2021/03/08(月) - 10:54
「太陽へのレース」パリ〜ニースが南仏プロヴァンスを目指して開幕。初日の大集団スプリントでサム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)が早くも今季3勝目を掴んだ。
パリからほど近いヴェルサイユの隣町、サン・シール・レコールで第79回パリ〜ニース(UCIワールドツアー)が開幕した。イタリアのティレーノ〜アドリアティコとともに、春のヨーロッパを代表する中級ステージレースとしての地位を築き上げた同大会は、フランス北部のパリ近郊から地中海沿岸のニースまで8日間かけて南下する。
まだまだ寒さの厳しいフランス内陸部をスタートし、比較的温暖な太陽を求めて地中海のコートダジュールに向かうその行程から「太陽に向かうレース(ラ・コルス・オ・ソレイユ)」として親しまれている。
平坦ステージ、丘陵ステージ、山岳ステージ、個人タイムトライアルが詰め込まれ、「ミニ・ツール」とも呼ばれる大会にはグランツールを目指す総合陣や、スプリンター勢、パンチャー、そしてTTスペシャリストまでありとあらゆる脚質の豪華メンバーがずらりと揃った。
シーズン初戦でパリ〜ニース初参戦のブエルタ覇者プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)を筆頭に、ジロ覇者テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)と同2位ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、チームDSM)、リッチー・ポート(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)、昨年覇者マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)といった総合勢は1級コルミアーヌフィニッシュが用意された第7ステージで、あるいはその前後で登坂勝負を繰り広げる。
平坦ステージで競り合うのはサム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)や、昨年の最多勝スプリンター、アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)、欧州王者ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、クベカ・アソス)、パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)、ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス)といった世界屈指のピュアスプリンターたち。起伏に富むステージではヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス)やイヴ・ランパールト(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)といったパンチャーが勝利を狙っている。
そして、これまでコンディションを整えてきた新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)にとっては、自身9年ぶりとなるパリ〜ニースが2021年開幕戦となる。「コンディションを把握するためにも初日から3日間くらいは苦しむことになるでしょう。なんでもあり得るのがパリ~ニースなので、経験がアドバンテージになる」と話している。
パリからほど近いヴェルサイユの隣町、サン・シール・レコールで第79回パリ〜ニース(UCIワールドツアー)が開幕した。イタリアのティレーノ〜アドリアティコとともに、春のヨーロッパを代表する中級ステージレースとしての地位を築き上げた同大会は、フランス北部のパリ近郊から地中海沿岸のニースまで8日間かけて南下する。
まだまだ寒さの厳しいフランス内陸部をスタートし、比較的温暖な太陽を求めて地中海のコートダジュールに向かうその行程から「太陽に向かうレース(ラ・コルス・オ・ソレイユ)」として親しまれている。
平坦ステージ、丘陵ステージ、山岳ステージ、個人タイムトライアルが詰め込まれ、「ミニ・ツール」とも呼ばれる大会にはグランツールを目指す総合陣や、スプリンター勢、パンチャー、そしてTTスペシャリストまでありとあらゆる脚質の豪華メンバーがずらりと揃った。
シーズン初戦でパリ〜ニース初参戦のブエルタ覇者プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)を筆頭に、ジロ覇者テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)と同2位ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、チームDSM)、リッチー・ポート(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)、昨年覇者マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)といった総合勢は1級コルミアーヌフィニッシュが用意された第7ステージで、あるいはその前後で登坂勝負を繰り広げる。
平坦ステージで競り合うのはサム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)や、昨年の最多勝スプリンター、アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)、欧州王者ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、クベカ・アソス)、パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)、ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス)といった世界屈指のピュアスプリンターたち。起伏に富むステージではヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス)やイヴ・ランパールト(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)といったパンチャーが勝利を狙っている。
そして、これまでコンディションを整えてきた新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)にとっては、自身9年ぶりとなるパリ〜ニースが2021年開幕戦となる。「コンディションを把握するためにも初日から3日間くらいは苦しむことになるでしょう。なんでもあり得るのがパリ~ニースなので、経験がアドバンテージになる」と話している。
パリ〜ニース2021ステージリスト
3月7日(日) | 第1ステージ | サン・シール・レコール〜サン・シール・レコール | 166km |
3月8日(月) | 第2ステージ | オワンヴィル=シュル=モンシアン〜アミリー | 188km |
3月9日(火) | 第3ステージ | ジアン〜ジアン | 14.4km(個人TT) |
3月10日(水) | 第4ステージ | シャロン=シュル=ソーヌ〜シルーブル | 187.6km |
3月11日(木) | 第5ステージ | ビエンヌ=ボレーヌ | 200.2km |
3月12日(金) | 第6ステージ | ブリニョール〜ビオット | 202.4km |
3月13日(土) | 第7ステージ | ニース〜ヴァルドゥブロール・ラ・コルミアーヌ | 166.5km |
3月14日(日) | 第8ステージ | ニース〜ニース | 110.5km |
ヴェルサイユ宮殿を横目に発着する初日はスプリンター向け。山岳賞ジャージ着用者を決める合計4箇所の3級山岳と、ボーナスタイム(3秒、2秒、1秒)が設定されたスプリントポイントが2つ登場する。昨年集団崩壊を巻き起した強風が懸念されたものの、この日は比較的穏やかなまま。最大5分リードで逃げるファビアン・ドゥべ(フランス、トタル・ディレクトエネルジー)を、スプリンターチーム率いるメイン集団が追う展開で距離を消化していった。
ドゥベは4つの3級山岳のうち2箇所を先頭通過して山岳ランキング首位に浮上する。フィニッシュまで55kmを残してタイム差が1分を割り込むと、メイン集団からステファノ・オルダーニ(イタリア、ロット・スーダル)を引き連れた今大会最年長フィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル)が加速した。
「チームカーと無線で話して一緒にアタックすることにした」と言うジルベールは、オルダーニの他にアントニー・ペレス(フランス、コフィディス)、クリストファー・ローレス(イギリス、トタル・ディレクトエネルジー)を得てドゥべをキャッチ。ローレスが脱落し、4名となった逃げの中ではドゥベが三たび山岳ポイントを先頭通過し、翌日のマイヨアポワ着用を決めている。
一方、その3級山岳に差し掛かっていた集団内では、他選手と接触したポートが落車してしまう。チームスタッフの手を借り、救急車に見守られながらレース復帰を試みたポートだったが、やがてバイクを降りることを選択。過去2度のパリ〜ニース勝者が大会初日にリタイアを喫した(骨盤損傷が疑われる容体は未発表)。
ポート不在の集団は残り27kmで逃げグループを捉えると、ボーナスタイムが賭けられた中間スプリントをきっかけに集団はナーバスな状態となる。マイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ)が1位通過したのちアタックと吸収が続いたが、スプリンターチームの追撃をかわすことはできず飲み込まれる。勝負は予想通り集団スプリントに委ねられた。
デマールの必勝体制を組むグルパマFDJが強力なトレインを形成し、50km/hを維持してフラムルージュ(残り1km地点)を通過した。最終発車台のジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、グルパマFDJ)の背後でデマールとマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)が肩をぶつけ合う一方、アッカーマンを連れたジョルディ・メーウス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ)が先頭を奪う。登り基調の最終ストレートでアッカーマンがスプリントを開始したものの、その背後に滑り込み、タイミングを待ったベネットが抜け出した。
「最終盤で少しブロックされたけれど、ミケル(モルコフ)のおかげで残り2kmで復帰できた。自信を持ってベストタイミングが訪れるのを待っていた」と言うベネットの急加速に、出遅れたデマールやピーダスンは引き離されていく。一瞬で一車身以上のリードを稼いだベネットが、フィニッシュライン上で大きく手を広げた。
「正直言うと自分のコンディションがどうか分かっていなかった。UAEツアーと違ってこのレースは常にフルガス(全力疾走)だけに、脚の反応を見るテストでもあったんだ」と振り返るベネットは、UAEでの2勝に続く今季3勝目をゲット。「またしてもチームは素晴らしく、彼らの働きに報いることができて嬉しい。ポジション争いでストレスを感じた。チームにとって素晴らしい週末になったし、それに貢献できた。このマイヨジョーヌを楽しみたいと思う」と、パリ〜ニースにおける31年ぶりのアイルランド人リーダーは勝利を喜んだ。
フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)のために残り10km地点で集団牽引役を担った新城幸也はタイム差なしの124位でフィニッシュ。「無事に第1ステージを終えることが出来てホッとした。天気にも恵まれて、中盤までは穏やかに過ごせた。ヴェルサイユ宮殿がスタートゴール地点だったのに、全然見る事が出来なかった。皆さんは中継で見れたましたか?このレースはジャック・ヘイグ(オーストラリア)の総合上位がチームの最大の目標で、自分はジャックのサポートが今回の役目。
第1ステージはスプリントになるということで、残り6kmの下り坂が始まるまでにチームで良い位置で入ること!というミーティング通り、残り6kmまでの役目を果たせたが、流石に初戦の集団はストレスフルで短い時間だったが、色々疲れた(苦笑)。日に日に慣れていくでしょう。また明日からも頑張ります」と、自身のメールニュースの中でコメントしている。
ドゥベは4つの3級山岳のうち2箇所を先頭通過して山岳ランキング首位に浮上する。フィニッシュまで55kmを残してタイム差が1分を割り込むと、メイン集団からステファノ・オルダーニ(イタリア、ロット・スーダル)を引き連れた今大会最年長フィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル)が加速した。
「チームカーと無線で話して一緒にアタックすることにした」と言うジルベールは、オルダーニの他にアントニー・ペレス(フランス、コフィディス)、クリストファー・ローレス(イギリス、トタル・ディレクトエネルジー)を得てドゥべをキャッチ。ローレスが脱落し、4名となった逃げの中ではドゥベが三たび山岳ポイントを先頭通過し、翌日のマイヨアポワ着用を決めている。
一方、その3級山岳に差し掛かっていた集団内では、他選手と接触したポートが落車してしまう。チームスタッフの手を借り、救急車に見守られながらレース復帰を試みたポートだったが、やがてバイクを降りることを選択。過去2度のパリ〜ニース勝者が大会初日にリタイアを喫した(骨盤損傷が疑われる容体は未発表)。
ポート不在の集団は残り27kmで逃げグループを捉えると、ボーナスタイムが賭けられた中間スプリントをきっかけに集団はナーバスな状態となる。マイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ)が1位通過したのちアタックと吸収が続いたが、スプリンターチームの追撃をかわすことはできず飲み込まれる。勝負は予想通り集団スプリントに委ねられた。
デマールの必勝体制を組むグルパマFDJが強力なトレインを形成し、50km/hを維持してフラムルージュ(残り1km地点)を通過した。最終発車台のジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、グルパマFDJ)の背後でデマールとマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)が肩をぶつけ合う一方、アッカーマンを連れたジョルディ・メーウス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ)が先頭を奪う。登り基調の最終ストレートでアッカーマンがスプリントを開始したものの、その背後に滑り込み、タイミングを待ったベネットが抜け出した。
「最終盤で少しブロックされたけれど、ミケル(モルコフ)のおかげで残り2kmで復帰できた。自信を持ってベストタイミングが訪れるのを待っていた」と言うベネットの急加速に、出遅れたデマールやピーダスンは引き離されていく。一瞬で一車身以上のリードを稼いだベネットが、フィニッシュライン上で大きく手を広げた。
「正直言うと自分のコンディションがどうか分かっていなかった。UAEツアーと違ってこのレースは常にフルガス(全力疾走)だけに、脚の反応を見るテストでもあったんだ」と振り返るベネットは、UAEでの2勝に続く今季3勝目をゲット。「またしてもチームは素晴らしく、彼らの働きに報いることができて嬉しい。ポジション争いでストレスを感じた。チームにとって素晴らしい週末になったし、それに貢献できた。このマイヨジョーヌを楽しみたいと思う」と、パリ〜ニースにおける31年ぶりのアイルランド人リーダーは勝利を喜んだ。
フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)のために残り10km地点で集団牽引役を担った新城幸也はタイム差なしの124位でフィニッシュ。「無事に第1ステージを終えることが出来てホッとした。天気にも恵まれて、中盤までは穏やかに過ごせた。ヴェルサイユ宮殿がスタートゴール地点だったのに、全然見る事が出来なかった。皆さんは中継で見れたましたか?このレースはジャック・ヘイグ(オーストラリア)の総合上位がチームの最大の目標で、自分はジャックのサポートが今回の役目。
第1ステージはスプリントになるということで、残り6kmの下り坂が始まるまでにチームで良い位置で入ること!というミーティング通り、残り6kmまでの役目を果たせたが、流石に初戦の集団はストレスフルで短い時間だったが、色々疲れた(苦笑)。日に日に慣れていくでしょう。また明日からも頑張ります」と、自身のメールニュースの中でコメントしている。
パリ〜ニース2021第1ステージ結果
1位 | サム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 3:51:38 |
2位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | |
3位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) | |
4位 | ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | |
5位 | ブライアン・コカール(フランス、B&Bホテルズ KTM) | |
6位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
7位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
8位 | クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス) | |
9位 | アンドレ・グライペル(ドイツ、イスラエル・スタートアップネイション) | |
10位 | ルディ・バルビエ(フランス、イスラエル・スタートアップネイション) | |
124位 | 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) |
個人総合成績
1位 | サム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 3:51:28 |
2位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | 0:04 |
3位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ) | 0:05 |
4位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) | 0:06 |
5位 | ティシュ・ベノート(ベルギー、チームDSM) | 0:08 |
6位 | ベン・スウィフト(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:09 |
7位 | ヤスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) | |
8位 | ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | 0:10 |
9位 | ブライアン・コカール(フランス、B&Bホテルズ KTM) | |
10位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) |
その他の特別賞
ポイント賞 | サム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ) |
山岳賞 | ファビアン・ドゥべ(フランス、トタル・ディレクトエネルジー) |
ヤングライダー賞 | ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス) |
チーム総合成績 | イスラエル・スタートアップネイション |
text:So Isobe
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