2021/03/10(水) - 10:11
プロフルシーズン初年度のシュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーションNIPPO)が世界屈指のTTスペシャリストを下し、パリ〜ニース3日目に勝利。マイヨジョーヌを射止める大金星で自身の名をアピールした。
フランス、サントル=ヴァル・ド・ロワール地域圏の街ジアンを発着する、パリ〜ニース(UCIワールドツアー)3日目の個人タイムトライアル(14.4km)。ここ2年間パリ〜ニースの個人タイムトライアルは15km程度の短距離コースが組まれており、それゆえ手に汗握る僅差の「時間との戦い」が繰り広げられた。
14.4km、時間にして18分前後を走るコースは比較的平坦と言えるが、曲がりくねった丘陵地の農道が組み込まれ、最後には登坂距離400m/平均勾配5%の坂が控えるなど超高速コースとは言い難い。短距離という条件も重なり、TTスペシャリストはもちろん、スプリンターやルーラーといった様々な選手がリザルト上位に絡むこととなる。
ピエール・ロラン(今大会不出場)の故郷でまず好タイムを叩き出したのは2018、2019年のTT世界王者であるローハン・デニス(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)だった。優勝候補筆頭のデニスはそれまでの暫定首位タイムを43秒も上回ってホットシートに座ったものの、その王座は安泰ではなかった。
デニスを4秒上回ったのは、前日ケース・ボル(オランダ)の勝利で波に乗る、チームDSMのセーアン・クラーウアナスン(デンマーク)。しかし2年連続ステージ優勝を目指したクラーウアナスンは「満足できる走りだった」と振り返るプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)に4秒上書きされ、さらに間髪入れず「クレルモンフェランのTGV」ことフランスTT王者レミ・カヴァニャ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が5秒上回る。
カヴァニャの優勝は堅いかと思われていたのも束の間、その4人後ろを走ったシュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーションNIPPO)が会場を驚かせた。
勢いよくフィニッシュに飛び込んだビッセガーのタイムは、カヴァニャを僅か0秒83上回る17分34秒12。その後走ったブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)や、終盤スタートのスプリンター勢もビッセガーのタイムには及ばない。マイヨジョーヌ防衛を狙った最終走者マイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ)は23秒遅れの17位に沈んだことで、ビッセガーがステージ優勝とマイヨジョーヌを射止めた。
「本当にテクニカルなタイムトライアルだった。リスクを冒しつつ、その一方で冷静で忍耐強くある必要があった。状況をうまくコントロールできたと思うので本当に嬉しい」と語るビッセガーは、トラックを中心に力を伸ばし、今年プロとしてのフルシーズン初年度を過ごす22歳。UAEツアーのTTステージでは優勝したフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)に迫る2位となり注目を集めていた。
「大きな意味を持つ結果だ。このために長い時間努力を続けてきた。まだとても若く成長段階にあるけれど、他選手にマークされる存在だと証明できたと思う。短くパンチ力の必要なコースは完全に僕向きだった。どんな可能性がある選手なのかを証明できたし、ここで勝つことができて本当に嬉しい」と、値千金の招勝利を掴んだビッセガーは優勝インタビューに答えている。
スイスのコンチネンタルチーム所属時の2019年にツール・ド・ランで初勝利を挙げ、U23世界選手権で2位に入っていたビッセガー。Stravaに公開したデータによれば、17分57秒間で平均451ワット(体重78kg)を叩き出している。マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)と同じ1998年生まれであり、スイスからまた新たな注目株が登場したことになる。
この日のステージ結果がほぼ反映された総合成績の中、ログリッチは総合3位に浮上してライバルたちをリード。ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)がログリッチから14秒遅れ、ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ・プレミアテック)が15秒遅れ、昨年覇者マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)とアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ・プレミアテック)が16秒遅れ、テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が38秒遅れにつけた状態で、翌日に今大会初の山岳ステージ(1級山岳フィニッシュ)を迎える。
フランス、サントル=ヴァル・ド・ロワール地域圏の街ジアンを発着する、パリ〜ニース(UCIワールドツアー)3日目の個人タイムトライアル(14.4km)。ここ2年間パリ〜ニースの個人タイムトライアルは15km程度の短距離コースが組まれており、それゆえ手に汗握る僅差の「時間との戦い」が繰り広げられた。
14.4km、時間にして18分前後を走るコースは比較的平坦と言えるが、曲がりくねった丘陵地の農道が組み込まれ、最後には登坂距離400m/平均勾配5%の坂が控えるなど超高速コースとは言い難い。短距離という条件も重なり、TTスペシャリストはもちろん、スプリンターやルーラーといった様々な選手がリザルト上位に絡むこととなる。
ピエール・ロラン(今大会不出場)の故郷でまず好タイムを叩き出したのは2018、2019年のTT世界王者であるローハン・デニス(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)だった。優勝候補筆頭のデニスはそれまでの暫定首位タイムを43秒も上回ってホットシートに座ったものの、その王座は安泰ではなかった。
デニスを4秒上回ったのは、前日ケース・ボル(オランダ)の勝利で波に乗る、チームDSMのセーアン・クラーウアナスン(デンマーク)。しかし2年連続ステージ優勝を目指したクラーウアナスンは「満足できる走りだった」と振り返るプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)に4秒上書きされ、さらに間髪入れず「クレルモンフェランのTGV」ことフランスTT王者レミ・カヴァニャ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が5秒上回る。
カヴァニャの優勝は堅いかと思われていたのも束の間、その4人後ろを走ったシュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーションNIPPO)が会場を驚かせた。
勢いよくフィニッシュに飛び込んだビッセガーのタイムは、カヴァニャを僅か0秒83上回る17分34秒12。その後走ったブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)や、終盤スタートのスプリンター勢もビッセガーのタイムには及ばない。マイヨジョーヌ防衛を狙った最終走者マイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ)は23秒遅れの17位に沈んだことで、ビッセガーがステージ優勝とマイヨジョーヌを射止めた。
「本当にテクニカルなタイムトライアルだった。リスクを冒しつつ、その一方で冷静で忍耐強くある必要があった。状況をうまくコントロールできたと思うので本当に嬉しい」と語るビッセガーは、トラックを中心に力を伸ばし、今年プロとしてのフルシーズン初年度を過ごす22歳。UAEツアーのTTステージでは優勝したフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)に迫る2位となり注目を集めていた。
「大きな意味を持つ結果だ。このために長い時間努力を続けてきた。まだとても若く成長段階にあるけれど、他選手にマークされる存在だと証明できたと思う。短くパンチ力の必要なコースは完全に僕向きだった。どんな可能性がある選手なのかを証明できたし、ここで勝つことができて本当に嬉しい」と、値千金の招勝利を掴んだビッセガーは優勝インタビューに答えている。
スイスのコンチネンタルチーム所属時の2019年にツール・ド・ランで初勝利を挙げ、U23世界選手権で2位に入っていたビッセガー。Stravaに公開したデータによれば、17分57秒間で平均451ワット(体重78kg)を叩き出している。マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)と同じ1998年生まれであり、スイスからまた新たな注目株が登場したことになる。
この日のステージ結果がほぼ反映された総合成績の中、ログリッチは総合3位に浮上してライバルたちをリード。ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)がログリッチから14秒遅れ、ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ・プレミアテック)が15秒遅れ、昨年覇者マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)とアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ・プレミアテック)が16秒遅れ、テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が38秒遅れにつけた状態で、翌日に今大会初の山岳ステージ(1級山岳フィニッシュ)を迎える。
パリ〜ニース2021第3ステージ結果
1位 | シュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーションNIPPO) | 17:34 |
2位 | レミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
3位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) | 0:06 |
4位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | 0:09 |
5位 | セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、チームDSM) | 0:10 |
6位 | ローハン・デニス(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ) | 0:13 |
7位 | クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス) | |
8位 | ディラン・ファンバーレ(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) | 0:14 |
9位 | イヴ・ランパールト(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:16 |
10位 | パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、イスラエル・スタートアップネイション) | |
121位 | 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) | 1:34 |
個人総合成績
1位 | シュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーションNIPPO) | 8:37:11 |
2位 | レミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
3位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) | 0:06 |
4位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | 0:09 |
5位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ) | |
6位 | セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、チームDSM) | 0:10 |
7位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) | 0:12 |
8位 | クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス) | 0:13 |
9位 | ディラン・ファンバーレ(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) | 0:14 |
10位 | イヴ・ランパールト(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:15 |
その他の特別賞
ポイント賞 | サム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ) |
山岳賞 | ファビアン・ドゥべ(フランス、トタル・ディレクトエネルジー) |
ヤングライダー賞 | シュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーションNIPPO) |
チーム総合成績 | ドゥクーニンク・クイックステップ |
text:So Isobe
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