2018/03/20(火) - 10:09
3月19日に第98回ボルタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)が開幕。7日間の戦い初日に、21歳の新鋭アルバロホセ・オデーグ(コロンビア、クイックステップフロアーズ)がスプリントで圧勝した。
ボルタ・ア・カタルーニャは例年3月下旬にスペインのカタルーニャ州で開催される1週間でステージレース。大柄マッチョなクラシックレーサーたちが「フランドルクラシック」に向かう中、グランツールを見据えるオールラウンダーや「アルデンヌクラシック」に向けて最終調整に入る軽量なクラシックレーサーがカタルーニャに集う。
第98回大会の総合優勝候補に挙げられるのは、前年度覇者バルベルデとキンタナとソレル(モビスター)、マーティンとアル(UAEチームエミレーツ)、ピノ(グルパマFDJ)、イェーツ兄弟(ミッチェルトン・スコット)、クライスヴァイクとベネット(ロットNLユンボ)、エナオとベルナル(チームスカイ)ヴァンガーデレン(BMCレーシング)、メインチェス(ディメンションデータ)といったトップレーサーたち。第3ステージに登場する標高2,148mの超級山岳バルテル2000と、第4ステージの1級山岳ラ・モリナの山頂フィニッシュが総合争いの舞台。個人TTが設定されないクライマー向きのステージレースだ。
初日はカタルーニャ州の州都バルセロナの北部に位置するカレーリャを発着する152.3kmコース。スプリンター向きの定番ステージだが、登場するカテゴリー山岳は例年よりずっと少ない。獲得標高差は1,600mで、残り18km地点で登場する標高360mの3級山岳コルサクレウ(全長3km/平均4.7%)が唯一の難所だ。
最大3分のリードを築いたトム・ボーリ(スイス、BMCレーシング)やアンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)、マルケル・イリサール(スペイン、トレック・セガフレード)を含む6名逃げを、モビスターやコフィディス、ボーラ・ハンスグローエ率いるメイン集団が追いかける。数少ないスプリンター向きのステージだけに、3級山岳コルサクレウを前にスプリンターチームが逃げグループを捉えた。
集団から飛び出して3級山岳コルサクレウを先頭通過したウィルマル・パレデス(コロンビア、マンサナポストボン)も引き戻される。ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ)のSTRAVAログによると、メイン集団は5%弱の3級山岳を平均スピード32.4km/hで駆け上がっている。
3級山岳を終えた160名の大集団が地中海に向かう下りをこなし、残り10kmを切ってからはモビスターが完全に集団を支配。アタックを許さないスピードで海沿いのアップダウン区間を駆け抜ける。残り3kmを切るとスプリンターチームがポジション争いに参加し、クイックステップフロアーズが4名を揃えて先頭に上がった。
クイックステップフロアーズが台本通りのリードアウトでマキシミリアン・シャフマン(ドイツ)→ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク)→ミケル・モルコフ(デンマーク)とつなぎ、最後は残り150mからアルバロホセ・オデーグ(コロンビア)が発進。サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)らが追撃したが、最高の位置から加速したオデーグが後続に数メートルの差をつける圧勝だった。後方に埋もれたナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)は前に上がるスペースを見つけることができずに7位に終わっている。
「1日中ずっとチームメイトたちに守られて走った。3級山岳の下りで集団中程に埋もれてしまった僕を、ミケル・モルコフが落ち着くよう励ましながら集団の前まで連れて行ってくれた。そこからボブ・ユンゲルスたちの信じられないほどパワフルなリードアウトが始まったんだ。どのチームも望んでいるポジションに陣取って、チームメイトたちの完璧な仕事ぶりのおかげで勝利できた」と、初々しい表情でリーダージャージを受け取ったオデーグは語る。
オデーグは昨年ツール・ド・ラヴニールでステージ優勝を飾った21歳で、同年研修生としてクイックステップフロアーズにジョイン。今年正式にメンバー入りした。3日前にベルギーで行われたハンザムクラシック(1.HC)でプロ初勝利を飾ったばかりで、これがUCIワールドツアーレース初勝利。ティレーノ〜アドリアティコ第2ステージで左手を骨折して戦線を離脱している先輩フェルナンド・ガビリア(コロンビア)の代役を完璧にこなしている。「まさに夢がかなった気分。先週プロ初勝利を祝ったばかりなのに、もうワールドツアー初勝利がやってきた。ネオプロの自分を信頼してくれているチームに勝利で報いたかった」と21歳の新鋭は喜んだ。
ボルタ・ア・カタルーニャ2018第1ステージ ハイライトムービー
ボルタ・ア・カタルーニャは例年3月下旬にスペインのカタルーニャ州で開催される1週間でステージレース。大柄マッチョなクラシックレーサーたちが「フランドルクラシック」に向かう中、グランツールを見据えるオールラウンダーや「アルデンヌクラシック」に向けて最終調整に入る軽量なクラシックレーサーがカタルーニャに集う。
第98回大会の総合優勝候補に挙げられるのは、前年度覇者バルベルデとキンタナとソレル(モビスター)、マーティンとアル(UAEチームエミレーツ)、ピノ(グルパマFDJ)、イェーツ兄弟(ミッチェルトン・スコット)、クライスヴァイクとベネット(ロットNLユンボ)、エナオとベルナル(チームスカイ)ヴァンガーデレン(BMCレーシング)、メインチェス(ディメンションデータ)といったトップレーサーたち。第3ステージに登場する標高2,148mの超級山岳バルテル2000と、第4ステージの1級山岳ラ・モリナの山頂フィニッシュが総合争いの舞台。個人TTが設定されないクライマー向きのステージレースだ。
初日はカタルーニャ州の州都バルセロナの北部に位置するカレーリャを発着する152.3kmコース。スプリンター向きの定番ステージだが、登場するカテゴリー山岳は例年よりずっと少ない。獲得標高差は1,600mで、残り18km地点で登場する標高360mの3級山岳コルサクレウ(全長3km/平均4.7%)が唯一の難所だ。
最大3分のリードを築いたトム・ボーリ(スイス、BMCレーシング)やアンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)、マルケル・イリサール(スペイン、トレック・セガフレード)を含む6名逃げを、モビスターやコフィディス、ボーラ・ハンスグローエ率いるメイン集団が追いかける。数少ないスプリンター向きのステージだけに、3級山岳コルサクレウを前にスプリンターチームが逃げグループを捉えた。
集団から飛び出して3級山岳コルサクレウを先頭通過したウィルマル・パレデス(コロンビア、マンサナポストボン)も引き戻される。ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ)のSTRAVAログによると、メイン集団は5%弱の3級山岳を平均スピード32.4km/hで駆け上がっている。
3級山岳を終えた160名の大集団が地中海に向かう下りをこなし、残り10kmを切ってからはモビスターが完全に集団を支配。アタックを許さないスピードで海沿いのアップダウン区間を駆け抜ける。残り3kmを切るとスプリンターチームがポジション争いに参加し、クイックステップフロアーズが4名を揃えて先頭に上がった。
クイックステップフロアーズが台本通りのリードアウトでマキシミリアン・シャフマン(ドイツ)→ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク)→ミケル・モルコフ(デンマーク)とつなぎ、最後は残り150mからアルバロホセ・オデーグ(コロンビア)が発進。サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)らが追撃したが、最高の位置から加速したオデーグが後続に数メートルの差をつける圧勝だった。後方に埋もれたナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)は前に上がるスペースを見つけることができずに7位に終わっている。
「1日中ずっとチームメイトたちに守られて走った。3級山岳の下りで集団中程に埋もれてしまった僕を、ミケル・モルコフが落ち着くよう励ましながら集団の前まで連れて行ってくれた。そこからボブ・ユンゲルスたちの信じられないほどパワフルなリードアウトが始まったんだ。どのチームも望んでいるポジションに陣取って、チームメイトたちの完璧な仕事ぶりのおかげで勝利できた」と、初々しい表情でリーダージャージを受け取ったオデーグは語る。
オデーグは昨年ツール・ド・ラヴニールでステージ優勝を飾った21歳で、同年研修生としてクイックステップフロアーズにジョイン。今年正式にメンバー入りした。3日前にベルギーで行われたハンザムクラシック(1.HC)でプロ初勝利を飾ったばかりで、これがUCIワールドツアーレース初勝利。ティレーノ〜アドリアティコ第2ステージで左手を骨折して戦線を離脱している先輩フェルナンド・ガビリア(コロンビア)の代役を完璧にこなしている。「まさに夢がかなった気分。先週プロ初勝利を祝ったばかりなのに、もうワールドツアー初勝利がやってきた。ネオプロの自分を信頼してくれているチームに勝利で報いたかった」と21歳の新鋭は喜んだ。
ボルタ・ア・カタルーニャ2018第1ステージ ハイライトムービー
ボルタ・ア・カタルーニャ2018第1ステージ結果
1位 | アルバロホセ・オデーグ(コロンビア、クイックステップフロアーズ) | 3:39:31 |
2位 | サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) | |
3位 | ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | ミケル・モルコフ(デンマーク、クイックステップフロアーズ) | |
5位 | ロベルト・フェラーリ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
6位 | ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
7位 | ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) | |
8位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | |
9位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ) | |
10位 | ザッカリ・デンプスター(オーストラリア、イスラエルサイクリングアカデミー) |
個人総合成績
1位 | アルバロホセ・オデーグ(コロンビア、クイックステップフロアーズ) | 3:39:21 |
2位 | サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:04 |
3位 | アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ) | 0:00:05 |
4位 | ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:06 |
5位 | ミケル・モルコフ(デンマーク、クイックステップフロアーズ) | 0:00:10 |
6位 | ロベルト・フェラーリ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
7位 | ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
8位 | ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) | |
9位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | |
10位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ) |
山岳賞
1位 | ウィルマル・パレデス(コロンビア、マンサナポストボン) | 3pts |
2位 | ホセ・ロハス(スペイン、モビスター) | 2pts |
3位 | マルク・ソレル(スペイン、モビスター) | 1pt |
スプリント賞
1位 | トム・ボーリ(スイス、BMCレーシング) | 5pts |
2位 | アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ) | 5pts |
3位 | ダニエル・テュレク(チェコ、イスラエルサイクリングアカデミー) | 1pt |
ヤングライダー賞
1位 | アルバロホセ・オデーグ(コロンビア、クイックステップフロアーズ) | 3:39:21 |
2位 | ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 0:00:10 |
3位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ) |
チーム総合成績
1位 | ボーラ・ハンスグローエ | 10:58:33 |
2位 | クイックステップフロアーズ | |
3位 | バーレーン・メリダ |
text:Kei Tsuji
photo:Volta Ciclista a Catalunya
photo:Volta Ciclista a Catalunya
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