距離15.7kmで獲得標高721m。登坂力とバイク選択が鍵を握ったスロベニアTTナショナル選手権でタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が勝利。プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)を下してロード選手権のリベンジを果たした。



2連覇を果たしたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)2連覇を果たしたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) (c)kolesarska-zveza.si
ロードから1週間を置いて開催された、東欧スロベニアのタイムトライアルナショナル選手権。スタートからいきなり本格的な登りをこなし、後半は平坦基調というコースが選手たちの登坂力とスピード、そして戦略を試した。

コース距離は15.7kmと短いものの、獲得標高は721mという登坂重視のTTコース。ノーマルバイクでスタートし、登坂を終えた時点でTTバイクに乗り換える作戦でトップタイムを叩き出したのは、ロード選手権でプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)に破れたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)だった。

3位に入ったヤン・ポランツ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)によれば、バイク交換のタイムロスは10〜15秒で、TTバイクによるタイム短縮は20〜30秒。結果的にポガチャルはログリッチに対して9秒を稼ぎ出し、2年連続のナショナルタイトルに輝いた。

「世界トップクラスの選手を打ち倒すことができて本当に嬉しい。プリモシュも素晴らしい走りだったので良い戦いだった。先週失敗したことを修正できたことも良かったと思う。彼とは1勝1敗となったけれど、今は彼におめでとう、ありがとうと伝えたい。彼と戦えたこと、それに彼に勝てたことが嬉しいんだ。ツール・ド・フランスの個人TTでもバイク交換をするだろうから良い予行演習にもなったよ。ベストを尽くせたし、とても満足している」とポガチャルは喜びを語っている。

「今日は間違いなくポガチャルが最強だった。僕自身パフォーマンスに満足しているし、これで楽な気分でレース再開に向けた準備ができると思う」と言うのはナショナルタイトルを分け合ったログリッチ。「今日はベストコンディションではなかったから、おそらくコース全体で彼のほうが強かったと思う。再びレースペースに慣らすのは難しいし、ここ2ヶ月も4分間インターバルをしていなかったのでかなりタフだった。序盤は全開で踏んだぶん最後に苦しんでしまったよ」とレースを振り返っている。

また、女子エリートレースではポガチャルのガールフレンドでもあるウルシュカ・ジガート(スロベニア、アレ・BTCリュブリャナ)がキャリア初勝利。2位に3分10秒、3位に5分4秒をつける圧倒的な速さを見せつけた。
男子エリート結果
1位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) 31'10
2位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) 0:09
3位 ヤン・ポランツ(スロベニア、UAEチームエミレーツ) 1:47
4位 ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、アドリアモービル) 1:53
5位 マルコ・パヴリッチ(スロベニア) 2:52
女子エリート結果
1位 ウルシュカ・ジガート(スロベニア、アレ・BTCリュブリャナ) 40:44
2位 ブラチャ・ピンタリッチ(スロベニア) 3:10
3位 ウルシュカ・ブラヴェツ(スロベニア、アレ・BTCリュブリャナ) 5:04
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