2021/10/12(火) - 00:38
UCIシクロクロスワールドカップがアメリカ、ウィスコンシン州ウォータールーで開幕。ロードから切り替えたマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)が女子エリートレースを、エリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)がドライからウェットコンディションに変化した男子エリートレースを制した。
コールアップを待つ女子エリート選手たち photo:UCI
シクロクロス3大シリーズの中で最も格式高い「UCIシクロクロスワールドカップ」が例年通りアメリカで開幕した。ウィスコンシン州ウォータールーに位置するトレック本社で開催されたワールドカップ初戦で、既に本格シーズンインを果たしているヨーロッパ組と北米組が激突した。
2021-2022シーズンのワールドカップは、それまでを大きく上回る全16戦。例年通りウォータールーで開幕し、アメリカで8日間のうちに3戦まで消化した後にヨーロッパへと戻り、ベルギー、チェコ、フランス、イタリア、オランダと転戦。ゾンホーフェンやターボル、コクサイデ、ナミュールといった有名会場の他、MTBコースで知られるヴァルディソーレ(イタリア)など新規会場もラインナップに加わっている。
なお、トップレースを転戦する選手にとっては、11月7日のヨーロッパ選手権と1月30日の世界選手権を除き、これから2月までの毎週末日曜日は必ずワールドカップが行われるという過密スケジュールを過ごすこととなる。
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シクロクロス3大シリーズの中で最も格式高い「UCIシクロクロスワールドカップ」が例年通りアメリカで開幕した。ウィスコンシン州ウォータールーに位置するトレック本社で開催されたワールドカップ初戦で、既に本格シーズンインを果たしているヨーロッパ組と北米組が激突した。
2021-2022シーズンのワールドカップは、それまでを大きく上回る全16戦。例年通りウォータールーで開幕し、アメリカで8日間のうちに3戦まで消化した後にヨーロッパへと戻り、ベルギー、チェコ、フランス、イタリア、オランダと転戦。ゾンホーフェンやターボル、コクサイデ、ナミュールといった有名会場の他、MTBコースで知られるヴァルディソーレ(イタリア)など新規会場もラインナップに加わっている。
なお、トップレースを転戦する選手にとっては、11月7日のヨーロッパ選手権と1月30日の世界選手権を除き、これから2月までの毎週末日曜日は必ずワールドカップが行われるという過密スケジュールを過ごすこととなる。
UCIシクロクロスワールドカップ2021-2022 スケジュール
10月10日(日) | ウォータールー(アメリカ) |
10月13日(水) | ファイエットビル(アメリカ) |
10月17日(日) | アイオワシティ(アメリカ) |
10月24日(日) | ゾンホーフェン(ベルギー) |
10月31日(日) | オーベレルエイセ(ベルギー) |
11月14日(日) | ターボル(チェコ) |
11月21日(日) | コクサイデ(ベルギー) |
11月28日(日) | ブザンソン(フランス) |
12月5日(日) | アントウェルペン(ベルギー) |
12月12日(日) | ヴァルディソーレ(イタリア) |
12月18日(土) | ルクフェン(オランダ) |
12月19日(日) | ナミュール(ベルギー) |
12月26日(日) | デンデルモンデ(ベルギー) |
1月2日(日) | フルスト(オランダ) |
1月16日(日) | フラマンヴィル(フランス) |
1月23日(日) | ホーヘルハイデ(オランダ) |
女子エリート:パリ〜ルーベ2位フォスがブラントを打破
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女子エリートレースには世界王者ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)や、パリ〜ルーベでロードシーズンを終えたばかりの元世界王者マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)、2年ぶりのシクロクロスを走る東京五輪MTB女王ヨランダ・ネフ(スイス、トレックファクトリーレーシング)が揃い踏み。スタートダッシュを決めたパンアメリカン王者マーガリー・ロシェット(カナダ)のリードが終わると、欧州勢がレースの主導権を握ることとなる。
先週末のスーパープレスティージュ開幕戦を制したブラントと、好調のままシクロクロス初戦に臨んだフォスがリードを築き、メカトラブルに見舞われたベッツィマは一時後退。合計6周中の4周目にはペースダウンによって、20歳という若さながらロード(世界選手権エリート4位)、CX(世界選手権U23/3位)、MTB(世界選手権U23/4位)とマルチに活躍する注目株カータ・ヴァス(ハンガリー、SDワークス)や元欧州王者アンマリー・ワースト(オランダ、777)、ベッツィマ、そしてネフという6名が先頭グループを築いたものの、均衡を破るようにブラントが加速した。
チームスポンサーのトレックに勝ち星を献上したいブラントに食らいついたのはフォスただ一人。最終周回に入ってベッツィマとネフが追いついたものの、新旧世界王者の主導権を奪うには至らなかった。
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
ワンミスが命取りになる林間セクションを前にフォスがスパートを仕掛け、ハイペース巡行を挟んでブラントが先頭を奪う。キャンバー区間にある僅か1本のラインを奪い合った末、身軽な加速力を武器にフォス先頭で最終コーナーをクリアした。踏みやめたブラントを尻目に、フォスが自身のシクロクロス今季初戦となるワールドカップ第1戦を制した。

「こんな形でシーズンインできるだなんて思ってもみなかった。最初はただポジションを上げることに集中していたけれど、まさか勝つことになるとは」と、笑顔で優勝インタビューに答えたフォス。3日後に迫ったファイエットビルではワールドカップランキングリーダーとして走ることとなる。
難コンディションの男子エリートレースをイゼルビッドが制圧
48名の参加選手中、アメリカ勢14名、ベルギー勢13名、オランダ勢5名という勢力構成でスタートした男子エリートレース。現世界王者マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)とワウト・ファンアールト(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)こそ不在ではあるものの、ワールドカップ開幕戦にふさわしいメンバーがスタートラインのフロントローを占めた。
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この男子エリートレースはドライコンディションで始まり、レース序盤から降り始めた雨によってウェットコンディションに変貌するというシビアなタイヤマネジメントを要求する戦いに。スピードの乗った下り後の舗装路区間は次々とライダーの足元をすくい、激しくクラッシュしたティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)は左鎖骨骨折によって長期戦線離脱を余儀なくされている。
マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)がリードを奪ったものの、濡れた芝にスリップダウンを喫しエリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が合流。ホールショットを決めたクィンティン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンス・サーカスCXチーム)はやはり舗装区間で落車し、メカトラによるバイク交換によって追い上げを強いられた。
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
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滑るコースに適性を見せるイゼルビッドがチームメイトのファントーレンハウトを引っ張りながらランデブー。全9周回中の6周目に入ると欧州王者がもう一段ギアを入れ替えると、コースに手を焼くファントーレンハウトは脱落。イゼルビッドがフィニッシュまで続く独走態勢に持ち込み、ファントーレンハウトの背後にはバイク交換しながらペースを上げるヘルマンスが迫った。
軽快なリズムを刻むイゼルビッドは、各ラップのファステストタイムを叩き出しながら独走態勢を堅守した。最後はホームストレートのファンとハイタッチを交わし、ワールドカップ初戦優勝。まだ一度も手にしたことのないワールドカップランキング総合優勝に向けて最良のスタートを切った。
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「先週のレースで調子が良くなかったのでナーバスになっていたけれど、スタートして直後に調子が戻ってきていることを感じ取れた。互いに走りを知り尽くしているマイケルとランデブーできたことも良かったし、チームでワンツー勝利できて嬉しいよ」とイゼルビッドはコメントを残している。
UCIシクロクロスワールドカップ2021-2022第1戦 男子エリート結果
1位 | エリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | 1:09:37 |
2位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | 0:30 |
3位 | クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンス・サーカスCXチーム) | 0:40 |
4位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | 1:05 |
5位 | ニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | 1:38 |
6位 | トーン・アールツ(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | 1:39 |
7位 | ヴィンセント・バエスタンス(ベルギー、CXチームデスハフト・グループヘンス・マースコンテナーズ) | 1:46 |
8位 | ライアン・カンプ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | 1:51 |
9位 | イェンス・アダムス(ベルギー、ホルベークホーフ) | 1:54 |
10位 | コルネ・ファンケッセル(オランダ、トルマンス・サーカスCXチーム) | 2:05 |
UCIシクロクロスワールドカップ2021-2022第1戦 女子エリート結果
1位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 48:28 |
2位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | 0:02 |
3位 | デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | 0:03 |
4位 | ヨランダ・ネフ(スイス、トレックファクトリーレーシング) | 0:19 |
5位 | アンマリー・ワースト(オランダ、777) | 0:26 |
6位 | カータ・ヴァス(ハンガリー、SDワークス) | 0:32 |
7位 | エレーヌ・クラウツェル(フランス、A.Sバイククロスチーム) | 0:35 |
8位 | パック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・フェニックス) | 0:50 |
9位 | ヤラ・カステリン(オランダ、IKOクレラン) | 1:06 |
10位 | マーガリー・ロシェット(カナダ) | 1:21 |
text:So Isobe
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