スポーツフルのラインアップより、ウィンドブレーカーであるHOT PACKをピックアップして紹介しよう。グランフォンド・フィレンツェにて本来の使用想定シチュエーションを上回る雨天で使用した事も踏まえたインプレとともにお届けする。



スポーツフル HOT PACK EASYLIGHT JACKETスポーツフル HOT PACK EASYLIGHT JACKET
HOT PACKとはスポーツフルの定番ウィンドブレーカーであり、今回ピックアップするのはHOT PACK EASYLIGHT JACKET。スポーツフルの公式サイトによると防風性は5/5、防水性は3/5、断熱性は1/5、通気性は3/5という評価が与えられている。HOT PACK5より、防風性と通気性がそれぞれ2ポイント向上したモデルだ。

防風、防水性の向上に貢献するのは素材と構造が主なポイント。縫製を最小限にするカッティング、ハイネック、非常に絞られている袖口、ジッパーの内側に配されたフラップなどが、風雨の侵入を防いでくれるのだ。特にフロントとサイドは撥水性などを重視しているという。

襟は高めの作りで、伸縮する素材をインサートしている襟は高めの作りで、伸縮する素材をインサートしている 襟の内側にメッシュ素材が配置されており、雨や汗で濡れても生地が肌に密着することがない襟の内側にメッシュ素材が配置されており、雨や汗で濡れても生地が肌に密着することがない

ジッパーの内側にはフラップを設けることで、可能な限り防風防水性を高めているジッパーの内側にはフラップを設けることで、可能な限り防風防水性を高めている 袖口もしっかりと風を通さないような作りだ袖口もしっかりと風を通さないような作りだ


通気性を担うのは肩甲骨付近に設けられたベンチレーションホール。ウェア内部の熱が逃げる部分があるのか無いのかでは快適性は変わってくる。ライド中に背中が風で膨らむこともないのが良い。

風を内側に通さない素材でありながら若干の伸縮性を備えており、ライドポジションやバックポケットに入れたものを取り出す時に苦にならない。ピタリとしたフィット感でもあるため、走行風でバタバタと暴れるストレスも少ない。

また、HOT PACKの魅力はポケッタブルであること。腰部分にポケットが備えられており、そこにウェアをたたみ入れていくと、ジャージのバックポケットに収納できるサイズとなる。重量は前作よりも若干重くなっているが、81gと携行しやすさは損なわれていない。ミッドシーズンは必ずジャージのポケットに忍ばせておくと良いだろう。価格は10,800円(税込)。

インプレッション

雨天時でも風を通さないため、体が過剰に冷えることはなかった雨天時でも風を通さないため、体が過剰に冷えることはなかった グランフォンド・フィレンツェにてアウトドアアクティビティにおいてはレイヤリングが非常に重要だ。肌面から水分を逃し、快適性を保つベースレイヤー、その水分をさらに吸収し乾燥させるジャージ、そしてプラスアルファとして体の機能を保つために必要なアウターレイヤー。

もしかしたらハードなシチュエーションで使うシェル系のアウターがベストなコンディションかもしれない。はたまたウィンドブレーカーが丁度良いかもしれない。朝晩の気温差を考慮せず厚めのジャージを着てしまったら、日中の気温変化に対応しきれないかもしれない。いずれにせよアウターレイヤーを用意しておくと融通を利かせることができて便利だ。

雨の日は乗らないと決めているサイクリストでも是非クローゼットに一つは用意しておくと良いのはウィンドブレーカーだ。春、秋といったミッドシーズンだけではなく、夏場も朝は冷え込む地域などに行く場合に活躍してくれる。

さて、今回メインのインプレを行ったのはイタリアのグランフォンド・フィレンツェにて。当日の天気は最高気温16℃、最低気温5℃。走り出す前はどんよりとした曇り空であり、走り始めは小雨、1時間しないうちに本格的な雨へと変わっていった。

小雨程度であれば非常に優れた撥水性を発揮し、ウェアに水分を通す心配は一切ない。防水のシェルでも浸水の心配するほどの雨となってきたら、生地表面の撥水能力が追いつかない程度。防水ではないグローブとシューズは絶望的に浸水している状況でも、ライド中の汗などもあるため、HOT PACKの生地が水分の侵入を許しているかどうかは判断つかない。この結果から見えてきたのは、ライド途中で雨に降られてしまってもその時点でHOT PACKを着用し、帰路につけばある程度は体を守ってくれること。

そして雨で濡れてしまったら急激に体温が奪われるかと思っていたが、実際は全くそんな事はなかった。これはウィンドブレーカーとしての機能が働いており、吹き付ける風をシャットアウトしてくれるからだろう。雨の中のダウンヒルを40km/h程度で走っても風が体を冷やす感覚は受けなかった。体温を低下させるのは外気温と汗だ。

タイトめな作りであるものの、ある程度重ね着ができるように余裕のあるフィット感タイトめな作りであるものの、ある程度重ね着ができるように余裕のあるフィット感
実際に帰国後、晴天でのライドで使用してみたが、ウィンドブレーカーとしては申し分のない機能を発揮してくれた。寒かったイタリアでのライドでは活躍の機会がなかった背面のベンチレーションは、ウィンドブレーカーで対応できる気温の幅を広げてくれると実感。また、襟裏に配置されたメッシュ生地は汗によって首周りにウエアが密着する不快感を低減してくれる。

また、HOT PACKの光る部分は生地の伸縮性。生地が程よく伸びてくれるため、脱ぎ着もしやすく、バックポケットに手をのばすときも突っ張り感はゼロ。シャカシャカしない、非常にしなやかな生地なのでタイトフィットながらストレス無く長時間着用し続けられる。

腕を前に突き出しやすくなっている腕を前に突き出しやすくなっている 肩甲骨付近にベンチレーションホールが設けられている肩甲骨付近にベンチレーションホールが設けられている

手のひらより若干大きめだが、コンパクトに収めることができる手のひらより若干大きめだが、コンパクトに収めることができる 突然の雨などに備えてバックポケットに忍ばせておいてもよいだろう突然の雨などに備えてバックポケットに忍ばせておいてもよいだろう


また、ライドポジションを想定したカッティングなのか、深い前傾姿勢をとったときも腹部の生地がルーズになり過ぎないないのも好感を持てる。アウターが走行風でバタつかないというのは、想像以上にライドのストレスを減らしてくれる。

HOT PACKは天気の様子が読めない時は必ず携行したほうが良いアウターであるとライドを通して感じた。非常に軽量でフィット感も高いので着用感も軽やか。ウェアの選択が難しい時にこそ、活躍してくれる1着だ。(CW編集部:藤原岳人)



スポーツフル HOT PACK EASYLIGHT JACKET
サイズ:S、M、L、XL
カラー:ブラック、ホワイト、オレンジ
価 格:10,800円(税込)
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