2010/05/21(金) - 00:10
ツアー・オブ・ジャパン第4ステージを終えた時点で総合16位の西薗良太(大学選抜ジャパン、東京大学)。日本人では6位だが、もちろん最年少。続く2つのステージは西薗が得意とする登坂コースだ。
チームの目標は完走
今年のツアー・オブ・ジャパンには「大学選抜ジャパン」として6人のメンバーが参加している。西薗のほかは木守望(京都産業大学)、高橋将輝(日本大学)、橋本龍弘(日本大学)、飯野智行(中央大学)、堀内俊介(中央大学)で、第4ステージ終了時点では6人全員が第5ステージに出走可能で、ここまで善戦している。
「学生チームの目標は、東京ステージまでたどり着いて、絶対に完走すること。その経験を持ってそれぞれの大学に帰ったとき、新しい伝統が生まれる。それが自分たちの使命です」(公式資料より)と、最年長の西薗が語るように、チームの目標は全員の完走だ。
では西薗個人の目標は?
南信州ステージ終了後にインタビューした。
TOJのコースは自分に向いている
TOJのほうが北海道よりも上りが多く、かつ周回コースなので自分に向いています。テクニカルな南信州を下れたので大丈夫だと思います。
TOJではやれるだけやってみようと思って第4ステージまで終えました。初日のクリテは落車しないようにと思っていたら、宮澤さんが行ったのでついていったら、いつのまにか逃げに乗っていました。
奈良は大きなミスをしなかったので良かったです。ただ調子はあまりよくないです。1週間前の修善寺カップで足を痙攣させてしまい、その後休みすぎました。
美濃は危険な展開だったけれども逃げがつかまると思っていたので休めました。身体の回復を感じましたね。ジャパンカップと同じ展開だな、と思いました。
最終周は福島さんの後ろにベタ付きし、そのあとは真理さん佐野さんの次でクリア。前で逃げた4人にブリッヂをかけました。前方で木守のサポートをしたかったのですが...。結局彼はサポート無しで12位に入り、チームとしてもうまくいきました。苦手なところを上りでカバーできましたね。あと実業団選手は自分のことを覚えてくれていて、上りでは走りやすかったです。
南信州では位置取りの実験をした
南信州ステージは残り3周が勝負だと思い、途中は位置取りの実験をいくつかして上りならば出られると確認しました。ラスト3周で前に上がったのは、何かあると思って先手を打ったため。前に追いついたときに振り返ったら、ガロッファロがアタックしたところでした。そこでボクは貯金できました。
残り2周で数を減らそうと思って中途半端に前を引いたのは余計な走りでした。今思うと、あれがなければ逃げについていけたのではないかと思います。これはミスでした。今日の上りで、大体誰が総合に絡むかわかりました。
思い返すと、やはり行くべきときがありました。最終周にサレルノ、ガロッファロと佐野さんがアタックしたときに、ギリギリつけなかった。一定ペースで追ったのですが、もし頂上まで完全にオールアウトになる覚悟で追い込めば追いつけたと思う。しかしそこでいろいろ考えてしまいました。追いつけずに下っていたら、第2集団に追いつかれました。
最近、展開が見られるようになりました。ネット動画でレースを見ていると、レポートで書かれていない展開があり、その動きの意味もわかる。その勉強が効いています。
富士山はライバルと思う選手にタイム差をつけられないように、かつ少しでも順位を上げるような走りにしたいです。
伊豆は5kmコースならば得意だけれども、今回のコースは未知なので不安はあります。
そして東京ステージは集団から千切れないことが第一だけれども、可能ならば抜け出したり、チームとして派手に動きたいですね。
大学選抜で出ること
学連レースと違うのは、まずは集団走行の密度。チームプレーがみんなできている、そして平坦と下りのスピードが違います。
僕ら6人の走りや結果が、周りのプロや実業団選手と比較できるから、出場できなかった学連選手にとっていい指標になると思います。そのためにも僕らはしっかりと走り、頑張ります。
西薗の目標は一つ一つのステージで上位に入ることだ。特にこれから富士山、伊豆と得意な山岳ステージが続く。
「皆が強くてライバルを挙げるどころじゃない」と前置きするものの、会話ではガロッファロや佐野、サレルノらの名前が挙がってくる。西薗の実力からすれば、特に富士山は勝負できるレベルに達しているはず。
「総合成績は考えていない」と言うが、各ステージで上位に入ることは、ひいては総合でも好結果が期待できようというものだ。
残り3ステージ、西薗の走りに注目したい。
photo&text:高木秀彰
チームの目標は完走
今年のツアー・オブ・ジャパンには「大学選抜ジャパン」として6人のメンバーが参加している。西薗のほかは木守望(京都産業大学)、高橋将輝(日本大学)、橋本龍弘(日本大学)、飯野智行(中央大学)、堀内俊介(中央大学)で、第4ステージ終了時点では6人全員が第5ステージに出走可能で、ここまで善戦している。
「学生チームの目標は、東京ステージまでたどり着いて、絶対に完走すること。その経験を持ってそれぞれの大学に帰ったとき、新しい伝統が生まれる。それが自分たちの使命です」(公式資料より)と、最年長の西薗が語るように、チームの目標は全員の完走だ。
では西薗個人の目標は?
南信州ステージ終了後にインタビューした。
TOJのコースは自分に向いている
TOJのほうが北海道よりも上りが多く、かつ周回コースなので自分に向いています。テクニカルな南信州を下れたので大丈夫だと思います。
TOJではやれるだけやってみようと思って第4ステージまで終えました。初日のクリテは落車しないようにと思っていたら、宮澤さんが行ったのでついていったら、いつのまにか逃げに乗っていました。
奈良は大きなミスをしなかったので良かったです。ただ調子はあまりよくないです。1週間前の修善寺カップで足を痙攣させてしまい、その後休みすぎました。
美濃は危険な展開だったけれども逃げがつかまると思っていたので休めました。身体の回復を感じましたね。ジャパンカップと同じ展開だな、と思いました。
最終周は福島さんの後ろにベタ付きし、そのあとは真理さん佐野さんの次でクリア。前で逃げた4人にブリッヂをかけました。前方で木守のサポートをしたかったのですが...。結局彼はサポート無しで12位に入り、チームとしてもうまくいきました。苦手なところを上りでカバーできましたね。あと実業団選手は自分のことを覚えてくれていて、上りでは走りやすかったです。
南信州では位置取りの実験をした
南信州ステージは残り3周が勝負だと思い、途中は位置取りの実験をいくつかして上りならば出られると確認しました。ラスト3周で前に上がったのは、何かあると思って先手を打ったため。前に追いついたときに振り返ったら、ガロッファロがアタックしたところでした。そこでボクは貯金できました。
残り2周で数を減らそうと思って中途半端に前を引いたのは余計な走りでした。今思うと、あれがなければ逃げについていけたのではないかと思います。これはミスでした。今日の上りで、大体誰が総合に絡むかわかりました。
思い返すと、やはり行くべきときがありました。最終周にサレルノ、ガロッファロと佐野さんがアタックしたときに、ギリギリつけなかった。一定ペースで追ったのですが、もし頂上まで完全にオールアウトになる覚悟で追い込めば追いつけたと思う。しかしそこでいろいろ考えてしまいました。追いつけずに下っていたら、第2集団に追いつかれました。
最近、展開が見られるようになりました。ネット動画でレースを見ていると、レポートで書かれていない展開があり、その動きの意味もわかる。その勉強が効いています。
富士山はライバルと思う選手にタイム差をつけられないように、かつ少しでも順位を上げるような走りにしたいです。
伊豆は5kmコースならば得意だけれども、今回のコースは未知なので不安はあります。
そして東京ステージは集団から千切れないことが第一だけれども、可能ならば抜け出したり、チームとして派手に動きたいですね。
大学選抜で出ること
学連レースと違うのは、まずは集団走行の密度。チームプレーがみんなできている、そして平坦と下りのスピードが違います。
僕ら6人の走りや結果が、周りのプロや実業団選手と比較できるから、出場できなかった学連選手にとっていい指標になると思います。そのためにも僕らはしっかりと走り、頑張ります。
西薗の目標は一つ一つのステージで上位に入ることだ。特にこれから富士山、伊豆と得意な山岳ステージが続く。
「皆が強くてライバルを挙げるどころじゃない」と前置きするものの、会話ではガロッファロや佐野、サレルノらの名前が挙がってくる。西薗の実力からすれば、特に富士山は勝負できるレベルに達しているはず。
「総合成績は考えていない」と言うが、各ステージで上位に入ることは、ひいては総合でも好結果が期待できようというものだ。
残り3ステージ、西薗の走りに注目したい。
photo&text:高木秀彰
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