2021/03/28(日) - 11:01
シーズンインが遅れていたペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)がカタルーニャ6日目にスプリント勝負を制す。イネオス・グレナディアーズが総合トップスリーを独占した最終日を迎えることとなった。
これでもかと山岳コースが詰め込まれたボルタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)は、6日目にしてようやくスプリントの可能性があるステージがやってきた。
タラゴーナからマタロを繋ぐ190kmオーバーのコースは、断面図だけを見れば山岳ステージだが、その実最高標高地点は中盤の3級山岳頂上の370m。この日はイネオス・グレナディアーズではなく、第1ステージで逃げ屋にチャンスを奪われ、それ以降タイムトライアルと3日間の山岳コースを耐えてきたスプリンター擁するチームがメイン集団のコントロールを担った。
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)をゲストに迎えたテープカットが催され、アタック合戦を経てマテイ・モホリッチ(スロバニア、バーレーン・ヴィクトリアス)やアロルド・テハダ(コロンビア、アスタナ・プレミアテック)を含む5名がエスケープ。ボーラ・ハンスグローエやUAEチームエミレーツ率いるメイン集団は、3分半差を詰めていった。
レース後半にF1やモトGPの舞台となる全長4,655mのカタロニア・サーキットに入ったタイミング(残り40km)でタイム差は1分強。メインコースを走ってからピットレーンを逆走し、再びサーキット外の一般道へ。
モビスターやEFエデュケーションNIPPOらがペースアップするメイン集団は、最後の3級山岳手前で一人になっていたディミトリ・ストラコフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ)を飲み込み「グルッポコンパット」。モビスターがハイペースで牽引する中からドゥクーニンク・クイックステップが攻勢を掛けた。
登坂に入るとジェームズ・ノックス(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ)が仕掛け、続いたエリー・ジェスベール(フランス、アルケア・サムシック)のカウンターでレミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)が加速する。フルノッチで飛ばす「クレルモン=フェランのTGV」が集団を突き放しにかかった。
ダウンヒルを飛ばしに飛ばしたフランスTTチャンピオンだったが、平坦に入って追走体制を整えたメイン集団の追い上げを許してしまう。ボーラ・ハンスグローエやバイクエクスチェンジはフィニッシュまで8km以上を残してカヴァニャを捉え、続いて仕掛けたヨセフ・チェルニー(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)も引き戻される。ハイペースに半分程度に絞り込まれた集団が、今大会最初の集団スプリントに向けて加速していった。
危険回避を目論むイネオス・グレナディアーズが先頭を固め、各チームがリードアウトトレインを組めないままフィニッシュ前へ。残り500m手前のランドアバウトをきっかけにロングスパートしたフアンホセ・ロバト(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)は沈み、再度仕掛けたカヴァニャの背後からスプリンターが飛んできた。
早駆けしたレイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、クベカ・アソス)とダリル・インピー(南アフリカ、イスラエル・スタートアップネイション)の間をこじ開けてペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が加速する。そのまま先頭を譲らず、手を上げることもなくサガンが勝利した。
シーズンイン前に兄ユライ、エリック・バシュカ(スロバキア)と共にPCR検査で陽性となり、シーズンインが遅れていたサガンが今季待望の初勝利を挙げた。「休むことなくティレーノ〜アドリアティコとミラノ〜サンレモからカタルーニャに参加し、ここまで厳しいステージを走ってきたので少し疲れが溜まっていたんだ。とても難しかったここ2ヶ月間のことを考えれば、こうしてシーズン序盤に勝利できたことは大きいよ」と振り返るサガン。
今季は自粛療養によるトレーニング不足を補うために本来予定していたフランドルクラシックではなく、このカタルーニャを走ることでコンディション向上に努めてきた。カタルーニャを終えた後は本来のスケジュールに戻り、ロンド・ファン・フラーンデレンと延期が噂されるパリ〜ルーベを経てジロ・デ・イタリアを走る予定だ。
これでもかと山岳コースが詰め込まれたボルタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)は、6日目にしてようやくスプリントの可能性があるステージがやってきた。
タラゴーナからマタロを繋ぐ190kmオーバーのコースは、断面図だけを見れば山岳ステージだが、その実最高標高地点は中盤の3級山岳頂上の370m。この日はイネオス・グレナディアーズではなく、第1ステージで逃げ屋にチャンスを奪われ、それ以降タイムトライアルと3日間の山岳コースを耐えてきたスプリンター擁するチームがメイン集団のコントロールを担った。
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)をゲストに迎えたテープカットが催され、アタック合戦を経てマテイ・モホリッチ(スロバニア、バーレーン・ヴィクトリアス)やアロルド・テハダ(コロンビア、アスタナ・プレミアテック)を含む5名がエスケープ。ボーラ・ハンスグローエやUAEチームエミレーツ率いるメイン集団は、3分半差を詰めていった。
レース後半にF1やモトGPの舞台となる全長4,655mのカタロニア・サーキットに入ったタイミング(残り40km)でタイム差は1分強。メインコースを走ってからピットレーンを逆走し、再びサーキット外の一般道へ。
モビスターやEFエデュケーションNIPPOらがペースアップするメイン集団は、最後の3級山岳手前で一人になっていたディミトリ・ストラコフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ)を飲み込み「グルッポコンパット」。モビスターがハイペースで牽引する中からドゥクーニンク・クイックステップが攻勢を掛けた。
登坂に入るとジェームズ・ノックス(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ)が仕掛け、続いたエリー・ジェスベール(フランス、アルケア・サムシック)のカウンターでレミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)が加速する。フルノッチで飛ばす「クレルモン=フェランのTGV」が集団を突き放しにかかった。
ダウンヒルを飛ばしに飛ばしたフランスTTチャンピオンだったが、平坦に入って追走体制を整えたメイン集団の追い上げを許してしまう。ボーラ・ハンスグローエやバイクエクスチェンジはフィニッシュまで8km以上を残してカヴァニャを捉え、続いて仕掛けたヨセフ・チェルニー(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)も引き戻される。ハイペースに半分程度に絞り込まれた集団が、今大会最初の集団スプリントに向けて加速していった。
危険回避を目論むイネオス・グレナディアーズが先頭を固め、各チームがリードアウトトレインを組めないままフィニッシュ前へ。残り500m手前のランドアバウトをきっかけにロングスパートしたフアンホセ・ロバト(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)は沈み、再度仕掛けたカヴァニャの背後からスプリンターが飛んできた。
早駆けしたレイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、クベカ・アソス)とダリル・インピー(南アフリカ、イスラエル・スタートアップネイション)の間をこじ開けてペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が加速する。そのまま先頭を譲らず、手を上げることもなくサガンが勝利した。
シーズンイン前に兄ユライ、エリック・バシュカ(スロバキア)と共にPCR検査で陽性となり、シーズンインが遅れていたサガンが今季待望の初勝利を挙げた。「休むことなくティレーノ〜アドリアティコとミラノ〜サンレモからカタルーニャに参加し、ここまで厳しいステージを走ってきたので少し疲れが溜まっていたんだ。とても難しかったここ2ヶ月間のことを考えれば、こうしてシーズン序盤に勝利できたことは大きいよ」と振り返るサガン。
今季は自粛療養によるトレーニング不足を補うために本来予定していたフランドルクラシックではなく、このカタルーニャを走ることでコンディション向上に努めてきた。カタルーニャを終えた後は本来のスケジュールに戻り、ロンド・ファン・フラーンデレンと延期が噂されるパリ〜ルーベを経てジロ・デ・イタリアを走る予定だ。
ボルタ・ア・カタルーニャ2021第6ステージ結果
1位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 4:23:18 |
2位 | ダリル・インピー(南アフリカ、イスラエル・スタートアップネイション) | |
3位 | フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | |
4位 | レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、クベカ・アソス) | |
5位 | アレクサンダー・カンプ(デンマーク、トレック・セガフレード) | |
6位 | クレモン・ヴァントゥリーニ(フランス、AG2Rシトロエン) | |
7位 | マックス・カンター(ドイツ、チームDSM) | |
8位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
9位 | ミケル・ヴァルグレン(デンマーク、 EFエデュケーションNIPPO) | |
10位 | マキシム・ファンヒルス(ベルギー、ロット・スーダル) |
個人総合成績
1位 | アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 23:08:45 |
2位 | リッチー・ポート(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ) | 0:45 |
3位 | ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:49 |
4位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 1:03 |
5位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
6位 | エステバン・チャベス(コロンビア、バイクエクスチェンジ) | 1:04 |
7位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 1:07 |
8位 | ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーションNIPPO) | 1:20 |
9位 | セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィズマ) | 1:29 |
10位 | サイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ) | 1:32 |
その他の特別賞
ポイント賞 | エステバン・チャベス(コロンビア、バイクエクスチェンジ) |
山岳賞 | エステバン・チャベス(コロンビア、バイクエクスチェンジ) |
ヤングライダー賞 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) |
チーム総合成績 | イネオス・グレナディアーズ |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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