2010/04/16(金) - 20:20
今年チームスカイに移籍したサイモン・ジェランスは、3つのグランツール全てでステージ優勝経験がある唯一のオーストラリア人。シーズン前半の目標に掲げるアルデンヌ・クラシックで、ジェランスは1983年以来27年ぶりとなるオージーウィンを目指している。
昨年のジェランスのシーズン通算勝利数は3勝。数字だけを見ると特に何とも思わないが、その内容は実に濃い。ジロ・デ・イタリアでのステージ優勝に始まり、ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ優勝、更にはプロツアーレースのGPウエストフランス・プルエーで優勝を飾った。
ジェランスは2008年のツール・ド・フランスでステージ優勝を経験しており、グランツール全戦でステージ優勝を達成。これはオーストラリア人初の快挙だ。
ジェランスが次に目指すのは、アムステル・ゴールドレース(4月18日)、フレーシュ・ワロンヌ(4月21日)、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ(4月25日)の三連戦、いわゆるアルデンヌ・クラシックだ。
フィル・アンダーソンがフレーシュ・ワロンヌで勝ったのは1983年。それ以来、オーストラリア人は誰一人としてアルデンヌで勝っていない。昨年サーヴェロ・テストチームに所属していたジェランスは、アムステル、フレーシュ、リエージュの全てでトップ10フィニッシュを果たした。もう勝つ準備は出来ている。ではどのレースで勝てる?
「もちろんチャンスがあればどのレースでも良いよ!!」ベルギーで行なわれたブラバンツ・ペイルの朝、ジェランスはそう語った。
「アルデンヌの3戦はどれも厳しい。正直言うと、まだ昨年と比べてコンディションがいいのかどうか分からないんだ。まずはアムステル。そこでダメならフレーシュで勝利を狙う。そこでもダメならリエージュだ」。
「他の2戦と比べるとアムステルが一番自分向きかも知れない。でも昨年はリエージュが一番成績が良かった」。
昨年のリエージュで、アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)はゴール18km手前のラ・ロッシュ・オ・フォーコンでアタックを成功させた。ジェランスは追走グループの中で走り、6位という好成績でアルデンヌを闘い終えた。
今年のチームスカイは強力だ。ブラドレー・ウィギンズ(イギリス)やトーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン)がジェランスとともにエースを張る。
「チームにはエース格の選手が揃っている。トーマス・ロヴクヴィストもアルデンヌが得意なオールラウンダー。チームスカイは上位に何人も選手を送り込める戦力を秘めている。連続する上りで集団が縮小するようなサバイバルレースではチームの戦力が重要なんだ」。
先週、ジェランスはウィギンズとロヴクヴィストとともにブエルタ・アル・パイスバスコに出場した。
「毎年パイスバスコでは成績を期待していない。今年も次のレースに繋がる準備レースとして出場したんだ。パイスバスコ前に出場したクリテリウム・アンテルナシオナルでは、第2ステージで落車してしまった。左側に倒れて地面を滑り、後方からは他の選手が突っ込んで来た。その影響で少しトレーニング時間が減って、レース出場も減ってしまった。でもそのトラブルを除いて、今シーズンは予定通りのスケジュールをこなせているよ」。
今年のアルデンヌ・クラシックでは、ブラックジャージを着たオージーの走りに注目してもらいたい。
text:Gregor Brown
photo:Cor Vos, Kei Tsuji
translation:Kei Tsuji
Gregor.Brown (グレゴー・ブラウン)
イタリア・レッコ在住のアメリカ人プロサイクリング・ジャーナリスト。2005、2006年ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランス、春のクラシック等で綾野 真(シクロワイアード編集長/フォトジャーナリスト)に帯同し、取材活動を行う。2007年よりサイクリングニュース(イギリス)の主筆ジャーナリストとして活躍後、フリーランスに。2009年12月よりシクロワイアード契約ジャーナリストとなる。今後、主にイタリア・英語圏プロサイクリングメディアに活動の舞台を移す。
昨年のジェランスのシーズン通算勝利数は3勝。数字だけを見ると特に何とも思わないが、その内容は実に濃い。ジロ・デ・イタリアでのステージ優勝に始まり、ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ優勝、更にはプロツアーレースのGPウエストフランス・プルエーで優勝を飾った。
ジェランスは2008年のツール・ド・フランスでステージ優勝を経験しており、グランツール全戦でステージ優勝を達成。これはオーストラリア人初の快挙だ。
ジェランスが次に目指すのは、アムステル・ゴールドレース(4月18日)、フレーシュ・ワロンヌ(4月21日)、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ(4月25日)の三連戦、いわゆるアルデンヌ・クラシックだ。
フィル・アンダーソンがフレーシュ・ワロンヌで勝ったのは1983年。それ以来、オーストラリア人は誰一人としてアルデンヌで勝っていない。昨年サーヴェロ・テストチームに所属していたジェランスは、アムステル、フレーシュ、リエージュの全てでトップ10フィニッシュを果たした。もう勝つ準備は出来ている。ではどのレースで勝てる?
「もちろんチャンスがあればどのレースでも良いよ!!」ベルギーで行なわれたブラバンツ・ペイルの朝、ジェランスはそう語った。
「アルデンヌの3戦はどれも厳しい。正直言うと、まだ昨年と比べてコンディションがいいのかどうか分からないんだ。まずはアムステル。そこでダメならフレーシュで勝利を狙う。そこでもダメならリエージュだ」。
「他の2戦と比べるとアムステルが一番自分向きかも知れない。でも昨年はリエージュが一番成績が良かった」。
昨年のリエージュで、アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)はゴール18km手前のラ・ロッシュ・オ・フォーコンでアタックを成功させた。ジェランスは追走グループの中で走り、6位という好成績でアルデンヌを闘い終えた。
今年のチームスカイは強力だ。ブラドレー・ウィギンズ(イギリス)やトーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン)がジェランスとともにエースを張る。
「チームにはエース格の選手が揃っている。トーマス・ロヴクヴィストもアルデンヌが得意なオールラウンダー。チームスカイは上位に何人も選手を送り込める戦力を秘めている。連続する上りで集団が縮小するようなサバイバルレースではチームの戦力が重要なんだ」。
先週、ジェランスはウィギンズとロヴクヴィストとともにブエルタ・アル・パイスバスコに出場した。
「毎年パイスバスコでは成績を期待していない。今年も次のレースに繋がる準備レースとして出場したんだ。パイスバスコ前に出場したクリテリウム・アンテルナシオナルでは、第2ステージで落車してしまった。左側に倒れて地面を滑り、後方からは他の選手が突っ込んで来た。その影響で少しトレーニング時間が減って、レース出場も減ってしまった。でもそのトラブルを除いて、今シーズンは予定通りのスケジュールをこなせているよ」。
今年のアルデンヌ・クラシックでは、ブラックジャージを着たオージーの走りに注目してもらいたい。
text:Gregor Brown
photo:Cor Vos, Kei Tsuji
translation:Kei Tsuji
Gregor.Brown (グレゴー・ブラウン)
イタリア・レッコ在住のアメリカ人プロサイクリング・ジャーナリスト。2005、2006年ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランス、春のクラシック等で綾野 真(シクロワイアード編集長/フォトジャーナリスト)に帯同し、取材活動を行う。2007年よりサイクリングニュース(イギリス)の主筆ジャーナリストとして活躍後、フリーランスに。2009年12月よりシクロワイアード契約ジャーナリストとなる。今後、主にイタリア・英語圏プロサイクリングメディアに活動の舞台を移す。