フランスのレキップ紙が伝えたところによると、モナコの自転車競技連盟は3月3日、EPO(エリスロポエチン)陽性のトーマス・デッケル(オランダ)に対して2年間の出場停止処分を与えた。処分が明けるのは2011年7月1日の予定だ。

トーマス・デッケル(オランダ)トーマス・デッケル(オランダ) photo:Cor Vos問題となったサンプルが採取されたのは、2007年12月24日に行なわれたレース外ドーピング検査。当時の検査技術では禁止薬物は検出されなかったが、2009年に入ってバイオロジカルパスポートのデータを照合したUCI(国際自転車競技連合)は、デッケルのデータに異常値を発見。2007年12月のサンプルを再検査した結果、2009年のツール・ド・フランス開幕直前にデッケルのEPO陽性が発覚した。

Bサンプルの再検査でもEPOの陽性反応が検出され、デッケルは当時所属していたサイレンス・ロットを解雇される。デッケルは過去に一度だけ禁止薬物を使用したことを認めた。

当時デッケルはモナコに在住し、モナコのライセンスを取得していたため、処分を決めるのはオランダ自転車競技連盟ではなくモナコ自転車競技連盟だ。今回、同連盟がデッケルに下したのは2年間の出場停止処分。

デッケルは過去の成績が彼やチームの力であることを証明するため、出場停止処分後のレース復帰に意欲を見せている。処分が明けるのは2011年7月1日。その時デッケルは26歳だ。

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos