2021/11/22(月) - 18:40
2年ぶりに開催された「砂地獄」コクサイデのW杯でアンマリー・ワースト(オランダ、777)が久々の勝利。男子レースではエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)がライバル勢を圧倒した。
女子:ベッツェマを下し、ワーストが約1年ぶりの勝利
前日土曜日にスーパープレスティージュ第4戦を終えたシクロクロッサーたちは、その日のうちに陸路で2時間ほど離れた北海沿いの街コクサイデへと移動した。砂地獄として名高い名サーキットコースでUCIワールドカップ第7戦が開催された。
コロナ禍によって昨年大会が中止されたため、コクサイデでのレースは2年ぶり。ほぼドライコンディションで開催された女子レースは、フェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)のホールショットで動き出した。
ファンエンペルに代わってシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が先頭に立ち、共に19歳という新鋭選手がレースを牽引する一方、スタートで埋もれたルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)は10番手付近からの追走を強いられる。1周回を終える頃、全てオランダ勢による7名の先頭集団が出来上がった。
その中からするすると抜け出したのは元欧州王者アンマリー・ワースト(オランダ、777)。砂区間で10秒ほどのリードを稼ぎ、全5周回中の3周目に入るタイミングでデニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が合流。互いに先頭を奪い合う中、長い砂区間で仕掛けたワーストが最大12秒のリードを得て最終周回に入った。
2番手ベッツェマは激しく追走したものの、砂区間での乗車率に秀でるワーストを捕まえるには至らない。昨年から勝てないシーズンが続いていた元欧州王者が、勝ち星で勝るベッツェマを退け勝利した。
「苦しいシーズンインを過ごしたぶん、好感触が戻ってきてくれてとても嬉しい。ここ数週間ずっと離れていたフィーリングだった」と話すワーストにとって、ワールドカップでの勝利は実に2020年1月以来。「デニセがとても強かったので勝った今でも緊張が解けないほど。この調子を維持して結果を出したいけれど、とにかくこの勝利が嬉しい」と話している。
男子:アールツを退けたイゼルビットが勝利
女子レース終了後の雨が路面を濡らし、砂区間の乗車率がやや上がった一方で芝生区間が滑りやすい泥に覆われるという、スヴェン・ネイス(ベルギー)がワールドカップ50勝目を挙げた2015年大会を思わせるコンディションで開催された男子レース。
好調のクィンティン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンス・サーカスCXチーム)やラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)がレースを引っ張り、シリーズランキングリーダーであるエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)とトーン・アールツ(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が合流する形で先頭グループが形成される。1周目にフェンスとの接触で激しく落車したローレンス・スウェーク(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)は長い追走の末に合流に成功を果たした。
レースが動いたのは全7周回中の4周目。「練習を上手く重ねているしコンディションもとても良かった」と言うイゼルビットがペースアップを図ると先頭集団が割れ、アールツとヘルマンスだけが追従。イゼルビットとアールツは互いに砂区間で仕掛け、リードを奪い合うものの抜け出すには至らない。ただしその中でも砂区間の乗車率に秀でるイゼルビットが有利な展開を作り出した。
レース時間が45分を過ぎると両者の乗車率の差が開き、イゼルビットは10秒弱のリードを持って最終周回へ。遅れたアールツはスウェークとヘルマンスの合流を許しながらもペースを維持したが、逃げ続けるイゼルビットとの距離は最後まで縮まらなかった。
イゼルビットが前日に続く2連勝を達成。「8歳の頃からコクサイデでレースをしてきたけれど、レース前に今日勝てたら引退しても良いとさえ思っていた。本当に素晴らしく幸せな気分だ。ただこれからシーズンは続くのでこの調子を保っていかないとならない」と話している。
女子:ベッツェマを下し、ワーストが約1年ぶりの勝利
前日土曜日にスーパープレスティージュ第4戦を終えたシクロクロッサーたちは、その日のうちに陸路で2時間ほど離れた北海沿いの街コクサイデへと移動した。砂地獄として名高い名サーキットコースでUCIワールドカップ第7戦が開催された。
コロナ禍によって昨年大会が中止されたため、コクサイデでのレースは2年ぶり。ほぼドライコンディションで開催された女子レースは、フェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)のホールショットで動き出した。
ファンエンペルに代わってシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が先頭に立ち、共に19歳という新鋭選手がレースを牽引する一方、スタートで埋もれたルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)は10番手付近からの追走を強いられる。1周回を終える頃、全てオランダ勢による7名の先頭集団が出来上がった。
その中からするすると抜け出したのは元欧州王者アンマリー・ワースト(オランダ、777)。砂区間で10秒ほどのリードを稼ぎ、全5周回中の3周目に入るタイミングでデニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が合流。互いに先頭を奪い合う中、長い砂区間で仕掛けたワーストが最大12秒のリードを得て最終周回に入った。
2番手ベッツェマは激しく追走したものの、砂区間での乗車率に秀でるワーストを捕まえるには至らない。昨年から勝てないシーズンが続いていた元欧州王者が、勝ち星で勝るベッツェマを退け勝利した。
「苦しいシーズンインを過ごしたぶん、好感触が戻ってきてくれてとても嬉しい。ここ数週間ずっと離れていたフィーリングだった」と話すワーストにとって、ワールドカップでの勝利は実に2020年1月以来。「デニセがとても強かったので勝った今でも緊張が解けないほど。この調子を維持して結果を出したいけれど、とにかくこの勝利が嬉しい」と話している。
男子:アールツを退けたイゼルビットが勝利
女子レース終了後の雨が路面を濡らし、砂区間の乗車率がやや上がった一方で芝生区間が滑りやすい泥に覆われるという、スヴェン・ネイス(ベルギー)がワールドカップ50勝目を挙げた2015年大会を思わせるコンディションで開催された男子レース。
好調のクィンティン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンス・サーカスCXチーム)やラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)がレースを引っ張り、シリーズランキングリーダーであるエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)とトーン・アールツ(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が合流する形で先頭グループが形成される。1周目にフェンスとの接触で激しく落車したローレンス・スウェーク(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)は長い追走の末に合流に成功を果たした。
レースが動いたのは全7周回中の4周目。「練習を上手く重ねているしコンディションもとても良かった」と言うイゼルビットがペースアップを図ると先頭集団が割れ、アールツとヘルマンスだけが追従。イゼルビットとアールツは互いに砂区間で仕掛け、リードを奪い合うものの抜け出すには至らない。ただしその中でも砂区間の乗車率に秀でるイゼルビットが有利な展開を作り出した。
レース時間が45分を過ぎると両者の乗車率の差が開き、イゼルビットは10秒弱のリードを持って最終周回へ。遅れたアールツはスウェークとヘルマンスの合流を許しながらもペースを維持したが、逃げ続けるイゼルビットとの距離は最後まで縮まらなかった。
イゼルビットが前日に続く2連勝を達成。「8歳の頃からコクサイデでレースをしてきたけれど、レース前に今日勝てたら引退しても良いとさえ思っていた。本当に素晴らしく幸せな気分だ。ただこれからシーズンは続くのでこの調子を保っていかないとならない」と話している。
UCIシクロクロスワールドカップ2021-2022第7戦 女子結果
1位 | アンマリー・ワースト(オランダ、777) | 46:31 |
2位 | デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +0:17 |
3位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:37 |
4位 | シリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:49 |
5位 | セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・フェニックス) | +1:10 |
6位 | フェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +1:26 |
7位 | パック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・フェニックス) | +1:54 |
8位 | インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、777) | +2:11 |
9位 | ヤラ・カステリン(オランダ、IKOクレラン) | +2:22 |
10位 | クララ・ホンシンガー(アメリカ、キャノンデール/シクロクロスワールド) | +2:30 |
UCIシクロクロスワールドカップ2021-2022第7戦 男子結果
1位 | エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | 57:00 |
2位 | ローレンス・スウェーク(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +0:04 |
3位 | トーン・アールツ(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:07 |
4位 | クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンス・サーカスCXチーム) | +0:14 |
5位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:17 |
6位 | コルネ・ファンケッセル(オランダ、トルマンス・サーカスCXチーム) | +0:54 |
7位 | ヴィンセント・バエスタンス(ベルギー、CXチームデスハフト・グループヘンス・マースコンテナーズ) | +1:05 |
8位 | ダーン・ソエテ(ベルギー、CXチームデスハフト・グループヘンス・マースコンテナーズ) | +1:06 |
9位 | メース・ヘンドリクス(オランダ、IKOクレラン) | +1:18 |
10位 | ニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | +1:32 |
text:So Isobe
photo:CorVos
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