イスラエル・スタートアップネイションをサポートするファクター。ツール・ド・フランス大会期間中に発表した新型OSTRO VAMをピックアップして紹介しよう。軽量かつエアロを追求したマシンとして世界最高峰のレースを戦うバイクだ。



ファクター OSTRO VAM(Flicker)ファクター OSTRO VAM(Flicker) (c)factor
双胴ダウンチューブとエアロヒンジフォークを採用したエアロロード"ONE"を開発し、高いレベルのエンジニアリングを見せつけた新興バイクブランドのファクター。エアロダイナミクスを追求するコンセプトバイクから始まり、現在では軽量クライミングバイク"O2"を用意するなどレースの現場で戦うためのマシンを手掛けている。

そんなファクターが2020年のツール・ド・フランス開幕から、発表前の新型車を投入しており、見慣れないデザインに世界中のエンスーなサイクリストから注目された。ファクターの新型はツール会期中にベールを脱ぎ、モデル名が"OSTRO VAM(オストロ・ヴァム)"と明らかにされた。

ワイヤー内装としたことでエアロダイナミクスを向上させているワイヤー内装としたことでエアロダイナミクスを向上させている (c)factor
エアロロード然とした見た目の通りOSTRO VAMは、ONEに匹敵するほどのエアロダイナミクスを手に入れているという。特にリバーシング・フロー・エネルジャイジング・チャンネルというテクノロジーがフォークに与えられていることがポイントのようだ。

ここでいうリバーシング・フローというのは、自転車が前進している際の前ホイール/タイヤが回転することによって車体前方に掻き出されようとする風のこと。走行風は一般的に車体前方から後方に向かって吹き付けるため、逆流に対処しようというのがリバーシング・フロー・エネルジャイジング・チャンネルというテクノロジー。ファクターはフォークのワイドスタンス化とこのテクノロジーで、逆流の問題にアプローチしたという。

VAMは軽量フレームの証だ。チューブ形状はカムテールとされているVAMは軽量フレームの証だ。チューブ形状はカムテールとされている (c)factor
チューブ形状はNACAの形状に基づいた前後幅が長めのカムテールデザイン。フロントセクションのインテグレーテッドデザインや、ブレーキやシフトケーブルの完全内装によって空力性能を向上させている。またカムテールチューブのため、横風への対応力や重量、剛性のバランスも整えられている。

エアロロード然としたルックスと空力性能を獲得しているOSTRO VAMだが、Flickerデザインの塗装済み・サイズ54のフレームで"780g"というクライミングバイクと肩を並べる軽量性をも獲得していることは大きなトピックだ。エアロかつ軽量であることで、長い登りも平坦もこなさなければならない複雑なレースコースでも活躍できるバイクに仕上げられている。モデル名後半の"VAM"というのは軽量モデルであることの証であり、O2 VAMの特集で軽量化について掘り下げているため、気になる方はこちらをチェックしてもらいたい。(リンクはこちら

非常に細いシートステーで快適性を確保している非常に細いシートステーで快適性を確保している photo:Makoto AYANO
また、ファクターはOSTRO VAMのことをパリ~ルーベ・レディのバイクという。長距離をハイスピードで駆け抜けられるエアロダイナミクスと快適性の両立を図ることで、悪名高い石畳のクラシックでのアドバンテージをライダーに与えると謳っている。具体的には最大32mm幅のタイヤに対応できるタイヤクリアランスや、グラベルバイクViSTAを踏襲した細いシートステーが、快適性、安定性などを向上させる設計にあたる。

ハンドリングとポジションに関わるジオメトリーは、O2やO2 VAMとほぼ同じに設定されているという。シートポストはゼロ・オフセットと、25mmオフセットの2種類から選べるようになっている。ハンドルバーはブラックインクのステム一体型ハンドルと互換性があるが、あらゆるステム、ハンドルの装着も可能だ。OSTRO VAMの仕様としては電動変速専用フレーム、ボトムブラケット規格はT47。またOSTRO VAMはブラックインクのFORTY FIVEというホイールとの相性が良いという。

ファクター OSTRO VAMファクター OSTRO VAM (c)factor
ファクター OSTRO VAM(Soho Mix)ファクター OSTRO VAM(Soho Mix) (c)factor
販売ラインアップはフレームセット、フレームセット+ブラックインク ホイール、スラム RED eTap完成車、スラム RED eTap+パワーメーター完成車、スラム FORCE eTap完成車、スラム FORCE eTap+パワーメーター完成車という6種類。詳しい付属品などは下記スペック欄をチェックして欲しい。

ダニエル・マーティン(アイルランド)のOSTRO VAM。開幕時点で未公開だったバイクは話題を呼んだダニエル・マーティン(アイルランド)のOSTRO VAM。開幕時点で未公開だったバイクは話題を呼んだ photo:Makoto.AYANO
ダニエル・マーティンもツール山岳ステージでOSTRO VAMを使用したダニエル・マーティンもツール山岳ステージでOSTRO VAMを使用した photo:Makoto AYANO


ファクター OSTRO VAM
素材:TeXtreme®、Toray®、Nippon Graphite Pitch-Based Fiber
スルーアクスル:フロント φ12x100mm、リアφ12x142mm
フレームサイズ:49、52、54、56、58
フレーム重量:780g (Flicker サイズ54)

販売ラインアップ/税抜価格
フレームセット/590,000円
フレームセット(Black incホイール付き)/690,000円
SRAM RED eTap AXS/980,000円
SRAM FORCE eTap AXS/810,000円
SRAM RED eTap AXS(パワーメーター付き) /1,060,000円
SRAM FORCE eTap AXS(パワーメーター付き) /890,000円

フレームセット付属品
・フォーク
・CeramicSpeedヘッドセット
・Black inc ステム一体型ハンドルバーステム (ドロップ 125mm、リーチ 80mm)
・Factor シートポスト
・CeramicSpeed T47a BB
・専用GARMIN用コンピュータマウント
・FACTORバーテープ

フレームセット選択項目
・一体型ハンドルバーステム :
 ハンドルバー 380/400/420/440
 ステム 90/100/110/120/130mm
・シートポスト : オフセット 0mm / 25mm

完成車付属品
・フォーク
・CeramicSpeedヘッドセット & BB
・Black inc ステム一体型ハンドルバーステム (ドロップ 125mm、リーチ 80mm)
・Black inc BLACK FORTY FIVE C DISC ホイール (他のBIホイールに変更可)
・GoodYear Eagle1 25mm幅タイヤ
・Factor シートポスト
・Selle Italia SLR Boost 143mm サドル
・専用GARMIN用コンピュータマウント
・FACTORバーテープ
・SRAM RED / FORCE eTap AXS
・クランク長:170mm(フレーム49/52) 172.5mm(フレーム54/56) 175mm(フレーム58)

完成車選択項目
・コンポ : SRAM RED / FORCE eTap AXS
・一体型ハンドルバーステム :
 ハンドルバー 380/400/420/440
 ステム 90/100/110/120/130mm
・シートポスト : オフセット 0mm / 25mm
・チェーンリング
・カセットコグ

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