第109回ジロ・デ・イタリアの最終週は1級山岳カリーへの山頂フィニッシュで開幕。ヴィスマ・リースアバイクの高速牽引からヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク)が残り6.6kmで独走に持ち込み、マリアローザ姿で区間4勝目。これで今大会の山頂フィニッシュは4戦全勝となり、総合リードも4分3秒まで拡大させた。
5月26日(火)第16ステージ
ベッリンツォーナ〜カリー 113km(山岳/山頂フィニッシュ)

15日目勝者のドゥヴァーシュネス photo:CorVos 
アイスベストを着てスタートを待つエウラリオ photo:CorVos

マリアローザを着てジロ3週目に臨むヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:RCS Sport

ジロ・デ・イタリア第16ステージ image:RCS Sport ブルガリアで開幕した第109回ジロ・デ・イタリアは、イタリア本土を経てスイスにやってきた。この日はスイスのベッリンツォーナを出発し、カリーに至る113kmのショートステージ。しかし獲得標高差が3,000mに達するのは、2つのカテゴリー山岳を含むコースを2周回し、最後に1級山岳カリー(距離11.7km/平均7.9%)を登り詰めるからだ。
大会初日に区間7位だったスプリンター、パスカル・アッカーマン(ドイツ、ジェイコ・アルウラー)がウイルス性胃腸炎で不出場となったこの日、ここまで3つの山頂フィニッシュを全勝しているマリアローザ着用者、ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)を先頭にスタート。直後からヴィンゲゴーの繰り下げでマリアアッズーラ(山岳賞ジャージ)を着るヤルディ・ファンデルリー(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト)のアタックから、逃げを目指した動きが開始される。先行した11名はすぐに吸収され、振り出しに戻った集団から、ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)ら8名が抜け出した。
この日1つ目の3級山岳の頂上をチッコーネが先頭通過。その後、母国スイスを走るヤン・クリステン(UAEチームエミレーツXRG)の合流で逃げ集団の人数が12名に膨らみ、チームメイトのジョナタン・ナルバエス(エクアドル)やディエゴ・ウリッシ(イタリア、XDSアスタナ)など、豪華な逃げ集団となる。しかし7分30秒遅れの総合13位、クリス・ハーパー(オーストラリア、ピナレロQ36.5プロサイクリング)が入ったことで、メイン集団が大きなタイム差を与えることはなかった。

ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)ら12名による逃げグループが形成された photo:CorVos

プロトンでチームメイトに守られながら走るヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) 62: photo:CorVos
自身4度目となるステージ優勝はもちろん、2019年以来の山岳賞も狙うチッコーネは続く2級山岳もトップ通過する。直後の下りを単独先頭のまま進むチッコーネの動きが結果的に逃げ集団を分裂させ、ナルバエスとウリッシ、ハーパー、エイネル・ルビオ(コロンビア、モビスター)が追いつき5名の新たな先頭集団が作られる。その後チッコーネは2周目となる3級、2級山岳もトップ通過し、山岳ポイントを129点まで伸ばした。
ナルバエスは中間スプリントを先頭通過するとプロトンへと戻っていく。また最終山岳に入る前に逃げのリードは1分を下回っていたため、勝利に十分なタイム差ではないと判断したチッコーネも脚を緩める。登りの手前に設定されたレッドブルKMはハーパーが先頭通過し、ルビオがとともに最終1級山岳カリー(距離11.7km/平均7.9%)に突入。しかしヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)の牽引するプロトンが、残り9.5km地点で逃げを引き戻した。

4つのカテゴリー山岳をトップ通過したジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) photo:CorVos
連日、自身のSNSでチームの雰囲気を発信し続けるカンペナールツの高速牽引には、総合2位のアフォンソ・エウラリオ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス)と総合8位ベン・オコーナー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)が早々とドロップ。その後セップ・クス(アメリカ)から注目の若手クライマーであるダヴィデ・ピガンゾーリ(イタリア)に移ったヴィスマによる高速牽引は、残り7km地点で総合9位のデレク・ジーウェスト(カナダ、リドル・トレック)も振り落とした。
そのため先頭は6名まで人数が絞られ、残り6.6kmでピガンゾーリが牽引を終えると、マリアローザのヴィンゲゴーが腰を上げる。その加速にはフェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM)が唯一食らいついたものの、ついていけたのは僅か100m。ヴィンゲゴーは再びダンシングでペースを上げると、後ろを一度振り返り、登坂タイムトライアルの状態に持ち込んだ。

残り6.6km地点でガルを引き離すヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

追走集団を牽引するエガン・ベルナル(コロンビア、ネットカンパニー・イネオス) photo:CorVos
ガルは後続で形成されていた追走集団に合流。そのグループは総合4位テイメン・アレンスマン(オランダ、ネットカンパニー・イネオス)のため、既に総合争いからは脱落しているコロンビア王者、エガン・ベルナルが牽引を担当。ヴィンゲゴーとのタイム差を縮めることはできなかったが、拡大を最小限に食い止めることに貢献した。
バイクこそ黒地に黄色のチームカラーだが、ヘルメットとソックス、バーテープをピンク色に染め上げたヴィンゲゴーは快調に最大勾配13%区間をクリア。そして1級山岳カリーの頂上に到着し、今大会4度目となる区間優勝を手に入れた。

順調にフィニッシュまで距離を進めていくヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

マリアローザを着て初の勝利を掴んだヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
「本当に信じられないよ」と、完勝だったステージをそう振り返ったヴィンゲゴー。「最後の登坂は美しくも厳しいものだった。僕もチームメイトもモチベーションが高く、ジロ最終週にマリアローザを着てステージ優勝するのが目標だった。そしてその最初のチャンスをしっかりと掴むことができた」と喜び、マリアローザを着用後、初めての勝利を噛み締めた。
区間2位には1分9秒遅れでガルが入り、3位には1分11秒遅れでジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)、4位にはベルナルのアシストを受けたアレンスマンがフィニッシュ。なお総合6位だったジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)は18分遅れと大幅にタイムを失ったため、レッドブルはヒンドレーの総合順位を絞ることとなった。
総合ではヴィンゲゴーが2分26秒だった総合2位との差を4分3秒まで広げ、総合5位まで順位を落としたエウラリオに代わり、ガルが2位にランクアップ。今後は総合3位のアレンスマンと総合4位のヒンドレーとの総合表彰台争いも見逃せない展開となった。

4つの山頂フィニッシュで全勝し、マリアローザのリードを広げたヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
5月26日(火)第16ステージ
ベッリンツォーナ〜カリー 113km(山岳/山頂フィニッシュ)




大会初日に区間7位だったスプリンター、パスカル・アッカーマン(ドイツ、ジェイコ・アルウラー)がウイルス性胃腸炎で不出場となったこの日、ここまで3つの山頂フィニッシュを全勝しているマリアローザ着用者、ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)を先頭にスタート。直後からヴィンゲゴーの繰り下げでマリアアッズーラ(山岳賞ジャージ)を着るヤルディ・ファンデルリー(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト)のアタックから、逃げを目指した動きが開始される。先行した11名はすぐに吸収され、振り出しに戻った集団から、ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)ら8名が抜け出した。
この日1つ目の3級山岳の頂上をチッコーネが先頭通過。その後、母国スイスを走るヤン・クリステン(UAEチームエミレーツXRG)の合流で逃げ集団の人数が12名に膨らみ、チームメイトのジョナタン・ナルバエス(エクアドル)やディエゴ・ウリッシ(イタリア、XDSアスタナ)など、豪華な逃げ集団となる。しかし7分30秒遅れの総合13位、クリス・ハーパー(オーストラリア、ピナレロQ36.5プロサイクリング)が入ったことで、メイン集団が大きなタイム差を与えることはなかった。


自身4度目となるステージ優勝はもちろん、2019年以来の山岳賞も狙うチッコーネは続く2級山岳もトップ通過する。直後の下りを単独先頭のまま進むチッコーネの動きが結果的に逃げ集団を分裂させ、ナルバエスとウリッシ、ハーパー、エイネル・ルビオ(コロンビア、モビスター)が追いつき5名の新たな先頭集団が作られる。その後チッコーネは2周目となる3級、2級山岳もトップ通過し、山岳ポイントを129点まで伸ばした。
ナルバエスは中間スプリントを先頭通過するとプロトンへと戻っていく。また最終山岳に入る前に逃げのリードは1分を下回っていたため、勝利に十分なタイム差ではないと判断したチッコーネも脚を緩める。登りの手前に設定されたレッドブルKMはハーパーが先頭通過し、ルビオがとともに最終1級山岳カリー(距離11.7km/平均7.9%)に突入。しかしヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)の牽引するプロトンが、残り9.5km地点で逃げを引き戻した。

連日、自身のSNSでチームの雰囲気を発信し続けるカンペナールツの高速牽引には、総合2位のアフォンソ・エウラリオ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス)と総合8位ベン・オコーナー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)が早々とドロップ。その後セップ・クス(アメリカ)から注目の若手クライマーであるダヴィデ・ピガンゾーリ(イタリア)に移ったヴィスマによる高速牽引は、残り7km地点で総合9位のデレク・ジーウェスト(カナダ、リドル・トレック)も振り落とした。
そのため先頭は6名まで人数が絞られ、残り6.6kmでピガンゾーリが牽引を終えると、マリアローザのヴィンゲゴーが腰を上げる。その加速にはフェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM)が唯一食らいついたものの、ついていけたのは僅か100m。ヴィンゲゴーは再びダンシングでペースを上げると、後ろを一度振り返り、登坂タイムトライアルの状態に持ち込んだ。


ガルは後続で形成されていた追走集団に合流。そのグループは総合4位テイメン・アレンスマン(オランダ、ネットカンパニー・イネオス)のため、既に総合争いからは脱落しているコロンビア王者、エガン・ベルナルが牽引を担当。ヴィンゲゴーとのタイム差を縮めることはできなかったが、拡大を最小限に食い止めることに貢献した。
バイクこそ黒地に黄色のチームカラーだが、ヘルメットとソックス、バーテープをピンク色に染め上げたヴィンゲゴーは快調に最大勾配13%区間をクリア。そして1級山岳カリーの頂上に到着し、今大会4度目となる区間優勝を手に入れた。


「本当に信じられないよ」と、完勝だったステージをそう振り返ったヴィンゲゴー。「最後の登坂は美しくも厳しいものだった。僕もチームメイトもモチベーションが高く、ジロ最終週にマリアローザを着てステージ優勝するのが目標だった。そしてその最初のチャンスをしっかりと掴むことができた」と喜び、マリアローザを着用後、初めての勝利を噛み締めた。
区間2位には1分9秒遅れでガルが入り、3位には1分11秒遅れでジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)、4位にはベルナルのアシストを受けたアレンスマンがフィニッシュ。なお総合6位だったジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)は18分遅れと大幅にタイムを失ったため、レッドブルはヒンドレーの総合順位を絞ることとなった。
総合ではヴィンゲゴーが2分26秒だった総合2位との差を4分3秒まで広げ、総合5位まで順位を落としたエウラリオに代わり、ガルが2位にランクアップ。今後は総合3位のアレンスマンと総合4位のヒンドレーとの総合表彰台争いも見逃せない展開となった。

ジロ・デ・イタリア2026第16ステージ結果
| 1位 | ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | 2:57:40 |
| 2位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM) | +1:09 |
| 3位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +1:11 |
| 4位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、ネットカンパニー・イネオス) | +1:14 |
| 5位 | デレク・ジーウェスト(カナダ、リドル・トレック) | +1:18 |
| 6位 | ダヴィデ・ピガンゾーリ(イタリア、ヴィスマ・リースアバイク) | +1:34 |
| 7位 | エガン・ベルナル(コロンビア、ネットカンパニー・イネオス) | +2:04 |
| 8位 | マイケル・ストーラー(オーストラリア、チューダープロサイクリング) | +2:18 |
| 9位 | マティス・ロンデル(フランス、チューダープロサイクリング) | +2:55 |
| 10位 | ワウト・プールス(オランダ、ユニベット・ローズ・ロケッツ) | +3:04 |
マリアローザ(個人総合成績)
| 1位 | ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | 62:10:26 |
| 2位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM) | +4:03 |
| 3位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、ネットカンパニー・イネオス) | +4:27 |
| 4位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +5:00 |
| 5位 | アフォンソ・エウラリオ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス) | +5:40 |
| 6位 | デレク・ジーウェスト(カナダ、リドル・トレック) | +7:09 |
| 7位 | マイケル・ストーラー(オーストラリア、チューダープロサイクリング) | +7:14 |
| 8位 | ダヴィデ・ピガンゾーリ(イタリア、ヴィスマ・リースアバイク) | +7:57 |
| 9位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) | +9:20 |
| 10位 | エガン・ベルナル(コロンビア、ネットカンパニー・イネオス) | +9:44 |
マリアチクラミーノ(ポイント賞)
| 1位 | ポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ) | 145pts |
| 2位 | ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG) | 143pts |
| 3位 | ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) | 78pts |
マリアアッズーラ(山岳賞)
| 1位 | ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | 211pts |
| 2位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) | 129pts |
| 3位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM) | 96pts |
マリアビアンカ(ヤングライダー賞)
| 1位 | アフォンソ・エウラリオ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス) | 62:16:06 |
| 2位 | ダヴィデ・ピガンゾーリ(イタリア、ヴィスマ・リースアバイク) | +2:17 |
| 3位 | マティス・ロンデル(フランス、チューダープロサイクリング) | +4:23 |
チーム総合成績
| 1位 | ヴィスマ・リースアバイク | 186:58:06 |
| 2位 | レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ | +13:43 |
| 3位 | ネットカンパニー・イネオス | +21:43 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, RCS Sport
photo:CorVos, RCS Sport
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