イギリスに本拠地を置くファクターが、2016年にデビューした軽量オールラウンダー「O2」のフルモデルチェンジを発表。ハイエンドモデル「O2 V.A.M.」のテクノロジーを取り込んで総合力を増したほか、フレームセットでアンダー30万円というリーズナブルなプライスも魅力だ。



ファクター O2(マイアミブルー)ファクター O2(マイアミブルー) (c)Factor
ファクターのO2と言えば、アージェードゥーゼール供給時代に主力機として使われ、パリ~ルーベなども含め選手たちを支えた同社初の軽量クライミングマシン。2019年にはリム630g/ディスク700gを誇る「O2 V.A.M」がデビューを飾ったが、ここにきて開発陣はO2を刷新。V.A.Mのテクノロジーを取り入れながら、フレームセット価格295,000円(税抜)という魅力的な価格を提げて2世代目へとフルモデルチェンジを果たした。

第2世代O2のキーワードは、「Dance up the mountains(山々を駆け上がるために)」。本国のPRによれば、軽量オールラウンダーとしてのキャラクターはそのままに、より高速域に対応し、快適性を増し、先代よりも剛く軽くを目指して作り上げられたという。

V.A.Mと同じ成形技術を用い、かつカーボングレードを下げることで低価格化も実現したというV.A.Mと同じ成形技術を用い、かつカーボングレードを下げることで低価格化も実現したという (c)Factor
フレーム一体式のチェーンプロテクターを装備するフレーム一体式のチェーンプロテクターを装備する (c)Factor機械式/電動式に両対応。ディスク/リムブレーキどちらのモデルも展開される機械式/電動式に両対応。ディスク/リムブレーキどちらのモデルも展開される (c)Factorシャフトが突出しないエアロスルーアクスルシャフトが突出しないエアロスルーアクスル (c)Factor


O2シリーズ伝統の、シンプルなホリゾンタルデザインを踏襲する新型O2。フレーム形状そのものはO2 V.A.Mと共通で、ワイドなタイヤクリアランスや、乗り心地に寄与するシートステーのワイドスタンス化(先代比)などアップデートされているが、注目すべきはその内側にある。

サーヴェロから移籍したエンジニア、グラハム・シュライヴ氏にメールで質問したところ、「V.A.Mと同じく特殊な成形プロセスを用い、一般的なフレームよりはるかに高い圧力を掛けることでカーボン素材同士の密着性を高め、かつ不要なレジンを排出することで強く軽く仕上げています」とのこと。価格を抑えることを目的に、O2 V.A.Mに使われたテキストリームカーボンは標準的な3Kカーボンに、ボロンやピッチ系カーボンはより標準的なPAN系カーボンに置き換えられているという。

先述の通りフォルム自体はO2 V.A.Mと共通だが、カーボン素材の変更と各チューブの肉厚を調整することで、厳しい山々を越える長距離走行にも対応する乗り心地を得たこともホビーライダーにとっては大きな魅力。グラハム氏によればフレーム強度を先代より向上させつつ、快適性を176%も向上させているという。

ファクター O2(パールホワイト)ファクター O2(パールホワイト) (c)Factor
新型O2のフレーム重量はサイズによって左右されるものの、およそ820~850g。リム、ディスクブレーキに両対応し、コンポーネントは機械式にも対応するなどユーザビリティに優れていることもポイントの一つ。フレーム一体式のチェーン落ちガードやボルトがツライチに仕上げられたエアロスルーアクスルなど、細部にまでファクターらしく手抜きが無い。

販売はフレームセットのみで行われ、カラーはマイアミブルーとパールホワイトの2色。従来のファクターバイクとは異なり付属品はヘッドセットのみで、ユーザーの好みで組みやすいよう価格が抑えられている。輸入販売代理店のトライスポーツによれば入荷は6月頃を見込んでいるという。



ファクター O2
ブレーキ:リム/ディスク
フレームカラー:マイアミブルー、パールホワイト
フレームサイズ :49、52、54、56、58
シートポスト径:27.2mm
タイヤクリアランス:30mmまで対応
フレーム重量:820~850g前後
付属品:フォーク、ヘッドセット
税抜価格:295,000円

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