2010/02/22(月) - 10:38
ヴォルタ・アン・アルガルヴェ最終日の17.2km個人タイムトライアルで、ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)が優勝。ステージ2位のアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)が2年連続アルガルヴェ総合優勝に輝いた。
アルガルヴェ最終日は高低差100m弱、全長17.2kmの個人タイムトライアル。総合上位13名が1分以内にひしめいているため、総合順位変動の可能性は大いに有る。連覇が懸かった総合トップのコンタドールも決して油断は出来ない。
特に、総合3位のリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)や、総合4位サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)が総合争いにおけるコンタドールのライバルだ。
加えて、コンタドール最大の誤算は、冬の間トレーニングを積んできたスペシャライズドのTTバイク・Shivを使用出来なかったことだ。UCI(国際自転車競技連合)が今年からフレームに関する規定を変更したため、慣れ親しんだTTバイクの使用が禁止。コンタドールは急遽用意されたTTバイクで走ることになった。
ステージ優勝を飾ったのは、17.2kmのコースを平均47.9km/hのスピードで駆け抜け、21分32秒のトップタイムをマークしたLLサンチェスだ。ツアー・ダウンアンダー最難関ウィランガステージに次ぐシーズン2勝目を飾ったLLサンチェスは、総合7位から総合2位まで一気にジャンプアップ。しかしコンタドールの王座は揺らがなかった。
コンタドールはLLサンチェスから13秒遅れのタイムにまとめ、ライバルたちを抑えて総合優勝。史上4人目となる大会連覇を達成した。
レース後、コンタドールは「タフな条件の中で総合優勝を果たしたことにとても満足している。今日は風が強く、しかも今まで乗ったことのないTTバイクで走った。それらの悪条件がこの総合優勝の価値を高めてくれているよ。(直前のTTバイク使用禁止は)厳しい試練だったけど、何とか乗り越えることが出来た」と、決して簡単な大会連覇では無かったことを強調。
更に、コンタドールはアスタナチームの走りにも満足している様子。「5日間のレースを通して、チームの動きは完璧だった。このレースはチームの士気を高めてくれた。今ではこのチームでツール・ド・フランスを闘い切る自信がある。最高のシーズンスタートが切れたよ」。コンタドールの次なる目標はパリ〜ニースだ。
アスタナのジュゼッペ・マルティネッリ監督は、チームリーダーの走りに舌を巻いた。「今日は風との闘いだった。コンタドールは慣れないバイクに乗っていたし、スタート前はピリピリしていた。だが、そんな条件下でも、彼は強さを見せつけてくれた。とにかくコンタドールはシーズン初戦から山岳で圧倒的な強さを見せ、個人TTでも強さを発揮した」。
チームを初めて指揮したマルティネッリ監督は、アスタナチームの印象について「チームは予想以上の走りをした。これは昨年までのアスタナチームとは違う。全く新しいチームだ。でもまだまだ体制がパーフェクトとは言えない。パリ〜ニースまでにより良い体制を築きたいと思う」と、更なるパワーアップに自信を見せる。大きな戦力ダウンが予想されたアスタナだが、コンタドールのアシスト体制は強力だ。
逆転が期待されたレディオシャックのライプハイマーはコンタドールに9秒届かず、総合4位に終わった。レディオシャック所属の地元ポルトガル人ティアゴ・マシャドは最後まで安定した走りを見せて総合3位。レディオシャックはチーム総合成績トップに輝いている。
選手コメントはイタリア・ガゼッタ紙より。
ヴォルタ・アン・アルガルヴェ2010第5ステージ結果
1位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ) 21'32"
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ) +13"
3位 セバスティアン・ロセレル(ベルギー、レディオシャック) +16"
4位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック) +22"
5位 フランティセク・ラボン(チェコ、チームHTC・コロンビア) +23"
6位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック) +30"
7位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル) +35"
8位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ケースデパーニュ) +44"
9位 イマノル・エルビーティ(スペイン、ケースデパーニュ) +46"
10位 マーティン・チャリンギ(オランダ、ラボバンク) +48"
個人総合成績
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ) 19h57'48"
2位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ) +30"
3位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック) +32"
4位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック) +37"
5位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル) +57"
6位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ケースデパーニュ) +1'11"
7位 フランティセク・ラボン(チェコ、チームHTC・コロンビア) +1'16"
8位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック) +1'25"
9位 タジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、チームHTC・コロンビア) +1'33"
10位 ピーター・ベリトス(スロバキア、チームHTC・コロンビア) +1'45"
ポイント賞
アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)
山岳賞
ジェローム・バウニーズ(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
チーム総合成績
レディオシャック
text:Kei Tsuji
photo:www.voltaalgarve.com
アルガルヴェ最終日は高低差100m弱、全長17.2kmの個人タイムトライアル。総合上位13名が1分以内にひしめいているため、総合順位変動の可能性は大いに有る。連覇が懸かった総合トップのコンタドールも決して油断は出来ない。
特に、総合3位のリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)や、総合4位サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)が総合争いにおけるコンタドールのライバルだ。
加えて、コンタドール最大の誤算は、冬の間トレーニングを積んできたスペシャライズドのTTバイク・Shivを使用出来なかったことだ。UCI(国際自転車競技連合)が今年からフレームに関する規定を変更したため、慣れ親しんだTTバイクの使用が禁止。コンタドールは急遽用意されたTTバイクで走ることになった。
ステージ優勝を飾ったのは、17.2kmのコースを平均47.9km/hのスピードで駆け抜け、21分32秒のトップタイムをマークしたLLサンチェスだ。ツアー・ダウンアンダー最難関ウィランガステージに次ぐシーズン2勝目を飾ったLLサンチェスは、総合7位から総合2位まで一気にジャンプアップ。しかしコンタドールの王座は揺らがなかった。
コンタドールはLLサンチェスから13秒遅れのタイムにまとめ、ライバルたちを抑えて総合優勝。史上4人目となる大会連覇を達成した。
レース後、コンタドールは「タフな条件の中で総合優勝を果たしたことにとても満足している。今日は風が強く、しかも今まで乗ったことのないTTバイクで走った。それらの悪条件がこの総合優勝の価値を高めてくれているよ。(直前のTTバイク使用禁止は)厳しい試練だったけど、何とか乗り越えることが出来た」と、決して簡単な大会連覇では無かったことを強調。
更に、コンタドールはアスタナチームの走りにも満足している様子。「5日間のレースを通して、チームの動きは完璧だった。このレースはチームの士気を高めてくれた。今ではこのチームでツール・ド・フランスを闘い切る自信がある。最高のシーズンスタートが切れたよ」。コンタドールの次なる目標はパリ〜ニースだ。
アスタナのジュゼッペ・マルティネッリ監督は、チームリーダーの走りに舌を巻いた。「今日は風との闘いだった。コンタドールは慣れないバイクに乗っていたし、スタート前はピリピリしていた。だが、そんな条件下でも、彼は強さを見せつけてくれた。とにかくコンタドールはシーズン初戦から山岳で圧倒的な強さを見せ、個人TTでも強さを発揮した」。
チームを初めて指揮したマルティネッリ監督は、アスタナチームの印象について「チームは予想以上の走りをした。これは昨年までのアスタナチームとは違う。全く新しいチームだ。でもまだまだ体制がパーフェクトとは言えない。パリ〜ニースまでにより良い体制を築きたいと思う」と、更なるパワーアップに自信を見せる。大きな戦力ダウンが予想されたアスタナだが、コンタドールのアシスト体制は強力だ。
逆転が期待されたレディオシャックのライプハイマーはコンタドールに9秒届かず、総合4位に終わった。レディオシャック所属の地元ポルトガル人ティアゴ・マシャドは最後まで安定した走りを見せて総合3位。レディオシャックはチーム総合成績トップに輝いている。
選手コメントはイタリア・ガゼッタ紙より。
ヴォルタ・アン・アルガルヴェ2010第5ステージ結果
1位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ) 21'32"
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ) +13"
3位 セバスティアン・ロセレル(ベルギー、レディオシャック) +16"
4位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック) +22"
5位 フランティセク・ラボン(チェコ、チームHTC・コロンビア) +23"
6位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック) +30"
7位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル) +35"
8位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ケースデパーニュ) +44"
9位 イマノル・エルビーティ(スペイン、ケースデパーニュ) +46"
10位 マーティン・チャリンギ(オランダ、ラボバンク) +48"
個人総合成績
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ) 19h57'48"
2位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ) +30"
3位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック) +32"
4位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック) +37"
5位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル) +57"
6位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ケースデパーニュ) +1'11"
7位 フランティセク・ラボン(チェコ、チームHTC・コロンビア) +1'16"
8位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック) +1'25"
9位 タジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、チームHTC・コロンビア) +1'33"
10位 ピーター・ベリトス(スロバキア、チームHTC・コロンビア) +1'45"
ポイント賞
アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)
山岳賞
ジェローム・バウニーズ(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
チーム総合成績
レディオシャック
text:Kei Tsuji
photo:www.voltaalgarve.com