2021/11/21(日) - 07:58
決まり手の少ない高速コースで争われたスーパープレスティージュ第4戦。エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が終盤のアタックで、ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が序盤からの独走でそれぞれ勝利した。
秋深まり、冬が近づくベルギーを舞台に進むシクロクロス3大シリーズの1つ、スーパープレスティージュ。11月20日(土)にはアントワープ郊外の街メルクスプラスを舞台にした第4戦が開催され、翌日のワールドカップ第7戦コクサイデと連戦するトップレーサーたちが集った。
女子レース:強い走りでブラントが独走勝利
徐々にコンディションを戻すセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・フェニックス)がダッシュを決め、元世界チャンピオンのサンヌ・カント(ベルギー、IKOクレラン)が落車する波乱のスタートで幕開けた女子レースは、すぐに現世界チャンピオンのルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が先行を開始した。
小刻みなアップダウンや道幅の狭いコーナーが続く、決まり手に欠くメルクスプラスのコース。レース前に「高速かつハードなので、どこで仕掛けるかというタイミングはもちろんスキルも問われるとても難しいレースになる」と話していたブラントだが、後続選手が林間セクションでミスを出し、渋滞を作ったことで1周目から独走態勢を築き上げた。
「あんなタイミングで独走するなんて考えていなかったけれど、差ができていることに気づいて逃げることにした」と言うブラントの走りは力強かった。アンマリー・ワースト(オランダ、777)やデニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)の追撃をものともせず、レース時間の100%近くを逃げ切ってフィニッシュ。「抜け出しにくいコース」を味方につけた世界チャンピオンが、堂々たる走りでヨーロッパ選手権からの4連勝を射止めた。
男子レース:混戦の末にアタックしたイゼルビットが勝利
一方の男子レースはアタックが決まらず、最終盤まで大人数が先頭グループを形成して進行。波に乗るラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)やU23世界チャンピオンのライアン・カンプ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)、クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンス・サーカスCXチーム)たちが数珠繋ぎになってハイペース走行を続けた。
全10周回中の5周回を終えたタイミングで先頭グループを形成したのはヘルマンス、ファンデルハール、エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)、トーン・アールツ(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)、そしてローレンス・スウェーク(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)という5名。序盤に落車からの追走で力を浪費したファンデルハールは遅れがちとなり、やがて本格的なアタック合戦が始まると脱落を強いられた。
9周目に入るとイゼルビットが猛チャージを仕掛け、アールツと共に抜け出すことに成功した。イゼルビットは林間セクションで転倒して僅かなビハインドを負ったものの、アグレッシブな走りでアールツを抜き返す。直線という直線で踏み込んだイゼルビットは、1秒、また1秒とリードを広げてフィニッシュへと飛び込んだ。
アールツへのパッシングを「乱暴すぎたとは思うわない。肘も当てていないし、F1だったらレーシングインシデントと呼ばれるものだと思う」と話すイゼルビットが、ヨーロッパ選手権での不調を帳消しにする勝利。2位にはヘルマンスが、3位にはスウェークが滑り込んでいる。
秋深まり、冬が近づくベルギーを舞台に進むシクロクロス3大シリーズの1つ、スーパープレスティージュ。11月20日(土)にはアントワープ郊外の街メルクスプラスを舞台にした第4戦が開催され、翌日のワールドカップ第7戦コクサイデと連戦するトップレーサーたちが集った。
女子レース:強い走りでブラントが独走勝利
徐々にコンディションを戻すセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・フェニックス)がダッシュを決め、元世界チャンピオンのサンヌ・カント(ベルギー、IKOクレラン)が落車する波乱のスタートで幕開けた女子レースは、すぐに現世界チャンピオンのルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が先行を開始した。
小刻みなアップダウンや道幅の狭いコーナーが続く、決まり手に欠くメルクスプラスのコース。レース前に「高速かつハードなので、どこで仕掛けるかというタイミングはもちろんスキルも問われるとても難しいレースになる」と話していたブラントだが、後続選手が林間セクションでミスを出し、渋滞を作ったことで1周目から独走態勢を築き上げた。
「あんなタイミングで独走するなんて考えていなかったけれど、差ができていることに気づいて逃げることにした」と言うブラントの走りは力強かった。アンマリー・ワースト(オランダ、777)やデニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)の追撃をものともせず、レース時間の100%近くを逃げ切ってフィニッシュ。「抜け出しにくいコース」を味方につけた世界チャンピオンが、堂々たる走りでヨーロッパ選手権からの4連勝を射止めた。
男子レース:混戦の末にアタックしたイゼルビットが勝利
一方の男子レースはアタックが決まらず、最終盤まで大人数が先頭グループを形成して進行。波に乗るラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)やU23世界チャンピオンのライアン・カンプ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)、クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンス・サーカスCXチーム)たちが数珠繋ぎになってハイペース走行を続けた。
全10周回中の5周回を終えたタイミングで先頭グループを形成したのはヘルマンス、ファンデルハール、エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)、トーン・アールツ(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)、そしてローレンス・スウェーク(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)という5名。序盤に落車からの追走で力を浪費したファンデルハールは遅れがちとなり、やがて本格的なアタック合戦が始まると脱落を強いられた。
9周目に入るとイゼルビットが猛チャージを仕掛け、アールツと共に抜け出すことに成功した。イゼルビットは林間セクションで転倒して僅かなビハインドを負ったものの、アグレッシブな走りでアールツを抜き返す。直線という直線で踏み込んだイゼルビットは、1秒、また1秒とリードを広げてフィニッシュへと飛び込んだ。
アールツへのパッシングを「乱暴すぎたとは思うわない。肘も当てていないし、F1だったらレーシングインシデントと呼ばれるものだと思う」と話すイゼルビットが、ヨーロッパ選手権での不調を帳消しにする勝利。2位にはヘルマンスが、3位にはスウェークが滑り込んでいる。
スーパープレスティージュ2021-2022第4戦女子結果
1位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | 49:07 |
2位 | アンマリー・ワースト(オランダ、777) | +0:19 |
3位 | デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +0:21 |
4位 | ヤラ・カステリン(オランダ、IKOクレラン) | +0:23 |
5位 | セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・フェニックス) | +1:08 |
6位 | マノン・バッカー(オランダ、IKOクレラン) | +1:30 |
7位 | インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、777) | +1:47 |
8位 | アニック・ファンアルフェン(オランダ、777) | +1:53 |
9位 | アンナ・カイ(イギリス、スターカジノCXチーム) | +2:14 |
10位 | ペリーヌ・クラウツェル(フランス、A.Sバイククロスチーム) | +2:46 |
スーパープレスティージュ2021-2022第4戦男子結果
1位 | エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | 1:02:05 |
2位 | クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンス・サーカスCXチーム) | +0:02 |
3位 | ローレンス・スウェーク(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +0:05 |
4位 | トーン・アールツ(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:13 |
5位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:16 |
6位 | コルネ・ファンケッセル(オランダ、トルマンス・サーカスCXチーム) | +1:06 |
7位 | ディエテル・スウェーク(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +1:12 |
8位 | ヴィンセント・バエスタンス(ベルギー、CXチームデスハフト・グループヘンス・マースコンテナーズ) | +1:16 |
9位 | イェンス・アダムス(ベルギー、ホルベークホーフ) | +1:20 |
10位 | ニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | +1:22 |
text:So Isobe
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