戦いの場をアルプスに移した休息日明けの第16ステージ。「勝利によって大きな飛躍の年になった」と語るのは、後続を振り切り勝利を掴んだレナード・ケムナ。共に逃げたカラパスや、山岳賞ポイントを積み上げたピエール・ロランらのコメントを紹介します。



ステージ優勝 レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)

ステージ初優勝を飾ったレナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)ステージ初優勝を飾ったレナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Makoto.AYANO
最高の気分だ。このツール・ド・フランスでのステージ優勝が今日を最高の一日にしてくれた。スタート直後から戦いが始まり、フィニッシュまでは1人で辿り着かなければならないと考えていた。カラパスが遅れたのを見て、今がその時だと自分に言い聞かせたんだ。アタックしてフィニッシュラインまで攻め続けた。この勝利は自分にとっても、そしてチームにとっても大きな安堵感を与えてくれた。まだ信じられないよ。今日の勝利はとても嬉しい。今年の大きな飛躍になった。

ステージ2位&敢闘賞 リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)

ステージ2位と敢闘賞を獲得したリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)ステージ2位と敢闘賞を獲得したリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) photo:Makoto.AYANO
今日勝てなかったことに落胆はない。自分たちの走りにとても満足しているからね。それにいつも勝てるとは限らない。今日はレナード・ケムナが一番強かった。僕はベストを尽くしたし、これ以上できることはなかった。

今日の勝利は彼に相応しいし、ツール・ド・フランスでステージ2位になったことは大きな意味がある。僕たちには大事な日が待っている。ステージ勝利を上げることが最高の結果となる。僕たちは毎朝その夢を心に目を覚まし、現実になることを願うんだ。

ステージ3位 セバスティアン・ライヒェンバッハ(スイス、グルパマFDJ)

ステージ3位に入ったセバスティアン・ライヒェンバッハ(スイス、グルパマFDJ)ステージ3位に入ったセバスティアン・ライヒェンバッハ(スイス、グルパマFDJ) photo:Luca Bettini
逃げ集団で走れて満足しているし、脚も良かった。相手が自分より強かっただけだ。2、3回追いかけ頂上まで200〜300mのところで追いついたと思ったのだが、また加速され遅れてしまった。正直、この登りは一緒に登り、最後の登りかその直前の平坦で戦いが始まると思っていた。あんなに早くアタックが生まれるなんて思っていなかった。後悔はない。良く走ったと思うし、彼らの方が強かっただけだ。

ステージ10位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)

23人の逃げに乗ったジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)23人の逃げに乗ったジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:Makoto.AYANO
全てを出し切った。だが最後は辛く、できることはあまりなかった。残念だが自分より強い選手たちに負けただけだ。今日もステージは速く、逃げに乗るための戦いは熾烈だった。アタックがあったときは限界に近かった。今週はまた(ステージ)優勝を争えるチャンスがあるか見ていきたい。

マイヨジョーヌ プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)

マイヨジョーヌを難なく守ったプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)マイヨジョーヌを難なく守ったプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) photo:Makoto.AYANO
今日は我々にとって素晴らしい日だった。このステージをコントロールし、マイヨジョーヌを保つことができた。チームは僕をトラブルから守るため素晴らしい働きをしてくれたし、またタデイ(ポガチャル)を抑え込んでくれたことに敬意を表したい。

明日はとても厳しい日になるだろう。ツールの最高地点に向かう。最後の登りは急勾配だ。ヤギが通る道みたいにね。(ライバル選手が)アタックするだろうが、それに対抗できる脚があれば不可能なことはない。チームは非常に強く、マイヨジョーヌを守るためベストを尽くす。一秒すら失わないように戦っていく。自分自身に集中し、そして自分たちの計画にも集中しなければならない。それが我々がコントロールできる唯一のことだ。スタートからフィニッシュまで激しい戦いになるだろう。そのための準備はできている。

総合2位&マイヨブラン タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)

マイヨブランのタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)マイヨブランのタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:Makoto.AYANO
明日のクイーンステージのための良いウォーミングアップになった。明日は逃げができるだろう。第3週目でみんな疲れ切っているが、僕の身体の調子は良い。日に日に脚の疲れが増しているが、ある程度の力が残っていると嬉しい。明日のラ・ロズ峠(超級山岳メリベル)は確実にサバイバルな展開になるだろう。

マイヨヴェール サム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)

マイヨヴェールを守ったサム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)マイヨヴェールを守ったサム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:Makoto.AYANO
今日は悪くない一日だった。タフなスタートを予想していたが、大丈夫だった。このツールは非常にハードなので力の配分に注意して走り、スプリントの動きを把握することが重要だった。マイヨヴェールを着続けられることは嬉しいし、楽観的になってきた。だけどやるべきことはまだたくさん残っている。

マイヨアポワを目指してポイントを加算したピエール・ロラン(フランス、B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプト)

山岳ポイント収集に動いたピエール・ロラン(フランス、B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプト)山岳ポイント収集に動いたピエール・ロラン(フランス、B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプト) photo:Makoto.AYANO
ステージの難易度や(第13ステージのフィニッシュ地点の)ピュイマリーと比べると(山岳ポイントの)配点が少ない。今日は23ポイントを獲得した。ラ・ロズ峠(超級山岳メリベル)の40ポイントは総合勢に取られてしまうだろう。そうするとログリッチかポガチャルがパリでマイヨアポワを着ることになってしまうから、なんとかしなければいけない。(明日の)ラ・マドレーヌ峠の20ポイントを取らなければならず、木曜日(第18ステージ)にはたくさんポイントが設定されているが、パリまでリードを保持するのは非常に難しいだろう。

今日のステージは厳しかった。特に100kmを過ぎてから体力が消耗しているように感じた。この後のステージで仕掛けるために今夜は回復に励むつもりだ。今日はシェフが美味しいパスタを作ってくれるんだ!だから明日も頑張れる!人々が温かく接してくれるおかげで僕は前に進めるんだ。

text:Sotaro.Arakawa

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