トライアスロンバイクブランド、CEEPO(シーポ)が東京・青山での発表会で「スーパーロードバイク」と謳うハイエンドロードモデル ”PEAK” を発表した。画期的な完全一体モールド製法を駆使して誕生した、単体重量690gという超軽量ロードフレームだ。

東京・青山のプレゼン会場にはシーポの全モデルが揃った photo:Makoto AYANO
日本発祥のトライアスロンバイクブランド、CEEPO(シーポ)。現役トライアスリートの田中信行(たなかのぶゆき)氏によって2004年に誕生、トライアスロンに特化したバイクを造り続けてきたユニークなバイクブランドだ。

CEEPO創業者 田中信行氏は71歳の現役トライアスリート photo:Makoto AYANO
71歳を迎える今もなおトライアスロンで活躍を続ける田中氏は、創業者であり現在もCEEPOバイクのアイデアの源泉だ。今もなお年代別の世界チャンピオンを目指し続ける氏の情熱はバイク製作にも注がれ、2009年にはトライアスロンの最高峰イベントであるIRONMAN(アイアンマン)シリーズのオフィシャルバイクサプライヤーになるなど、目覚ましい発展を遂げてきたジャパニーズブランドだ。

シーポ PEAK photo:Makoto AYANO
現在は日本から世界へ羽ばたき、海外に新会社シーポインターナショナルが設立され、欧州とアジアを拠点にビジネスを展開するまでになった。そんな同社が最高峰のロードモデル ”PEAK(ピーク)” を発表した。
今まで「トライアスロンバイクはタイムトライアルバイクとは違う」としてトライアスロンに最適化したバイクをリリースし、トライアスリートに支持されてきた同社だが、ここで今までのバイク製作のノウハウを活かし、ロードレースで使えるロードバイクをリリース。それがハイエンドに位置するPEAKだ。

CEEPO代表 田中信行氏とルチアーノ・フサポーリ氏 photo:Makoto AYANO
PEAKの開発にあたり、大きな原動力になったのがルチアーノ・フサポーリ氏(イタリア)の存在だ。かつてチネリやコルナゴで敏腕を振るった人物で、直近の18年間はピナレロ社でマーケティングマネジャーとして活躍した。同氏の活躍はチームスカイやイネオスの黄金期を支え、ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャなど世界のロードレース界の頂点にピナレロが君臨し、栄光を恣(ほしいまま)にした時期と重なる。

71歳のミスターCEEPO、田中信行氏は現役トライアスリートだ photo:Makoto AYANO 
CEEPOインターナショナル代表 ルチアーノ・フサポーリ氏 photo:Makoto AYANO
クリス・フルームをはじめ選手たちとピナレロ社を繋ぎ、その要望を「勝てるロードバイク」に仕上げていく役割を担った人物が、昨年シーポインターナショナル社にジョイン。トライアスロンバイク専業ブランドにおいて「世界最高のロードバイクを造る」というプロジェクトがはじまった。

PEAKのプレゼンを行うルチアーノ・フサポーリ氏 photo:Makoto AYANO
トライアスロン界においてもエリート選手のショートディスタンスレースはドラフティング形式となり、ロードレースバイクの機能が求められるように。そして正確には田中氏とルチアーノ氏はバイクビジネスの現場で長きに渡る旧知の仲で、このプロジェクトは2人の合流により、PEAKとなって結晶した。

スムーズなエアの流れを導くフロントトライアングル photo:Makoto AYANO
シーポが「スーパーロードバイク」と謳うPEAKは、画期的な一体成型技術により高剛性と軽量化を両立したロードフレームだ。

シート&チェーンステイも前三角と一体成型となるため強度が大幅にアップしている photo:Makoto AYANO
一般的なフレームの「モールド製法」は、フロントトライアングル(前三角)とリアトライアングル(リア三角)を別々に制作し、繋いで接合することで製作されている。しかしシーポPEAKでは「完全一体型モールド製法」によりフレームを一体成型する。これによりシートステイやチェーンステイ周りの強度が大幅にアップし、接合・補強するための材料が不要になるため軽量化にもなる。
同時にシーポが長年のパートナーとするTORAYの最高峰カーボン素材、トレカM40Xを用いることで、測定結果で30%の剛性アップと15%の軽量化を達成したという。

エアロ効果を追求し大きなマージンが確保されたフォーク形状 photo:Makoto AYANO 
フォークブレードは薄く、走行時の空気抵抗を削減する photo:Makoto AYANO
また従来からシーポが得意とするエアロダイナミクス設計により、同社のロード系モデルに比して11%の前面投影面積削減も実現し、ライディング時のパワーを4.4%セーブすることに成功したという。

巡航性能と登坂性能を兼ね備えたトライアスロンバイク KATANA photo:Makoto AYANO
PEAKの超軽量で強靭なフレームはヒルクライムはもちろんロードレース、そしてシーポが得意とするドラフティング可能なオリンピックディスタンス・トライアスロンにもフィット。シーポが掲げるPEAKのコンセプトは「オリンピックで金メダルを狙うバイク」「ロードレースにも使用できるスーパーロードレースバイク」だ。

フォーク先端はエアロを意識したスルーアクスル周辺処理が施される photo:Makoto AYANO 
エアロシートピラーはフォワードジオメトリー対応のゼロオフセットとなる photo:Makoto AYANO
PEAKは同社のSTINGER(スティンガー)より5mm低く設定されたボトムブラケット位置と運動性能を重視した設計により、鋭い俊敏性と加速、高速時の安定性を両立しているという。
なおテストライダーとして元プロロード選手のシモン・ゲシュケ(ドイツ)らが協力。欧州の山岳地帯などでライドを重ね、ジオメトリーを煮詰めてきた。

エアの流れを意識したドロップドチェーンステイ photo:Makoto AYANO 
カムテール形状とコンパクトな固定臼を用いたシート固定部 photo:Makoto AYANO
タイヤクリアランスはワイドタイヤ時代に対応した最大33mm。BBタイプはBSA 68mm。リアディレイラーハンガーはUDHを採用。Di2等の電動変速専用モデルとなる。
日本発でアジアマーケットを得意とするシーポらしく、小柄な人が無理無く乗れるXSサイズ (シートチューブ長430mm)からラインナップし、XS、S、M 、L 、XLの5サイズを揃える。
完全一体モールド製法は、製造工程においてサイズごとに用意された大型の金型(モールド)を使用するためコスト高が避けられないが、PEAKのフレーム価格は660,000円(税抜き)に抑えられた。今回の「限界を超えた革新へのチャレンジ」とも言える製品開発において、長年製作を担当してきた工場も、この技術的な挑戦に価格を極力抑えることに合意したという。
PEAKの発売はすでに始まっているが、極少量生産のため基本は受注形式となる。

CEEPO代表 田中信行氏とルチアーノ・フサポーリ氏 photo:Makoto AYANO
シーポ PEAK

シーポ PEAK ©Ceepo
サイズ:XS (ST: 430), S (ST: 450), M (ST: 470), L (ST: 495),XL (ST:530)
対応コンポーネント:SHIMANO Di2,SRAM eTap AXS,Campagnolo EPS(電動変速専用)
クランクMax/Min
2x:Max: 54/40T、Min: 46/33T
1x: Max: 54T、Min: 33T
ボトムブラケット:BSA 68mm (English and JIS Thread)
ヘッドセット:Upper: 1-1/8" (S.H.I.S: IS44/28.6)、Lower: 1-3/8" (S.H.I.S: IS49/36.8)
ステムサイズ:FSA SMR stem
XS-80mm, S-90mm, M-100mm, L110mm, XL-120mm
RDハンガー:UDH
シートポスト:CEEPO PEAK with Ritchey 1-Bolt System
フレーム重量:(M): 690 g(生地) / ~757 g(ペイント)
フォーク重量: 342g(コラム未カット)
フレーム価格:¥726,000(税込み)
text&photo:Makoto AYANO

日本発祥のトライアスロンバイクブランド、CEEPO(シーポ)。現役トライアスリートの田中信行(たなかのぶゆき)氏によって2004年に誕生、トライアスロンに特化したバイクを造り続けてきたユニークなバイクブランドだ。

71歳を迎える今もなおトライアスロンで活躍を続ける田中氏は、創業者であり現在もCEEPOバイクのアイデアの源泉だ。今もなお年代別の世界チャンピオンを目指し続ける氏の情熱はバイク製作にも注がれ、2009年にはトライアスロンの最高峰イベントであるIRONMAN(アイアンマン)シリーズのオフィシャルバイクサプライヤーになるなど、目覚ましい発展を遂げてきたジャパニーズブランドだ。

現在は日本から世界へ羽ばたき、海外に新会社シーポインターナショナルが設立され、欧州とアジアを拠点にビジネスを展開するまでになった。そんな同社が最高峰のロードモデル ”PEAK(ピーク)” を発表した。
今まで「トライアスロンバイクはタイムトライアルバイクとは違う」としてトライアスロンに最適化したバイクをリリースし、トライアスリートに支持されてきた同社だが、ここで今までのバイク製作のノウハウを活かし、ロードレースで使えるロードバイクをリリース。それがハイエンドに位置するPEAKだ。

PEAKの開発にあたり、大きな原動力になったのがルチアーノ・フサポーリ氏(イタリア)の存在だ。かつてチネリやコルナゴで敏腕を振るった人物で、直近の18年間はピナレロ社でマーケティングマネジャーとして活躍した。同氏の活躍はチームスカイやイネオスの黄金期を支え、ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャなど世界のロードレース界の頂点にピナレロが君臨し、栄光を恣(ほしいまま)にした時期と重なる。


クリス・フルームをはじめ選手たちとピナレロ社を繋ぎ、その要望を「勝てるロードバイク」に仕上げていく役割を担った人物が、昨年シーポインターナショナル社にジョイン。トライアスロンバイク専業ブランドにおいて「世界最高のロードバイクを造る」というプロジェクトがはじまった。

トライアスロン界においてもエリート選手のショートディスタンスレースはドラフティング形式となり、ロードレースバイクの機能が求められるように。そして正確には田中氏とルチアーノ氏はバイクビジネスの現場で長きに渡る旧知の仲で、このプロジェクトは2人の合流により、PEAKとなって結晶した。

シーポが「スーパーロードバイク」と謳うPEAKは、画期的な一体成型技術により高剛性と軽量化を両立したロードフレームだ。

一般的なフレームの「モールド製法」は、フロントトライアングル(前三角)とリアトライアングル(リア三角)を別々に制作し、繋いで接合することで製作されている。しかしシーポPEAKでは「完全一体型モールド製法」によりフレームを一体成型する。これによりシートステイやチェーンステイ周りの強度が大幅にアップし、接合・補強するための材料が不要になるため軽量化にもなる。
同時にシーポが長年のパートナーとするTORAYの最高峰カーボン素材、トレカM40Xを用いることで、測定結果で30%の剛性アップと15%の軽量化を達成したという。


また従来からシーポが得意とするエアロダイナミクス設計により、同社のロード系モデルに比して11%の前面投影面積削減も実現し、ライディング時のパワーを4.4%セーブすることに成功したという。

PEAKの超軽量で強靭なフレームはヒルクライムはもちろんロードレース、そしてシーポが得意とするドラフティング可能なオリンピックディスタンス・トライアスロンにもフィット。シーポが掲げるPEAKのコンセプトは「オリンピックで金メダルを狙うバイク」「ロードレースにも使用できるスーパーロードレースバイク」だ。


PEAKは同社のSTINGER(スティンガー)より5mm低く設定されたボトムブラケット位置と運動性能を重視した設計により、鋭い俊敏性と加速、高速時の安定性を両立しているという。
なおテストライダーとして元プロロード選手のシモン・ゲシュケ(ドイツ)らが協力。欧州の山岳地帯などでライドを重ね、ジオメトリーを煮詰めてきた。


タイヤクリアランスはワイドタイヤ時代に対応した最大33mm。BBタイプはBSA 68mm。リアディレイラーハンガーはUDHを採用。Di2等の電動変速専用モデルとなる。
日本発でアジアマーケットを得意とするシーポらしく、小柄な人が無理無く乗れるXSサイズ (シートチューブ長430mm)からラインナップし、XS、S、M 、L 、XLの5サイズを揃える。
完全一体モールド製法は、製造工程においてサイズごとに用意された大型の金型(モールド)を使用するためコスト高が避けられないが、PEAKのフレーム価格は660,000円(税抜き)に抑えられた。今回の「限界を超えた革新へのチャレンジ」とも言える製品開発において、長年製作を担当してきた工場も、この技術的な挑戦に価格を極力抑えることに合意したという。
PEAKの発売はすでに始まっているが、極少量生産のため基本は受注形式となる。

シーポ PEAK

サイズ:XS (ST: 430), S (ST: 450), M (ST: 470), L (ST: 495),XL (ST:530)
対応コンポーネント:SHIMANO Di2,SRAM eTap AXS,Campagnolo EPS(電動変速専用)
クランクMax/Min
2x:Max: 54/40T、Min: 46/33T
1x: Max: 54T、Min: 33T
ボトムブラケット:BSA 68mm (English and JIS Thread)
ヘッドセット:Upper: 1-1/8" (S.H.I.S: IS44/28.6)、Lower: 1-3/8" (S.H.I.S: IS49/36.8)
ステムサイズ:FSA SMR stem
XS-80mm, S-90mm, M-100mm, L110mm, XL-120mm
RDハンガー:UDH
シートポスト:CEEPO PEAK with Ritchey 1-Bolt System
フレーム重量:(M): 690 g(生地) / ~757 g(ペイント)
フォーク重量: 342g(コラム未カット)
フレーム価格:¥726,000(税込み)
text&photo:Makoto AYANO
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