2021/10/18(月) - 17:03
アイオワシティを舞台にしたUCIシクロクロスワールドカップ第3戦はこれまでと打って変わってドライの高速レースに。エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)とマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)が男女エリートレースでそれぞれ勝利した。
女子エリート:ベッツィマを退けたフォスが今季WC2勝目
女子エリートレースがスタート。ヨランダ・ネフ(スイス、トレックファクトリーレーシング)がダッシュを決める photo:CorVos
UCIシクロクロスワールドカップの序盤戦を彩るアメリカ3連戦もいよいよ最終ラウンド。10月10日(日)の初戦ウォータールー、13日(水)の第2戦ファイエットビルに続く、第3戦の舞台はお馴染みのアイオワシティ。ジョンソンカウンティ・フェアグランドに敷設された芝の特設コースで欧州勢そして北米勢が火花を散らした。
女子シクロクロス界を席巻するオランダ勢7名、母国アメリカ勢14名を含む53名がスタートした女子エリートレースは、前戦と同じくマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)とヨランダ・ネフ(スイス、トレックファクトリーレーシング)のダッシュでスタート。すぐに「良い走りのリズムを掴むことができた」と言うフォスがリードを築くこととなる。
サンドセクションを行くマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) photo:CorVos
下りのキャンバーを駆け下りるマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)とデニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) photo:CorVos
ドライコンディションのパワーコースで、大きな2番手グループからまず抜け出したのはデニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)。全8周回の4周目にフォスに追いつくと、その周の後半にはワールドカップのU23リーダーであるカータ・ヴァス(ハンガリー、SDワークス)とアンマリー・ワースト(オランダ、777)も合流。すぐさまヴァスがペースアップを図ったものの、好調を維持するフォスはその背中にがっちりと食らいついた。
ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が第2グループに甘んじた一方、ワーストを振り落とした先頭3名はハイペースを維持。登りのハイスピードコーナーでタイヤを滑らせ遅れたヴァスはビハインドを挽回しようと試みたものの、逃げる2名との10秒差は最後まで縮まらなかった。
フォスとベッツィマはハイペースを維持して最終周回へ。すると「最終周回に入っても登りで突き放せる脚が残っていた」とフライオーバーで加速し、直後の凹凸急勾配登坂でアタック。ライバルを突き放し、一気に5秒リードを稼ぎ出したフォスが残るセクションを危なげなく走破した。
狙い通りのアタックを決め、勝利したマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) photo:CorVos
初のW杯表彰台を射止めたカータ・ヴァス(ハンガリー、SDワークス) photo:CorVos
UCIシクロクロスワールドカップ2021-2022第3戦 男子エリート表彰台 photo:CorVos
U23とエリートを合わせて7度シクロクロス世界チャンピオンに輝いたフォスが、初戦に続く今季ワールドカップ2勝目。「雰囲気が素晴らしいアメリカ3連戦を走って気分良くヨーロッパに戻ることができる」と言うフォスは、ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が4位に沈んだためリーダージャージも奪還。今後はレースを一時離れ、ビッグレースが密集するシーズン後半戦に向けたコンディショニングに集中すると言う。
初戦3位、第2戦2位でフィニッシュしたベッツィマが再び2位に入り、ヴァスはワールドカップのエリートレースで初の表彰台を確保。ロード、シクロクロス、MTBと3種目で活躍する注目株がまた一つ記録更新を果たしている。
男子エリート:ファンデルハールを退けイゼルビットが独走勝利
好調クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンス・サーカスCXチーム)がホールショットを奪う photo:CorVos
ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が急勾配の登坂でリードする photo:CorVos
北米ラウンドの大トリを務める男子レースは、第2戦で自身初のワールドカップ優勝を遂げたクィンティン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンス・サーカスCXチーム)がホールショット。エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)がスタートで埋もれる中、トルマンス・サーカスCXチーム勢が先頭に人数を集めて序盤戦を消化していった。
層の厚さを見せつけるかのように欧州勢だけで構成された10名程度の先頭グループが生まれ、2周目の登りでラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が加速したことで人数が絞られる。アタックと吸収を繰り返す高速レースの中、ファンデルハールとイゼルビットは積極的に先頭を引っ張るなど好調ぶりを誇示していく。全10周回中の7周目にファンデルハールが、8周目にはイゼルビットが仕掛けたことで先頭グループが絞り込まれた。
ファンデルハールの追撃から逃げるエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) photo:CorVos
イゼルビットを追うラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)だが、5秒差が縮まらない photo:CorVos
開幕戦に続くWC2勝目を収めたエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) photo:CorVos
イゼルビットが逃げ、ファンデルハールが5秒前後のビハインドで追撃。拮抗したタイム差は追う立場のファンデルハール有利かと思われたが、「丘で逃げられて以降エリのミスを待ち続けていたけれど、何も起こらなかった(ファンデルハール)」とイゼルビットが安定した走りで独走。そのまま約2.5周をまるまる逃げ切ったイゼルビットがフィニッシュラインに戻ってきた。
イゼルビットが開幕戦に続くワールドカップ今季2勝目。追撃したファンデルハールが久々のワールドカップ表彰台を獲得。トーン・アールツ(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)を退けたマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が3位表彰台に滑り込んでいる。
UCIシクロクロスワールドカップ2021-2022第3戦 男子エリート表彰台 photo:CorVos
北米ラウンドを終えたコンチネンタルサーカスは、熱狂の地ヨーロッパに戻って本格的なシーズンを迎える。北米参戦を見送ったメンバーも合流し、レースはより活性化の一途を辿っていく。
女子エリート:ベッツィマを退けたフォスが今季WC2勝目
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UCIシクロクロスワールドカップの序盤戦を彩るアメリカ3連戦もいよいよ最終ラウンド。10月10日(日)の初戦ウォータールー、13日(水)の第2戦ファイエットビルに続く、第3戦の舞台はお馴染みのアイオワシティ。ジョンソンカウンティ・フェアグランドに敷設された芝の特設コースで欧州勢そして北米勢が火花を散らした。
女子シクロクロス界を席巻するオランダ勢7名、母国アメリカ勢14名を含む53名がスタートした女子エリートレースは、前戦と同じくマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)とヨランダ・ネフ(スイス、トレックファクトリーレーシング)のダッシュでスタート。すぐに「良い走りのリズムを掴むことができた」と言うフォスがリードを築くこととなる。
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ドライコンディションのパワーコースで、大きな2番手グループからまず抜け出したのはデニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)。全8周回の4周目にフォスに追いつくと、その周の後半にはワールドカップのU23リーダーであるカータ・ヴァス(ハンガリー、SDワークス)とアンマリー・ワースト(オランダ、777)も合流。すぐさまヴァスがペースアップを図ったものの、好調を維持するフォスはその背中にがっちりと食らいついた。
ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が第2グループに甘んじた一方、ワーストを振り落とした先頭3名はハイペースを維持。登りのハイスピードコーナーでタイヤを滑らせ遅れたヴァスはビハインドを挽回しようと試みたものの、逃げる2名との10秒差は最後まで縮まらなかった。
フォスとベッツィマはハイペースを維持して最終周回へ。すると「最終周回に入っても登りで突き放せる脚が残っていた」とフライオーバーで加速し、直後の凹凸急勾配登坂でアタック。ライバルを突き放し、一気に5秒リードを稼ぎ出したフォスが残るセクションを危なげなく走破した。
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U23とエリートを合わせて7度シクロクロス世界チャンピオンに輝いたフォスが、初戦に続く今季ワールドカップ2勝目。「雰囲気が素晴らしいアメリカ3連戦を走って気分良くヨーロッパに戻ることができる」と言うフォスは、ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が4位に沈んだためリーダージャージも奪還。今後はレースを一時離れ、ビッグレースが密集するシーズン後半戦に向けたコンディショニングに集中すると言う。
初戦3位、第2戦2位でフィニッシュしたベッツィマが再び2位に入り、ヴァスはワールドカップのエリートレースで初の表彰台を確保。ロード、シクロクロス、MTBと3種目で活躍する注目株がまた一つ記録更新を果たしている。
男子エリート:ファンデルハールを退けイゼルビットが独走勝利
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層の厚さを見せつけるかのように欧州勢だけで構成された10名程度の先頭グループが生まれ、2周目の登りでラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が加速したことで人数が絞られる。アタックと吸収を繰り返す高速レースの中、ファンデルハールとイゼルビットは積極的に先頭を引っ張るなど好調ぶりを誇示していく。全10周回中の7周目にファンデルハールが、8周目にはイゼルビットが仕掛けたことで先頭グループが絞り込まれた。
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イゼルビットが開幕戦に続くワールドカップ今季2勝目。追撃したファンデルハールが久々のワールドカップ表彰台を獲得。トーン・アールツ(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)を退けたマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が3位表彰台に滑り込んでいる。
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北米ラウンドを終えたコンチネンタルサーカスは、熱狂の地ヨーロッパに戻って本格的なシーズンを迎える。北米参戦を見送ったメンバーも合流し、レースはより活性化の一途を辿っていく。
UCIシクロクロスワールドカップ2021-2022第3戦 男子エリート結果
1位 | エリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | 59:10 |
2位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | 0:11 |
3位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | 0:31 |
4位 | トーン・アールツ(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | 0:42 |
5位 | クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンス・サーカスCXチーム) | 0:53 |
6位 | イェンス・アダムス(ベルギー、ホルベークホーフ) | 1:01 |
7位 | ダーン・ソエテ(ベルギー、CXチームデスハフト・グループヘンス・マースコンテナーズ) | 1:18 |
8位 | ライアン・カンプ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | 1:39 |
9位 | アントン・フェルディナンデ(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | 1:51 |
10位 | ヴィンセント・バエスタンス(ベルギー、CXチームデスハフト・グループヘンス・マースコンテナーズ) | 1:52 |
UCIシクロクロスワールドカップ2021-2022第3戦 女子エリート結果
1位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 53:46 |
2位 | デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | 0:10 |
3位 | カータ・ヴァス(ハンガリー、SDワークス) | 0:36 |
4位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | 1:08 |
5位 | パック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・フェニックス) | 1:11 |
6位 | アンマリー・ワースト(オランダ、777) | |
7位 | エレーヌ・クラウツェル(フランス、A.Sバイククロスチーム) | 1:16 |
8位 | シリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | 1:45 |
9位 | ヤラ・カステリン(オランダ、IKOクレラン) | |
10位 | エヴァ・リヒナー(イタリア) | 1:50 |
text:So Isobe
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