュニア。15カ国から集結した2004年・2005年生まれ合計34人が前日と同じドライコンディションのスピードコースで火花を散らした。
コロナ禍による昨年大会中止を挟み、2年ぶりの開催となった男子ジュニアレースは序盤から出入りの激しいアタックの応酬に。ネイサン・スミス(イギリス)やベルギー勢がペースメイクする中、2周目に入ると同カテゴリーで圧倒的な戦績を誇るデーヴィッド・ハフェルディングス(オランダ)落車するという波乱が起きた。
今季出場した19レース中16勝という圧倒的な勝率をひっさげて臨み、今大会の優勝候補に据えられていたハフェルディングスだったが、2番手で進入した下りコーナーで轍を外し、後続選手を巻き込みながら転倒してしまう。激しく転倒したハフェルディングスはやがて再乗車し先頭復帰を試みたものの、高速コースで失った30秒以上の差はあまりにも大きかった(最終的に9位)。
優勝候補不在となった先頭グループはやがて10名以上まで膨れ上がった。ベルギー勢が主導権を握るべく先頭を固め、アーロン・ドックスをアタックさせたものの、序盤からペースメイクしていたスミスと、ハフェルディングスの落車による足止めから復帰したヤン・クリステン(スイス)が全6周回中の4周目に合流する。序盤戦と変わらないラップタイムを叩き出しながら走る先頭3人は後続を置き去りにし、表彰台に上がる3名が選び出された。
互いの様子を探り合う中、スイス代表ジャージを着るクリステンの余裕ぶりが目立った。「あの中で一番スプリントがあるのは自分だと分かっていた」と振り返るスミスは残り1周回まで登り返しでウィップを決め、最終周回に入ると小さな丘でジャブを打ち、少し離れた場所からライバルの様子を伺う。最終周回後半のアタックこそ成功しなかったものの、牽制を挟んで臨んだスプリント勝負では圧倒的な爆発力を披露した。
ロングスプリントを狙ったドックスをリードアウトに使い、瞬発的な加速でリードを奪ったクリステン。スイスやルクセンブルクの小さいレースでの勝利こそあれど、ワールドカップでは今季最高9位止まりだったダークホースが、アルカンシエルを決める大一番で輝いた。
クリステンは「スプリントなら一番強いと分かっていたので最終周回にフォーカスしていた。全力を尽くして、勝てた。とても嬉しいよ。この世界選手権をただ一つの目標に据えてきたので信じられない気分だ」とレース後インタビューでコメントする。
タデイ・ポガチャル(スロベニア)が創設した若手育成チームに今年から所属し、スイスのスターであるマルク・ヒルシを追うようにUAEチームエミレーツと先行契約していたスイス期待の若手が、キャリア最高のビッグタイトルを手中に収めた。
シクロクロス世界選手権2022男子ジュニア結果
1位 | ヤン・クリステン(スイス) | 43:11 |
2位 | アーロン・ドックス(ベルギー) | +0:01 |
3位 | ネイサン・スミス(イギリス) | +0:01 |
4位 | コランタン・ルケ(フランス) | +0:20 |
5位 | アンドリュー・オーグスト(アメリカ) | +0:20 |
6位 | ヴィクトール・ファンデンベルへ(ベルギー) | +0:33 |
7位 | ウィエス・ナイエンス(ベルギー) | +0:35 |
8位 | イアン・アッカート(カナダ) | +0:39 |
9位 | デーヴィッド・ハフェルディングス(オランダ) | +0:41 |
10位 | ダニエル・ニールセン(デンマーク) | +0:49 |
text:So Isobe
photo:Nobuhiko Tanabe
photo:Nobuhiko Tanabe