2021/09/23(木) - 12:49
現役最終レースとなった世界選手権タイムトライアル・ミックスリレーで優勝し、17年のキャリアを有終の美で飾ったトニー・マルティン(ドイツ)。アルカンシェル獲得の喜びや、引退理由となったレースの安全性について改めて話した。
「キャリア最高の瞬間は初めて世界選手権を制した2011年のコペンハーゲン大会だった。だが今日、その時と同じぐらいの喜びが押し寄せてきた。もしかしたらそれを上回る感動かもしれない。現役生活を終えるにはこれ以上ない1日になった」。レース後に行われた記者会見で、アルカンシェルを身に纏ったマルティンはそう語った。
「現役最後のレースに世界選手権を選んだのは、ここにたくさんの良い思い出があったからだ。世界選手権の雰囲気が大好きで、キャリア最大の勝利を挙げることができた場所でもある。ベルギー開催だから最高の舞台になる、と。そしてユンボ・ヴィスマのサポートもあって最高のレースになった。これ以上望むものは何もない」。
ロード世界選手権の開幕前日、自身のSNSと所属チームのリリースを通して引退を発表したマルティン。初日の個人タイムトライアルを6位で終え、アルカンシェルをかけ臨んだタイムトライアル・ミックスリレーで2位のオランダに13秒差をつけ優勝した。「大きなことを成し遂げたあとは、しばらく時間をおかないと実感が得られないんだ。だから今夜は自分の引退ではなく、仲間と共に掴んだこの金メダルを喜びたい。引退した実感は1人になった翌日に押し寄せてくるだろう」。
引退を発表するコメントの中で「レースの安全性」を主たる理由と語ったマルティン。改めてその真意について聞かれると「(引退の際に言及することで)この問題を表面化させたかった。レース主催者などの声を、特にレースの安全性に関する言葉を引き出すことは難しいからね」と説明する。
「この問題について長きに渡り声を上げ続けてきたのだが、何も変わらなかった。その証拠が皆が目にする数々の落車だ。10年前よりも落車の数が増え、レースの安全性は改善されるどころか悪化している。これからは連盟に対して改善を求めることができる。僕の選手キャリアには影響しないが、これから何年もレースに出場するであろう若い選手のためになる。もう目を覆いたくなるような落車は見たくないんだ」。
プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)のアシストとして出場した今年3月のパリ〜ニース第5ステージで落車し肘を骨折。驚異的な回復で出場した6月のツール・ド・フランスだったが、第1ステージでの落車が尾を引き第11ステージでレースを去った。また、過去にはマイヨジョーヌを着用しながら残り1kmの落車し鎖骨を骨折するなど(2015年ツールの第6ステージ)、常にマルティンは落車に振り回される現役生活を過ごしてきた。
「僕は選手生活で2度、血だらけで痛みに苦しみながら救急車で病院に運ばれた。いま僕は36歳の2人の娘がいる父親だ。そのため『レースする価値はあるのか。僕はここで何しているのか』と自問するようになったんだ。もはや身の安全を感じながら自転車レースに出場することができなくなった。何度も酷い落車を経験し、歳を取った僕は若い選手たちの未来について考えるようになった」。
2022年末まで結んでいたユンボ・ヴィスマとの契約途中での引退となったことについて、マルティンはこう答える。「もはやレースに対する喜びがなくなってしまい、常に『どうすれば落車を回避できるか』を考えてしまっていた。また、よりリスクを取るようになった選手たちの走り方もに問題があるだろう。レースの最終盤(の位置争い)が早まったため、僕がレースを始めた頃の楽しさがなくなっていった。僕にはまだ自転車競技やトレーニング、タイムトライアルへの情熱がある。しかしリスクを犯してまでレースを走る気持ちはなく、何か深刻な事態になる前にレースを去りたいと思ったんだ。それが引退する最大の理由だ」。
最後に今後について聞かれると、「とりあえず今夜はみんなと勝利を祝福するよ。そして明日家に帰り、家族と休暇を楽しむつもりだ。実は引退を決めたのは最近のことなので、今後のことについて何も決めていないんだ。リラックスした時間を過ごしながら今後について考えたい」と話し、17年に及ぶ現役生活に終止符を打った。
text:Sotaro.Arakawa
「キャリア最高の瞬間は初めて世界選手権を制した2011年のコペンハーゲン大会だった。だが今日、その時と同じぐらいの喜びが押し寄せてきた。もしかしたらそれを上回る感動かもしれない。現役生活を終えるにはこれ以上ない1日になった」。レース後に行われた記者会見で、アルカンシェルを身に纏ったマルティンはそう語った。
「現役最後のレースに世界選手権を選んだのは、ここにたくさんの良い思い出があったからだ。世界選手権の雰囲気が大好きで、キャリア最大の勝利を挙げることができた場所でもある。ベルギー開催だから最高の舞台になる、と。そしてユンボ・ヴィスマのサポートもあって最高のレースになった。これ以上望むものは何もない」。
ロード世界選手権の開幕前日、自身のSNSと所属チームのリリースを通して引退を発表したマルティン。初日の個人タイムトライアルを6位で終え、アルカンシェルをかけ臨んだタイムトライアル・ミックスリレーで2位のオランダに13秒差をつけ優勝した。「大きなことを成し遂げたあとは、しばらく時間をおかないと実感が得られないんだ。だから今夜は自分の引退ではなく、仲間と共に掴んだこの金メダルを喜びたい。引退した実感は1人になった翌日に押し寄せてくるだろう」。
引退を発表するコメントの中で「レースの安全性」を主たる理由と語ったマルティン。改めてその真意について聞かれると「(引退の際に言及することで)この問題を表面化させたかった。レース主催者などの声を、特にレースの安全性に関する言葉を引き出すことは難しいからね」と説明する。
「この問題について長きに渡り声を上げ続けてきたのだが、何も変わらなかった。その証拠が皆が目にする数々の落車だ。10年前よりも落車の数が増え、レースの安全性は改善されるどころか悪化している。これからは連盟に対して改善を求めることができる。僕の選手キャリアには影響しないが、これから何年もレースに出場するであろう若い選手のためになる。もう目を覆いたくなるような落車は見たくないんだ」。
プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)のアシストとして出場した今年3月のパリ〜ニース第5ステージで落車し肘を骨折。驚異的な回復で出場した6月のツール・ド・フランスだったが、第1ステージでの落車が尾を引き第11ステージでレースを去った。また、過去にはマイヨジョーヌを着用しながら残り1kmの落車し鎖骨を骨折するなど(2015年ツールの第6ステージ)、常にマルティンは落車に振り回される現役生活を過ごしてきた。
「僕は選手生活で2度、血だらけで痛みに苦しみながら救急車で病院に運ばれた。いま僕は36歳の2人の娘がいる父親だ。そのため『レースする価値はあるのか。僕はここで何しているのか』と自問するようになったんだ。もはや身の安全を感じながら自転車レースに出場することができなくなった。何度も酷い落車を経験し、歳を取った僕は若い選手たちの未来について考えるようになった」。
2022年末まで結んでいたユンボ・ヴィスマとの契約途中での引退となったことについて、マルティンはこう答える。「もはやレースに対する喜びがなくなってしまい、常に『どうすれば落車を回避できるか』を考えてしまっていた。また、よりリスクを取るようになった選手たちの走り方もに問題があるだろう。レースの最終盤(の位置争い)が早まったため、僕がレースを始めた頃の楽しさがなくなっていった。僕にはまだ自転車競技やトレーニング、タイムトライアルへの情熱がある。しかしリスクを犯してまでレースを走る気持ちはなく、何か深刻な事態になる前にレースを去りたいと思ったんだ。それが引退する最大の理由だ」。
最後に今後について聞かれると、「とりあえず今夜はみんなと勝利を祝福するよ。そして明日家に帰り、家族と休暇を楽しむつもりだ。実は引退を決めたのは最近のことなので、今後のことについて何も決めていないんだ。リラックスした時間を過ごしながら今後について考えたい」と話し、17年に及ぶ現役生活に終止符を打った。
text:Sotaro.Arakawa
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