昨季、ランス・アームストロング率いるトレック・リブストロングU23チームに加入し、一躍日本のレース界を沸かせた2008年U23全日本チャンピオン小森亮平が、今季選んだ道はフランスのアマチュアチームで走ることだった。

小森亮平(EQADS/ヴァンデU)小森亮平(EQADS/ヴァンデU) (c)Sonoko.TANAKAエキップアサダの選手強化システムによって結成されたEQADS(エカーズ)のメンバーの一員として、BboxブイグテレコムのサテライトチームであるヴァンデUに所属、ヨーロッパでプロになるために走り続ける期待の若手選手に迫ってみよう。


― 現在のヴァンデUチームで走ることになったいきさつは?

「ヨーロッパのレースで走ることを熱望して、1年契約できています。昨年の終わりに今年のことを考えたときに、浅田監督に相談をして、このチームに入ることになりました。2月の初めから9月の世界選手権前まで、フランスを拠点に走ります」。

― ヨーロッパのレースを走ることのメリットは何ですか?

「レース数がたくさんあることが大きなメリットです。そして、去年走っていたアメリカのレースとは展開や流れが違う。やはりロードレースの本場はヨーロッパだと思っています。将来はヨーロッパのプロになりたいので、ここで走ることのメリットは大きいです。

日本のUCIレースで勝ったとしても、ヨーロッパのチームはなかなか注目してくれないのが現状ですが、こっちで目立った動きをすれば、ヨーロッパのプロチームの目に留まるチャンスがあるんです」。

― ヴァンデUはどんなチームですか?

「ブイグテレコムのサテライトチームという位置づけで、アマチュアチームですが強い選手が集まってきています。フランスのコンチネンタルチームとほぼ互角とも言えます。
16人のチームメンバーはみんなフランス人です。チームの雰囲気はよくて、さらにU23の同年代の選手が多いく、みんな負けたくないという向上心を持っているので、とてもいい刺激になっています」。

― 今季はどんな目標をもって活動していますか?

「エリートの全日本選手権で3位以内に入ることが前半の目標です。チームメンバーはいませんが、今までも1人だったので、大丈夫だと思います。そして、好成績を出して、世界選手権のメンバーに選ばれて、世界選手権でも1ケタの結果を狙っていきたいと思っています。オーストラリアのコースは自分向きだし、やるべきことをやれば、実現可能な目標だと思っています。

あとはヨーロッパのアマチュアで1番上のカテゴリーで勝つこと、UCI2クラスのレースで結果をだすことも目標ですね」。

― 将来的な目標は何ですか?

「ヨーロッパのプロチームで走りたいです。プロで通用する選手になりたいです。とくにクラシックレースで石畳を力強く走れるようになりたいです。いま同じ合宿所に(新城)幸也さんがいますが、幸也さんの走り方やプロ選手の生活など、いろいろな面を見て、自分に足りない部分を勉強しています」。

小森亮平(EQADS/ヴァンデU)小森亮平(EQADS/ヴァンデU) (c)Sonoko.TANAKA

photo&text:Sonoko.TANAKA