2021/06/27(日) - 16:51
コルナゴ初のグラベルバイク G3-Xをインプレッション。シクロクロスでの活躍を経てイタリアのレース界の雄が放つグラベルバイクの自信作は、アメリカNo.1人気のグラベルレース、アンバウンドグラベルのウイメンズクラスで優勝したウィニングマシンとなった。
誰もが知る通り、イタリアを代表するプレミアムレーシングバイクブランドであり、昨年はタディ・ポガチャルがV3-RSを駆ってツール・ド・フランスに優勝したことで再び熱い注目を浴びるコルナゴ社。ロードバイクに関する造詣の深さでは右に出るものがいないほどの生粋のレーシングバイクブランドだが、オフロードの世界でも同様に活躍してきたことは忘れてはならない。
特筆すべきはシクロクロスでの活躍。近年ではスヴェン・ネイス、ニールス・アルベルトらトップスターたちがコルナゴを駆り、スーパープレスティージュやワールドカップなどで数々の勝利を収めてきた。2016年のシクロクロス世界選手権ではワウト・ファンアールトが世界チャンピオンに輝いた。その際にワウトが駆ったCXマシンがコルナゴだった。
その翌年、2017年のユーロバイクで現行モデルのPrestigeは正式発表される。アルカンシェル獲得によってファンアールトの価値が高騰、その結果スポンサーがスイッチしてしまった。そのためファンアールトがアルカンシェル仕様のコルナゴに乗った期間はごく短かったものの、21歳のワウトが世界タイトルを勝ち取ったのは紛れもなくPrestigeだった。
グラベルレース人気が興隆する近年、コルナゴは2019年にPrestigeをベースとしたグラベルバイク「GRV」を北米限定で発売。そのあとを引き継いで世界展開する初のグラベルバイクがここで紹介するG3-Xだ。
コルナゴ初のピュア・グラベルロードとなるG3-Xは、ロードレーサーのV3シリーズと同時期に開発された。エアロダイナミクスに優れるカムテールデザインのシェイプを随所に取り入れ、ヒルクライム性能に優れた軽量で反応性の良い軽量オールラウンダーという性格をもつV3シリーズをベースに開発されたのだ。
V3と共通のプラットフォームをもつG3-Xは、その軽量性や優れたエアロダイナミクス、バランスの取れたフレーム剛性など、優れた走行性能でも共有する部分が多く、グラベルはもちろんオールロードバイクとしても高い性能を発揮するよう設計されている。
ロングチェーンステーと低いBB位置は悪路でのバイクの走行安定性を目指したもので、長めに取られたトップチューブはアップライト&コンパクトなライディングポジションを可能にする。これによりハンドリングが軽やかで、低速域での障害物回避を容易にする。
フロントフォークは700C×42㎜幅タイヤに対応するクリアランスを確保。ケーブルマネジメントはダウンチューブ上部からシフトケーブルをインサートホールに集約して内蔵するセンターインテグレーションタイプ。フレームに対するケーブルの擦りを軽減し、直進安定性と正確なハンドリングを容易にする。
トップチューブにはボトルやストレージなどをボルトオンで固定するマウントを装備。ストレージボックス装着時の揺れを大幅に抑えることができる。
ダウンチューブのBB付近にはダート走行時に激しくダメージを受けることを防ぐラバーバンパーを、激しく暴れるチェーンが打ち付けるチェーンステイにもラバープロテクターを装備する。
シートポストを固定する臼状のクランプボルトはトップチューブ上部からインサートされ、垂直方向のしなりを有効に生み出す構造だ。
完成車はシマノ製グラベルコンポーネント「GRXシリーズ」にチューブレスレディホイール、そしてピレリ社のCinturato Gravel Hタイヤを装備し、安定かつハイレベルなグラベル走行を可能にする。フレームを飛び石などのダメージから保護するために、ラバー素材のBBプロテクターとチェーンステーカバーが標準装備される。
本格展開が始まるやいなや、アメリカの200マイル(320km)グラベルレース「アンバウンド・グラベル」のウイメンズクラスにおいてローレン・デクレチェンゾ(アメリカ)がG3-Xを駆って優勝。一気に注目を集めることとなった。
ここからは宮城で開催された2日間のグラベルイベント、JEROBOAM(ジェロボーム)150kmマグナムクラスにG3-Xを駆って出場したCW編集部・綾野の実走インプレッションをお届けする。
― インプレッション
すでに何度か記事に登場させているとおり、筆者は一昨年からマイバイクとしてコルナゴGRVに乗っている。これは北米限定のグラベルモデルで日本で販売されなかったバイクなのだが、どうしても欲しかったためにコルナゴジャパンに依頼して特別に取り寄せてもらったもので、シクロクロスにグラベルライドにと普段からフルに乗り回してきた。
そのGRVは発売時期的に他の多くのブランドのグラベルバイクがそうであったように、シクロクロスバイクをベースにモディファイされたモデルで、今となってはタイヤクリアランスがやや小さいなどの傾向がある。その後、シマノGRXがリリースされるなどグラベル専用コンポが登場し、フレームもそれに合わせた変化を要求されることに。そうした流れに対応した最新モデルがG3-Xというわけだ。
GRVがロードモデルのV2Rをベースに設計されていたように、G3-XはV3Rをベースにして開発された。つまり昨年ツール・ド・フランス優勝バイクとなったV3RSと同様のカムテールデザインなどの設計と構造、ジオメトリーなど、フレームの随所にその共通点を見出すことができる。
市場のグラベルバイクはブランドごとに多種多様な進化を遂げており、ハイスピード志向のレースモデルからバイクパッキングやキャンプツーリングに対応するツーリング系モデルまで、設計思想はそれぞれ異なったものとなっている。
なかでも走りを左右するホイール選択と足回りの設計は大きなウェイトを占める。快走系モデルでは700Cと650Bサイズのホイールの両方を使えるようにした設計がひとつの流れとしてあるが、G3-Xは700C専用設計だ。タイヤ太さは42mmまでと、極太タイヤは受け付けず、グラベルレースおよびオールロードで主流のホイールに絞った設計となっている。
まずその点からくるシンプルさが特徴だ。650B対応フレームの多くがチェーンステイを大きく下げて曲げた形状にするなど、クリアランスを確保するためにボリュームを増したものが多いが、G3-Xはロードバイクさながらのシルエットを保ちつつ、それがゆえの軽量さを手に入れている。
ストレージをトップチューブ上にダイレクトに取り付けるマウントを装備し、ダウンチューブ下のプロテクター部には3つ目のボトルケージマウントを備えるが、フレームはいたってシンプル。ミドルグレードロードのV3と共通のプラットフォームで、太いタイヤを履くためにフォークとバックスステーのボリュームをアップさせた感じだ。
ハンドリングは極めて良好で、ロードバイクのように手放しでウィンドブレイカーを脱ぎ着できるほどの直進安定性と、コーナーでステアを切った際にはスムーズにレーンチェンジできる素直さを兼ね備える。それはストレートフォークの始祖であるコルナゴのバイク特有の素晴らしい操舵感だ。
フレーム表面を指で弾いた感触からはフレームのカーボン素材もV3同様だと思われる。破断に強い弾性率のカーボンで、軽量かつ耐破損性の高いフレームに仕上がっているだろう。自分のタイヤが跳ねた石がフレームによくぶつかるグラベルライドではBB付近のプロテクターは安心かつ必要な装備だ。
JEROBOAMの150kmマグナムクラスを走り切って、結果的には(レースではないが)トップタイムでフィニッシュできた。弱さ等をまったく感じることなく、乗り心地は快適で素晴らしいライドフィールで速く走りきれたことで、G3-Xの性能に対しては大満足。走りにも構造的な面にも一切不満な点は見つけられない。グラベルの国のアメリカンバイクとは違う、イタリアのレーシングブランドのグラベルへの解釈の満額回答を感じることができた。
ホイールとタイヤサイズに関しては、650Bホイール+極太タイヤを選べないという点で拡張性に欠ける面があるとも言えるが、よほどガレていないほとんどのケースにおいては700×40Cタイヤが速く、快適に走れることで適しているなら、むしろ650非対応としたメリットのほうが上回るとも言える。G3-Xはシンプルで軽くて速い。しかしこのあたりは選ぶ人の考え方にもよるだろう。
今回乗ったシマノGRX DI2完成車はスペック的にも文句なし。唯一ホイールは廉価なものがセットされているが、それもチューブレス化に対応しており、無駄にはならない。デダ100GRAVELハンドルは適度なフレア形状でフィットし、ステムやサドルにもいいものが採用されている。
シングルトラックなどのテクニカルなダウンヒルでサドル高を下げることにこだわる人は居るもの。マウンテンバイクからグラベルに来た人はドロッパーポストを使う傾向があるが、その点のみシートピラーのカムテール形状が交換を許さない(丸形状ではないため)。
駆動系はフロントシングルが好まれる傾向があるが、シマノGRXのダブル仕様はギア選択も細かく・広いため誰にでもおすすめできる。スプロケットには11〜34Tの歯数のシマノHG800がセレクトされているのもベスト。この点をみても細かいパーツ構成まで妥協なく選ばれた完成車であることがわかる。
深いメタリックグリーンにライトブルーの手の込んだペイントはどこかカスタムバイクのような丁寧さがあり、レーシーさと可愛らしさが同居して非常に美しい。走りもパーツ構成もルックスも非の打ち所がなく、GRX DI2完成車でアンダー60万円のプライスはかなりお値打ちだろう。
オールロードバイク的にも使え、シクロクロスレースに出ても遜色ない軽快さと俊敏性があるG3-X。ホイールを数種揃えれば日常的にオン・オフで大活躍するバイクにすることもできるだろう。
コルナゴG3-X
ヘッドチューブサイズ:1 1/8”&1 1/4”
BB規格:スレッドフィット82.5
対応BB:プレスフィットBB86
O.L.D寸法:フロント100mm、リア14mm
スルーアクスル径:12mm、E-スルー
タイヤクリアランス:最大42mm
ディスクローターサイズ:フロント160mm、リア160mm
ホイール:チューブレス専用ホイール標準装備
フレームサイズ:460S、490S、520S、550S、580S
シマノGRX完成車価格:528,000円(税込)
シマノGRX DI2完成車価格:635,800円(税込)
text&photo:Makoto.AYANO
誰もが知る通り、イタリアを代表するプレミアムレーシングバイクブランドであり、昨年はタディ・ポガチャルがV3-RSを駆ってツール・ド・フランスに優勝したことで再び熱い注目を浴びるコルナゴ社。ロードバイクに関する造詣の深さでは右に出るものがいないほどの生粋のレーシングバイクブランドだが、オフロードの世界でも同様に活躍してきたことは忘れてはならない。
特筆すべきはシクロクロスでの活躍。近年ではスヴェン・ネイス、ニールス・アルベルトらトップスターたちがコルナゴを駆り、スーパープレスティージュやワールドカップなどで数々の勝利を収めてきた。2016年のシクロクロス世界選手権ではワウト・ファンアールトが世界チャンピオンに輝いた。その際にワウトが駆ったCXマシンがコルナゴだった。
その翌年、2017年のユーロバイクで現行モデルのPrestigeは正式発表される。アルカンシェル獲得によってファンアールトの価値が高騰、その結果スポンサーがスイッチしてしまった。そのためファンアールトがアルカンシェル仕様のコルナゴに乗った期間はごく短かったものの、21歳のワウトが世界タイトルを勝ち取ったのは紛れもなくPrestigeだった。
グラベルレース人気が興隆する近年、コルナゴは2019年にPrestigeをベースとしたグラベルバイク「GRV」を北米限定で発売。そのあとを引き継いで世界展開する初のグラベルバイクがここで紹介するG3-Xだ。
コルナゴ初のピュア・グラベルロードとなるG3-Xは、ロードレーサーのV3シリーズと同時期に開発された。エアロダイナミクスに優れるカムテールデザインのシェイプを随所に取り入れ、ヒルクライム性能に優れた軽量で反応性の良い軽量オールラウンダーという性格をもつV3シリーズをベースに開発されたのだ。
V3と共通のプラットフォームをもつG3-Xは、その軽量性や優れたエアロダイナミクス、バランスの取れたフレーム剛性など、優れた走行性能でも共有する部分が多く、グラベルはもちろんオールロードバイクとしても高い性能を発揮するよう設計されている。
ロングチェーンステーと低いBB位置は悪路でのバイクの走行安定性を目指したもので、長めに取られたトップチューブはアップライト&コンパクトなライディングポジションを可能にする。これによりハンドリングが軽やかで、低速域での障害物回避を容易にする。
フロントフォークは700C×42㎜幅タイヤに対応するクリアランスを確保。ケーブルマネジメントはダウンチューブ上部からシフトケーブルをインサートホールに集約して内蔵するセンターインテグレーションタイプ。フレームに対するケーブルの擦りを軽減し、直進安定性と正確なハンドリングを容易にする。
トップチューブにはボトルやストレージなどをボルトオンで固定するマウントを装備。ストレージボックス装着時の揺れを大幅に抑えることができる。
ダウンチューブのBB付近にはダート走行時に激しくダメージを受けることを防ぐラバーバンパーを、激しく暴れるチェーンが打ち付けるチェーンステイにもラバープロテクターを装備する。
シートポストを固定する臼状のクランプボルトはトップチューブ上部からインサートされ、垂直方向のしなりを有効に生み出す構造だ。
完成車はシマノ製グラベルコンポーネント「GRXシリーズ」にチューブレスレディホイール、そしてピレリ社のCinturato Gravel Hタイヤを装備し、安定かつハイレベルなグラベル走行を可能にする。フレームを飛び石などのダメージから保護するために、ラバー素材のBBプロテクターとチェーンステーカバーが標準装備される。
本格展開が始まるやいなや、アメリカの200マイル(320km)グラベルレース「アンバウンド・グラベル」のウイメンズクラスにおいてローレン・デクレチェンゾ(アメリカ)がG3-Xを駆って優勝。一気に注目を集めることとなった。
ここからは宮城で開催された2日間のグラベルイベント、JEROBOAM(ジェロボーム)150kmマグナムクラスにG3-Xを駆って出場したCW編集部・綾野の実走インプレッションをお届けする。
― インプレッション
すでに何度か記事に登場させているとおり、筆者は一昨年からマイバイクとしてコルナゴGRVに乗っている。これは北米限定のグラベルモデルで日本で販売されなかったバイクなのだが、どうしても欲しかったためにコルナゴジャパンに依頼して特別に取り寄せてもらったもので、シクロクロスにグラベルライドにと普段からフルに乗り回してきた。
そのGRVは発売時期的に他の多くのブランドのグラベルバイクがそうであったように、シクロクロスバイクをベースにモディファイされたモデルで、今となってはタイヤクリアランスがやや小さいなどの傾向がある。その後、シマノGRXがリリースされるなどグラベル専用コンポが登場し、フレームもそれに合わせた変化を要求されることに。そうした流れに対応した最新モデルがG3-Xというわけだ。
GRVがロードモデルのV2Rをベースに設計されていたように、G3-XはV3Rをベースにして開発された。つまり昨年ツール・ド・フランス優勝バイクとなったV3RSと同様のカムテールデザインなどの設計と構造、ジオメトリーなど、フレームの随所にその共通点を見出すことができる。
市場のグラベルバイクはブランドごとに多種多様な進化を遂げており、ハイスピード志向のレースモデルからバイクパッキングやキャンプツーリングに対応するツーリング系モデルまで、設計思想はそれぞれ異なったものとなっている。
なかでも走りを左右するホイール選択と足回りの設計は大きなウェイトを占める。快走系モデルでは700Cと650Bサイズのホイールの両方を使えるようにした設計がひとつの流れとしてあるが、G3-Xは700C専用設計だ。タイヤ太さは42mmまでと、極太タイヤは受け付けず、グラベルレースおよびオールロードで主流のホイールに絞った設計となっている。
まずその点からくるシンプルさが特徴だ。650B対応フレームの多くがチェーンステイを大きく下げて曲げた形状にするなど、クリアランスを確保するためにボリュームを増したものが多いが、G3-Xはロードバイクさながらのシルエットを保ちつつ、それがゆえの軽量さを手に入れている。
ストレージをトップチューブ上にダイレクトに取り付けるマウントを装備し、ダウンチューブ下のプロテクター部には3つ目のボトルケージマウントを備えるが、フレームはいたってシンプル。ミドルグレードロードのV3と共通のプラットフォームで、太いタイヤを履くためにフォークとバックスステーのボリュームをアップさせた感じだ。
ハンドリングは極めて良好で、ロードバイクのように手放しでウィンドブレイカーを脱ぎ着できるほどの直進安定性と、コーナーでステアを切った際にはスムーズにレーンチェンジできる素直さを兼ね備える。それはストレートフォークの始祖であるコルナゴのバイク特有の素晴らしい操舵感だ。
フレーム表面を指で弾いた感触からはフレームのカーボン素材もV3同様だと思われる。破断に強い弾性率のカーボンで、軽量かつ耐破損性の高いフレームに仕上がっているだろう。自分のタイヤが跳ねた石がフレームによくぶつかるグラベルライドではBB付近のプロテクターは安心かつ必要な装備だ。
JEROBOAMの150kmマグナムクラスを走り切って、結果的には(レースではないが)トップタイムでフィニッシュできた。弱さ等をまったく感じることなく、乗り心地は快適で素晴らしいライドフィールで速く走りきれたことで、G3-Xの性能に対しては大満足。走りにも構造的な面にも一切不満な点は見つけられない。グラベルの国のアメリカンバイクとは違う、イタリアのレーシングブランドのグラベルへの解釈の満額回答を感じることができた。
ホイールとタイヤサイズに関しては、650Bホイール+極太タイヤを選べないという点で拡張性に欠ける面があるとも言えるが、よほどガレていないほとんどのケースにおいては700×40Cタイヤが速く、快適に走れることで適しているなら、むしろ650非対応としたメリットのほうが上回るとも言える。G3-Xはシンプルで軽くて速い。しかしこのあたりは選ぶ人の考え方にもよるだろう。
今回乗ったシマノGRX DI2完成車はスペック的にも文句なし。唯一ホイールは廉価なものがセットされているが、それもチューブレス化に対応しており、無駄にはならない。デダ100GRAVELハンドルは適度なフレア形状でフィットし、ステムやサドルにもいいものが採用されている。
シングルトラックなどのテクニカルなダウンヒルでサドル高を下げることにこだわる人は居るもの。マウンテンバイクからグラベルに来た人はドロッパーポストを使う傾向があるが、その点のみシートピラーのカムテール形状が交換を許さない(丸形状ではないため)。
駆動系はフロントシングルが好まれる傾向があるが、シマノGRXのダブル仕様はギア選択も細かく・広いため誰にでもおすすめできる。スプロケットには11〜34Tの歯数のシマノHG800がセレクトされているのもベスト。この点をみても細かいパーツ構成まで妥協なく選ばれた完成車であることがわかる。
深いメタリックグリーンにライトブルーの手の込んだペイントはどこかカスタムバイクのような丁寧さがあり、レーシーさと可愛らしさが同居して非常に美しい。走りもパーツ構成もルックスも非の打ち所がなく、GRX DI2完成車でアンダー60万円のプライスはかなりお値打ちだろう。
オールロードバイク的にも使え、シクロクロスレースに出ても遜色ない軽快さと俊敏性があるG3-X。ホイールを数種揃えれば日常的にオン・オフで大活躍するバイクにすることもできるだろう。
コルナゴG3-X
ヘッドチューブサイズ:1 1/8”&1 1/4”
BB規格:スレッドフィット82.5
対応BB:プレスフィットBB86
O.L.D寸法:フロント100mm、リア14mm
スルーアクスル径:12mm、E-スルー
タイヤクリアランス:最大42mm
ディスクローターサイズ:フロント160mm、リア160mm
ホイール:チューブレス専用ホイール標準装備
フレームサイズ:460S、490S、520S、550S、580S
シマノGRX完成車価格:528,000円(税込)
シマノGRX DI2完成車価格:635,800円(税込)
text&photo:Makoto.AYANO
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