2018/05/19(土) - 02:51
エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)が鬱憤を晴らすスプリント勝利。地元ヴェネト州でステージ3勝目を飾ったリオ五輪オムニアム金メダリストがマリアチクラミーノのリード拡大に成功した。
前日のイモラサーキットに続き、ネルヴェーザ・デッラ・バッターリアのフィニッシュは再びスプリンター向き。フェラーラをスタートし、ポー川が作り出した広大なポー平原を北上するコースは真っ平らで、残り19.3km地点に登場する4級山岳モンテッロ(全長2.9km/平均勾配3.9%)がこの日最初で最後の登り。翌日からの山岳決戦を前に、スプリンターチームがレースを支配した。
ブレーカウェイ(逃げグループ)を形成したのは、マルケル・イリサル(スペイン、トレック・セガフレード)とマルコ・マルカート(イタリア、UAEチームエミレーツ)というUCIワールドチーム選手2名と、アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)、アレッサンドロ・トネッリ(イタリア、バルディアーニCSF)、エルゲルト・ズパ(アルバニア、ウィリエール・トリエスティーナ)というお馴染みのUCIプロコンチネンタルチーム選手3名の合計5名。
この日もクイックステップフロアーズとボーラ・ハンスグローエが長時間にわたって集団先頭ローテーションにアシスト選手を送り込んだ。レミ・カヴァニャ(フランス、クイックステップフロアーズ)やチェザーレ・ベネデッティ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)らの集団牽引によって逃げグループとのタイム差は常時2〜3分台を推移する。
2つのスプリントポイントではマルカートとズパがそれぞれ先頭通過。2つ目のスプリントポイントを6番手通過(集団先頭通過)したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)は3ポイントを貯金し、マリアチクラミーノキープへの意欲を見せた。
残り30km地点で一旦フィニッシュラインを通過し、リードを失いながらも急いで4級山岳モンテッロを駆け上がった逃げグループ。メイン集団からはトニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)がカウンターアタックを仕掛け、ここにエロス・カペッキ(イタリア、クイックステップフロアーズ)とダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)がチェックに入る形で数名が抜け出したものの、いずれの動きもリードを奪えないまま4級山岳の頂上を迎える
20秒程度のリードをもってフィニッシュまでの平坦路に入った逃げグループだったが、スプリンターチームが猛烈な勢いで牽引するメイン集団によって残り6km地点で吸収された。逃げ吸収からフィニッシュまで、高低差20mほどの緩い登りが続くラスト6kmをメイン集団は平均スピード53km/hで駆け抜けている。
残り1kmアーチを前にマルコ・コレダン(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)がロングスパートを仕掛けて先行。持ち前のスピードでメイン集団を突き放した元トレック・セガフレードのコレダンを、バーレーン・メリダやロットNLユンボ、EFエデュケーションファースト・ドラパック率いるメイン集団が追撃する。
フィニッシュに向けて熾烈なポジション争いを繰り広げながら、コレダンの吸収ならびにチームメイトのリードアウト終了に合わせてサーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)が早めのスプリントを開始する。残り250mから加速したモードロのスリップストリームに入ったのはマリアチクラミーノのヴィヴィアーニ。トップスピードに乗ったモードロを置き去りにする加速を見せたヴィヴィアーニが、誰にも並ばせることなくフィニッシュラインを切った。
15番手あたりからの追撃を余儀なくされたサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)が追い込みを見せてステージ2位。ダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNLユンボ)がステージ3位に入っている。
メカトラに見舞われたファビオ・サバティーニに代わってミケル・モルコフのリードアウトを受けてポジションを守り、タイミングよくスプリントに持ち込んだヴィヴィアーニ。地元ヴェネト州で今大会ステージ3勝目を飾った。ヴィヴィアーニのトップスピードは69.2km/hで、スプリント中の最大出力は1,310W。
「ここまでバッドデー続きで勝負に絡めない日々が続いた。昨日は寒くて身体が動かず、タンクの中が空っぽだったんだ。久々のグランツール出場が後半戦のパフォーマンスに影響しているのかもしれないと思った。そんな不安を抱えながらのレースで当然ナーバスになっていたので、この勝利は今までの中で最も特別でエモーショナルだ」。
第13ステージを終えて、ポイント賞1位のヴィヴィアーニと同賞2位のベネットの差は40ポイントまで拡大している。ヴィヴィアーニは「マリアチクラミーノのリードを広げることにも成功したし、明日からの山岳ステージをグルペットでしっかりと乗り切りたい」とコメント。第17ステージと第21ステージはスプリンター向きのコースが設定されている。
「今日は今大会ここまでの中で一番イージーなステージだった」と語るのは、マリアローザを着て、トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)から47秒のリードを得た状態で難関モンテゾンコランに挑むことになったサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)。「すでにいくつかの難しい山岳ステージをこなしてきたけど、明日は少し違う戦いになる。ゾンコランは試走していなくてテレビで見ただけ。脚の調子が良いことを願うばかり」と語っている。
前日のイモラサーキットに続き、ネルヴェーザ・デッラ・バッターリアのフィニッシュは再びスプリンター向き。フェラーラをスタートし、ポー川が作り出した広大なポー平原を北上するコースは真っ平らで、残り19.3km地点に登場する4級山岳モンテッロ(全長2.9km/平均勾配3.9%)がこの日最初で最後の登り。翌日からの山岳決戦を前に、スプリンターチームがレースを支配した。
ブレーカウェイ(逃げグループ)を形成したのは、マルケル・イリサル(スペイン、トレック・セガフレード)とマルコ・マルカート(イタリア、UAEチームエミレーツ)というUCIワールドチーム選手2名と、アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)、アレッサンドロ・トネッリ(イタリア、バルディアーニCSF)、エルゲルト・ズパ(アルバニア、ウィリエール・トリエスティーナ)というお馴染みのUCIプロコンチネンタルチーム選手3名の合計5名。
この日もクイックステップフロアーズとボーラ・ハンスグローエが長時間にわたって集団先頭ローテーションにアシスト選手を送り込んだ。レミ・カヴァニャ(フランス、クイックステップフロアーズ)やチェザーレ・ベネデッティ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)らの集団牽引によって逃げグループとのタイム差は常時2〜3分台を推移する。
2つのスプリントポイントではマルカートとズパがそれぞれ先頭通過。2つ目のスプリントポイントを6番手通過(集団先頭通過)したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)は3ポイントを貯金し、マリアチクラミーノキープへの意欲を見せた。
残り30km地点で一旦フィニッシュラインを通過し、リードを失いながらも急いで4級山岳モンテッロを駆け上がった逃げグループ。メイン集団からはトニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)がカウンターアタックを仕掛け、ここにエロス・カペッキ(イタリア、クイックステップフロアーズ)とダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)がチェックに入る形で数名が抜け出したものの、いずれの動きもリードを奪えないまま4級山岳の頂上を迎える
20秒程度のリードをもってフィニッシュまでの平坦路に入った逃げグループだったが、スプリンターチームが猛烈な勢いで牽引するメイン集団によって残り6km地点で吸収された。逃げ吸収からフィニッシュまで、高低差20mほどの緩い登りが続くラスト6kmをメイン集団は平均スピード53km/hで駆け抜けている。
残り1kmアーチを前にマルコ・コレダン(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)がロングスパートを仕掛けて先行。持ち前のスピードでメイン集団を突き放した元トレック・セガフレードのコレダンを、バーレーン・メリダやロットNLユンボ、EFエデュケーションファースト・ドラパック率いるメイン集団が追撃する。
フィニッシュに向けて熾烈なポジション争いを繰り広げながら、コレダンの吸収ならびにチームメイトのリードアウト終了に合わせてサーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)が早めのスプリントを開始する。残り250mから加速したモードロのスリップストリームに入ったのはマリアチクラミーノのヴィヴィアーニ。トップスピードに乗ったモードロを置き去りにする加速を見せたヴィヴィアーニが、誰にも並ばせることなくフィニッシュラインを切った。
15番手あたりからの追撃を余儀なくされたサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)が追い込みを見せてステージ2位。ダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNLユンボ)がステージ3位に入っている。
メカトラに見舞われたファビオ・サバティーニに代わってミケル・モルコフのリードアウトを受けてポジションを守り、タイミングよくスプリントに持ち込んだヴィヴィアーニ。地元ヴェネト州で今大会ステージ3勝目を飾った。ヴィヴィアーニのトップスピードは69.2km/hで、スプリント中の最大出力は1,310W。
「ここまでバッドデー続きで勝負に絡めない日々が続いた。昨日は寒くて身体が動かず、タンクの中が空っぽだったんだ。久々のグランツール出場が後半戦のパフォーマンスに影響しているのかもしれないと思った。そんな不安を抱えながらのレースで当然ナーバスになっていたので、この勝利は今までの中で最も特別でエモーショナルだ」。
第13ステージを終えて、ポイント賞1位のヴィヴィアーニと同賞2位のベネットの差は40ポイントまで拡大している。ヴィヴィアーニは「マリアチクラミーノのリードを広げることにも成功したし、明日からの山岳ステージをグルペットでしっかりと乗り切りたい」とコメント。第17ステージと第21ステージはスプリンター向きのコースが設定されている。
「今日は今大会ここまでの中で一番イージーなステージだった」と語るのは、マリアローザを着て、トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)から47秒のリードを得た状態で難関モンテゾンコランに挑むことになったサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)。「すでにいくつかの難しい山岳ステージをこなしてきたけど、明日は少し違う戦いになる。ゾンコランは試走していなくてテレビで見ただけ。脚の調子が良いことを願うばかり」と語っている。
ジロ・デ・イタリア2018第13ステージ結果
1位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) | 3:56:25 |
2位 | サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) | |
3位 | ダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNLユンボ) | |
4位 | サーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | |
5位 | ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ) | |
6位 | ジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク、BMCレーシング) | |
7位 | マヌエル・ベレッティ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) | |
8位 | クレマン・ヴァントゥリーニ(フランス、アージェードゥーゼール) | |
9位 | バティスト・プランカールト(ベルギー、カチューシャ・アルペシン) | |
10位 | イェンス・デブシェール(ベルギー、ロット・フィックスオール) |
マリアローザ 個人総合成績
1位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 55:54:20 |
2位 | トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) | 0:00:47 |
3位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | 0:01:04 |
4位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 0:01:18 |
5位 | リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター) | 0:01:56 |
6位 | ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ) | 0:02:09 |
7位 | ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) | 0:02:36 |
8位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ) | 0:02:54 |
9位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:02:55 |
10位 | ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 0:03:10 |
マリアチクラミーノ ポイント賞
1位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) | 237pts |
2位 | サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 197pts |
3位 | サーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | 94pts |
マリアアッズーラ 山岳賞
1位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 58pts |
2位 | エステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット) | 47pts |
3位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | 36pts |
マリアビアンカ ヤングライダー賞
1位 | リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター) | 55:56:16 |
2位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | 0:01:21 |
3位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、ディメンションデータ) | 0:01:29 |
チーム総合成績
1位 | ミッチェルトン・スコット | 167:50:23 |
2位 | アスタナ | 0:03:11 |
3位 | チームスカイ | 0:04:07 |
text&photo:Kei Tsuji in Conegliano, Italy
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