2010/06/30(水) - 09:19
2010年7月3日にオランダ・ロッテルダムで開幕する第97回ツール・ド・フランス。新城幸也(Bboxブイグテレコム)の2年連続で注目が集まる大会は、オランダからベルギーを抜け、パヴェ(石畳)ステージを経てフランスへ。ここではアルプス山脈を通過する第10ステージまでのコースを紹介する。
7月3日(土)プロローグ
ロッテルダム(オランダ)8.9km 個人TT →コースマップ
ツール・ド・フランスは今年もフランス国外をスタート。第97回大会のグランデパール(開幕地)はオランダのロッテルダムだ。初日は、世界屈指の港湾都市として知られるロッテルダムを駆け抜けるプロローグ。運河が張り巡らされた街中を駆け抜ける8.9kmのコースが用意された。コースはほぼフラットで、コースプロフィールに現れている小さな起伏は運河を渡す橋だ。
3年ぶりにツールに戻って来たプロローグでは、カンチェラーラ(スイス)やウィギンズ(イギリス)に代表されるスペシャリストの活躍に注目が集まる。短距離ハイスピード走行に長けたスプリンターにもチャンスはあるだろう。とにかくここで最速タイムを刻むことが出来ればマイヨジョーヌに袖を通すことが出来る。
7月4日(日)第1ステージ
ロッテルダム(オランダ)〜ブリュッセル(ベルギー)223.5km →コースマップ
第1ステージはオランダ第二の都市ロッテルダムとベルギーの首都ブリュッセルを結ぶ223.5km。平野部を駆け抜けるコースはほぼ真っ平らで、大集団による今大会最初のスプリント勝負に持ち込まれる可能性が高い。
この日、選手たちの前に立ちはだかるのは山岳ではなく強風だ。特にオランダの海沿いを走るレース前半は横風が吹く可能性があり、集団分裂も充分に考えられる。5月のジロ・デ・イタリア第3ステージで通過した風車が立ち並ぶ堤防もコースに取り入れられており、総合狙いのオールラウンダーたちにとっても気が抜けないステージになるだろう。
7月5日(月)第2ステージ
ブリュッセル(ベルギー)〜スパ(ベルギー)201km →コースマップ
第2ステージは起伏に富んだコースが名物のフレーシュ・ワロンヌやリエージュ〜バストーニュ〜リエージュと同じ丘陵地帯を通過する。ベルギー国内を東に進む201kmのコースは、さながら“アルデンヌ・クラシック”だ。後半にかけて3級や4級のカテゴリー山岳が連続して登場するため、ビッグスプリンターたちは苦戦が予想される。
ゴール地点は「スパ(温泉)」の語源になった温泉地スパ。ラスト12km地点に設定された3級山岳ロジエ峠(登坂距離6.4km・平均勾配4%)では、総合狙いの選手たちが動いてくる可能性もある。上りで縮小した集団でのスプリント勝負に持ち込まれるだろう。
7月6日(火)第3ステージ
ワンズ(ベルギー)〜アランベール・ポルト・ドゥ・エノー 213km →コースマップ
「パヴェ(石畳)で総合優勝は決まらないが、パヴェで総合優勝を失う可能性は充分にある」。総合優勝候補はそう口を揃える。ベルギーからフランスに至る213kmで行なわれる第3ステージは、総合優勝争いに大きな影響を与える破壊力を秘めたパヴェステージ。ツールに本格的なパヴェが登場するのは史上6回目。
登場するパヴェ区間は合計7カ所で合計13.2km。跳ねるバイクを抑え込み、荒れた路面を駆け抜ける。クラシックレースを得意とする選手には絶好のチャンスだが、逆に軽量なクライマー体型の選手には大きな試練だ。道が狭い箇所もあるため、集団での位置取りが重要になる。チーム力が問われるステージであり、山岳を見据えてクライマーを揃えたチームは苦戦することになるだろう。
7月7日(水)第4ステージ
カンブレー〜ランス 153.5km →コースマップ
オランダとベルギーでの闘いを終え、この日からフランス国内のステージが始まる。最終日のシャンゼリゼステージを除くと、153.5kmのコースは今大会最短。前半に4級山岳が1つ設定されているだけの生粋のスプリンターステージだ。前日まで気の抜けないステージが続いただけに、総合狙いの選手たちはリラックスしてレースに挑むことになるだろう。
風が吹けば違った展開に持ち込まれることも有り得るが、幸いツールの開催時期は穏やかな気候で風は弱め。スプリンターチームが牽く大集団が、ゴール地点ランスの街に突入する。この日から3日連続でスプリンター向きのステージが設定されている。マイヨヴェールを懸けたバトルに注目だ。
7月8日(木)第5ステージ
エペルネー〜モンタルジ 187.5km →コースマップ
オランダをスタートしたツールは、最初の決戦地であるアルプスに向かって南下。第5ステージはパリの南東方向に広がる平野部を駆け抜ける。前半から4級山岳を狙った動きが見られると思われるが、ゴールまで逃げ切るには難易度が低すぎる。スプリンターの脚を弱めるような山岳は設定されておらず、2日連続で集団スプリントに持ち込まれる可能性が高い。ステージ優勝を狙うチームが積極的に集団をコントロールするはずだ。
今年のツールには、ゴール地点が翌日のスタート地点になるステージが8つ。この第5ステージもそのうちの1つで、選手たちはレース後ゆっくりカラダを休めることが出来る。まだまだツールは始まったばかりだ。
7月9日(金)第6ステージ
モンタルジ〜グーニョン 227.5km →コースマップ
翌日から山岳ステージが始まるため、この第6ステージが前半戦最後の平坦ステージ。それだけにスプリンターたちのモチヴェーションは高いはずだ。今大会最長の227.5kmのコースに設定されたカテゴリー山岳は4つ。しかしどれもカテゴリーは4級で、勾配の緩い上りばかり。スプリンターにとっての脅威にはならず、集団のスピードを弱める要因にはなりにくい。
森に囲まれたコースを抜け、最後はツール初登場の小さなグーニョンの街(人口8300人)にゴール。この頃にはスプリンターの好不調が成績に現れているだろう。マイヨヴェール(ポイント賞ジャージ)の持ち主もある程度定まっているはずだ。
7月10日(土)第7ステージ
トゥルニュ〜レ・ルッス・スキー場 165.5km →コースマップ
「中級山岳ステージ」に分類された第7ステージは、今大会最初の本格的な山岳ステージだと言える。スイスに向かって山岳地帯を東に進み、最後は標高1168mのレ・ルッス・スキー場にゴール。レースの進行とともに山岳の難易度が増すのが特徴で、後半にかけて2級山岳が3つ連続して登場する。
ゴールの僅か4km手前に頂上が設定された2級山岳ラムラ峠は、登坂距離14kmで平均勾配5%。距離は長いが、アルプスやピレネーの本格山岳ほど難易度は高くない。ピュアクライマーではなく、アップダウンコースを得意とするパンチャー系の選手にもチャンスがある。とは言っても頂上ゴールに近いコースレイアウトだけに、早速総合戦線から脱落する選手が出てくるかも知れない。いよいよ翌日はアルプスの本格山岳に突入だ。
7月11日(日)第8ステージ
レ・ルッス・スキー場〜モルジヌ・アヴォリアズ 189km →コースマップ
1回目の休息日前の第8ステージは、今大会最初の頂上ゴールが登場する。舞台となるのはスイス国境に近い山岳地帯だ。勝負どころはラスト50kmに集約されており、まずは1級山岳ラマズ峠が選手たちの前に立ちはだかる。7年前にリシャール・ヴィランク(フランス)はこの上りでアタックを成功させ、逃げ切り勝利とマイヨジョーヌを手にした。
最後は3級山岳レゲを経由し、標高1796mの1級山岳モルジヌ・アヴォリアズを駆け上がってゴール。登坂距離13.6km・平均勾配6.1%の上りの先にゴールが待っている。コンタドールを始めとする総合狙いのオールラウンダーたちが早速動きを見せるだろう。総合成績に激震が走るとともに、マイヨジョーヌも持ち主を変えることになりそうだ。
7月12日(月)休息日 モルジヌ・アヴォリアズ
7月13日(火)第9ステージ
モルジヌ・アヴォリアズ〜サン・ジャン・ド・モリエンヌ 204.5km →コースマップ
休息日明けの第9ステージはアルプス山岳シリーズのクライマックス。お馴染みの1級山岳コロンビエール峠や1級山岳セジ峠がレース前半に設定されており、マイヨブラン・ア・ポワ・ルージュ(山岳賞ジャージ)狙いのクライマーがポイント量産目指してアタックを繰り返すだろう。
マイヨジョーヌ狙いのオールラウンダーが最も警戒しなければならないのが、ゴール32km手前に設定された超級山岳マドレーヌ峠だ。登坂距離25.5km・平均勾配6.2%の上りで、メイン集団は確実に人数を減らすことになる。しかし注目すべきは上りよりも下り区間かも知れない。20km近く続くテクニカルな下りで思わぬタイム差が生まれる可能性もある。上りor下りで飛び出した選手の逃げ切りか、それとも小集団によるスプリントか。注目の山岳バトルが待っている。
7月14日(水)第10ステージ
シャンベリ〜ギャップ 179km →コースマップ
アルプス山脈の渓谷を縫うように走る第10ステージ。実質的に最後のアルプス山岳ステージだが、難易度はそれほど高くない。グルノーブル近郊の1級山岳ラフレー峠は登坂距離7km・平均勾配9%と厳しいが、ゴールの100km以上手前であり、勝負には直接関係しない。
ゴール34km手前の2級山岳ノワイエもそれほど厳しい上りではないが、テクニカルな下りが勝負の行方を左右する。2003年にはベロキ(スペイン)がこの下りで落車し、避けようとしたマイヨジョーヌのアームストロング(アメリカ)が間一髪沿道に難を逃れ、草地を走ってコースに戻った。今年で20回目の登場となるギャップの街では、少人数、もしくは小集団でのスプリント勝負が繰り広げられるだろう。
text:Kei Tsuji
image:A.S.O.
7月3日(土)プロローグ
ロッテルダム(オランダ)8.9km 個人TT →コースマップ
ツール・ド・フランスは今年もフランス国外をスタート。第97回大会のグランデパール(開幕地)はオランダのロッテルダムだ。初日は、世界屈指の港湾都市として知られるロッテルダムを駆け抜けるプロローグ。運河が張り巡らされた街中を駆け抜ける8.9kmのコースが用意された。コースはほぼフラットで、コースプロフィールに現れている小さな起伏は運河を渡す橋だ。
3年ぶりにツールに戻って来たプロローグでは、カンチェラーラ(スイス)やウィギンズ(イギリス)に代表されるスペシャリストの活躍に注目が集まる。短距離ハイスピード走行に長けたスプリンターにもチャンスはあるだろう。とにかくここで最速タイムを刻むことが出来ればマイヨジョーヌに袖を通すことが出来る。
7月4日(日)第1ステージ
ロッテルダム(オランダ)〜ブリュッセル(ベルギー)223.5km →コースマップ
第1ステージはオランダ第二の都市ロッテルダムとベルギーの首都ブリュッセルを結ぶ223.5km。平野部を駆け抜けるコースはほぼ真っ平らで、大集団による今大会最初のスプリント勝負に持ち込まれる可能性が高い。
この日、選手たちの前に立ちはだかるのは山岳ではなく強風だ。特にオランダの海沿いを走るレース前半は横風が吹く可能性があり、集団分裂も充分に考えられる。5月のジロ・デ・イタリア第3ステージで通過した風車が立ち並ぶ堤防もコースに取り入れられており、総合狙いのオールラウンダーたちにとっても気が抜けないステージになるだろう。
7月5日(月)第2ステージ
ブリュッセル(ベルギー)〜スパ(ベルギー)201km →コースマップ
第2ステージは起伏に富んだコースが名物のフレーシュ・ワロンヌやリエージュ〜バストーニュ〜リエージュと同じ丘陵地帯を通過する。ベルギー国内を東に進む201kmのコースは、さながら“アルデンヌ・クラシック”だ。後半にかけて3級や4級のカテゴリー山岳が連続して登場するため、ビッグスプリンターたちは苦戦が予想される。
ゴール地点は「スパ(温泉)」の語源になった温泉地スパ。ラスト12km地点に設定された3級山岳ロジエ峠(登坂距離6.4km・平均勾配4%)では、総合狙いの選手たちが動いてくる可能性もある。上りで縮小した集団でのスプリント勝負に持ち込まれるだろう。
7月6日(火)第3ステージ
ワンズ(ベルギー)〜アランベール・ポルト・ドゥ・エノー 213km →コースマップ
「パヴェ(石畳)で総合優勝は決まらないが、パヴェで総合優勝を失う可能性は充分にある」。総合優勝候補はそう口を揃える。ベルギーからフランスに至る213kmで行なわれる第3ステージは、総合優勝争いに大きな影響を与える破壊力を秘めたパヴェステージ。ツールに本格的なパヴェが登場するのは史上6回目。
登場するパヴェ区間は合計7カ所で合計13.2km。跳ねるバイクを抑え込み、荒れた路面を駆け抜ける。クラシックレースを得意とする選手には絶好のチャンスだが、逆に軽量なクライマー体型の選手には大きな試練だ。道が狭い箇所もあるため、集団での位置取りが重要になる。チーム力が問われるステージであり、山岳を見据えてクライマーを揃えたチームは苦戦することになるだろう。
7月7日(水)第4ステージ
カンブレー〜ランス 153.5km →コースマップ
オランダとベルギーでの闘いを終え、この日からフランス国内のステージが始まる。最終日のシャンゼリゼステージを除くと、153.5kmのコースは今大会最短。前半に4級山岳が1つ設定されているだけの生粋のスプリンターステージだ。前日まで気の抜けないステージが続いただけに、総合狙いの選手たちはリラックスしてレースに挑むことになるだろう。
風が吹けば違った展開に持ち込まれることも有り得るが、幸いツールの開催時期は穏やかな気候で風は弱め。スプリンターチームが牽く大集団が、ゴール地点ランスの街に突入する。この日から3日連続でスプリンター向きのステージが設定されている。マイヨヴェールを懸けたバトルに注目だ。
7月8日(木)第5ステージ
エペルネー〜モンタルジ 187.5km →コースマップ
オランダをスタートしたツールは、最初の決戦地であるアルプスに向かって南下。第5ステージはパリの南東方向に広がる平野部を駆け抜ける。前半から4級山岳を狙った動きが見られると思われるが、ゴールまで逃げ切るには難易度が低すぎる。スプリンターの脚を弱めるような山岳は設定されておらず、2日連続で集団スプリントに持ち込まれる可能性が高い。ステージ優勝を狙うチームが積極的に集団をコントロールするはずだ。
今年のツールには、ゴール地点が翌日のスタート地点になるステージが8つ。この第5ステージもそのうちの1つで、選手たちはレース後ゆっくりカラダを休めることが出来る。まだまだツールは始まったばかりだ。
7月9日(金)第6ステージ
モンタルジ〜グーニョン 227.5km →コースマップ
翌日から山岳ステージが始まるため、この第6ステージが前半戦最後の平坦ステージ。それだけにスプリンターたちのモチヴェーションは高いはずだ。今大会最長の227.5kmのコースに設定されたカテゴリー山岳は4つ。しかしどれもカテゴリーは4級で、勾配の緩い上りばかり。スプリンターにとっての脅威にはならず、集団のスピードを弱める要因にはなりにくい。
森に囲まれたコースを抜け、最後はツール初登場の小さなグーニョンの街(人口8300人)にゴール。この頃にはスプリンターの好不調が成績に現れているだろう。マイヨヴェール(ポイント賞ジャージ)の持ち主もある程度定まっているはずだ。
7月10日(土)第7ステージ
トゥルニュ〜レ・ルッス・スキー場 165.5km →コースマップ
「中級山岳ステージ」に分類された第7ステージは、今大会最初の本格的な山岳ステージだと言える。スイスに向かって山岳地帯を東に進み、最後は標高1168mのレ・ルッス・スキー場にゴール。レースの進行とともに山岳の難易度が増すのが特徴で、後半にかけて2級山岳が3つ連続して登場する。
ゴールの僅か4km手前に頂上が設定された2級山岳ラムラ峠は、登坂距離14kmで平均勾配5%。距離は長いが、アルプスやピレネーの本格山岳ほど難易度は高くない。ピュアクライマーではなく、アップダウンコースを得意とするパンチャー系の選手にもチャンスがある。とは言っても頂上ゴールに近いコースレイアウトだけに、早速総合戦線から脱落する選手が出てくるかも知れない。いよいよ翌日はアルプスの本格山岳に突入だ。
7月11日(日)第8ステージ
レ・ルッス・スキー場〜モルジヌ・アヴォリアズ 189km →コースマップ
1回目の休息日前の第8ステージは、今大会最初の頂上ゴールが登場する。舞台となるのはスイス国境に近い山岳地帯だ。勝負どころはラスト50kmに集約されており、まずは1級山岳ラマズ峠が選手たちの前に立ちはだかる。7年前にリシャール・ヴィランク(フランス)はこの上りでアタックを成功させ、逃げ切り勝利とマイヨジョーヌを手にした。
最後は3級山岳レゲを経由し、標高1796mの1級山岳モルジヌ・アヴォリアズを駆け上がってゴール。登坂距離13.6km・平均勾配6.1%の上りの先にゴールが待っている。コンタドールを始めとする総合狙いのオールラウンダーたちが早速動きを見せるだろう。総合成績に激震が走るとともに、マイヨジョーヌも持ち主を変えることになりそうだ。
7月12日(月)休息日 モルジヌ・アヴォリアズ
7月13日(火)第9ステージ
モルジヌ・アヴォリアズ〜サン・ジャン・ド・モリエンヌ 204.5km →コースマップ
休息日明けの第9ステージはアルプス山岳シリーズのクライマックス。お馴染みの1級山岳コロンビエール峠や1級山岳セジ峠がレース前半に設定されており、マイヨブラン・ア・ポワ・ルージュ(山岳賞ジャージ)狙いのクライマーがポイント量産目指してアタックを繰り返すだろう。
マイヨジョーヌ狙いのオールラウンダーが最も警戒しなければならないのが、ゴール32km手前に設定された超級山岳マドレーヌ峠だ。登坂距離25.5km・平均勾配6.2%の上りで、メイン集団は確実に人数を減らすことになる。しかし注目すべきは上りよりも下り区間かも知れない。20km近く続くテクニカルな下りで思わぬタイム差が生まれる可能性もある。上りor下りで飛び出した選手の逃げ切りか、それとも小集団によるスプリントか。注目の山岳バトルが待っている。
7月14日(水)第10ステージ
シャンベリ〜ギャップ 179km →コースマップ
アルプス山脈の渓谷を縫うように走る第10ステージ。実質的に最後のアルプス山岳ステージだが、難易度はそれほど高くない。グルノーブル近郊の1級山岳ラフレー峠は登坂距離7km・平均勾配9%と厳しいが、ゴールの100km以上手前であり、勝負には直接関係しない。
ゴール34km手前の2級山岳ノワイエもそれほど厳しい上りではないが、テクニカルな下りが勝負の行方を左右する。2003年にはベロキ(スペイン)がこの下りで落車し、避けようとしたマイヨジョーヌのアームストロング(アメリカ)が間一髪沿道に難を逃れ、草地を走ってコースに戻った。今年で20回目の登場となるギャップの街では、少人数、もしくは小集団でのスプリント勝負が繰り広げられるだろう。
text:Kei Tsuji
image:A.S.O.
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