2019/06/13(木) - 09:08
元シクロクロス世界チャンピオンのスピードが炸裂。クリテリウム・デュ・ドーフィネ第4ステージの26.1km個人タイムトライアルでワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィズマ)が優勝した。フルームが落車負傷で姿を消す中、アダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)が総合首位に立っている。
ステージ優勝に輝いたワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) photo:A.S.O.
クリテリウム・デュ・ドーフィネ2019第4ステージ photo:A.S.O.
クリテリウム・デュ・ドーフィネ2019第4ステージ photo:A.S.O.
コース試走中に3度の総合優勝者クリストファー・フルーム(イギリス、チームイネオス)が落車して大腿骨と肘、肋骨を骨折したことは既報の通り。フルームのツール・ド・フランス欠場が確定するというバッドニュースにツール前哨戦クリテリウム・デュ・ドーフィネは揺れた。フルームは2018年ジロ・デ・イタリア初日の第1ステージ個人タイムトライアルの試走中にも落車し、右半身に擦過傷と打撲を負っている。
総合優勝候補フルームが姿を消したドーフィネ。第4ステージはロアンヌの街を発着する26.1kmの個人タイムトライアルで、中盤にサンタンドレ=ダプションの登り(距離2.3km/平均8%)が設定されている。時間にして30分強の高強度走行でパワーを遺憾なく発揮したのは、2016年から3年連続でシクロクロス世界チャンピオンに輝いているワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)だった。
緑色のポイント賞ジャージを着るファンアールトは、サンタンドレ=ダプションの登りを6分10秒、平均スピード21.6km/hで駆け上がり、その頂上からフィニッシュまで平均スピード60km/hで走破。ステージ全体の平均スピードは46.561km/hに達している。ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、EFエデュケーションファースト)やトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)も好走したが、それぞれファンアールトに31秒、47秒届かなかった。デュムランはジロでの怪我から復調に向かっていることをアピールしている。
47秒差のステージ3位に入ったトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) photo:CorVos
ステージ4位/47秒差のステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) photo:CorVos
2019年、ファンアールトは2月にシクロクロスシーズンに区切りをつけると、3月2日のオンループ・ヘットニュースブラッドに出場して13位、以降、UCIワールドツアーレースだけに絞って出場を続け、ストラーデビアンケ3位、ミラノ〜サンレモ6位、E3ビンクバンククラシック2位、ヘント〜ウェヴェルヘム29位、ロンド・ファン・フラーンデレン14位、パリ〜ルーベ22位、アムステルゴールドレース58位という成績を残してきた。
このドーフィネでは初日の第1ステージ3位に入ると、第3ステージの集団スプリントで2位。第2ステージで2分近く遅れたため総合成績を下げたが、この日の勝利で総合9位に返り咲いている。UCIワールドツアーレース初勝利を飾ったファンアールトは「素晴らしい勝利だ。TT能力の改善に取り組んできたけど、勝てるとは思っていなかった。長い直線と登りを含むコースは自分向きだったよ。TTを得意とするチームのおかげで力を伸ばすことができている。ユンボ・ヴィズマのジャージで走る最初のTTで勝利。しかもUCIワールドツアー。これ以上美しいものはないよ」とコメント。ファンアールトは7月のツールに初出場する予定。アムステルゴールドレースを制した現シクロクロス世界チャンピオンで同年代のマチュー・ファンデルプール(オランダ)とともに、ロードレースにシクロクロス旋風を巻き起こしている。
最終走者ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ)はステージ14位/1分24秒差 photo:A.S.O.
ステージ6位/56秒差のアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) photo:A.S.O.
ステージ9位/1分07秒差のヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) photo:A.S.O.
最終走者ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ)はステージ14位に食い込む走りを見せたものの、ステージ6位に入ったアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)が総合首位の座を奪取。イェーツの他にもステージ2位ヴァンガーデレンやステージ4位ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)、ステージ5位エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)らが総合順位を上げる結果に。
リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)やティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)がイェーツとのタイム差を30秒以内に抑えるまずまずの結果を残した一方で、ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)やダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ)、ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)は総合タイムを失っている。
トゥーンスに4秒差をつけてマイヨジョーヌに袖を通したイェーツは「全力を尽くした結果だ。自分向きのコースだったと思う。得意ではない長い直線はとにかく頭を下げて走って、登りを全開で走った」とコメント。総合タイム差1分以内に12名がひしめく状態であり、後半の山岳ステージでは熾烈なバトルが予想される。「明日はスプリンターのステージなので他のチームがコントロールすると思う。マイヨジョーヌを最後まで守ることは大きなタスク。トリッキーな戦いになるに違いない。山岳ステージで状況を完全にコントロールするのは難しいと思う」。
ポイント賞とヤングライダー賞でトップのワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) photo:A.S.O.
マイヨジョーヌに袖を通したアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) photo:A.S.O.
ステージ11位/1分19秒差 リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード) photo:A.S.O.
ステージ18位/1分36秒差のナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:A.S.O.
ステージ27位/1分52秒差のロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール) photo:A.S.O.
ステージ71位に沈んだギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・グループゴベール) photo:A.S.O.



コース試走中に3度の総合優勝者クリストファー・フルーム(イギリス、チームイネオス)が落車して大腿骨と肘、肋骨を骨折したことは既報の通り。フルームのツール・ド・フランス欠場が確定するというバッドニュースにツール前哨戦クリテリウム・デュ・ドーフィネは揺れた。フルームは2018年ジロ・デ・イタリア初日の第1ステージ個人タイムトライアルの試走中にも落車し、右半身に擦過傷と打撲を負っている。
総合優勝候補フルームが姿を消したドーフィネ。第4ステージはロアンヌの街を発着する26.1kmの個人タイムトライアルで、中盤にサンタンドレ=ダプションの登り(距離2.3km/平均8%)が設定されている。時間にして30分強の高強度走行でパワーを遺憾なく発揮したのは、2016年から3年連続でシクロクロス世界チャンピオンに輝いているワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)だった。
緑色のポイント賞ジャージを着るファンアールトは、サンタンドレ=ダプションの登りを6分10秒、平均スピード21.6km/hで駆け上がり、その頂上からフィニッシュまで平均スピード60km/hで走破。ステージ全体の平均スピードは46.561km/hに達している。ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、EFエデュケーションファースト)やトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)も好走したが、それぞれファンアールトに31秒、47秒届かなかった。デュムランはジロでの怪我から復調に向かっていることをアピールしている。


2019年、ファンアールトは2月にシクロクロスシーズンに区切りをつけると、3月2日のオンループ・ヘットニュースブラッドに出場して13位、以降、UCIワールドツアーレースだけに絞って出場を続け、ストラーデビアンケ3位、ミラノ〜サンレモ6位、E3ビンクバンククラシック2位、ヘント〜ウェヴェルヘム29位、ロンド・ファン・フラーンデレン14位、パリ〜ルーベ22位、アムステルゴールドレース58位という成績を残してきた。
このドーフィネでは初日の第1ステージ3位に入ると、第3ステージの集団スプリントで2位。第2ステージで2分近く遅れたため総合成績を下げたが、この日の勝利で総合9位に返り咲いている。UCIワールドツアーレース初勝利を飾ったファンアールトは「素晴らしい勝利だ。TT能力の改善に取り組んできたけど、勝てるとは思っていなかった。長い直線と登りを含むコースは自分向きだったよ。TTを得意とするチームのおかげで力を伸ばすことができている。ユンボ・ヴィズマのジャージで走る最初のTTで勝利。しかもUCIワールドツアー。これ以上美しいものはないよ」とコメント。ファンアールトは7月のツールに初出場する予定。アムステルゴールドレースを制した現シクロクロス世界チャンピオンで同年代のマチュー・ファンデルプール(オランダ)とともに、ロードレースにシクロクロス旋風を巻き起こしている。



最終走者ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ)はステージ14位に食い込む走りを見せたものの、ステージ6位に入ったアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)が総合首位の座を奪取。イェーツの他にもステージ2位ヴァンガーデレンやステージ4位ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)、ステージ5位エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)らが総合順位を上げる結果に。
リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)やティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)がイェーツとのタイム差を30秒以内に抑えるまずまずの結果を残した一方で、ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)やダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ)、ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)は総合タイムを失っている。
トゥーンスに4秒差をつけてマイヨジョーヌに袖を通したイェーツは「全力を尽くした結果だ。自分向きのコースだったと思う。得意ではない長い直線はとにかく頭を下げて走って、登りを全開で走った」とコメント。総合タイム差1分以内に12名がひしめく状態であり、後半の山岳ステージでは熾烈なバトルが予想される。「明日はスプリンターのステージなので他のチームがコントロールすると思う。マイヨジョーヌを最後まで守ることは大きなタスク。トリッキーな戦いになるに違いない。山岳ステージで状況を完全にコントロールするのは難しいと思う」。






クリテリウム・デュ・ドーフィネ2019第4ステージ結果
1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) | 0:33:38 |
2位 | ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、EFエデュケーションファースト) | 0:00:31 |
3位 | トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) | 0:00:47 |
4位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 0:00:49 |
5位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:01 |
6位 | アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 0:00:56 |
7位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:00:59 |
8位 | ニルス・ポリッツ(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) | 0:01:05 |
9位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | 0:01:07 |
10位 | レミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:01:10 |
11位 | リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード) | 0:01:19 |
12位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | 0:01:21 |
14位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ) | 0:01:24 |
17位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | 0:01:30 |
18位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | 0:01:36 |
19位 | ワウト・プールス(オランダ、チームイネオス) | |
20位 | ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ) | 0:01:38 |
27位 | ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール) | 0:01:52 |
71位 | ギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・グループゴベール) | 0:03:16 |
個人総合成績
1位 | アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 12:27:26 |
2位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ) | 0:00:04 |
3位 | ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、EFエデュケーションファースト) | 0:00:06 |
4位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | 0:00:07 |
5位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 0:00:24 |
6位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | 0:00:25 |
7位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:26 |
8位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | 0:00:30 |
9位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) | |
10位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | 0:00:40 |
ポイント賞
1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) | 57pts |
2位 | エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) | 39pts |
3位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | 38pts |
山岳賞
1位 | カスパー・ピーダスン(デンマーク、サンウェブ) | 18pts |
2位 | マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ) | 13pts |
3位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 12pts |
ヤングライダー賞
1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) | 12:27:56 |
2位 | ニルス・ポリッツ(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) | 0:01:14 |
3位 | ビョルグ・ランブレヒト(ベルギー、ロット・スーダル) | 0:02:15 |
チーム総合成績
1位 | EFエデュケーションファースト | 37:25:36 |
2位 | アスタナ | 0:00:14 |
3位 | ミッチェルトン・スコット | 0:01:04 |
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