グルパマFDJのジェネラルマネージャーであるマルク・マディオ氏が職を離れ、会長に就任することが明らかとなった。マディオ氏はチームが創設された1997年から指揮官としてチームに関わり、熱血漢として知られているチームの象徴だ。



マルク・マディオ監督とティボー・ピノ(2019年ツール・ド・フランス) photo:Makoto.AYANO

マディオ氏は現役時代にパリ〜ルーベを2度(1985年、91年)制し、ツール・ド・フランスでも1984年に区間優勝を挙げた元プロ選手。グルパマFDJが「ラ・フランセーズ・デ・ジュー」としてスタートした1997年に監督として加わり、2002年からGM職についた。

GMでありながらもチームカーから選手へ檄を飛ばし、熱血漢として自転車ロードレース界で広く知られているマディオ氏。2026年で67歳となることもあり、本人も「(チームは)未来に目を向けなければならないし、私はもはや中長期的な未来ではない」と語る通り、2年前から考えていた構想を踏まえ、2026年から始まるワールドツアーライセンス(昇降格)の3年サイクルに合わせて退任を決断した。

マディオ氏は仏紙レキップなどの取材に「やり尽くした」と語っており、また「私の願いは、チームが私の後も生き続けることだ」とも話している。

絆創膏をつけて記者の前に現れたマディオ監督(2018年ツール・ド・フランス) photo:Makoto.AYANO

後任には2024年6月から副ゼネラルマネージャーを務めていたティエリ・コルネック氏。ホイールブランドのマヴィックやバイクブランドのラピエールを経て、現チームに加入した53歳だ。

グルパマFDJはマディオ氏と近かったティボー・ピノ(フランス)が2023年限りで引退。同年にアルノー・デマール(フランス)がチームを離れ、さらに2025年シーズン限りでシュテファン・キュング(スイス)も退団するなど、長らくチームの中心を担っていた選手たちの入れ替わりが続いている。

2026年からは「グルパマFDJユナイテッド」に名称を改めるチームは、デカトロンAG2Rラモンディアールからクレマン・ベルテなどフランス人を中心にワールドチームから計4名を補強。また育成に定評のある育成チームから2名が昇格するなど、若手の加入が目立っている。

text:Sotaro.Arakawa
photo:Makoto AYANO