3月21日、茨城県土浦市で茨城シクロクロス第3戦土浦ステージが開催された。関東圏でのAJOCC最終レースであり、当日は雨が終日降り続いたが、「駅から5分のシクロクロス」のキャッチフレーズのもと新会場でのCXレースは大いに盛り上がった。



芝の広場の脇にはマリーナに並ぶヨットやクルーザーが見える芝の広場の脇にはマリーナに並ぶヨットやクルーザーが見える photo:MakotoAYANO
メイン会場となったのは「りんりんポート土浦」。霞ヶ浦一周サイクリングで人気が高まるつくば霞ヶ浦りんりんロードの中間地点に位置するサイクリングターミナルだ。すぐ隣にはかすみがうらマラソンでもおなじみの「J:COMフィールド土浦」陸上競技場があり、JR土浦駅からも徒歩5分という至近のロケーション。

開会式には安藤真理子市長も会場に駆けつけた開会式には安藤真理子市長も会場に駆けつけた メインスポンサーのルノーのクルマが展示されたメインスポンサーのルノーのクルマが展示された


霞ヶ浦一周=「かすいち」で盛り上がり、最近は「自転車のまち土浦」を掲げる土浦市。土浦駅ビルには自転車リゾートプレイアトレ土浦やサイクリスト向けホテル「星野リゾート BEB5土浦」ができたりと、サイクリング環境や関連施設の充実ぶりがめざましい。行政が大会を応援する姿勢が熱く、レース当日の開会式には安藤真理子市長も会場に駆けつけ、スタートを待つ参加者たちを激励。タイトルスポンサーとなるルノーつくば・ルノー水戸(茨城日産自動車)の出展をはじめ土浦市市制施行80周年記念事業として多彩な出店ブースが展開された。

土浦市のゆるキャラ「つちまるくん」と大会を支援する行政関係者やスポンサーの皆さん土浦市のゆるキャラ「つちまるくん」と大会を支援する行政関係者やスポンサーの皆さん りんりんポート土浦の脇のサイクリングロードもコースにりんりんポート土浦の脇のサイクリングロードもコースに


この日は朝から雨が降り続く予報で、相当な雨量になることが予想されていた。しかし小降りの霧雨程度の雨が続いた、ものの、激しい降りにはならなかったのが幸運だ。

芝の広場の向こうには霞ヶ浦が見渡せる芝の広場の向こうには霞ヶ浦が見渡せる photo:MakotoAYANO
りんりんポート土浦とヨットが並ぶマリーナ、そして陸上競技場脇の舗装路、そしてその周囲に広がる芝の丘陵に丘陵に設営されたコース。りんりんポートにの屋上テラスに登ればコース越しに霞ヶ浦を望むことができ、芝の広場の脇にはマリーナの敷地のヨットやクルーザーがずらりと並んでいる。すぐ近くが駅であり、駅前マンションなども臨める都市型クロス。天気が優れなかったのは残念で、晴れればロケーションの素晴らしさがより光っただろう。

芝の広場の脇にはマリーナに並ぶヨットやクルーザーが見える芝の広場の脇にはマリーナに並ぶヨットやクルーザーが見える photo:MakotoAYANO
コースは概ねフラットで厳しい上りが無い。舗装路の直線をスピードに乗せて走り出し、芝の丘陵につけられたスラロームコースを経て、りんりんポート土浦の脇の舗装のサイクリングロードへ。霞ヶ浦に近い広場の高低差のあるバームやシケイン、そしてこの日はウェットであるために多くの参加者が滑って苦戦したキャンバーセクションなどをこなすスピード&テクニカルコース。

濡れた芝のスラロームをこなすのは高度なバランスが要求される濡れた芝のスラロームをこなすのは高度なバランスが要求される photo:MakotoAYANO
この日もっとも難所となったキャンバー。滑って下まで落ちる人も続出この日もっとも難所となったキャンバー。滑って下まで落ちる人も続出 photo:MakotoAYANO
濡れた芝と浅い泥で滑りやすかった難コース濡れた芝と浅い泥で滑りやすかった難コース photo:MakotoAYANO
雨に濡れた芝と土でややマッドだが、それでも醜い泥ではないというシクロクロスならではの路面状況で、スリップしないでコーナリングするテクニックや地脚を競い合うレースとなった。

スタートして舗装の直線路を進むC1。ホールショットは加藤健悟(臼杵レーシング)スタートして舗装の直線路を進むC1。ホールショットは加藤健悟(臼杵レーシング) photo:MakotoAYANO
スタートからトップを譲らなかった加藤健悟(臼杵レーシング)スタートからトップを譲らなかった加藤健悟(臼杵レーシング) photo:MakotoAYANO加藤健悟(臼杵レーシング)を追うSNEL CYCLOCROSS TEAMのパック加藤健悟(臼杵レーシング)を追うSNEL CYCLOCROSS TEAMのパック photo:MakotoAYANO


圧倒的な優勝を飾った加藤健悟(臼杵レーシング)圧倒的な優勝を飾った加藤健悟(臼杵レーシング) photo:MakotoAYANO
最高峰C1は先週のシクロクロス千葉でも優勝を飾った加藤健悟(臼杵レーシング)が他を圧倒する力を見せて終始独走して優勝。2位に小久保登志貴、3位に向山浩司が入りSNEL CYCLOCROSS TEAMの2・3フィニッシュ。SNELは大所帯での参戦でトップ10に5人を送り込んだ。

人数の多いC2は芝スラローム区間で渋滞気味だ人数の多いC2は芝スラローム区間で渋滞気味だ photo:MakotoAYANO
U15の日本チャンピオンジャージを着て走った石川七海(iBeyond)U15の日本チャンピオンジャージを着て走った石川七海(iBeyond) photo:MakotoAYANO
C4A優勝の竹内貴紀(湾岸サイクリング・ユナイテッド)C4A優勝の竹内貴紀(湾岸サイクリング・ユナイテッド) photo:MakotoAYANOC2優勝は吉田敬(NESTO Factory Team)。C1昇格を果たすC2優勝は吉田敬(NESTO Factory Team)。C1昇格を果たす photo:MakotoAYANO


CJ優勝は永野昇海(イナーメ信濃山形)CJ優勝は永野昇海(イナーメ信濃山形) photo:MakotoAYANOマスターズCM1優勝は生田目修(イナーメ信濃山形)マスターズCM1優勝は生田目修(イナーメ信濃山形)


女子トップカテゴリーのCL1は渡部春雅(駒澤大学高等学校)、マスターズCM1は全日本チャンピオンでもある生田目修(イナーメ信濃山形)が勝利。C2優勝は吉田敬(NESTO Factory Team)で、C1昇格を果たした。

レースが終了してすぐに嵐のような強風が吹き、豪雨が降り出した。

昨年10月に開催された2戦取手ステージから約5ヶ月。この第3戦も本来は1月24日に予定していた大会の延期開催で、2月14日に予定した第4戦・大洗サンビーチステージと2月27・28日に予定した第5戦・涸沼自然公園ステージ 2Daysは新型コロナウィルス感染拡大を受けて中止に。2020-21シーズンは3戦の開催にとどまった茨城シクロクロスは閉幕した。今回も万全の感染拡大防止対策をとっての開催で、主催者側のノウハウの充実が感じられた。

参加賞や上位入賞者には田島屋からお米が贈られた参加賞や上位入賞者には田島屋からお米が贈られた CL1優勝の渡部春雅(駒澤大学高等学校)に星野リゾート BEB5土浦の宿泊券が贈られたCL1優勝の渡部春雅(駒澤大学高等学校)に星野リゾート BEB5土浦の宿泊券が贈られた


新コースは概ね好評で、土浦市はじめとする自治体や企業のバックアップがあることが参加者としても嬉しく感じられる。参加賞には地元企業の田島屋が提供するお米が配られ、男女上位カテゴリーC1、CL1優勝者には優勝賞品として星野リゾート BEB5土浦の宿泊券も提供され、大いに盛り上がった。

CK(キッズ)が充実しているのも茨城シクロクロスの特徴だCK(キッズ)が充実しているのも茨城シクロクロスの特徴だ photo:MakotoAYANO
走り終わったら皆で記念撮影をするのがホビーシクロクロッサーだ走り終わったら皆で記念撮影をするのがホビーシクロクロッサーだ
茨城シクロクロス2021第3戦土浦ステージ おもなリザルト
C1
1位 加藤健悟(臼杵レーシング) 1:02:30.4
2位 小久保登志貴(SNEL CYCLOCROSS TEAM)
3位 向山浩司(SNEL CYCLOCROSS TEAM)
4位 詫間啓耀(NESTO Factory Team)
5位 佐復 真人(AX cyclocross team)
6位 佐川 祐太(SNEL CYCLOCROSS TEAM)
7位 尾形尚紀(臼杵レーシング)
8位 小林 慶次(SNEL CYCLOCROSS TEAM)
9位 江下 健太郎(じてんしゃPitプロ 埼玉日高)
10位 小島大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM)
C2
1位 吉田敬(NESTO Factory Team) 50:02.6
2位 中曽佑一(SHIDO-WORKS)
3位 ジェームス アレクサンダー
CL1
1位 渡部春雅(駒澤大学高等学校) 39:43.8
2位 林口ゆきえ(Live GARDEN BiciStelle)
3位 西形 舞(TRC Panama Reds)
CM1
1位 生田目修(イナーメ信濃山形) 36:24.0
2位 石川正道(Champion System Japan Test Team)
3位 山本 誠一(DEVOTION)
CJ
1位 永野昇海(イナーメ信濃山形) 39:40.5
text&photo:Makoto AYANO