6月14日、ブエルタ・ア・エスパーニャ主催者Unipublicが、8月28日にセビーリャで開幕する第65回大会の出場チームリストを発表した。今年結成されたチームスカイなど6チームが招待枠で出場が決まった一方で、レディオシャックやBMCレーシングチームはチームリストから外れた。

ブエルタ・ア・エスパーニャ2010コース全体図ブエルタ・ア・エスパーニャ2010コース全体図 image:www.lavuelta.comグランツール最終戦ブエルタ・ア・エスパーニャの出場チームリストが発表された。2008年にチームと主催者側の間で結ばれていた合意により、当時のプロツアー16チーム(現在Bboxブイグテレコムとコフィディスはプロコンチネンタル登録)は事前に出場が決定。残る6枠にどのチームが入るのかに注目が集まっていた。

今回レース主催者がワイルドカード枠で招待したのは、プロツアーチームのチームスカイ、ガーミン・トランジションズ、そしてカチューシャ。イギリスのチームスカイは今年結成したばかりにも関わらず、グランツール全戦への出場を決めた。

ブエルタ・ア・エスパーニャ初出場が決まったチームスカイブエルタ・ア・エスパーニャ初出場が決まったチームスカイ photo:Kei Tsuji更にプロコンチネンタルチームのサーヴェロ・テストチームを始め、地元スペインのアンダルシア・カハスールとシャコベオ・ガリシアが出場権を獲得。昨年大会総合3位で現世界チャンピオンのカデル・エヴァンス(オーストラリア)擁するBMCレーシングチームや、土井雪広が所属するスキル・シマノはリスト入りならず。

そして今回の最大のサプライズは、プロツアーチームのレディオシャックがリストから外れたことだろう。プロツアー18チームのうち、ブエルタ出場権を逃したのはレディオシャックだけ。ランス・アームストロング(アメリカ)率いるグランツールシフトのチームが、ジロ・デ・イタリアに続いてブエルタにも出場できない。

レディオシャックのヨハン・ブリュイネール監督レディオシャックのヨハン・ブリュイネール監督 photo:Cor Vos今回の発表に猛反発しているのが、レディオシャックのヨハン・ブリュイネール監督だ。同監督はチーム公式サイトの中で声明を出し、以下のように語っている。

「驚いたなんてレベルではない。言葉を失ってしまった。何かの間違いだと思って、説明を求めるためにオーガナイザーのハビエル・ギジェンに電話したんだ。彼曰く、他のチームは競技レベルの高いメンバーを提示したのに対し、我々の提示したメンバーが充分とは言えなかったそうだ。何度も聞き返してしまった。総合優勝を狙えるリーヴァイ・ライプハイマー、アンドレアス・クレーデン、クリストファー・ホーナー、ヤネス・ブライコヴィッチという四強を含むメンバーを提示したのに。今回の決定は理解しかねる。到底受け入れられるものではない。今年のチームの目標はツールとブエルタだった。ツアー・オブ・カリフォルニアでも成績を残す必要があったのでジロ・デ・イタリアをスキップしたと言うのに」。

「これは権力の乱用だ。主催者はロードレースに投資しようと考えているスポンサーの可能性まで奪うつもりだ。アンフェアであり、我々のスポンサーに説明がつかない。これが情熱を持って新たに参入したスポンサーに対する仕打ちだと思えない。いい加減プロロードレース界はプロフェッショナルになるべきだ。サッカーやテニス、F1のように成功しているスポーツを参考に、変革を起こす時期に来ている」。ブリュイネール監督は今回の決定を不服として、闘って行く構えだ。

ブエルタ第65回大会は8月28日にスペイン南部のセビーリャで開幕。反時計回りにイベリア半島を一周し、9月19日にマドリードでフィナーレを迎える予定だ。

ブエルタ・ア・エスパーニャ2010出場チームリスト
主催者とチーム間の合意によって出場が決まっていた16チーム
アージェードゥーゼル
アスタナ
Bboxブイグテレコム☆
ケースデパーニュ
コフィディス☆
エウスカルテル・エウスカディ
フットオン・セルヴェット
フランセーズデジュー
ランプレ・ファルネーゼヴィーニ
リクイガス
オメガファーマ・ロット
クイックステップ
ラボバンク
チームHTC・コロンビア
チームミルラム
サクソバンク

主催者による招待(ワイルドカード)6チーム
アンダルシア・カハスール☆
サーヴェロ・テストチーム☆
ガーミン・トランジションズ
チームスカイ
カチューシャ
シャコベオ・ガリシア☆

text:Kei Tsuji

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