2018/08/26(日) - 13:45
イタリアンロードの雄、デローザを取り扱う日直商会。その2019モデルラインアップが一堂に会する展示会が行われた。多くの新型メタルフレーム、そしてピニンファリーナデザインのアーバンバイクなどがお披露目された。
秋葉原電気街口からすぐ、秋葉原UDXの一室に日直商会が取り扱う多くのブランドの2019年モデルが集められた。イタリア御三家と呼ばれる老舗ブランドの一角を占めるデローザを中心に、ヘルメットのカスクやシューズのシディなど、多くのイタリアンブランドの新製品が並べられることに。
秋葉原の市街を望む展示スペースの半分以上を占めるのは、もちろんデローザのバイクたち。日本人選手が多く所属するプロコンチネンタルチーム、NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニが駆るハイエンドモデルPROTOSを筆頭とするカーボンロードたちのラインアップに、2019年モデルにニューカマーは無し。
ピニンファリーナによる迫力のあるデザインが人気を呼ぶエアロロード・SKに、カンパニョーロ12速を組み合わせた完成車が用意され、イタリアンブランド同士の相性の良さを強調する。そして、ミドルグレードのIDOLには、左右で印象をガラリと変えるアシンメトリーなカラーも用意されるなど、新モデルは不在ながらも、その魅力に陰りは見られず。
マスプロメーカーとしての顔を持ちつつ、イタリアのトラディショナルなチクリとしての側面を色濃く残すのが、デローザというブランドの魅力でもある。その真髄といえるのが、ジオメトリーオーダーが可能なプレミアムライン”Black Label”シリーズだ。
カーボンバイクながらもジオメトリオーダーに対応するのが、昨年からラインアップされるKINGだ。フィレットブレイジングのカーボンバイク版ともいえるチューブトゥチューブ製法で作られることで、細やかなオーダーに対応するラグジュアリーフレームだ。各チューブの接合部のカーボンマテリアルがうっすらと浮かび上がり、ハンドメイドであることをひそやかに主張する。まさに違いがわかるオトナのための1台だ。
ラグジュアリ―バイクという意味においては、今年の新作アーバンバイク、METAMORPHOSISに触れないわけにはいかないだろう。SKに続くピニンファリーナとのコラボレーションデザインによるこのコミューターは、バイク全体を貫くようなトップチューブが強い印象を与えてくる。ヘッドチューブ前方とシートクランプ後方へ伸びるフィンのような造形は、一切の機能を持たないデザインのためのデザイン。通常否定的に使われる表現であるけれど、このバイクに限って言えば褒め言葉となるだろう。
有機的で見るたびに印象を変えそうなフレームワークは、まさに蛹が変態するかのようなイメージを抱かせる。近未来的なデザインのフレームらしく、組み合わせられるパーツもベルトドライブにディスクブレーキと、コミューターとして最先端のスペックが用意される。ドロップバーとフラットバーの2つのバージョンとともに、専用のラックおよびパニアも用意される。スタイルにこだわるユーザーにとって、垂涎の1台となりそうだ。
一方で、金属フレームに3台もの新モデルが追加されることに。スチールとアルミ、そしてチタンと主要なマテリアルを網羅するデローザだが、今回はそれら全てに新作が登場することになった。
デローザの原点でもあるスチールバイクに追加されたのは、まさしくその歴史をさかのぼるかのような1台であるRABO(ラボ)。ウーゴ・デローザが初めて造ったバイクのオーナーであるラボリーニ氏の名を与えられたスペシャルなバイクは、当時のデローザバイクをリバイバルしたもの。このバイクを彩るブルーグロッシーは、別名ウーゴブルーとも呼ばれる、彼のもっとも好きな色に染め上げられているのだという。
アルミバイクには、昨今のディスクエアロロードブームを取り入れたようなデザインのKERMESSE(ケルメッセ)。ボリュームあるデザインのダウンチューブ、そしてシートステーとシートチューブとの交点を下げたコンパクトなリアトライアングル、そして前後のディスクローターが、23年の歴史を持つデローザアルミバイクの到達地点であり、最新のレーシングバイクという雰囲気を醸し出す。
ラグジュアリーバイクの代名詞ともいえるチタンバイクラインアップに加わったのはANIMA(アニマ)。ラテン語で魂を意味する名前を与えられたチタンフレームは、ケルメッセと同様のドロップシートステーデザインを取り入れたディスクロードだ。ディスクブレーキ台座を設けられたチェーンステーは複雑な曲線を描き、このフレームに注がれた情熱とテクノロジーを感じさせる。
ブランド創生期を想起させるクラシカルスチール、メタルレーサーとしての終着点となるアルミエアロ、オーセンティックな魅力に満ちたチタンロード。3つのバイクが示すのは、デローザのコアであるクラフトマンシップと、執着的とも言えるハンドメイドへの愛。”Black Label”バイクを手に入れるというのは、デローザのヒストリーを自分のものとすることでもあるのだろう。
さて、一方デローザだけでなくほかのイタリアンブランドからも多くの新製品が登場。その中でも注目を集めているのはチームスカイも使用するヘルメットブランド、カスクのエアロヘルメットだろう。ユートピアと名付けられたエアロヘルメットは、通気性や軽量性、安全性といった要素を切り捨てることなくエアロダイナミクスを向上させた最先端のエアロヘルメットだ。平坦ステージでチームスカイの選手らの走りを支え、ツール総合優勝へと導いた姿は未だ鮮明に記憶へ残っているはずだ。
カスクは他にもアイウェアブランドであるKOOから新モデルを発表。オリオンと名付けられたニューモデルは多くのギミックを搭載したハイエンドな二眼式モデルとなる。テンプル長をワンタッチで変更できる機構や、リム上部のパーツをスライドさせることで、エアフローを調節しレンズの曇りを防止することができるなど、多彩な機能を持った一着だ。
他にもシディやセッレイタリアなどから魅力的な新モデルが続々と登場した日直商会。今後のプロダクトレビューにて紹介していくので、お楽しみに。
text&photo:Naoki.Yasuoka
秋葉原電気街口からすぐ、秋葉原UDXの一室に日直商会が取り扱う多くのブランドの2019年モデルが集められた。イタリア御三家と呼ばれる老舗ブランドの一角を占めるデローザを中心に、ヘルメットのカスクやシューズのシディなど、多くのイタリアンブランドの新製品が並べられることに。
秋葉原の市街を望む展示スペースの半分以上を占めるのは、もちろんデローザのバイクたち。日本人選手が多く所属するプロコンチネンタルチーム、NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニが駆るハイエンドモデルPROTOSを筆頭とするカーボンロードたちのラインアップに、2019年モデルにニューカマーは無し。
ピニンファリーナによる迫力のあるデザインが人気を呼ぶエアロロード・SKに、カンパニョーロ12速を組み合わせた完成車が用意され、イタリアンブランド同士の相性の良さを強調する。そして、ミドルグレードのIDOLには、左右で印象をガラリと変えるアシンメトリーなカラーも用意されるなど、新モデルは不在ながらも、その魅力に陰りは見られず。
マスプロメーカーとしての顔を持ちつつ、イタリアのトラディショナルなチクリとしての側面を色濃く残すのが、デローザというブランドの魅力でもある。その真髄といえるのが、ジオメトリーオーダーが可能なプレミアムライン”Black Label”シリーズだ。
カーボンバイクながらもジオメトリオーダーに対応するのが、昨年からラインアップされるKINGだ。フィレットブレイジングのカーボンバイク版ともいえるチューブトゥチューブ製法で作られることで、細やかなオーダーに対応するラグジュアリーフレームだ。各チューブの接合部のカーボンマテリアルがうっすらと浮かび上がり、ハンドメイドであることをひそやかに主張する。まさに違いがわかるオトナのための1台だ。
ラグジュアリ―バイクという意味においては、今年の新作アーバンバイク、METAMORPHOSISに触れないわけにはいかないだろう。SKに続くピニンファリーナとのコラボレーションデザインによるこのコミューターは、バイク全体を貫くようなトップチューブが強い印象を与えてくる。ヘッドチューブ前方とシートクランプ後方へ伸びるフィンのような造形は、一切の機能を持たないデザインのためのデザイン。通常否定的に使われる表現であるけれど、このバイクに限って言えば褒め言葉となるだろう。
有機的で見るたびに印象を変えそうなフレームワークは、まさに蛹が変態するかのようなイメージを抱かせる。近未来的なデザインのフレームらしく、組み合わせられるパーツもベルトドライブにディスクブレーキと、コミューターとして最先端のスペックが用意される。ドロップバーとフラットバーの2つのバージョンとともに、専用のラックおよびパニアも用意される。スタイルにこだわるユーザーにとって、垂涎の1台となりそうだ。
一方で、金属フレームに3台もの新モデルが追加されることに。スチールとアルミ、そしてチタンと主要なマテリアルを網羅するデローザだが、今回はそれら全てに新作が登場することになった。
デローザの原点でもあるスチールバイクに追加されたのは、まさしくその歴史をさかのぼるかのような1台であるRABO(ラボ)。ウーゴ・デローザが初めて造ったバイクのオーナーであるラボリーニ氏の名を与えられたスペシャルなバイクは、当時のデローザバイクをリバイバルしたもの。このバイクを彩るブルーグロッシーは、別名ウーゴブルーとも呼ばれる、彼のもっとも好きな色に染め上げられているのだという。
アルミバイクには、昨今のディスクエアロロードブームを取り入れたようなデザインのKERMESSE(ケルメッセ)。ボリュームあるデザインのダウンチューブ、そしてシートステーとシートチューブとの交点を下げたコンパクトなリアトライアングル、そして前後のディスクローターが、23年の歴史を持つデローザアルミバイクの到達地点であり、最新のレーシングバイクという雰囲気を醸し出す。
ラグジュアリーバイクの代名詞ともいえるチタンバイクラインアップに加わったのはANIMA(アニマ)。ラテン語で魂を意味する名前を与えられたチタンフレームは、ケルメッセと同様のドロップシートステーデザインを取り入れたディスクロードだ。ディスクブレーキ台座を設けられたチェーンステーは複雑な曲線を描き、このフレームに注がれた情熱とテクノロジーを感じさせる。
ブランド創生期を想起させるクラシカルスチール、メタルレーサーとしての終着点となるアルミエアロ、オーセンティックな魅力に満ちたチタンロード。3つのバイクが示すのは、デローザのコアであるクラフトマンシップと、執着的とも言えるハンドメイドへの愛。”Black Label”バイクを手に入れるというのは、デローザのヒストリーを自分のものとすることでもあるのだろう。
さて、一方デローザだけでなくほかのイタリアンブランドからも多くの新製品が登場。その中でも注目を集めているのはチームスカイも使用するヘルメットブランド、カスクのエアロヘルメットだろう。ユートピアと名付けられたエアロヘルメットは、通気性や軽量性、安全性といった要素を切り捨てることなくエアロダイナミクスを向上させた最先端のエアロヘルメットだ。平坦ステージでチームスカイの選手らの走りを支え、ツール総合優勝へと導いた姿は未だ鮮明に記憶へ残っているはずだ。
カスクは他にもアイウェアブランドであるKOOから新モデルを発表。オリオンと名付けられたニューモデルは多くのギミックを搭載したハイエンドな二眼式モデルとなる。テンプル長をワンタッチで変更できる機構や、リム上部のパーツをスライドさせることで、エアフローを調節しレンズの曇りを防止することができるなど、多彩な機能を持った一着だ。
他にもシディやセッレイタリアなどから魅力的な新モデルが続々と登場した日直商会。今後のプロダクトレビューにて紹介していくので、お楽しみに。
text&photo:Naoki.Yasuoka
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