2010/03/23(火) - 11:10
3月22日、スペイン北東部のカタルーニャ州でボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ（UCIプロツアー）が開幕。初日の3.6km個人タイムトライアルは、ライプハイマーやクレーデン（レディオシャック）を1秒差で敗った23歳のポール・ヴォス（ドイツ、チームミルラム）が優勝した。
トップタイムを叩き出したポール・ヴォス（ドイツ、チームミルラム）写真は昨年のブエルタ photo:Cor Vosカタルーニャ一周の初日は、地中海に面したリョレット・デ・マールで行なわれる3.6kmのショート個人タイムトライアル。コースは前半に高低差40mほどの上り登場し、下ってからゴールまでは1.5kmの平坦路が続く。生憎の雨模様の中、171名が出走した。
優勝候補のリーヴァイ・ライプハイマー（アメリカ、レディオシャック）を1秒上回るトップタイムを叩き出したのは、23歳のヴォス。プロツアーチーム2年目の若手が大金星を収めた。
ヴォスは昨年ドイツのコンチネンタルチーム・3Cグルッペからチームミルラムに移籍した元シクロクロスライダー。2008年にはヨーロッパ選手権U23ロードレースで2位に入っているが、まだプロレースでの勝利はゼロ。昨年ブエルタ・ア・エスパーニャでグランツールデビューを飾り、最終ステージで9位。総合99位で完走。今シーズンは西フランドル3日間レースで総合6位に入った。
レース後、ヴォスは驚きと喜びに満ちたコメントを残した。「僕が勝ったと聞いた時、訳が分からなくなるほど驚いた。プロツアーレースでの初勝利はきっとこんな感じなんだろうね。明日リーダージャージを着てスタート地点に着くまで、本当の意味で今日の勝利を実感出来ないと思う。レース中は完調とは言えなかっただけに本当に驚きの勝利だ」。
チームミルラムのもう一つのサプライズは、20歳のドミニク・ネルツ（ドイツ）がアンドレアス・クレーデン（ドイツ、レディオシャック）に次ぐ4位のタイムをマークしたこと。ヴィットリオ・アルジェリ監督は「チームにとってファンタスティックな結果だ。雨と難しい路面コンディションだったにもかかわらず、二人は本当に大きな驚きをもたらしてくれた。チームミルラムにとって素晴らしい一日になった」と驚きを隠せない。当然ヴォスは翌日の第2ステージで白色に緑ラインの入ったリーダージャージを着ることになる。
最速タイムで優勝したポール・ヴォス（ドイツ、チームミルラム） photo:www.voltacatalunya.cat多くの選手がTTバイクを使用する中、ノーマルバイクで走ったアンドレアス・クレーデン（ドイツ、レディオシャック）がレース中盤に暫定トップタイムをマークし、最終的にステージ3位に入った。
クレーデンは「雨が降っていたし、コースもテクニカルだったので、ノーマルバイクで走ることにした。TTバイクなら後半の平坦区間で数秒稼ぐことが出来たかもしれないけど、これが正しい選択だったと思う。1秒差の2位と2秒差の3位は悪くない結果。だがリーダージャージに届かなかったフラストレーションもある。明日からはチームミルラムがレースをコントロールする。結果的にレディオシャックにとってはアドバンテージになるはずだ」と冷静に結果を受け止める。総合争いにおいてレディオシャックはライバルチームから一歩リードした。
4秒遅れのステージ7位に入ったのはマーク・カヴェンディッシュ（イギリス、チームHTC・コロンビア）。ミラノ〜サンレモでは見せ場を作れなかったカヴだが、コンディションは上昇傾向にある。出場スプリンターが比較的少ないこのカタルーニャで、シーズン1勝目を掴みたいところだ。
総合有力勢は、ルイスレオン・サンチェス（スペイン、ケースデパーニュ）が11位、ホアキン・ロドリゲス（スペイン、カチューシャ）が13位、ロマン・クロイツィゲル（チェコ、リクイガス）が17位に入り、ヴォスとのタイム差を10秒以内に抑えた。
その一方でフランク・シュレク（ルクセンブルク、サクソバンク）は53位、カルロス・サストレ（スペイン、サーヴェロ・テストチーム）は75位、イヴァン・バッソ（イタリア、リクイガス）は105位、デニス・メンショフ（ロシア、ラボバンク）は120位、アンディ・シュレク（ルクセンブルク、サクソバンク）は131位と出遅れている。
選手コメントは各チーム公式サイトより。
ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2010第1ステージ結果
1位 ポール・ヴォス（ドイツ、チームミルラム） 4'57"
2位 リーヴァイ・ライプハイマー（アメリカ、レディオシャック） +01"
3位 アンドレアス・クレーデン（ドイツ、レディオシャック） +02"
4位 ドミニク・ネルツ（ドイツ、チームミルラム） +04"
5位 ヤン・バケランツ（ベルギー、オメガファーマ・ロット）
6位 ダヴィデ・マラカルネ（イタリア、クイックステップ）
7位 マーク・カヴェンディッシュ（イギリス、チームHTC・コロンビア）
8位 クレイグ・ルイス（アメリカ、チームHTC・コロンビア） +05"
9位 ニコラス・ロッシュ（アイルランド、アージェードゥーゼル） +06"
10位 クリスティアン・コレン（スロベニア、リクイガス）
個人総合時間
1位 ポール・ヴォス（ドイツ、チームミルラム） 4'57"
2位 リーヴァイ・ライプハイマー（アメリカ、レディオシャック） +01"
3位 アンドレアス・クレーデン（ドイツ、レディオシャック） +02"
4位 ドミニク・ネルツ（ドイツ、チームミルラム） +04"
5位 ヤン・バケランツ（ベルギー、オメガファーマ・ロット）
6位 ダヴィデ・マラカルネ（イタリア、クイックステップ）
7位 マーク・カヴェンディッシュ（イギリス、チームHTC・コロンビア）
8位 クレイグ・ルイス（アメリカ、チームHTC・コロンビア） +05"
9位 ニコラス・ロッシュ（アイルランド、アージェードゥーゼル） +06"
10位 クリスティアン・コレン（スロベニア、リクイガス）
チーム総合成績
レディオシャック
text:Kei Tsuji
photo:www.voltacatalunya.cat
トップタイムを叩き出したポール・ヴォス（ドイツ、チームミルラム）写真は昨年のブエルタ photo:Cor Vosカタルーニャ一周の初日は、地中海に面したリョレット・デ・マールで行なわれる3.6kmのショート個人タイムトライアル。コースは前半に高低差40mほどの上り登場し、下ってからゴールまでは1.5kmの平坦路が続く。生憎の雨模様の中、171名が出走した。優勝候補のリーヴァイ・ライプハイマー（アメリカ、レディオシャック）を1秒上回るトップタイムを叩き出したのは、23歳のヴォス。プロツアーチーム2年目の若手が大金星を収めた。
ヴォスは昨年ドイツのコンチネンタルチーム・3Cグルッペからチームミルラムに移籍した元シクロクロスライダー。2008年にはヨーロッパ選手権U23ロードレースで2位に入っているが、まだプロレースでの勝利はゼロ。昨年ブエルタ・ア・エスパーニャでグランツールデビューを飾り、最終ステージで9位。総合99位で完走。今シーズンは西フランドル3日間レースで総合6位に入った。
レース後、ヴォスは驚きと喜びに満ちたコメントを残した。「僕が勝ったと聞いた時、訳が分からなくなるほど驚いた。プロツアーレースでの初勝利はきっとこんな感じなんだろうね。明日リーダージャージを着てスタート地点に着くまで、本当の意味で今日の勝利を実感出来ないと思う。レース中は完調とは言えなかっただけに本当に驚きの勝利だ」。
チームミルラムのもう一つのサプライズは、20歳のドミニク・ネルツ（ドイツ）がアンドレアス・クレーデン（ドイツ、レディオシャック）に次ぐ4位のタイムをマークしたこと。ヴィットリオ・アルジェリ監督は「チームにとってファンタスティックな結果だ。雨と難しい路面コンディションだったにもかかわらず、二人は本当に大きな驚きをもたらしてくれた。チームミルラムにとって素晴らしい一日になった」と驚きを隠せない。当然ヴォスは翌日の第2ステージで白色に緑ラインの入ったリーダージャージを着ることになる。
最速タイムで優勝したポール・ヴォス（ドイツ、チームミルラム） photo:www.voltacatalunya.cat多くの選手がTTバイクを使用する中、ノーマルバイクで走ったアンドレアス・クレーデン（ドイツ、レディオシャック）がレース中盤に暫定トップタイムをマークし、最終的にステージ3位に入った。クレーデンは「雨が降っていたし、コースもテクニカルだったので、ノーマルバイクで走ることにした。TTバイクなら後半の平坦区間で数秒稼ぐことが出来たかもしれないけど、これが正しい選択だったと思う。1秒差の2位と2秒差の3位は悪くない結果。だがリーダージャージに届かなかったフラストレーションもある。明日からはチームミルラムがレースをコントロールする。結果的にレディオシャックにとってはアドバンテージになるはずだ」と冷静に結果を受け止める。総合争いにおいてレディオシャックはライバルチームから一歩リードした。
4秒遅れのステージ7位に入ったのはマーク・カヴェンディッシュ（イギリス、チームHTC・コロンビア）。ミラノ〜サンレモでは見せ場を作れなかったカヴだが、コンディションは上昇傾向にある。出場スプリンターが比較的少ないこのカタルーニャで、シーズン1勝目を掴みたいところだ。
総合有力勢は、ルイスレオン・サンチェス（スペイン、ケースデパーニュ）が11位、ホアキン・ロドリゲス（スペイン、カチューシャ）が13位、ロマン・クロイツィゲル（チェコ、リクイガス）が17位に入り、ヴォスとのタイム差を10秒以内に抑えた。
その一方でフランク・シュレク（ルクセンブルク、サクソバンク）は53位、カルロス・サストレ（スペイン、サーヴェロ・テストチーム）は75位、イヴァン・バッソ（イタリア、リクイガス）は105位、デニス・メンショフ（ロシア、ラボバンク）は120位、アンディ・シュレク（ルクセンブルク、サクソバンク）は131位と出遅れている。
選手コメントは各チーム公式サイトより。
ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2010第1ステージ結果
1位 ポール・ヴォス（ドイツ、チームミルラム） 4'57"
2位 リーヴァイ・ライプハイマー（アメリカ、レディオシャック） +01"
3位 アンドレアス・クレーデン（ドイツ、レディオシャック） +02"
4位 ドミニク・ネルツ（ドイツ、チームミルラム） +04"
5位 ヤン・バケランツ（ベルギー、オメガファーマ・ロット）
6位 ダヴィデ・マラカルネ（イタリア、クイックステップ）
7位 マーク・カヴェンディッシュ（イギリス、チームHTC・コロンビア）
8位 クレイグ・ルイス（アメリカ、チームHTC・コロンビア） +05"
9位 ニコラス・ロッシュ（アイルランド、アージェードゥーゼル） +06"
10位 クリスティアン・コレン（スロベニア、リクイガス）
個人総合時間
1位 ポール・ヴォス（ドイツ、チームミルラム） 4'57"
2位 リーヴァイ・ライプハイマー（アメリカ、レディオシャック） +01"
3位 アンドレアス・クレーデン（ドイツ、レディオシャック） +02"
4位 ドミニク・ネルツ（ドイツ、チームミルラム） +04"
5位 ヤン・バケランツ（ベルギー、オメガファーマ・ロット）
6位 ダヴィデ・マラカルネ（イタリア、クイックステップ）
7位 マーク・カヴェンディッシュ（イギリス、チームHTC・コロンビア）
8位 クレイグ・ルイス（アメリカ、チームHTC・コロンビア） +05"
9位 ニコラス・ロッシュ（アイルランド、アージェードゥーゼル） +06"
10位 クリスティアン・コレン（スロベニア、リクイガス）
チーム総合成績
レディオシャック
text:Kei Tsuji
photo:www.voltacatalunya.cat
