ウィルス性の疾患により2日間寝込んでいたアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ)が、徐々に調子を戻しつつある。206kmのアップダウンコースで行なわれたジロ・ディ・サルデーニャ第3ステージで、強力なランプレトレインに発射されたペタッキが今シーズン4勝目を飾った。

サルデーニャ島の内陸部を進むサルデーニャ島の内陸部を進む photo:www.ilgirodisardegna.com今大会最長206kmの起伏あるコースで行なわれた第3ステージ。カテゴリー山岳は序盤の2級山岳一つだけだが、常にアップダウンを繰り返す。一日の獲得標高差は2500mに達した。

この日は、かつてのツール・ド・フランス山岳王ミカエル・ラスムッセン(デンマーク、ミケ)が5名の逃げグループに入った。しかし逃げには総合で僅か35秒遅れのエフゲニー・ペトロフ(ロシア、カチューシャ)が入ったため、リーダージャージ擁するリクイガスは慎重にタイム差をコントロール。

メイン集団はリクイガスがコントロールメイン集団はリクイガスがコントロール photo:www.ilgirodisardegna.com先頭5名はアップダウンコースで懸命に逃げ続けたが、決定的なリードを稼ぎ出すことは出来ない。結局、逃げはゴール6km手前でメイン集団に吸収されてしまう。集団はランプレが主導権を握り、ゴール勝負に突入した。

マウロ・ダダルト(イタリア)、ロレンツォ・ベルヌッチ(イタリア)、ダニーロ・ホンド(ドイツ)の順で切り離されて行くランプレトレイン。ラスト250mでホンドに発射されたペタッキが、エンリーコ・ロッシ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)やジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、リクイガス)らを振り切り、両手を挙げてゴールに飛び込んだ。

2年連続ステージ優勝を飾ったアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ)2年連続ステージ優勝を飾ったアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ) photo:www.ilgirodisardegna.comペタッキはジロ・デッラ・プロヴィンチャ・ディ・レッジョカラブリアでのステージ2勝とGPコスタ・デッリ・エトルスキでの優勝に続く今シーズン4勝目。ウィルス性の疾患のためトロフェオ・ライグエリアは欠場したが、徐々に調子を戻しつつある。

サルデーニャで2年連続ステージ優勝を飾ったペタッキは、ランプレトレインの働きに満足している様子だ。

2年連続ステージ優勝を飾ったアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ)2年連続ステージ優勝を飾ったアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ) photo:www.ilgirodisardegna.com「標高差2500mに及ぶ上りをこなした後だったので、脚が完調とは言えなかった。それに、当初のチームの戦略は、ホンドのスプリント狙いだったんだ。でも僕が集団内に残っていたから戦略を変更。その変更は理にかなっていたと思う。ホンドのラスト250mまでの牽引は非の打ち所がないほど素晴らしかったよ。まだ完全復活とは言えないけど、モチヴェーションアップに繋がる重要な勝利だ」。

ペタッキは残る2ステージでも勝利を狙ってくるだろう。このサルデーニャ後は、ティレーノ〜アドリアティコに出場する予定。シーズン前半最大の目標レースであるミラノ〜サンレモ開催まで残り23日だ。

総合上位陣は集団内でゴールしたため順位に大きな変動は無い。チームメイトに守られて走ったロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)がリーダージャージをキープしている。スプリント争いにおけるランプレ同様、総合争いにおけるリクイガスの守りは堅い。

レース展開はガゼッタ紙、選手コメントはランプレ公式サイトより。


ジロ・ディ・サルデーニャ2010第3ステージ結果
1位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ)            5h27'57"
2位 エンリーコ・ロッシ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)
3位 ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、リクイガス)
4位 サーシャ・モードロ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
5位 イワン・ロフニー(ロシア、レディオシャック)
6位 マッテーオ・モンタグティ(イタリア、 デローザ・スタックプラスチック)
7位 ミケーレ・メルロ(イタリア、フットオン・セルヴェット)
8位 セルゲイ・クリモフ(ロシア、カチューシャ)
9位 ファビオ・フェリーネ(イタリア、フットオン・セルヴェット)
10位 ニコラ・ダンドレア(イタリア、メリディアナ・カメン)

個人総合成績
1位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)             14h18'14"
2位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック)           +04"
3位 トマ・ヴォクレール(フランス、Bboxブイグテレコム)            +06"
4位 ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、レディオシャック)          +10"
5位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ミケ)
6位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)
7位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)
8位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)     +13"
9位 クリスティアーノ・サレルノ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)   +17"
10位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、リクイガス)            +25"

ポイント賞
ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)

スプリント賞
ジアイロ・エルメティ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)

山岳賞
プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ミケ)

チーム総合成績
レディオシャック

text:Kei Tsuji
photo:www.ilgirodisardegna.com

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