2010/04/20(火) - 00:08
全員が辻貴光(CIELVO NARA PRO CYCLINGTEAM)をマークしたレースは集団ゴールへ。最終コーナーを4番手で抜けた辻はゴール直前で先行する選手をかわして優勝。これで実業団レース2戦2勝だ。
春と秋に行われる舞洲クリテ。4月18日(日)、大阪市の舞洲スポーツアイランドで実業団クリテリウムin舞洲が行われた。当日は実業団のBR-1・ER・FRとともに大阪府車連が主催するレースも行われ、好天のもとたくさんのサイクリストでにぎわった。
コースは完全フラットの1周880mのオーバルコース。午後になるにつれてバック側が向かい風、ゴール付近が追い風になる。会場のどこにいてもレースの全体が見渡せ、市民レースや未就学児対象のミルキーレースもあるので、家族連れで参戦に来た人たちが多い。
頂上決戦のJCFエリート&U23
午前中は実業団のERとBR-1の予選が行われた。昼にJCF登録のレースがあり、TRクラス選手や実業団で予選落ちした選手が当日参加で大勢参戦した。
なかでも注目はエリート&U23クラス。マトリックスパワータグ・コラテックの向川尚樹、澤田賢匠、小牧裕也の3人が参加、さらに岡崎陽介(トラクターRC)ら強豪が加わり、ある意味この日の頂上決戦だ。
スタートからこれら選手が積極的にアタック、マトリックスら5人の逃げにメイン集団から単独追いついた岡崎を加えた逃げグループが差を広げる。さらにそこから岡崎がアタック、向川と2人で逃げる。ゴールはさすがに向川が取るが、岡崎の積極性が光った。小牧は3着になり、U23で1位となった。
JCFジュニアは中武三四郎(城東工科高)が序盤から独走して逃げ切り優勝。力の差を見せ付けた。後続は愛媛から参加の松山工業高校勢が積極的に走った。
JCFマスターは松井久(ペダル)と山本浩史(ペダル)の元シマノレーシング2人が積極的に展開、後半に松井が単独で飛び出し、そのまま逃げ切って優勝。山本もメイン集団の頭でワン・ツーを飾った。
FRは豊岡英子が圧勝
午後からは実業団の決勝が行われた。
FRは遠征の続いた豊岡英子(パナソニックレディース)が参戦。福本千佳(Ready Go JAPAN)や現リーダージャージの西塚優美(SQUADRA CORSA cicli HIDE)が善戦するが、豊岡は中間4回のポイントを全て1位通過で圧倒。中盤も2度にわたって大きく逃げて、集団ゴールになったが余裕で優勝。
優勝の豊岡「今日は自分のレースをしようと思いました。ポイント周回で逃げようと思いましたがなかなか逃げられなかったですね」
先に行われたUAEでのアジア選手権ロードは「集団スプリントにしたくなかった。何十回と日本勢でアタックしたけど決まらず、萩原(麻由子)と私はマークされて、チャンスはむしろ牧瀬(翼)と上野(みなみ)にあったのですが」と悔しがる。
「今年の一番の目標は全日本ロードです。そしてその先、できれば世界戦に出たいです」と語る。
ERは序盤から数人のアタックが続くが成功せず、集団基調で展開。大集団ゴールを制したのは寺崎嘉彦(バルバクラブ)。
全員が辻貴光をマークしたBR-1
平地の猛者たちが揃ったBR-1は40名でスタート。注目は館山ロードで優勝の辻貴光(CIELVO NARA PRO CYCLINGTEAM)だ。チームではクラブシルベストが8人、Tacurino.netが3人と優勢。
序盤からアタックの応酬でスタート。5周ごとのポイントは川本憲一(ベロチスタタニムラ)が優位に進める。中盤に西山知宏(Tacurino.net)、佐野伸弥(MINOURA大垣レーシング)、山崎敏正(クラブシルベスト)ら有力8人が逃げるが後半に吸収、振り出しに。ここから再びアタック合戦に。西山、小渡健悟(Tacurino.net)、山崎、岡崎、高塚亮輔(spacebikes.com)らが積極的に動く。
これらアタックは逃げを作るには至らず集団のままラスト1周へ。バックストレートから最終第4コーナーの先頭は山崎。直線に入ってから佐野が伸びるが、ゴール手前100mで佐野の背後から抜け出した辻がこれをかわして優勝。
その辻はこう語る。「今回はテレビの収録があり、絶対に勝たないといけなかったので昨夜から眠れないほど緊張しました。レースでは岡崎選手が強かったですね。佐野選手は知っているので対処のしようがありましたが。今日は展開を読むのが難しかったです。逃げはできてもペースそのものは速くなかったので気にはしていなかったです。最後は願っていた集団ゴールで、佐野選手との距離を測ってしかけました」ギリギリに見えたゴール勝負も余裕だったようだ。
「館山ロードでBR-1のレベルの高さを知って逆に気合が入りました。みんな強かったですから。今は自分が勝たなければいけないというプレッシャーがあるのがいいのかもしれません。自分がやらねば、というキャプテンをしていた学生時代のような気持ちですね。勝ったらみんなが喜んでくれて、チームを作ってよかったと思います。次のレースは群馬カップで、翌25日は奈良の花吉野クリテリウムです」
結果
BR-1 30.8km
1位 辻貴光(CIELVO NARA PRO CYCLINGTEAM)41分47秒
2位 佐野伸弥(MINOURA大垣レーシング)
3位 高塚亮輔(spacebikes.com)
4位 山崎敏正(クラブシルベスト)
5位 西山知宏(Tacurino.net)
6位 野田明宏(Teamまるいちエヴァディオ)
FR 22km
1位 豊岡英子(パナソニックレディース)34分04秒
2位 西塚優美(SQUADRA CORSA cicli HIDE)
3位 堀記理子(クラブシルベスト)
ER 26.4km
1位 寺崎嘉彦(バルバクラブ)37分28秒
2位 村田憲治(Tacurino.net)
3位 田嶋政志(BREZZAカミハギRT)+1秒
4位 塩貝哲夫(ナカガワAS.K'デザイン)
5位 三木俊克(グランデパール播磨)
6位 北村博則(masahikomifune.comCyclngteam)
JCFエリート 22.0km
1位 向川尚樹(マトリックスパワータグ・コラテック)30分12秒57
2位 岡崎陽介(トラクターRC)
3位 クリストバル・ヴィヴェロス(トラクターRC)+21秒
JCF U23 22.0km(エリートと同時出走)
1位 小牧裕也(マトリックスパワータグ・コラテック)30分32秒90
2位 藤岡克磨(チームパールイズミ)+01秒
3位 澤田賢匠(マトリックスパワータグ・コラテック)+03秒
JCFジュニア
1位 中武三四郎(城東工科高)25分28秒09
2位 日野林雄大(松山工業高)+10秒
3位 福田智仁(クラブシルベスト)+11秒
JCFマスター 19.4km
1位 松井久(ペダル)27分32秒08
2位 山本浩史(ペダル)+15秒
3位 猪又靖(クラブシルベスト)
photo&text:高木秀彰
春と秋に行われる舞洲クリテ。4月18日(日)、大阪市の舞洲スポーツアイランドで実業団クリテリウムin舞洲が行われた。当日は実業団のBR-1・ER・FRとともに大阪府車連が主催するレースも行われ、好天のもとたくさんのサイクリストでにぎわった。
コースは完全フラットの1周880mのオーバルコース。午後になるにつれてバック側が向かい風、ゴール付近が追い風になる。会場のどこにいてもレースの全体が見渡せ、市民レースや未就学児対象のミルキーレースもあるので、家族連れで参戦に来た人たちが多い。
頂上決戦のJCFエリート&U23
午前中は実業団のERとBR-1の予選が行われた。昼にJCF登録のレースがあり、TRクラス選手や実業団で予選落ちした選手が当日参加で大勢参戦した。
なかでも注目はエリート&U23クラス。マトリックスパワータグ・コラテックの向川尚樹、澤田賢匠、小牧裕也の3人が参加、さらに岡崎陽介(トラクターRC)ら強豪が加わり、ある意味この日の頂上決戦だ。
スタートからこれら選手が積極的にアタック、マトリックスら5人の逃げにメイン集団から単独追いついた岡崎を加えた逃げグループが差を広げる。さらにそこから岡崎がアタック、向川と2人で逃げる。ゴールはさすがに向川が取るが、岡崎の積極性が光った。小牧は3着になり、U23で1位となった。
JCFジュニアは中武三四郎(城東工科高)が序盤から独走して逃げ切り優勝。力の差を見せ付けた。後続は愛媛から参加の松山工業高校勢が積極的に走った。
JCFマスターは松井久(ペダル)と山本浩史(ペダル)の元シマノレーシング2人が積極的に展開、後半に松井が単独で飛び出し、そのまま逃げ切って優勝。山本もメイン集団の頭でワン・ツーを飾った。
FRは豊岡英子が圧勝
午後からは実業団の決勝が行われた。
FRは遠征の続いた豊岡英子(パナソニックレディース)が参戦。福本千佳(Ready Go JAPAN)や現リーダージャージの西塚優美(SQUADRA CORSA cicli HIDE)が善戦するが、豊岡は中間4回のポイントを全て1位通過で圧倒。中盤も2度にわたって大きく逃げて、集団ゴールになったが余裕で優勝。
優勝の豊岡「今日は自分のレースをしようと思いました。ポイント周回で逃げようと思いましたがなかなか逃げられなかったですね」
先に行われたUAEでのアジア選手権ロードは「集団スプリントにしたくなかった。何十回と日本勢でアタックしたけど決まらず、萩原(麻由子)と私はマークされて、チャンスはむしろ牧瀬(翼)と上野(みなみ)にあったのですが」と悔しがる。
「今年の一番の目標は全日本ロードです。そしてその先、できれば世界戦に出たいです」と語る。
ERは序盤から数人のアタックが続くが成功せず、集団基調で展開。大集団ゴールを制したのは寺崎嘉彦(バルバクラブ)。
全員が辻貴光をマークしたBR-1
平地の猛者たちが揃ったBR-1は40名でスタート。注目は館山ロードで優勝の辻貴光(CIELVO NARA PRO CYCLINGTEAM)だ。チームではクラブシルベストが8人、Tacurino.netが3人と優勢。
序盤からアタックの応酬でスタート。5周ごとのポイントは川本憲一(ベロチスタタニムラ)が優位に進める。中盤に西山知宏(Tacurino.net)、佐野伸弥(MINOURA大垣レーシング)、山崎敏正(クラブシルベスト)ら有力8人が逃げるが後半に吸収、振り出しに。ここから再びアタック合戦に。西山、小渡健悟(Tacurino.net)、山崎、岡崎、高塚亮輔(spacebikes.com)らが積極的に動く。
これらアタックは逃げを作るには至らず集団のままラスト1周へ。バックストレートから最終第4コーナーの先頭は山崎。直線に入ってから佐野が伸びるが、ゴール手前100mで佐野の背後から抜け出した辻がこれをかわして優勝。
その辻はこう語る。「今回はテレビの収録があり、絶対に勝たないといけなかったので昨夜から眠れないほど緊張しました。レースでは岡崎選手が強かったですね。佐野選手は知っているので対処のしようがありましたが。今日は展開を読むのが難しかったです。逃げはできてもペースそのものは速くなかったので気にはしていなかったです。最後は願っていた集団ゴールで、佐野選手との距離を測ってしかけました」ギリギリに見えたゴール勝負も余裕だったようだ。
「館山ロードでBR-1のレベルの高さを知って逆に気合が入りました。みんな強かったですから。今は自分が勝たなければいけないというプレッシャーがあるのがいいのかもしれません。自分がやらねば、というキャプテンをしていた学生時代のような気持ちですね。勝ったらみんなが喜んでくれて、チームを作ってよかったと思います。次のレースは群馬カップで、翌25日は奈良の花吉野クリテリウムです」
結果
BR-1 30.8km
1位 辻貴光(CIELVO NARA PRO CYCLINGTEAM)41分47秒
2位 佐野伸弥(MINOURA大垣レーシング)
3位 高塚亮輔(spacebikes.com)
4位 山崎敏正(クラブシルベスト)
5位 西山知宏(Tacurino.net)
6位 野田明宏(Teamまるいちエヴァディオ)
FR 22km
1位 豊岡英子(パナソニックレディース)34分04秒
2位 西塚優美(SQUADRA CORSA cicli HIDE)
3位 堀記理子(クラブシルベスト)
ER 26.4km
1位 寺崎嘉彦(バルバクラブ)37分28秒
2位 村田憲治(Tacurino.net)
3位 田嶋政志(BREZZAカミハギRT)+1秒
4位 塩貝哲夫(ナカガワAS.K'デザイン)
5位 三木俊克(グランデパール播磨)
6位 北村博則(masahikomifune.comCyclngteam)
JCFエリート 22.0km
1位 向川尚樹(マトリックスパワータグ・コラテック)30分12秒57
2位 岡崎陽介(トラクターRC)
3位 クリストバル・ヴィヴェロス(トラクターRC)+21秒
JCF U23 22.0km(エリートと同時出走)
1位 小牧裕也(マトリックスパワータグ・コラテック)30分32秒90
2位 藤岡克磨(チームパールイズミ)+01秒
3位 澤田賢匠(マトリックスパワータグ・コラテック)+03秒
JCFジュニア
1位 中武三四郎(城東工科高)25分28秒09
2位 日野林雄大(松山工業高)+10秒
3位 福田智仁(クラブシルベスト)+11秒
JCFマスター 19.4km
1位 松井久(ペダル)27分32秒08
2位 山本浩史(ペダル)+15秒
3位 猪又靖(クラブシルベスト)
photo&text:高木秀彰
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