2019/03/26(火) - 09:07
スペイン北東部のカタルーニャ州を舞台にした第99回ボルタ・ア・カタルーニャが開幕。フルームやバルベルデ、キンタナ、バルデ、イェーツ兄弟、ポートらが出場する7日間のステージレースは、トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)による鮮やかな独走逃げ切り勝利でスタートした。
今年で開催99回目を迎えるボルタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー第9戦)。7日間のステージレースは山岳の比重が高く、2019年は2つの本格的な山頂フィニッシュが設定されている。そのため大柄マッチョなクラシックレーサーたちが「フランドルクラシック」に向かう中、グランツールを見据えるオールラウンダーや「アルデンヌクラシック」に向けて最終調整に入る軽量なクラシックレーサーがカタルーニャに集う。
第99回大会には、3度(2009年、2017年、2018年)総合優勝を飾っているアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)や、パリ〜ニース覇者のエガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ)、イェーツ兄弟(イギリス、ミッチェルトン・スコット)、ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)、リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)、ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)らが勢ぞろい。ツアー・コロンビア以降しばらくレースを離れていたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)は約2ヶ月ぶりの出場となった。
地中海沿いの町カレーリャを発着する第1ステージは獲得標高差3,000mの中級山岳ステージ。中盤にかけて標高1,285mのサンタフェ・デル・モンセニー峠(全長17.5km/平均5.4%)とムンタニャ峠(全長3.9km/平均7.3%)、フォルミク峠(全長6.6km/平均4.9%)という3連続1級山岳をこなし、最後に3級山岳コルサクレウ峠(全長3km/平均4.3%)を越えてカレーリャに戻る。
登りで縮小した小集団によるスプリント。それが多くのチームが思い描く展開だったが、大会初日から『逃げ屋』が奮闘した。トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)やアレクシ・グジャール(フランス、アージェードゥーゼール)、ルイス・マテマルドネス(スペイン、コフィディス)というスペシャリストを含む6名の逃げグループが形成され、メイン集団に4分差をつけて中盤の連続1級山岳をクリアしていく。
フィニッシュまで距離を残して、1級山岳ムンタニャ峠で逃げるペースを上げたのはデヘント。唯一食らいついたマテマルドネスを1級山岳フォルミク峠で引き離したデヘントは、メイン集団から3分30秒のリードを保ったまま最後の3級山岳コルサクレウ峠を越えて地中海に向かってダウンヒル。
他の逃げメンバーがメイン集団に吸収される中、デヘントが2分42秒差をつけてフィニッシュまで独走した。メイン集団は3級山岳コルサクレウ峠からフィニッシュまでの18kmを平均スピード49.8km/hで駆け抜けたが、デヘントとのタイム差は50秒程度しか縮まらなかった。ペースの上がらないメイン集団から飛び出したマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)がステージ2位に入っている。
「ステージ優勝を飾るために、今日は何としても逃げに乗りたかった。一時はタイム差が2分まで縮まったものの、焦らず逃げ続け、急勾配の登り(ムンタニャ峠)でペースを上げた。ルイス・マテマルドネスが付いてきたけど、すでに限界近くで走っていた彼は前に出ることができなかったので、次のフォルミク峠で切り離したんだ。最後のコルサクレウ峠から先は7回ほど走ったことがあるコースだったので、出力を管理しながら独走した」。絶妙なペース配分で逃げ切り勝利をつかんだデヘントはそう振り返る。
カタルーニャでステージ通算4勝目を飾ったデヘントが、総合リーダージャージとポイント賞ジャージ、山岳賞ジャージを獲得。総合で3分近いリードを得ているが、デヘントは最終的な総合争いは想定していない。「パリ〜ニースで調子がグッと上がって、それから1週間しっかり休んだので、今日はとても感触が良かった。ステージレースの大会初日は総合リーダーチームがいないので、メイン集団の追撃は組織されにくい。スプリンターには厳しすぎるステージなので、今日は絶好のチャンスだった。それに、2つの山頂フィニッシュで15分以上失う自分は総合で危険な存在じゃなかったし、積極的に追いかけてこないと確信していたんだ。明日はリーダージャージを守れると思うけど、明後日の山頂フィニッシュでトップ選手には敵わないと思う」。
フルームを始めとする総合優勝候補たちはメイン集団内でフィニッシュ。残り21km地点に設定された第2中間スプリントを2番手通過したバルベルデが2秒、3番手通過したベルナルが1秒のボーナスタイムを獲得し、総合優勝への意志を示している。
今年で開催99回目を迎えるボルタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー第9戦)。7日間のステージレースは山岳の比重が高く、2019年は2つの本格的な山頂フィニッシュが設定されている。そのため大柄マッチョなクラシックレーサーたちが「フランドルクラシック」に向かう中、グランツールを見据えるオールラウンダーや「アルデンヌクラシック」に向けて最終調整に入る軽量なクラシックレーサーがカタルーニャに集う。
第99回大会には、3度(2009年、2017年、2018年)総合優勝を飾っているアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)や、パリ〜ニース覇者のエガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ)、イェーツ兄弟(イギリス、ミッチェルトン・スコット)、ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)、リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)、ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)らが勢ぞろい。ツアー・コロンビア以降しばらくレースを離れていたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)は約2ヶ月ぶりの出場となった。
地中海沿いの町カレーリャを発着する第1ステージは獲得標高差3,000mの中級山岳ステージ。中盤にかけて標高1,285mのサンタフェ・デル・モンセニー峠(全長17.5km/平均5.4%)とムンタニャ峠(全長3.9km/平均7.3%)、フォルミク峠(全長6.6km/平均4.9%)という3連続1級山岳をこなし、最後に3級山岳コルサクレウ峠(全長3km/平均4.3%)を越えてカレーリャに戻る。
登りで縮小した小集団によるスプリント。それが多くのチームが思い描く展開だったが、大会初日から『逃げ屋』が奮闘した。トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)やアレクシ・グジャール(フランス、アージェードゥーゼール)、ルイス・マテマルドネス(スペイン、コフィディス)というスペシャリストを含む6名の逃げグループが形成され、メイン集団に4分差をつけて中盤の連続1級山岳をクリアしていく。
フィニッシュまで距離を残して、1級山岳ムンタニャ峠で逃げるペースを上げたのはデヘント。唯一食らいついたマテマルドネスを1級山岳フォルミク峠で引き離したデヘントは、メイン集団から3分30秒のリードを保ったまま最後の3級山岳コルサクレウ峠を越えて地中海に向かってダウンヒル。
他の逃げメンバーがメイン集団に吸収される中、デヘントが2分42秒差をつけてフィニッシュまで独走した。メイン集団は3級山岳コルサクレウ峠からフィニッシュまでの18kmを平均スピード49.8km/hで駆け抜けたが、デヘントとのタイム差は50秒程度しか縮まらなかった。ペースの上がらないメイン集団から飛び出したマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)がステージ2位に入っている。
「ステージ優勝を飾るために、今日は何としても逃げに乗りたかった。一時はタイム差が2分まで縮まったものの、焦らず逃げ続け、急勾配の登り(ムンタニャ峠)でペースを上げた。ルイス・マテマルドネスが付いてきたけど、すでに限界近くで走っていた彼は前に出ることができなかったので、次のフォルミク峠で切り離したんだ。最後のコルサクレウ峠から先は7回ほど走ったことがあるコースだったので、出力を管理しながら独走した」。絶妙なペース配分で逃げ切り勝利をつかんだデヘントはそう振り返る。
カタルーニャでステージ通算4勝目を飾ったデヘントが、総合リーダージャージとポイント賞ジャージ、山岳賞ジャージを獲得。総合で3分近いリードを得ているが、デヘントは最終的な総合争いは想定していない。「パリ〜ニースで調子がグッと上がって、それから1週間しっかり休んだので、今日はとても感触が良かった。ステージレースの大会初日は総合リーダーチームがいないので、メイン集団の追撃は組織されにくい。スプリンターには厳しすぎるステージなので、今日は絶好のチャンスだった。それに、2つの山頂フィニッシュで15分以上失う自分は総合で危険な存在じゃなかったし、積極的に追いかけてこないと確信していたんだ。明日はリーダージャージを守れると思うけど、明後日の山頂フィニッシュでトップ選手には敵わないと思う」。
フルームを始めとする総合優勝候補たちはメイン集団内でフィニッシュ。残り21km地点に設定された第2中間スプリントを2番手通過したバルベルデが2秒、3番手通過したベルナルが1秒のボーナスタイムを獲得し、総合優勝への意志を示している。
ボルタ・ア・カタルーニャ2019第1ステージ結果
1位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) | 4:14:32 |
2位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:02:38 |
3位 | グレガ・ボーレ(スロベニア、バーレーン・メリダ) | 0:02:42 |
4位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) | |
5位 | ミケル・アリスティ(スペイン、エウスカディバスクカントリー・ムリアス) | |
6位 | アンドレ・グライペル(ドイツ、アルケア・サムシック) | |
7位 | ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) | |
8位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | |
9位 | ニック・ファンデルライク(オランダ、ルームポット・シャルル) | |
10位 | パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム) |
個人総合成績
1位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) | 4:14:16 |
2位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:02:48 |
3位 | グレガ・ボーレ(スロベニア、バーレーン・メリダ) | 0:02:54 |
4位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 0:02:56 |
5位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 0:02:57 |
6位 | ルイス・マテマルドネス(スペイン、コフィディス) | |
7位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) | 0:02:58 |
8位 | ミケル・アリスティ(スペイン、エウスカディバスクカントリー・ムリアス) | |
9位 | アンドレ・グライペル(ドイツ、アルケア・サムシック) | |
10位 | ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) |
ポイント賞
1位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) | 16pts |
2位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 6pts |
3位 | グレガ・ボーレ(スロベニア、バーレーン・メリダ) | 4pts |
山岳賞
1位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) | 34pts |
2位 | ルイス・マテマルドネス(スペイン、コフィディス) | 24pts |
3位 | アルバロ・クアドロス(スペイン、カハルラル・セグロスRGA) | 12pts |
ヤングライダー賞
1位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 4:17:04 |
2位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 0:00:09 |
3位 | ビョルグ・ランブレヒト(ベルギー、ロット・スーダル) | 0:00:10 |
チーム総合成績
1位 | ロット・スーダル | 12:49:00 |
2位 | ボーラ・ハンスグローエ | 0:02:38 |
3位 | バーレーン・メリダ | 0:02:42 |
text:Kei Tsuji
photo:CorVos
photo:CorVos
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