ロンドン五輪以降、毎年開催されているプルデンシャル・ライドロンドン・サリークラシック。8月3日にはロンドンの中心地でウィメンズ・ワールドツアーレースが開催された。落車が発生した波乱の集団スプリントで優勝を掴んだのは、ロレーナ・ウィーブ(オランダ、パークホテル・ファルケンブルグ)だった。



ロンドンの中心部で開催されたウィメンズ・ワールドツアーのライドロンドン・クラシックロンドンの中心部で開催されたウィメンズ・ワールドツアーのライドロンドン・クラシック (c)Prudential RideLondon
ロンドンオリンピックの準備大会として初開催、五輪本番を経てから毎年開催されているライドロンドン・サリークラシック。現在は一般参加型のフリーライドや、男子レースと同じコースを走るロングライドイベント、ブロンプトン世界選手権が併催される大規模イベントだ。

男子レースに先駆け8月3日にウィメンズ・ワールドツアーがロンドン中心部で開催された。女子レースは、ザ・マルをスタート/フィニッシュとし、セントジェームスパークの外周とコンスティテューションヒルを周回するクリテリウムに近いレース形式。バッキンガム宮殿の目の前を通過する周回コースは1周3.4km、レースでは20周、計68kmという短距離で争われる。

ロンドン市街の特設コースを高速で駆け抜けるプロトンロンドン市街の特設コースを高速で駆け抜けるプロトン (c)Prudential RideLondon
午後6時にスタートしたレースは、スプリント勝負に持ち込みたいチームがプロトンを掌握。アビーマエ・パーキンソン(イギリス、ドロップス)が何度かアタックを試みるも、高速な状態を維持したプロトンは逃げを許すことなくレースを運んでいく。4、8、12、16周に設定されたスプリントポイントは、スザンヌ・アンデルセン(デンマーク、サンウェブ)がリードアウトを受け3回トップで通過し、ポイント賞を獲得。

最後まで目立った逃げ集団を発生させることなく、ウィメンズ・ワールドツアーのレースは最終周回に突入する。前年度覇者のキルステン・ワイルド(オランダ)やドイツ王者のリサ・ブレナウアーを擁するWNTローター プロサイクリング、ヴァルカル・サイランスがリードアウトトレインを組み、フィニッシュのザ・マルに戻ってきた。

フィニッシュ直前で大落車が発生フィニッシュ直前で大落車が発生 (c)CorVos
先頭でフィニッシュラインを通過したキルステン・ワイルド(オランダ、WNTローター プロサイクリング)先頭でフィニッシュラインを通過したキルステン・ワイルド(オランダ、WNTローター プロサイクリング) (c)CorVos
WNTローター プロサイクリング、サンウェブ、ロット・スーダル、CCC-リヴのエースたちがそれぞれのラインでスプリントを開始した残り150m、集団の中ほどで落車が発生。このアクシデントに巻き込まれなかった先頭でスプリントが繰り広げられ、勝負の行方はワイルドがロレーナ・ウィーブ(オランダ、パークホテル・ファルケンブルグ)との写真判定に持ち込まれた。

僅差でワイルドの先着が発表されるものの、フィニッシュ前の落車の原因がワイルドにあるとして降格処分が言い渡されることに。最終的なリザルトではウィーブが優勝、2位にエリザ・バルサモ(イタリア、ヴァルカル・サイランス)、3位にコリン・リベラ(アメリカ、サンウェブ)が入ることとなった。

「最後の5kmに渡り良いポジションを確保できなかったので、早めに集団前方のポジションから非常に早いタイミングでスプリントを開始しなければならなかった。最終的に勝利ができて驚いている。今シーズンはこれからもできる限り多くの勝利を積み重ねたい」と今シーズン11勝を挙げている20歳のウィーブは言う。

写真判定とレース後審議の結果、優勝はロレーナ・ウィーブ(オランダ、パークホテル・ファルケンブルグ)の手に渡る写真判定とレース後審議の結果、優勝はロレーナ・ウィーブ(オランダ、パークホテル・ファルケンブルグ)の手に渡る (c)Prudential RideLondon
プルデンシャル・ライドロンドン・クラシック2019結果
1位 ロレーナ・ウィーブ(オランダ、パークホテル・ファルケンブルグ) 1:33:55
2位 エリザ・バルサモ(イタリア、ヴァルカル・サイランス)
3位 コリン・リベラ(アメリカ、サンウェブ)
4位 ロット・コペッキ(ベルギー、ロット・スーダル)
5位 レティツィア・パタノスター(イタリア、トレック・セガフレード)
6位 マリアンヌ・フォス(オランダ、CCC-リヴ)
7位 クリスティン・マジェルス(オランダ、ブールス・ドルマンス サイクリングチーム)
8位 マルタ・タリアフェロ(イタリア、ハイテックプロダクツ)
9位 マリアジュリア・コンファロニエーリ(イタリア、ヴァルカル・サイランス)
10位 ユージェニー・デュバル(フランス、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)
text:Gakuto Fujiwara

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