2020/02/11(火) - 09:08
スラムやMETなどを取り扱うインターマックスが販売店向け展示会を開催。eTap AXSのアプリのアップデートや、カステリのオーダーウェアが開始されることが案内された。その内容をピックアップして紹介しよう。
カステリ・オーダーウェア始動
カステリがオーダーウェアをスタートさせる。インターマックスでデザインしたサンプル
カステリ秋冬モデルの数多くのアイテムが発表された説明会の最後、オーダーウェアのサービスが開始されているとアナウンスされた。オーダーウェア自体は様々なブランドがサービスを提供しており、身内やチーム、ショップ単位でオリジナルデザインのサイクルジャージを制作できるのは御存知の通りだ。今回は"カステリが"オーダーウエアサービスを行うというところがニュースである。
カステリといえば、使用する機材に一際こだわるチームイネオスだけではなく、サポート外の選手、ナショナルチームがロゴを隠して使用するほどの高い機能性で知られているブランド。特にGABBAやPERFETTOといった防水系のプロテクションウェアへの信頼は厚く、2019年の世界選手権における使用率は非常に高かったとのことだ。
そんな市販品をベースにオリジナルデザインを加えることができるのが、カステリのオーダーウェアの魅力だ。先述したGABBAとPERFETTOはもちろん、エアロワンピースSANREMO、CLIMBER'S 3.0半袖ジャージなどプロスペックのウェアがデザイン可能ラインアップに並ぶ。他にも比較的低価格なSQUADRA半袖ジャージや、BODY PAINTエアロスーツなども用意されているため、よりカジュアルなサイクリストも選べるようになっている。
メッシュ部分もにじむこと無く発色している
切りっぱなしの袖口もプリントは綺麗だ
カステリロゴの配置や大きさは変えることができない
今回の単独展示会に先立ち、1月に開催された合同パーツ展示会でもカステリ・オーダーウェアのアナウンスが行われており、そこで説明を受けたショップから既にオーダーが入っているとのこと。「実は、先行してカステリ・オーダーウェアが展開されているアメリカでは、オーダーウエアのほうが既成品よりボリュームが大きいんです。ショップの中にはオーダーウェアが開始されるのを待っていた方もいました」とカステリ担当の青沼さんは言う。
デザインの入稿方法は手書きでも、Adobe IllustratorのデータでもOK。手書きの場合はカステリのイタリア人デザイナーがデータに起こすため、細部の調整にイタリアテイストが加わることもあるとか。「デザインのアイデアを手書きでざっくりと伝えて、イタリアンテイストを楽しんでみても良いかもしれませんね」と青沼さん。デザイン、色味(PANTONE指定)など自分で考えたアイデアをバッチリと具現化したい場合はIllustratorでの入稿が良いだろう。また、アイデアが浮かばない方にはテンプレートを提供してくれるという。
キャップもオーダー対象品だが、最小ロット数が非常に大きいという
エアロソックスもオーダー可能だ
サイズサンプルも取り寄せることが可能だ
オーダーにあたってはカステリ本国と直接やり取りを行うのではなく、インターマックスが窓口となる。日本語で細かい指定などを伝えることができる上、入稿にあたってのサポートも受けられる。その後インターマックスがこだわりのポイントを英訳して本国に伝えてくれるため、コミュニケーション面での心配はほぼゼロ。納期は60~70日を予定しているが、今後50日程となることを目指していると言う。
専用のWEBページは現在作成中だが、インターマックスのホームページから注文手順やラインアップの資料を手に入れることが可能。インターマックスがサンプルとして制作した半袖ジャージを見たところ、発色も良く、メッシュ部分に滲みもなくクオリティが高いという印象だ。ウェアとしての機能はプロも認めるところであり、そのウェアをオリジナルで作れるというサービスには期待が膨らむ。
スラム AXSアプリの新機能が追加
スラムのアプリアップデートについて説明会が行われた
昨年2月に発表されたスラムの2代目RED eTAP AXS。12速化などハード面での進化を果たすだけではなく、スマホのソフトウェアで管理できるAXS(アクセス)としてアップデートされたものだった。ソフトを使いこなすことでRED eTAP AXSの魅力を更に引き出すことができるはずだ。
これまでAXSアプリでできたのは、シマノDI2で言うところのシンクロシフトに当たる「シーケンシャルシフト」と、フロントギアを操作した際同時に後ろギアが1~2段自動的に移動する「コンペンセーティングシフト」といった拡張シフトの設定など。ちなみにこの拡張シフトは、ブラケットの物理ボタンでON/OFFを切り替えることができるため、ライド中にマニュアルに戻すことも可能。レースではマニュアルで、練習やツーリングでは拡張シフトでと自由に選ぶことができるようになっている。
スラムのRED eTAP AXSは既に多くのユーザーが使用するフラッグシップ
そんなAXSソフトウェアの新機能として「AXS Web」が登場している。これは、ガーミンコネクト対応デバイスとAXS Webを連携させることで、アクティビティごとの総シフト回数やギア毎の走行時間と距離、平均ワット数を確認することが可能になるというもの。日本では未展開のクオーク Tyrewizを使用するとライド中の空気圧遷移も見ることができるという。11速のRED eTAPも対応する。
非常に細かいデータではあるもののこれまで感覚的であったギアのチョイスを可視化することができるため、活用することができれば、ライドがより効率的になるはずだ。レーサーはもちろん、ロングライドでも自分が使用するギアの傾向を覚えておくと、省エネ走行の参考にすることができるだろう。また、CXやMTBなどサーキットコースの種目であれば、ギア選択の参考とすることができそうだ。
シーコンがアイウェアに参入、日本限定カラーを用意したプロロゴ、3モデルを追加するスピナジー
シーコンがアイウェアの展開を開始する
輪行用の自転車ケースで知られているシーコンが、アイウェアに参入する。今季よりUAEチームエミレーツ、NTTプロサイクリング、イスラエル・スタートアップネイションズが採用しており、早速世界トップレベルの選手たちの顔を保護している。
特徴は軍用ヘリコプターに用いられる素材を使用したSCN-XTというレンズだ。SCN-XTは軽量かつ高い耐衝撃性、耐熱性、低屈折率、調光性能に優れているという。また、テンプル部分には着脱可能なTPEチップが備えられた。チップの着脱によってテンプルの柔軟性を調節することができるため、こめかみ部分へのフィット感を好みに合わせることが可能だ。レンズ下部のフェンダーも着脱することができる。
ラインアップは二眼式AERO COMFORTと、一眼式AERO TECHという2モデル。それぞれにSCN-XTレンズモデルと、ポリカーボネートレンズモデル、加えて通常レンズサイズとXLレンズサイズの2種類が用意されている。フレームカラーとレンズカラーの組み合わせも加味すると、展開するモデル数は合計128種類にも及ぶという。さらに、AEROTECHには供給する3チームモデルも登場している。
日本限定の特別カラーがリリースされるプロロゴのDIMENSION NDR
プロ選手も使用開始しているというプロロゴのScrach M5
スパカズはオイルスリック系のプロダクトが目白押し
メッキペイントのボトルケージも美しい
プロロゴからは日本別注カラーのDIMENSION NDRがリリースされる。NDRはショートノーズサドルのDIMENSIONからパッドを3mm分増量したモデルであり、ロングライドやE-BIKEなどに適したタイプ。計7色の限定カラーはバイクのカラーコーディネートにピッタリだろう。前回の限定カラーは瞬く間に売り切れてしまったというため、気になる方は早めにチェックしたほうが良さそうだ。
ザイロンファイバーを素材とするPBOスポークでお馴染みのスピナジー。1630gという重量に仕上がる精悍なマットブラックカラーのアルミリム「Z32 PBO CLINCHER DISC」や、カーボンリム「STEALTH FULL CARBON PBO CLINCHER4.7 TRACK」「STEALTH FULL CARBON PBO CLINCHER4.7(リム/ディスク)」という3種類がラインアップに加わっている。PBOスポークによる快適な乗り心地が特徴のスピナジーのホイールは、のんびりと長距離走るような方に適しているだろう。
スピナジーからリリースされた精悍なマットブラックカラーのアルミリム「Z32 PBO CLINCHER DISC」
スピナジーで世界で1本のホイールを作っても面白いだろう
ラインアップされている全てのプロダクトでスポークカラーとステッカーをカスタムが行えるようになっている。スポーク1本毎にカラーを変えることができるため、世界で1セットだけのホイールを作ることも可能。自転車のカスタムに遊び心を入れたい方にオススメだ。
text&photo:Gakuto Fujiwara
カステリ・オーダーウェア始動

カステリ秋冬モデルの数多くのアイテムが発表された説明会の最後、オーダーウェアのサービスが開始されているとアナウンスされた。オーダーウェア自体は様々なブランドがサービスを提供しており、身内やチーム、ショップ単位でオリジナルデザインのサイクルジャージを制作できるのは御存知の通りだ。今回は"カステリが"オーダーウエアサービスを行うというところがニュースである。
カステリといえば、使用する機材に一際こだわるチームイネオスだけではなく、サポート外の選手、ナショナルチームがロゴを隠して使用するほどの高い機能性で知られているブランド。特にGABBAやPERFETTOといった防水系のプロテクションウェアへの信頼は厚く、2019年の世界選手権における使用率は非常に高かったとのことだ。
そんな市販品をベースにオリジナルデザインを加えることができるのが、カステリのオーダーウェアの魅力だ。先述したGABBAとPERFETTOはもちろん、エアロワンピースSANREMO、CLIMBER'S 3.0半袖ジャージなどプロスペックのウェアがデザイン可能ラインアップに並ぶ。他にも比較的低価格なSQUADRA半袖ジャージや、BODY PAINTエアロスーツなども用意されているため、よりカジュアルなサイクリストも選べるようになっている。



今回の単独展示会に先立ち、1月に開催された合同パーツ展示会でもカステリ・オーダーウェアのアナウンスが行われており、そこで説明を受けたショップから既にオーダーが入っているとのこと。「実は、先行してカステリ・オーダーウェアが展開されているアメリカでは、オーダーウエアのほうが既成品よりボリュームが大きいんです。ショップの中にはオーダーウェアが開始されるのを待っていた方もいました」とカステリ担当の青沼さんは言う。
デザインの入稿方法は手書きでも、Adobe IllustratorのデータでもOK。手書きの場合はカステリのイタリア人デザイナーがデータに起こすため、細部の調整にイタリアテイストが加わることもあるとか。「デザインのアイデアを手書きでざっくりと伝えて、イタリアンテイストを楽しんでみても良いかもしれませんね」と青沼さん。デザイン、色味(PANTONE指定)など自分で考えたアイデアをバッチリと具現化したい場合はIllustratorでの入稿が良いだろう。また、アイデアが浮かばない方にはテンプレートを提供してくれるという。



オーダーにあたってはカステリ本国と直接やり取りを行うのではなく、インターマックスが窓口となる。日本語で細かい指定などを伝えることができる上、入稿にあたってのサポートも受けられる。その後インターマックスがこだわりのポイントを英訳して本国に伝えてくれるため、コミュニケーション面での心配はほぼゼロ。納期は60~70日を予定しているが、今後50日程となることを目指していると言う。
専用のWEBページは現在作成中だが、インターマックスのホームページから注文手順やラインアップの資料を手に入れることが可能。インターマックスがサンプルとして制作した半袖ジャージを見たところ、発色も良く、メッシュ部分に滲みもなくクオリティが高いという印象だ。ウェアとしての機能はプロも認めるところであり、そのウェアをオリジナルで作れるというサービスには期待が膨らむ。
スラム AXSアプリの新機能が追加

昨年2月に発表されたスラムの2代目RED eTAP AXS。12速化などハード面での進化を果たすだけではなく、スマホのソフトウェアで管理できるAXS(アクセス)としてアップデートされたものだった。ソフトを使いこなすことでRED eTAP AXSの魅力を更に引き出すことができるはずだ。
これまでAXSアプリでできたのは、シマノDI2で言うところのシンクロシフトに当たる「シーケンシャルシフト」と、フロントギアを操作した際同時に後ろギアが1~2段自動的に移動する「コンペンセーティングシフト」といった拡張シフトの設定など。ちなみにこの拡張シフトは、ブラケットの物理ボタンでON/OFFを切り替えることができるため、ライド中にマニュアルに戻すことも可能。レースではマニュアルで、練習やツーリングでは拡張シフトでと自由に選ぶことができるようになっている。

そんなAXSソフトウェアの新機能として「AXS Web」が登場している。これは、ガーミンコネクト対応デバイスとAXS Webを連携させることで、アクティビティごとの総シフト回数やギア毎の走行時間と距離、平均ワット数を確認することが可能になるというもの。日本では未展開のクオーク Tyrewizを使用するとライド中の空気圧遷移も見ることができるという。11速のRED eTAPも対応する。
非常に細かいデータではあるもののこれまで感覚的であったギアのチョイスを可視化することができるため、活用することができれば、ライドがより効率的になるはずだ。レーサーはもちろん、ロングライドでも自分が使用するギアの傾向を覚えておくと、省エネ走行の参考にすることができるだろう。また、CXやMTBなどサーキットコースの種目であれば、ギア選択の参考とすることができそうだ。
シーコンがアイウェアに参入、日本限定カラーを用意したプロロゴ、3モデルを追加するスピナジー

輪行用の自転車ケースで知られているシーコンが、アイウェアに参入する。今季よりUAEチームエミレーツ、NTTプロサイクリング、イスラエル・スタートアップネイションズが採用しており、早速世界トップレベルの選手たちの顔を保護している。
特徴は軍用ヘリコプターに用いられる素材を使用したSCN-XTというレンズだ。SCN-XTは軽量かつ高い耐衝撃性、耐熱性、低屈折率、調光性能に優れているという。また、テンプル部分には着脱可能なTPEチップが備えられた。チップの着脱によってテンプルの柔軟性を調節することができるため、こめかみ部分へのフィット感を好みに合わせることが可能だ。レンズ下部のフェンダーも着脱することができる。
ラインアップは二眼式AERO COMFORTと、一眼式AERO TECHという2モデル。それぞれにSCN-XTレンズモデルと、ポリカーボネートレンズモデル、加えて通常レンズサイズとXLレンズサイズの2種類が用意されている。フレームカラーとレンズカラーの組み合わせも加味すると、展開するモデル数は合計128種類にも及ぶという。さらに、AEROTECHには供給する3チームモデルも登場している。




プロロゴからは日本別注カラーのDIMENSION NDRがリリースされる。NDRはショートノーズサドルのDIMENSIONからパッドを3mm分増量したモデルであり、ロングライドやE-BIKEなどに適したタイプ。計7色の限定カラーはバイクのカラーコーディネートにピッタリだろう。前回の限定カラーは瞬く間に売り切れてしまったというため、気になる方は早めにチェックしたほうが良さそうだ。
ザイロンファイバーを素材とするPBOスポークでお馴染みのスピナジー。1630gという重量に仕上がる精悍なマットブラックカラーのアルミリム「Z32 PBO CLINCHER DISC」や、カーボンリム「STEALTH FULL CARBON PBO CLINCHER4.7 TRACK」「STEALTH FULL CARBON PBO CLINCHER4.7(リム/ディスク)」という3種類がラインアップに加わっている。PBOスポークによる快適な乗り心地が特徴のスピナジーのホイールは、のんびりと長距離走るような方に適しているだろう。


ラインアップされている全てのプロダクトでスポークカラーとステッカーをカスタムが行えるようになっている。スポーク1本毎にカラーを変えることができるため、世界で1セットだけのホイールを作ることも可能。自転車のカスタムに遊び心を入れたい方にオススメだ。
text&photo:Gakuto Fujiwara
リンク
Amazon.co.jp