2010/04/23(金) - 09:59
2010年4月22日、ジロ・デル・トレンティーノ(UCI2.1)第3ステージが比較的難易度の低い山岳コースで行なわれ、ゴール25km手前の上りでアタックを成功させたアレッサンドロ・ベルトリーニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)が独走勝利。新城幸也(Bboxブイグテレコム)はステージ20位だった。
この日は、前日のゴール地点である1級山岳を再び上り、サンマルティーノ・ディ・カストロッツァを通過して更に標高1984mの1級山岳ロッレ峠に向かう。残りは短い上りが数カ所登場するだけの“トレンティーノの中では難易度の低い”山岳ステージ。集団スプリントが予想された。
レースは序盤の1級山岳ロッレ峠で動いた。平均勾配6%のこの上りで飛び出したのは、前日に大きく遅れて総合争いから脱落したステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)ら10名。
ヴァレリオ・アニョーリ(イタリア、リクイガス)やエマヌエーレ・セッラ(イタリア、カルミオオーロ・NGC)を含むこの強力な逃げグループは、メイン集団とのタイム差を広げつつ、雪の積もるロッレ峠頂上を通過した。
しかしリーダージャージ擁するアスタナを中心とした集団コントロールによって、タイム差は3分以上に広がらず。結局ガルゼッリらの逃げグループは、ゴール28km手前から始まるヴィゴロ・ヴァッタロの上り(カテゴリー無し)で吸収された。
逃げを吸収した集団は再び活性化し、このヴィゴロ・ヴァッタロでアレッサンドロ・ベルトリーニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)、ヨハン・チョップ(スイス、Bboxブイグテレコム)、エゴール・シリン(ロシア、カチューシャ)の3名がアタックを成功させる。
メイン集団では、ヴィゴロ・ヴァッタロでステージ優勝候補のアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ)が脱落。先頭では、下り区間でチョップとシリンを引き離したベルトリーニが独走を開始した。
ベルトリーニ独走。チョップとシリンを飲み込んだメイン集団には、ペタッキが追いついて本格的な追撃開始。ラスト10kmでタイム差40秒。ラスト3kmでタイム差30秒。トレント市内の平坦コースを逃げ続けるベルトリーニは、14秒のリードを保ったままラスト1kmのアーチを通過した。
トレントの歓声に包まれる中、ベルトリーニが逃げ切った。後方からスプリント体勢で迫り来る大集団を振り切って、ベルトリーニが独走のままゴール。僅か2秒届かなかったメイン集団は、下馬評通りペタッキを先頭にゴールした。
「この喜びは言葉では表現出来ない!キャリアの最後に地元で優勝を飾るなんて最高だ。(2年前に)ジロ・デ・イタリアでステージ優勝も達成したし、これ以上の結果は無いよ」。ベルトリーニはこの日のゴール地点トレントから僅か20km南に位置するロヴェレート出身。1971年生まれの38歳が、地元で渾身の独走勝利を飾った。
メイン集団は73名でゴール。新城幸也はステージ20位で第3ステージを終えた。総合上位陣も集団内でゴールしたため総合成績に変動は無く、アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)が総合リーダージャージを守っている。
ジロ・デル・トレンティーノは翌第4ステージで千秋楽を迎える。最終ステージは1級山岳アルペ・ディ・パンペアーゴ(標高1757m・平均勾配10.1%)にゴールする難関山岳コースだ。
スタート地点はジルベルト・シモーニ(イタリア、ランプレ)がプロ初勝利を挙げた場所。そして、ゴール地点のパンペアーゴは、2003年のジロでシモーニがマリアローザを着てステージ優勝を飾り、2度目の総合優勝を決定づけた難関山岳。ジロを前に、激しい山岳バトルが繰り広げられることになりそうだ。
レース展開や選手コメントはレース公式サイトより。
ジロ・デル・トレンティーノ2010第3ステージ結果
1位 アレッサンドロ・ベルトリーニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ) 4h02'04"
2位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ) +02"
3位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)
4位 ミルコ・ロレンツェット(イタリア、ランプレ)
5位 サイモン・クラーク(オーストラリア、ISD・ネーリ)
6位 ミカイロ・カリロフ(ウクライナ、カチューシャ)
7位 ダニエーレ・ラット(イタリア、カルミオオーロ・NGC)
8位 ダニエル・オス(イタリア、リクイガス)
9位 サイモン・ゲスク(ドイツ、スキル・シマノ)
10位 クシシュトフ・シュザヴィンスキ(ポーランド、ミケ)
20位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)
個人総合成績
1位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ) 9h05'06"
2位 リカルド・リッコ(イタリア、チェラミカ・フラミニア) +26"
3位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ) +29"
4位 イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス) +37"
5位 ホセ・セルパ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトーリ) +38"
6位 エフゲニー・ペトロフ(ロシア、カチューシャ) +55"
7位 タディ・ヴァリャベッチ(スロベニア、アージェードゥーゼル) +1'06"
8位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、リクイガス) +1'07"
9位 ウラディミール・ミホロヴィッチ(クロアチア、アックア・エ・サポーネ) +1'10"
10位 トマシュ・ノゼ(スロベニア、アドリア・モビル) +1'12"
82位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム) +20'38"
新人賞
ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)
チーム総合成績
アンドローニ・ジョカトーリ
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, www.girodeltrentino.com
この日は、前日のゴール地点である1級山岳を再び上り、サンマルティーノ・ディ・カストロッツァを通過して更に標高1984mの1級山岳ロッレ峠に向かう。残りは短い上りが数カ所登場するだけの“トレンティーノの中では難易度の低い”山岳ステージ。集団スプリントが予想された。
レースは序盤の1級山岳ロッレ峠で動いた。平均勾配6%のこの上りで飛び出したのは、前日に大きく遅れて総合争いから脱落したステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)ら10名。
ヴァレリオ・アニョーリ(イタリア、リクイガス)やエマヌエーレ・セッラ(イタリア、カルミオオーロ・NGC)を含むこの強力な逃げグループは、メイン集団とのタイム差を広げつつ、雪の積もるロッレ峠頂上を通過した。
しかしリーダージャージ擁するアスタナを中心とした集団コントロールによって、タイム差は3分以上に広がらず。結局ガルゼッリらの逃げグループは、ゴール28km手前から始まるヴィゴロ・ヴァッタロの上り(カテゴリー無し)で吸収された。
逃げを吸収した集団は再び活性化し、このヴィゴロ・ヴァッタロでアレッサンドロ・ベルトリーニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)、ヨハン・チョップ(スイス、Bboxブイグテレコム)、エゴール・シリン(ロシア、カチューシャ)の3名がアタックを成功させる。
メイン集団では、ヴィゴロ・ヴァッタロでステージ優勝候補のアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ)が脱落。先頭では、下り区間でチョップとシリンを引き離したベルトリーニが独走を開始した。
ベルトリーニ独走。チョップとシリンを飲み込んだメイン集団には、ペタッキが追いついて本格的な追撃開始。ラスト10kmでタイム差40秒。ラスト3kmでタイム差30秒。トレント市内の平坦コースを逃げ続けるベルトリーニは、14秒のリードを保ったままラスト1kmのアーチを通過した。
トレントの歓声に包まれる中、ベルトリーニが逃げ切った。後方からスプリント体勢で迫り来る大集団を振り切って、ベルトリーニが独走のままゴール。僅か2秒届かなかったメイン集団は、下馬評通りペタッキを先頭にゴールした。
「この喜びは言葉では表現出来ない!キャリアの最後に地元で優勝を飾るなんて最高だ。(2年前に)ジロ・デ・イタリアでステージ優勝も達成したし、これ以上の結果は無いよ」。ベルトリーニはこの日のゴール地点トレントから僅か20km南に位置するロヴェレート出身。1971年生まれの38歳が、地元で渾身の独走勝利を飾った。
メイン集団は73名でゴール。新城幸也はステージ20位で第3ステージを終えた。総合上位陣も集団内でゴールしたため総合成績に変動は無く、アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)が総合リーダージャージを守っている。
ジロ・デル・トレンティーノは翌第4ステージで千秋楽を迎える。最終ステージは1級山岳アルペ・ディ・パンペアーゴ(標高1757m・平均勾配10.1%)にゴールする難関山岳コースだ。
スタート地点はジルベルト・シモーニ(イタリア、ランプレ)がプロ初勝利を挙げた場所。そして、ゴール地点のパンペアーゴは、2003年のジロでシモーニがマリアローザを着てステージ優勝を飾り、2度目の総合優勝を決定づけた難関山岳。ジロを前に、激しい山岳バトルが繰り広げられることになりそうだ。
レース展開や選手コメントはレース公式サイトより。
ジロ・デル・トレンティーノ2010第3ステージ結果
1位 アレッサンドロ・ベルトリーニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ) 4h02'04"
2位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ) +02"
3位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)
4位 ミルコ・ロレンツェット(イタリア、ランプレ)
5位 サイモン・クラーク(オーストラリア、ISD・ネーリ)
6位 ミカイロ・カリロフ(ウクライナ、カチューシャ)
7位 ダニエーレ・ラット(イタリア、カルミオオーロ・NGC)
8位 ダニエル・オス(イタリア、リクイガス)
9位 サイモン・ゲスク(ドイツ、スキル・シマノ)
10位 クシシュトフ・シュザヴィンスキ(ポーランド、ミケ)
20位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)
個人総合成績
1位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ) 9h05'06"
2位 リカルド・リッコ(イタリア、チェラミカ・フラミニア) +26"
3位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ) +29"
4位 イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス) +37"
5位 ホセ・セルパ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトーリ) +38"
6位 エフゲニー・ペトロフ(ロシア、カチューシャ) +55"
7位 タディ・ヴァリャベッチ(スロベニア、アージェードゥーゼル) +1'06"
8位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、リクイガス) +1'07"
9位 ウラディミール・ミホロヴィッチ(クロアチア、アックア・エ・サポーネ) +1'10"
10位 トマシュ・ノゼ(スロベニア、アドリア・モビル) +1'12"
82位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム) +20'38"
新人賞
ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)
チーム総合成績
アンドローニ・ジョカトーリ
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, www.girodeltrentino.com
フォトギャラリー