厳しい2週間を闘い終えたユキヤ「どのステージでも逃げる心積もり」

モンテ・ゾンコランを走り終えた新城幸也（日本、Bboxブイグテレコム）は、チームバスで2時間かけて北イタリア・ブルーニコ近くのホテルに到着。ドロミテの山々に囲まれたプール付きのホテルで、今大会2回目の休息日をまったりと過ごした。2週間を闘い終え、ここまでの闘いを振り返る。

ゴール後の新城幸也（日本、Bboxブイグテレコム）、疲労の色が隠せない photo:Kei Tsujiユキヤがホテルに到着したのは午後9時。宿泊先のホテルは、第16ステージの山岳個人タイムトライアルのスタート地点サンヴィジリオ・ディ・マレッベまで20km、第17ステージのスタート地点ブルーニコまで10kmという立地。チームはそこで3連泊することになる。ユキヤは「グランツールのレース期間中の3連泊は初めてかも」と語る。

ここからはインタビュー形式でご覧下さい。

・厳しいモンテ・ゾンコランを走り終えて、感想は？
総合成績やステージ優勝に関係のない選手にとって、どんなに厳しい山岳もただの一つの山に過ぎないです。ゾンコランもそのうちの一つ。ただの山です。僕は1級山岳（パッソ・デューロン）で形成された15人ぐらいのグループに入ったんですけど、ゾンコランの上りが始まるとすぐにバラバラになりました。

・昨日はファラー、マキュアン、ゴスがリタイアしました
そうなんですか？昨日は予想以上に中盤からペースが速かったんです。スプリンターたちはタイムオーバーに危機感を感じていたのか、出来るだけ長く集団に食らいついていた感じです。最初の2級山岳でグルペットが形成されると思いきや、1級山岳までみんな集団内で走っていました。

・プラン・デ・コロネスのコースは試走しましたか？
今日は午前中に数時間だけバイクに乗りました。スタート地点の反対側から峠を越えてコースに入り、そこから未舗装の最初の50mだけ走りましたよ（笑）一緒に走ったチームメイトのうち、ヴォクレールら4人は頂上まで行ったみたいです。僕はそのままホテルに帰ってきました。休息日の調整は選手それぞれ。明日もコルナゴのC59。ホイールはカンパニョーロのハイペロンを使う予定です。

・ここまで2週間走ってみて、ジロの印象は？
ジロはジロですね。ツール・ド・フランスとは様々な面で異なります。ツールはいろんな国の選手が出場するので「フランスのレース」という雰囲気ではないけど、ジロはイタリア人選手やイタリアチームが多いので「イタリアのレース」という感じです。あと、ジロはゴール後の移動が長かったり、チームバスの駐車場からスタート地点まで離れていたり。その辺りがツールと違いますね。

・未舗装路や激坂など、チャレンジングなコース設定については？
もうロードレースとは違って来ていますよね（笑）それより気になるのは各ステージの距離表示が違っていること。予定距離より短いならいいけど、長いのはやめてほしい。

・ジロ閉幕後の予定は？
まだ分かりません。まだ何も決まっていなくて、これから監督たちと話し合って決める予定です。全日本選手権は出場したいと思っていますが、スケジュール的に厳しいかも知れない。とにかく今はジロ完走を目指します。今年のロード世界選手権はスプリンターにチャンスがあるコースだと言われているので出場したいと思っています。

・最後に、残りのステージが少なくなってきましたが、注目しているステージは？
どのステージでも逃げる心積もりでいます。山岳ステージでも逃げに乗ることは出来る。でも逃げ切るチャンスがあるステージは限られていますよね。チャンスがあるのは山頂ゴール以外のステージです。第18ステージあたり。


体調を崩すこと無く2週間を闘い終えたユキヤ。しかし最終週は気の抜けない厳しい山岳ステージが続く。「山岳ステージは山岳が得意な選手が頑張る日だと割り切ってます」。ジロ初完走まで残り6ステージ。翌日は未舗装の激坂区間を含むプラン・デ・コロネスの山岳個人タイムトライアルだ。

text&photo:Kei Tsuji